森内薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ難しかったけど、おもしろかった。
世界史でこんな人いたな〜こんなことあったな〜とうろ覚えの中読んだ。
個人的に印象的だったのは、10章で書かれている内容で
・中国は2000年にわたって中央集権体制で過ごしたのに対し、ヨーロッパは政治的な分裂を長きにわたって過ごしている
・中世までは地理上の連結の影響により、中国の方が経済的、技術的に進歩する
・産業革命時代では技術を活用するには、競争や文化の流動性が役に立つため、ヨーロッパの方が経済的、技術的に進歩する
・つまり人類史の巨大な歯車が加速し、技術の進歩が速まってたときには、地理上の連結性が低い方が成長に適しており、逆転劇が起こる
ということ -
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Posted by ブクログ
副題がしめすように、経済成長と不平等の起源に関する壮大な人類史。
本の前半では、まず経済成長の起源について説明がなされる。大まかには、産業革命や技術発展が原因なわけだけど、著者は産業革命で全く違う原理で世界が動き始めたとはみていなくて、産業革命以前からの変化が積み重なって一種の相転移のようなものがおきたとする。そのドライバーとして人口の役割を重視している。産業革命の前と後の連続性を指摘するところはなるほどな議論ではあるが、それほどの驚きはない。
後半では、格差の起源ということになるが、ここで扱われるのは、ある社会のなかでの階層的な格差ではなく、国ごとの経済格差。なぜならば、そちらのほうが大 -
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Posted by ブクログ
ネタバレヒトラーが現代のドイツにタイムスリップし、ヒトラーそっくり芸人としてテレビに出て大受けするのがあらすじ。ヒトラーを一人称として物語が進行するため「ヒトラーがどのように世界を見てたのか」というところが読み応えがあるポイント。
「おそらくドイツ人ならもっと楽しめるんだろうな。。。」と思える、よくわからない描写が多かったりして楽しめないところが多かった。
ずっとトルコ人女性が多いという描写があって何のことを言ってるんだろうと思ったら、目元を黒くするヘビメタ風メイクをしている女性のことを言っているのか、とか。
ヒトラーの抱く感想には、結構共感するところもあるのだが、所々全く共感できないポイントがあ -
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Posted by ブクログ
第二次大戦当時、自殺したとされたヒトラーが70年後の現代に蘇り、当初は本人似のコメディアンとして認知されるものの、メディアを通じて次第に人気が出て行って…という話。
読んでて面白いのに、読みすすめていく内にとんでもなく不安になる不思議な小説。
その不安は①そもそもヒトラーの話を面白おかしく読んでしまってる自分がいるけどいいのだろうか?②ドイツやイスラエルの読者はこれ読んでどんな気持ちになるんだろ?③これはヒトラーの事例だけど、似たような状況が知らぬ間に起こり得るってことだよね?、といった具合に様々な思いが入り混じって押し寄せてきます。
巻末のニューヨークタイムズの書評やイスラエルでの版権を獲得