森内薫のレビュー一覧
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購入済み
ホロコースト物が好きで購入しました。残虐な場面がなく安心して読めます。収容所の話は心が痛みますが歴史を知るのは大事ですので。翻訳文も上手だと思いました。
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Posted by ブクログ
テレビで紹介され、興味を持った本(オープニングしか見ていないが)。わずか4歳でアウシュヴィッツを経験した著者が、「ホロコーストは存在しない」と言う言葉を聞いた事が、本書の出版のきっかけとなったという。私自身、小学生の時に読んだ数冊の本でしか知らないその悲劇。でも、実際はアウシュヴィッツの前後にも想像を絶する迫害を受けていた事をこの本で知った。著者の経験した年齢が4歳のため、確実な記憶が少ないとされつつも、奥様、娘さんによる調査や、同じく生還した親類達の証言により、とても生々しく、細かく綴られています。次の世代にも語り継がれるようにと、非常に分かりやすく、物語形式で書かれた本書。著者がこの本に込
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Posted by ブクログ
ヒトラーがヒトラーの姿のまま現代に甦るので、彼を見た人は彼をコメディアンだと勘違いした。
ヒトラーになりきった物まね芸人だと。似ているのは当たり前、だって本人だもん。でも誰も本人だとは思っていない。これも当たり前。だから滑稽なのだ。
そこで、この物語の続編を勝手に想像してみる。
コメディアンとして人気が出てきヒトラーはメディアの寵児となる。彼の威勢の良い演説に感化された人々は、彼の語る未来像に期待を抱き始める。彼の言うことは尤もだ。彼は我々の不満を代弁してくれている。彼を支持する人は瞬く間に増えていった。
視聴率を稼ぎたいメディアは彼をどんどん登場させる。そしてメディアを味方につ -
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Posted by ブクログ
これは美しく、切なく、温かい物語だ。スポーツ・ノンフィクションで
あり、政治の話であり、戦争の話であり、ひとりの青年の成長の
物語でもある。
著者は著作を通してひとりの老人と知り合う。ふたりを巡り合わせた
本の話は、いつしか老人の人生へと移って行った。それが本書を
書くきっかけとなった。
老人の名前はジョー・ランツ。1936年、ナチス政権下で開催された
ベルリン・オリンピックに8人漕ぎボートのアメリカ代表として同じ
ワシントン大学ボート部の仲間と一緒に出場した。
このジョー・ランツを核として物語は進む。ランツの人生だけでも
充分過酷なのだ。大恐慌後のアメリカで実母を早 -
Posted by ブクログ
この本には、「健康」で「長生き」ができる秘訣がたくさん紹介されている。確かに、長生きしたいと言っても、健康でなければ意味がない。その健康長寿に欠かせないのがテロメアという染色体のキャップの長さだということが分かった。テロメアは日々のストレス、加齢によってどんどん擦り減り、短くなっていく。見た目年齢もその一つ。年齢の割に若く見える人はテロメアが長い人だ。テロメアは生活の中のちょっとした工夫で伸ばすことができる。簡単に言うと、体にも心にも良い生活を送るということだが、そのためには有酸素運動、瞑想、食事、睡眠などがある。この本の原書の著者がテレビに出ていたので見てみたが、なるほど、実年齢よりも若く見
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Posted by ブクログ
1936年、ベルリンオリンピック。ボート競技の花形エイトに賭けた青春。
ボートを知らなくても楽しめる、とありましたがその通り。
コックスを含めた9人の若者が集まるまで、が序章。たまたま筆者の隣家に住んでいたジョーランツを中心にして話は進みます。
見せ場はたくさん有ります。1年生としての東部の大学対抗戦での優勝、2年生の時のポキプシーでの優勝、3年生の時の連覇、そしてオリンピック代表選考会での優勝。
それぞれが劇的な勝利で、また単調なレース(ホントはそうじゃないんだろうけど素人にはそう見える)を手に汗握る駆け引きの描写にしてしまう作者の力量も凄い。
時代を感じさせる描写もあって興味深い。ベルリン -
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Posted by ブクログ
ネタバレホロコーストに関する本は何冊も読んできているけど、4歳の子どもがアウシュヴィッツで生き残ったという話は聞いたことがないし、信じられない話だと最初は思った
でもこれは、著者自身の記憶と親族らによる証言を元に書かれたノンフィクションであり、綿密なインタビューと歴史資料によって裏付けられた話だそうだ
当時4歳だったマイケル少年が母親や祖母と共にアウシュヴィッツで生き延びられたことは、本当に奇跡的な出来事だったに違いない
彼らはいくつもの幸運と機転によって死を逃れることができた。チフスに罹って入院したことさえも幸運に繋がったのだから
かれらはホロコーストを生き延び、生き残った親族たちと再会し、その後 -
Posted by ブクログ
映画より原作の小説の終わり方の方がリスキーだ。
ヒトラー礼賛とも歴史終戦義への皮肉とも、どちらにもとらえられるからだ。その人の価値観、教養をあぶり出すリトマス試験紙のような結末だった。
ヒトラーの実直さには惚れる。しかし、ドイツ国家を思うが故のユダヤ人への排外主義と婚外子や外国人雇用への徹底した合理的思考は怖い。
世界大戦前とは時代があまりに変わっていることの、ヒトラーの目からみた描写は面白い。しかし、人々の心象に現状への不満が滲む部分は変わらない。政治や文化の部分の劣化は否めないのは物悲しい。
時代は変わっている。悪く変わっている部分、よく変わっている部分。けれども変わらない部分もある -