佐藤航陽のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
未来の予測にあっては知識の多さも重要なことではあると思うのだが、実践を踏まえたものでなければ点の情報を線や面で捉えることが難しくなるようだ。確かに、マニュアルを頭に入れていても、実際に身体を動かし、能動的に効率よく物事を動かすには実際に運用をしてみないと分からない部分もある。
話が脱線したが、本書においてテクノロジーが様々な境界を溶かすという記載は、最新のデバイスを用いた社会的な実践による大きな変化と考えることもできるのではないだろうか。
本書は思考法の解説というよりは、革新を起こすリーダーたちの共通点を探っていく類いの書籍である。今でも色褪せることのない記載が満載であるので、是非一度手 -
Posted by ブクログ
・お金と価値についての哲学
ありきたりなビジネス書と思って読み始めたら、深い深いお金と価値についての哲学書だった。
お金2.0とは、ざっとまとめると、現在使われている日本円などのお金1.0が担っていた価値の交換・保存・尺度という役割を代替する新しい価値媒体のこと。
お金1.0が利用価値という「役に立つか立たないか」の価値しか媒介しないのに対して、お金2.0はブロックチェーンをはじめとした新技術によって、感謝や共感などの感情的な価値や、奉仕活動などの社会的価値を媒介することが可能になる。
著者の佐藤さんはまさにそう言った利便性に限定されないお金2.0として、時間を売り買いできる時間通貨を -
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Posted by ブクログ
本書の発行年度は2017年であるが、今でも十分進歩的であると思える部分が大量にあり、改めて佐藤氏の先見性に頭が下がる。お金に対する考え方が今後も変化してゆき、相対的価値が薄れてゆくと言っている部分は興味深い。貨幣経済一辺倒から評価経済という考え方が加わり、貨幣のあり方もビットコインをはじめとするトークンがその価値を認められる時代がやってきた。将来肉体労働はロボットに任せ、知的労働もAIに取って代わられるだろう。失業者にはベーシックインカムが支給され最低限の生活は保障される。働かなくてもお金が手に入るようになると、金銭獲得に対する意欲が薄れ、お金の相対的価値が薄れてゆくと言うロジックだ。資本主義
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Posted by ブクログ
非常にエキサイティングでした。逼塞する資本主義を嘆く本は今まで数多く読んできました。しかしながら一体我々は次にどんな社会システムを目指せば良いのか、という問題にここまで妥当且つ具体的なビジョンを明示してくれたのは本書が初めてかも知れません。
本当にこんな社会が有り得るのか、実現可能なのかは議論の余地があるかとは思いますが、自分は前向きに支持したいと思えました。
比較的若い方の書かれた本ということもあり、五十代六十代の偉い学者先生からは出てこない斬新な発想だと思います。
半ばSFの世界を髣髴とさせるような未来予想図ではありますが、一方で現実的な面も確かにあります。資本主義に代わる、