森内薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前書は、経済を「善と悪」の視点からその西洋における歴史と成長の要因を検討・分析したが、本書では、現実の経済を人に見立ててその精神分析をしようというものである。本書の内容について著書の中で触れているのでそれを引用してみよう。
「この本は経済を心理学的な視点から見ようという本だ。だから、心理学がするような質問を次のようの問いかけてみたい。システムとしての経済はいつになったら、なんの世話も助けも借りずにやっていけるようになるのか? いつになったら自分自身と、そして自分自身の問題と折り合いをつけられるのか? 経済という肉体は、いつ成長を止めるのか? いつ大人になるのか? 健康な子どもがすくすくと成長し、大人になったら体の成長はもう期待できなくなるように(その段階で期待されるのは、肉体よりも精神の成長だ)、経済も大人になるのだろうか?まだなっていないのだとしたら(私たちはみな、経済の成長の途上であると思いたがっている)、いつ大人になるのだろう?」
正直なところ、一般の人は精神分析というものにそれほどの馴染みがないせいか、ややわかりにくい面がある。しかしながら、多くの神話やお伽話などが引用されているので、比較的退屈せずに読み通せると言える。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ真剣に国と国民のことを考えるヒトラーと、彼の言動をギャグだと受け取る現代ドイツ人。というすれ違いギャグのコメディ。
上巻は芸人としての第一歩を踏み出したところで終章。
独裁者を作るのは行き過ぎた愛国心だというのをどこかで読んだが、この作品のヒトラーはまさにそんな感じ。なんでそんなポジティブに前進できるの。
結構失礼なことも言うが、言い方と彼の態度が言われる側を笑わせる結果になっている。
ユダヤについては、「ユダヤの陰謀!」と彼が考えることはあっても、ユダヤをあからさまに罵倒・差別する言動はない。
後ろに結構な数の注釈が乗っている。
一緒に仲間がタイムスリップしてきてないかなあ、とウロウロしたり、当時の仲間や妻のことを考えて少し落ち込むシーンのヒトラーは人間臭くて好き。 -
Posted by ブクログ
ヒトラーが2011年のドイツに、どういうわけかよみがえる。
人々は最初当惑しながらも、そういう芸風のコメディアンだろうと「善意に」捉えていく。
70年近くのブランクがあって、突然やってきたヒトラー自身も、現代社会に大いに戸惑っているのだが、実は読んでいる自分自身も相当戸惑った。
抱腹絶倒のコメディ、らしいのだが、ドイツの状況がよく理解できていないため、今一つ乗り切れない。
翻訳者の森内さんが苦心に苦心を重ねたヒトラーのモノローグも、ああ、きっとそんな風な言葉遣いになるんだろうな、と思うばかり。
そのミミクリーを楽しめるほど、こちらが成熟していないというか。
それでも、途中で読みやめようとは思わなかった。
ヒトラーがお笑い芸人になってしまうというストーリーはなんとなく知っていたにもかかわらず、だ。
彼が何を言い、周囲の人がどう反応するのかが気になってしまうからかも。 -
Posted by ブクログ
映画を先に観て面白かったし、原作だと結末などが違うと聞いたので読んでいます。
現代に蘇ったヒトラーが文明の利器に翻弄されてるさまはなんだかかわいらしくみえて笑えます。
ですが、やはりヒトラーはヒトラーですから思想が相容れないというか恐ろしいところがある。
暴走運転は良くない、など真っ当にいいことも言ったりするのですが、どうも戦争や民族のこととなるとやはり怖い。
なので小説として面白いは面白いのですが、面白いと言ってしまっていいのか困ります。
あと、私にもっとドイツの戦争時代と現代の知識があればさらに楽しめるんだろうなと思って自分の知識不足が悔やまれます…。
なんにせよ下巻も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
映画の方を見ました。
面白い作風。現代のねじれまくったドイツをうまく描いているなと感心しました。
とても複雑。
・こんな風に右または極右に、世論は流れてしまうかもしれないんだよ
と言う事も言いたいのかもしれないけど
・ユダヤだからダメとか汚れてとか出てけとかはダメだと思う
・けど移民が街を荒らしているのは良くないと思う
移り住まわせて貰っている社会に敬意を払わず、荒らすのは絶対ダメ
・それは言って良いんじゃないかと思うし 言えない風潮は良くないと思う 70年も前の事を恥じて慎ましく行動するドイツ人はすごいと思う
・ウクライナの人とかも、悲しくて働けません、とかでずっと無職で税金食って暮らしてるとか聞く 難しいところだけど、ちゃんと感謝して復帰すべき労働力になって恩を返すべきだと思う 何かしらは出来るでしょう 働いた方が忘れられるかもしれないしさ
恩を仇で返すのはダメだよ
・ヒトラーを投入した事で、タブーに切り込むことに成功した 製作陣の手腕を買います ほんとの事が言いにくすぎるのは間違ってる
良い映画でした