【感想・ネタバレ】4歳の僕はこうしてアウシュヴィッツから生還したのレビュー

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Posted by ブクログ

とても読みやすいが、とてつもなく重たい話だった。ユダヤ人というだけで気まぐれに殺されていく描写。人は人に対してここまで残酷になれるのか。奇跡、運、金、コネに恵まれアウシュヴィッツを生き抜いた4才のマイケル。アウシュヴィッツを出ても幸せにはならない。なぜユダヤ人というだけでこれほど憎まれるのか純粋に分からない。が、読めて良かった。

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2023年01月20日

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アウシュビッツ関連の本はいろいろ読んだが、この本はその中でもかなり衝撃を受けた本だ。
主人公が4歳だったこと。
過酷なアウシュビッツで生き延びたこと。
その理由が偶然のできごとだったこと。

この本は「ホロコーストは嘘だ」と主張する人たちへの反論として書かれた。「ホロコーストは嘘だ」と主張する人がいることが私にとっては信じられないことだ。

一点気になったことは、ジャルキに戻ってきたユダヤ人の大半が著者の親族だったことだ。著者の親族は金持ちが多かったのか? それとも。。。いろいろ考えさせられた。

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2021年06月14日

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当時の状況がよくわかった。途中読んでいてとてもしんどくなくようなシーンも度々出てきたが、その分アウシュヴィッツから出た後の本の後半部分は感動的だった。
主人公の父親が絶望の中起こした行動、収容所での母親や祖母の勇気ある行動、ヒルダおばさんの、常に前向きでありなさいという言葉、などから状況が絶望的ななかでも最善のことをして未来を切り拓いていけるんだと希望をもらえた。とても良い本に出会えた。

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2021年04月03日

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本当に面白かった。

アウシュビッツで生還した収容者の物語。ホロコーストはなかったとか信じる奴らに対しリアルな経験を物語る。まあでも普通文明人が一つの民族を根絶やしにしようと考えるなんてありえないって考えてもおかしくないよな。事実は小説より奇なり。

ゲットーの物語、アウシュビッツでの苦痛など現実味が溢れていて、ノンフィクションの惨劇にめまいがする。ユダヤ人嫌い嫌いになるぞ。わずか4歳でアウシュビッツ入りする子供に同情するし、そこで子供を守るために全力を尽くした母と祖母に涙が出る。父は賄賂という方法で同胞を救ったが、言うなればこれは救えない人間を選ぶということでもあるから心が傷んだろうと感じた。キツイな。ナチのクズめ。

ジャルキでの苦悩の日々から、ピョンキでの多少マシな日々を経てアウシュビッツに行ったのは本当に幸運だったと思う。ピョンキでのまともな(それでも健康で文化的とは言えないだろうが)生活のおかけでアウシュビッツを乗り越えられたという面はあるだろう。「死の行進」を避けたのは本当に幸運で驚嘆する。

母子の再会が最高。これは涙が出る。生きててよかったねえ。父と兄がなくなったのは悲劇だが、母、子、祖母が生き残ったのは20世紀最大の奇跡だろう。隠れん坊の世界チャンピオンに幸あれ。

ユダヤ人を石鹸にするクズどもに対し、母の「それなら私はとびきり上等の石鹼になるわ、イズラエル。ラベンダーの石鹼、それともライラックやローズヒップ?」好き。

たまーにだがまともなドイツ人がおり、それを描写している点も評価できる。流れには逆らえないけど自分のやり方で差別と戦う姿は良い。こういう人を描いたノンフィクション本も読みたいね。

オーウェルのエッセイを読むと感じるが、ヨーロッパ人のユダヤ人嫌いって根拠がない上に根深いよなあ。

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2021年02月18日

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以前に一度読んだことがあったことを、読み始めてから気がついた。
ただ、『アウシュビッツの図書係』の後に読んだことで、重なる部分を違う視点で見ることができて、より立体的なユダヤ人迫害像に迫ることができた。
この本の前半は住んでいた街でのゲットーの始まりからアウシュビッツでの生活に至るまでを描き、後半ではアウシュビッツを出てからの生活を描いている。
アウシュビッツを出てからの生活についてはあまり読んだことがなかったので、興味深かった。
また、この本の冒頭で述べられていたように、すでにこの経験から長い年月が経っており、記憶していることが、本当のことなのか、そのように想像していたのか定かではないため、あまり話したくなかったという点では実に誠実な対応に感心する。この本はそれが思い込みでないことを証明するため、さまざまな資料に当たりながら書かれたものだ。信頼に値する立派な体験記である。

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2020年09月09日

購入済み

ホロコースト物が好きで購入しました。残虐な場面がなく安心して読めます。収容所の話は心が痛みますが歴史を知るのは大事ですので。翻訳文も上手だと思いました。

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2020年05月05日

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テレビで紹介され、興味を持った本(オープニングしか見ていないが)。わずか4歳でアウシュヴィッツを経験した著者が、「ホロコーストは存在しない」と言う言葉を聞いた事が、本書の出版のきっかけとなったという。私自身、小学生の時に読んだ数冊の本でしか知らないその悲劇。でも、実際はアウシュヴィッツの前後にも想像を絶する迫害を受けていた事をこの本で知った。著者の経験した年齢が4歳のため、確実な記憶が少ないとされつつも、奥様、娘さんによる調査や、同じく生還した親類達の証言により、とても生々しく、細かく綴られています。次の世代にも語り継がれるようにと、非常に分かりやすく、物語形式で書かれた本書。著者がこの本に込めた想いは、確実に広く伝わっている。

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2018年11月18日

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ホロコースト生存者のノンフィクション。
本物にしかない迫力がある。

アウシュビッツから解放された後にも
たくさんの困難があったことが
興味深い。

奇跡の物語。

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2018年07月08日

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ユダヤ人の主人公ボーンスタイは、4歳の時に「死の収容所」と呼ばれるアウシュヴィッツから奇跡的に生還した。過去を語ることを避けていたが、ホロコースト否定論者たちに幼少期の写真が使われていると知り、証言を残そうと決意する。本書は、彼の断片的な記憶を、家族・親戚の証言や歴史資料で補強しながら、一つの物語として展開していく。

彼はナチス支配下のポーランドのゲットーで誕生した。父がユダヤ人社会の有力者であったことから、当初は収容を免れていたが、終戦近くに収容所に移送された。子どもや女性たちが移送後すぐに命を奪われる中、祖母が彼を守り抜き、奇跡が重なったことで命をつなぐことになる。

戦争の意味さえ知らない純粋な子どもの目線で、収容所生活の戸惑いや悲しみ、ひもじさが語られており、より胸に迫るものがあった。戦争がいかに弱者を傷つけ翻弄するのかを痛感させられた。

深い傷を抱えた収容者たちにとって、収容所からの解放は、新たな試練の始まりを意味していた。生活を立て直す過程で、さらなる迫害や困難に直面した。ホロコーストの悲しい歴史を綴るとともに、第二の人生を力強く築いていったボーンスタイ家の人々の意志の強さに心を動かされた。杉原千畝との関係も記されており、日本とのつながりも感じられた。

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2021年05月25日

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1940年にドイツ占領下のポーランドに生まれたマイケルは、家族の愛を一身に受けながら成長するも、状況は悪化し、わずか4歳でアウシュビッツに送られた。
労働力にならない子供や老人は真っ先に殺されていったなかで、彼は6ヶ月後、奇跡的に生還を果たした。運もさることながら、母親や祖母、まわりの大人たちの、必死な努力での生還。
幼子の目に映った収容所でのむごい出来事、生還できたとはいえ、そのすさまじい体験は一生背負って生きることとなる。
今年もまた、もうすぐ敗戦の記念日がやってくる。
余所事とか、他人事ではなく、ひとりひとりが考えていただきたい。

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2019年08月11日

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アウシュビッツ関連の本は小中学生のときに読み漁ったが、収容所からの生還後の話を書いているものがなかったので、当時の惨状に驚いた。
少し文体が読みにくかったが、読む価値はあると思う。

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2021年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アウシュビッツを生き抜いた、というだけでなく、その後が長く描かれているのがとても興味深かった。
自分たちの家を奪われたり、故郷に戻っても差別が続いたり、ホロコーストから帰還したからといって彼らの生活がすぐに好転したわけではなく長く不遇の時代が続いたことが切々と伝わってきた。
そして何より母は強い。絶対に生き抜いて、子供を探し出してみせるという信念を貫いていた。

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2019年02月07日

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時々、戦争関係の本を読んだり、知識を入れたりする必要があるな、と思う

それにしても「水から茹でた蛙は飛び出せない」という言葉を思い出す

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2018年11月27日

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もう10年前くらいにアウシュビッツの強制収容所を訪れたことがある。有名なArbeit macht frei の看板も見たし、大量のユダヤ人の髪の毛とかシューズの山の展示物も見たことがある。
どこか他人事になっちゃうけど、当時4歳の子どもが体験した経験としてはあまりにも悲惨。周りの家族、大人たちの執念と奇跡によって生き延びることができた、無事でほんと良かったあって思った。
アウシュビッツからの生還がクライマックスかと思ったらその後の再起の物語と戦後にもはびこるユダヤ人差別の実情が暗澹とした気持ちと希望に燃える輝かしさを感じ取れて寧ろ後半わくわく読み進めることができた。
しかし、家族の別れと再会の物語は涙を誘うわ。感動。

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2018年11月18日

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アウシュヴィッツを奇跡的に生き抜いたマイケル。戦後、同じく生き抜いた母親と移住した米国で結婚したが、長くアウシュヴィッツのことは語らなかった。しかし、上映されていた映画のドキュメンタリー部分にアウシュヴィッツから解放された自分を見て驚く。そして、ネットで検索するとその写真はすぐに見つかり、その子どもたちの健康そうな姿に、アウシュヴィッツはユダヤ人のでっち上げだ、という書き込みまで見つけてしまう。その写真は、アウシュヴィッツを解放したソ連軍が、数日後に記録のためにもう一度解放時の服装をさせて撮ったもので、連合軍の手厚い保護のおかげで健康を取り戻した後の写真だったのだ。マイケルは、娘のデビーの協力のもと、一家や親戚のたどった苦難の道を書き残すことにしたのが本書である。
当時のポーランドのユダヤ人社会の実力者であった父親の判断と、たくさんの幸運に恵まれ生き延びたマイケルと祖母。戦後亡くなっていたと思っていた母親との再会。調べあげた事実を淡々と記していることがより考えさせる。

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2018年06月11日

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