【感想・ネタバレ】お金2.0 新しい経済のルールと生き方のレビュー

あらすじ

【発売前重版決定!話題沸騰】
仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミー、評論経済。
「新しい経済」を私たちはどう生きるか。
メタップス創業者が明かす、資本主義の先の世界。

〈資本主義を革命的に書き換える「お金2.0」とは何か〉
2.0のサービスは、概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。あまりにも既存社会の常識とは違うので「今の経済」のメインストリームにいる人たちにとっては懐疑や不安の対象になりやすいといった特徴もあります。そして、それこそが全く新しいパラダイムであることの証でもあります。本書ではまずお金や経済の仕組みから、テクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」のカタチ、最後に私たちの生活がいかに変わるか、の順番に解体していきます。

第1章 お金の正体
・お金とは何か?・仮想通貨は鏡の世界?・膨大なデータから見えてきた「経済システム」の構造・経済とは「欲望のネットワーク」・人の手で経済は創れるか?・発展する「経済システム」の5つの要素・ビットコインに感じた「報酬設計」の秀逸さ・持続的に成長する組織の条件・「小米(シャオミ)」に学ぶ経済圏の作り方
・経済と脳の深い関係・自然の秩序に反したルールの危険性・ダ・ヴィンチには見えていた“ひとつの世界”…
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
・今起きているのはあらゆる仕組みの「分散化」・分散化する社会とシェアリングエコノミー・中国がリードするシェアの世界・国家を代替するトークンエコノミーの可能性・「自律分散」という次世代の成功モデル・AIとブロックチェーンによる無人ヘッジファンド・テクノロジーによって経済は「作る」対象に変わった…
第3章 価値主義とは何か?
・限界を露呈し始めた資本主義・資産経済の肥大化と金余り現象・資本主義から「価値主義」へ・「共感」や「感謝」などの内面的な「価値」の可視化と流通・「評価経済」の落とし穴・社会的な価値・ソーシャルキャピタルの可視化・ベーシックインカム普及後の「お金」・複数の経済圏に生きる安心感・タイムバンクとVALUの正体・デジタルネイティブからトークンネイティブへ・「価値主義」とは経済の民主化である…
第4章「お金」から解放される生き方
・人生の意義を持つことが「価値」になった世代・「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ・人間の心は放っておくとすぐサビる・「お金」のためではなく「価値」を上げるために働く・枠組みの中での競争から「枠組み自体を作る競争」へ…
第5章 加速する人類の進化
・お金にならなかったテクノロジーに膨大なお金が流れ込む・電子国家の誕生:エストニア
・宗教と価値主義・「現実」も選ぶ時代へ・人類の経済圏は大気圏を突破する・「お金」は単なる「道具」である…

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お金の価値が変わる!2018年に読むべき1冊!
著者の佐藤航陽氏は時間を売買できるサービス「タイムバンク」を運営する株式会社メタップスの創業者。お金に苦労した少年時代の経験から、お金について自身がこれまでの人生で感じてきたすべてが語られている本作。
人間の仕事の大半がAI(人工知能)に取って代わり、ベーシックインカムが実現した世界ではもはやお金のために働く必要がなく、金から国が発行する紙幣に価値が代わっていったように、お金が個人の内面的な価値(感動、共感、熱狂、信頼etc)に代わるだろうと予測している。動画配信サービスに投稿するアイドルへの投げ銭、ソーシャルゲームの課金、クラウドソーシング、仮想通貨…すでにその兆候が現れ始めている今、非常に納得できた1冊でした。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

8年前の本にも関わらず、内容の鮮度が全く落ちていないことが驚き。テクノロジーがもたらした新しい経済について解説されている。
役に立つ有用性のみを価値として認識する資本主義に対し、現在は、人間の内面的な価値や全体の持続性を高めるような社会的な価値も全て価値として取り扱う価値主義と著者は呼んでいる。
者二つの新たな価値は、今まで目に見えなかったため価値として認識ができなかったが、現在ではスマホの普及により、様々な内面的な反応もデータとして可視化できるようになった。

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

特に4章、5章が素晴らしい。
また、2章のテクノロジーの話は読んでいて合点がいくことが多くうまく言語化されてて面白かった。

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2025年02月16日

Posted by ブクログ

経済システムがSNSや脳のシステムと同じと考えるとすごくわかりやすい。
経済って面白い!ってなる。


物を持たない人が増えてる今、お金の価値は下がってきている。
反対にお金では買えない価値が上がっている。
そう考えると、お金を目的にしてるのはバカらしいと思う。


自分が夢中になってる事に対して、「それはお金になるの?」と聞かれたことがあったけど、この本を読んだら何て馬鹿げた質問なんだと思えた。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

モノやサービスを消費する「使用価値」ではなく、「人間の内面的な価値」に関しては、現在の資本主義の枠組みでは上の世代が認識しにくく、大きなチャンスが存在する

→共感、熱狂、信頼、好意、感謝
→金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中しているほど結果的に利益を得られるようになる
楽しい事、共感できる事!
→自分なりのスタイルや個性を追求していった人には、熱狂的なファンがつく

熱中できることはどうやったら見つかる?
→1日中やっていても苦痛ではないこと
→他人から異常に詳しいと言われたこと
→なぜそんな事を気にするのかと言われたこと
→心が錆びる : 何を見ても何も感じなくなること

価値主義の世界では、「自分の価値を高めておけば何とでもなる」世界が実現しつつある
→本当に価値を提供できる人は会社に属して働く必然性が消えて来ている
→事業戦略、CSR、ブランディングを個人単位でもやる必要が出てくる
→日々の業務でも、本当に今の活動が自分の価値向上につながるのか見直す(例え年収が高くとも!)

枠組みの中の競争ではなく、自分なりの独自の枠組みを作れるかどうかの競争になる!

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

▪️読むきっかけ
お勧めされた。

▪️筆者「佐藤航陽」とは?
福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年に
株式会社メタップスを設立し代表取締役に就任。
2011年にアプリ収益化支援事業を開始。
世界8拠点に事業を拡大。
2013年より決済サービスを立ち上げる。
2015年に東証マザーズに上場。
累計100億円以上の資金調達を実施し、
年商100億円以上のグローバル企業に成長させる。
フォーブス「日本を救う起業家ベスト10」、
AERA「日本を突破する100人」、
30歳未満のアジアを代表する30人
「30 Under 30 Asia」などに選出。
2017年には時間を売買する「タイムバンク」の
サービスの立ち上げに従事。宇宙産業への投資を
目的とした株式会社スペースデータの代表も兼務。

▪️この本について
「資本主義」を革命的に書き換える「お金2.0」とは 何か。2.0のサービスは、概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。その典型がビットコインです。あまりにも既存社会の常識とは違うの で「今の経済」のメインストリームにいる人たちにとっては懐疑や不安の対象になりやすいといった 特徴もあります。そして、それこそが全く新しいパラダイムであることの証でもあります。本書ではまずお金や経済の仕組みから、テクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」のカタチ、最後に私たちの生活がいかに変わるか、の順番に解体していきます。

テクノロジーによって変わる
これからの経済をつかむ必読書。

▪️要約(印象に残った部分)
P.220
▪️今の日本の現状
・少子高齢化と人口減少で経済縮小
・ものやサービスは飽和状態
・古くからある企業が強いまま
→20.30代が競争していくのは相当「分が悪い」

しかし!
人間の内面的な価値に関しては、現在の
資本主義の枠組みでは上の世代が認識しにくく、
このには大きなチャンスが存在している。

P.229
▪️この先高める必要のある個人の価値
①スキル・経験のような実用性としての価値
②共感や好意のような内面的な価値
③信頼・人脈のような繋がりとしての社会的な価値

▪️感想
これからは個人の価値の有無によって、
お金無しに生きる事ができないこの経済社会では
生き方がかなり左右される時代なので、
日々自分の生き方について長い目で見つめるよう
意識し、その生き方をする為の戦略を立てる事
(上記のような①②③)が大切な事だと学べた。

▪️聞いてみたい事
身の回りに個人の価値をしっかり見出して
生きている人はいるか?
その場合、その人の特徴について知りたい。

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2024年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

劇的に変化する社会の中で、お金や経済の在り方も変わってくる。今まで自分に無かった視点をもたらしてくれた1冊。

キーワードは「価値主義」

以下からは、自分のリマインド用メモ

①「自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇をうみやすい」
ex,マルクスの社会主義

②「分散化による経済システムそのものを作る存在の力(価値)の拡大」

◾︎経済は読み解く対象→創り上げていく対象
分散化したネット社会では手軽にサービス(経済システム)をつくれる→経済の民主化

③「自動化+分散化→自立分散」

·管理者がいない
·個々がバラバラに行動しているのに成りたつシステム ex,インターネット、ビットコイン

④「知識→コモディティ化、お金→コモディティ化」

◾︎活版印刷により知識の価値は薄れた。
◾︎将来的にお金もコモディティ化!?
→経済圏を作り運営するノウハウが重視
→ベーシックインカムが拍車をかけるかも

⑤「資本主義→価値主義」
◾︎資本主義が考える価値と世の中の人が考える価値に溝ができている
→資本主義は有用性としての価値(役に立つか)しか認識しておらず、内面的な価値(愛情、好意など実生活に役にはたたないが内面にポジティブな効果があるか)と社会的な価値(社会の持続性を高める活動かex,砂漠に木を植える)を無視している。

◾︎価値を媒介する唯一の手段である’お金’の独占が終わりつつある。
→価値を保存·交換·測定する手段はお金である必要はない!?
→価値をやりとりする手段の多様化により、人々が注力するポイントがお金という手段から価値に変わるのでは?

メイドインアビスの世界観

⑥新しい技術へのバイアス
◾︎脳は一度常識が出来上がってしまうと、新しく誕生した技術などをバイアスなしに見ることが難しい。
ex,年寄りが若者のスマホ使いすぎを心配

ミレニアル世代=1980年以降に生まれた世代
→終戦直後に生まれた世代で仕事·人生のモチベーションが大きく異なる

⑦内面的な価値に着目し好きな事に熱中せよ




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2023年07月01日

Posted by ブクログ

お金の歴史から現在の経済とテクノロジーの関係を踏まえ、資本主義から価値主義に移り変わりつつある現代社会の中で自分の価値を高めるためにすべきこととは何か。

お金の勉強ができるうえに働き方を考え直せるいい本。

※出版から6年後の現在、確実に価値の重要性は上がってきている。ただ、まだまだ価値主義とは言えない現状だから今のうちに自分の価値を高めるべきではないかな。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

とてつもなく面白い。
そしてわかりやすい。
そして情報量も凄まじく、ずっと考えさせ続けられるからまだ処理し切れていない。

また上手くまとめれてたら載せるかもしれないが、本当に誰もが一回読んで欲しいと思った。

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2023年02月02日

購入済み

これから先の社会に希望がもてた

世界的に先進国の若者は保守的になっていると言われる。かつてほど社会に変革を求めることもなく現状に満足していてそれを変えていこうという情熱を持ち合わせていないと。ただそれは違うのかもしれない。事態はもっと深刻で、生まれた頃から物に溢れ、衣食住に満たされていて、それ故に物欲がかつての人より湧かない彼らは何を欲して生きていけば良いのかわからないのだ。車やテレビや冷蔵庫が欲しくて働く時代は終わってしまったのだ。そんな若者がこれから先何を軸にして生きていけば良いのか、社会はどのように変わるのか、それを示してくれたのが本書だ。

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2022年08月08日

購入済み

非常に面白い

新たな価値観を考えさせられる一冊です。
とても為になります

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2018年02月21日

Posted by ブクログ

大前提としてこれは2017年に作られたものであるということだ。著者が指摘するように経済の流れとして、中央集権的なものから、シェアリングエコノミー・評価経済・ビットコインなどの分散型の経済になり、その傾向が加速するということはあり得る。しかしAIの趨勢を考慮すると、人間の労働力の代替えが起き、AIのライブチャット・YouTuberが出てもおかしくない。AIによる個人一人ひとりにフォーカスした経済になる可能性がある。分散化してるようで、ハラリの言うように莫大な資金とデータを持つ一部企業に力が集まり、超中央集権的な経済が復活する可能性がある。一方将来の様々な可能性を考慮すると著者の述べた通り、国が刷った貨幣以外でのビットコイン、ポイント、フォロワー等の価値を交換する手段を持つべきだろう。また著者が述べているように、起きていることを一つの現象として捉えてるというのは今後の参考になりそう。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

資本主義から価値主義へというところが面白かった。
有用性としての価値、内面的な価値、社会的な価値の3つに分類されていた。肩書きじゃなくて個人の価値を高めていくのが大事だと分かった。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

・お金と価値についての哲学

ありきたりなビジネス書と思って読み始めたら、深い深いお金と価値についての哲学書だった。

お金2.0とは、ざっとまとめると、現在使われている日本円などのお金1.0が担っていた価値の交換・保存・尺度という役割を代替する新しい価値媒体のこと。

お金1.0が利用価値という「役に立つか立たないか」の価値しか媒介しないのに対して、お金2.0はブロックチェーンをはじめとした新技術によって、感謝や共感などの感情的な価値や、奉仕活動などの社会的価値を媒介することが可能になる。

著者の佐藤さんはまさにそう言った利便性に限定されないお金2.0として、時間を売り買いできる時間通貨を作ったとのこと。理論だけじゃなく社会実装までしてるのが非常に面白い。

佐藤さんは、天才の典型であるダヴィンチとライプニッツを重ねて、同じものの多様な側面を見ていたのではないかと本書で考察していたが、その1つのものとはこの価値なのではないかと思ったり。

価値についての哲学書だと、自分が読んだことがある中では、『禅とオートバイ修理技術』が近い本。よく考えればこっちも全然価値についての本だとは思わないタイトルだ。それだけ価値には捉え難い複雑な抽象性があるのだろうな。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

トークンについての解説は難しかったが、お金自体が価値を失い始めているという点には納得できた。成熟した現在の日本経済では、お金が余り始めるというのも確かに感じる。お金より別の価値観を重視する人が増えているのは、その表れだという点は共感できた。自分自身、今の仕事が今後価値を失う可能性を感じているからこそ、何に価値を置き、どう生きるかを考える良いきっかけになった。

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

お金の新しいこれからの捉え方がわかる本。
資本主義から、「価値主義」へ進化するのでは?という仮説が面白い。
社会主義の上位互換が共産主義なら、資本主義の上位互換は価値主義って事なのかな?

以下備忘録
世代を進める 
物質的に満たされる世代から、
精神的な充足の価値を感じる世代へ
資本主義から価値主義へ
データや経験、体験、内面的価値は資本主義では評価されにくい。

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2025年01月27日

Posted by ブクログ

価値が変わる。どのように対応しるべきか
価値の変換が起こる。経済的価値は金銭だけではないのが、現在である。
様々な利用方法、新規に作る方法、 使う方法。
好きなことに重点をおくこと。

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2024年06月17日

Posted by ブクログ

本書の発行年度は2017年であるが、今でも十分進歩的であると思える部分が大量にあり、改めて佐藤氏の先見性に頭が下がる。お金に対する考え方が今後も変化してゆき、相対的価値が薄れてゆくと言っている部分は興味深い。貨幣経済一辺倒から評価経済という考え方が加わり、貨幣のあり方もビットコインをはじめとするトークンがその価値を認められる時代がやってきた。将来肉体労働はロボットに任せ、知的労働もAIに取って代わられるだろう。失業者にはベーシックインカムが支給され最低限の生活は保障される。働かなくてもお金が手に入るようになると、金銭獲得に対する意欲が薄れ、お金の相対的価値が薄れてゆくと言うロジックだ。資本主義を標榜する我々の国で、夢のようなベーシックインカムが実現する日が本当に来るのだろうか?と言う疑問は残るが。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

 非常にエキサイティングでした。逼塞する資本主義を嘆く本は今まで数多く読んできました。しかしながら一体我々は次にどんな社会システムを目指せば良いのか、という問題にここまで妥当且つ具体的なビジョンを明示してくれたのは本書が初めてかも知れません。

 本当にこんな社会が有り得るのか、実現可能なのかは議論の余地があるかとは思いますが、自分は前向きに支持したいと思えました。

 比較的若い方の書かれた本ということもあり、五十代六十代の偉い学者先生からは出てこない斬新な発想だと思います。

 半ばSFの世界を髣髴とさせるような未来予想図ではありますが、一方で現実的な面も確かにあります。資本主義に代わる、否、資本主義をアップグレードした価値主義の世界はもう既に到来しつつあるのかも知れません。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

社会の変化を、鋭く分析されている本。GAFAをはじめとするビックテックが、VRやAIなど次のプラットフォームを取りに行く理由がよく分かる。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

利益だけではなく、内面感情や社会貢献にも価値を見出され、それらの価値を追求することが自然と利益に繋がる社会になるという価値主義はとても分かりやすく、2017年とは思えない先見の明を持った本であった。

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2023年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

事前に思っていたよりかなり面白かった。
自分の中で当たり前にあるお金という価値観も昔からあるわけではなく経済の一つの形、ツールであると思わされる

・資本主義ではなく価値主義になっていくのではないか。
本来は人々が感じる価値があるからこそお金になるはずが、世の中の人が感じる価値と関係ないところでお金が増えるようになっている。
テクノロジーの力でお金以外での価値を保存交換測定できるようになっている
資本主義は有用性としての価値しか表せていない。
内面的な価値(愛情共感興奮好意信頼など)、社会的な価値(社会全体の持続性を高めるような活動)にも価値がある
ベーシックインカムが導入されたらよりお金自体の価値が下がる
仮想通貨などお金以外での価値の表現

・ミレニアル世代はその前の世代と仕事や人生に対するモチベーションが大きく異なる
戦後からはもっと豊かになりたいのがモチベーションだが、ミレニアル世代は生まれながら物質的には満たされている。
そうなると人生の目的や方向性、意義を見失っている人が多い。
グーグルやフェイスブックのような企業が多くの優秀な人を惹きつけられるのは、待遇面だけではなくそこで働く人たちに人生の意義や目的を提供していることが要因なのではないか
(会社のビジョンミッション)

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2023年09月03日

Posted by ブクログ

お金をツールとして捉える事が、革命的に人間の営みを変えるかもね。仮想通貨だけ調べていてはつかめない本質的な価値観のシフトの真っ只中にあると気がつくだけで変わる事が有るよね。
人口の多い世代の価値観に悩むのをやめてみよう。

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2023年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3年ぶりに改めて読んでみたが、忘れていた概念や視点が多く出てきたのでメモ
出版直後に仮想通貨バブルは弾け、VALUは終了し、タイムバンクもよくわからんアプリに変貌してしまったみたいだが…

◆未来を決める3つのベクトル
金、感情、技術

◆お金について
・そもそもお金とは?
最初は物々交換の不便さを補う手段
→次第にお金そのものが目的となり、証券などができてからは独り歩き
・国の中央銀行という考え方はここ150年くらいのもので、それ以前は各銀行が勝手に通貨を発行
→仮想通貨と同じ

◆経済について
・本能、金銭、承認、三つの欲望のネットワーク
・心理的に人は、すでに多くの人に支持されているものを買う(その方が失敗が少ないから)
→さらにその商品が売れるというサイクル
→自然に経済格差は発生してしまう
・経済システムやサービス発展の5つの要素
①インセンティブ…金や承認
②リアルタイム…常に状況が変化
③不確実性…運と実力の両方
④ヒエラルキー…指標や自己の立ち位置
⑤コミュニケーション
・上に加え、持続のための2つの要素
①寿命…淀みを防ぎ、次のサービスへ繋げる
②共同幻想…価値観に共感していれば失敗も許容
・これらは自然の法則と似ている
→というより経済は自然と同じルール、普遍的な要素
→そのため、共産主義などの自然に反する?システムは持続しない

★テクノロジー
・これまでの中央集権化に対し、分散化がトレンド
ハブの存在を必要としない(自然と同じ)
→その延長でシェアリングエコノミー、トークンエコノミー、評価経済などが発達
・シェアリングエコノミー
Uber、エアビー、メルカリなどは、企業はただシステムが円滑に回るよう設計している黒子にすぎない
・トークンエコノミー
参加者が経済圏の改善や維持に努めるようなインセンティブ設計となっているので、ハブがないのに上手く回る
→代表であるビットコインは、経済圏を誰かが支配しようとしたりして皆がシラけると、フォークという選択肢が用意されている
→こうした「自律分散」が今後のカギではないだろうか
無人コンビニ、無人ヘッジファンド
・今後は個人が安価で、自律分散の仕組みや経済圏自体を作れるようになるのではないか
→歴史を振り返ると、印刷術の発明により書物が普及、さらにネットの登場で知識が完全に民主化
→これからは経済も民主化、お金そのものよりもどのように経済圏を作って上手く回していくかのノウハウが重要

★価値主義
・資本主義の限界、実態とかけ離れすぎて起きたリーマンショック
→じつは実体経済(消費経済)は全体の1割、金融経済(資産経済)が9割
資産経済はどんどん膨らんでおり、投資先を探してさまよっている状況
・資産として認識されていない「価値」への揺り戻し
→お金は価値を媒介する唯一の手段だったが、テクノロジーのおかげで他の選択肢が生まれてきている
フォロワー数などの注目度、社員の満足度、データ
・価値の種類
①有用性としての価値(役に立つか)
②内面的な価値(個人の感情)
③社会的な価値(慈善活動)
→資本主義では①のみを評価として認識してきた
しかし、②③を無視するとうまくいかない
→テクノロジーによって②③も数値やデータ化できるようになった、いいね数や閲覧数など
・評価経済の問題点
評価経済においても、資本主義のように価値が雪だるま式に増えていく
→しかし現在認識されている評価は「信用」ではなく、「興味」「関心」に過ぎず、アクセス数やフォロワー数はそのあたりが混同されている
→炎上商法は資本主義における詐欺や強要のように、手段を問わない利益の追求により他の価値を毀損している
・マネーキャピタル(金融資本)に対してソーシャルキャピタル(社会関係資本)
社会的なネットワークを資本と捉えることで、営利と非営利の境界が消える
→価値主義では経済活動に公益性が求められ、政治活動には持続可能性が求められるようになるため、政治と経済の境界も消える
ソーシャルビジネスや、企業が展開するベーシックインカム的なやつも増えるかも
・既存の経済と新しい経済は併存し得る
選べるし、複数に所属することで安心
→タイムバンク
時間は通貨と異なり「自然と減っていく」ので、経済のアンカーとすることは新陳代謝の面から優れている
→VALU
個人の価値をトレードできる

★お金からの解放
・人生の意義を持つことが価値
ミレニアル以前の世代は、衣食住など足りないものを埋めるために頑張る
→ミレニアル以降は満たされているので、意義や目的が必要、マズローの5段階
・儲かることよりも、情熱を傾けられること
→テクノロジーにより、内面的な価値も可視化できるようになってきた
→熱中できることに取り組み、お金ではなく個人の価値を上げるために働くべき

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2025年05月14日

購入済み

柔軟な考えで行こう。

でも、なんでも便利だからと飛びつけばいいってもんじゃない!と思っている頑固な人がいるからこそいいストッパーになっている側面がある、というのは確かに・・と思いました。
資本経済も価値経済もどちらも行き過ぎはよくない。

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2018年03月03日

ネタバレ 購入済み

これはけっこうきにいたほんです

佐藤航陽さんの目から見ていた今の世界の枠組みをよくかんがえれば、確かにそんな形のもんでした。これから十年後の世界の影も垣間見たのような気がします!でも本書の最後に書いたバーチャルな世界はまるでSF小説のように、まだ受け入れませんでした。

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2018年02月27日

Posted by ブクログ

海軍大将でA級戦犯の曽祖父、貧しい家庭環境、フィンテックの創業者で大金持ちというプロフィールに惹かれて読む。
未来予測は楽観的で眉唾ものに感じたが、現状分析には納得。
例えば、評判が金銭と同様の価値を持つと言うことや、金銭が効用をベースにした外面的な評価、評判が感情をベースにした内面的な評価という視点などは、確かにそうだと思う。

世の中を変える3つの要素
お金、感情、テクノロジー

経済は欲望のネットワーク
現代の3大欲求
本能的欲求、金銭欲求、承認欲求

動的ネットワークの特徴
極端な偏り
不安定性と不確実性

うまく回る仕組みが内包しているもの
インセンティブ、リアルタイム、不確実性、ヒエラルキー、コミュニケーション

持続性を、付加するもの
寿命、共同幻想

持続的に成長する組織
明確な報酬、市場の変化が激しい、不確実性が強い、ヒエラルキーの可視化、一見無駄な、コミュニケーションの頻度、

勝手に拡大する仕組み
根源的な欲望と、そうでないが重要な社会的な要望の両方を組み込む

自発的秩序形成、エネルギーの循環構造、情報の内部保存、

散逸構造 プリゴジン





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2025年08月23日

Posted by ブクログ

本書に出てくる価値主義の代表的な評価経済について。
その最たるものである「SNS」は人に共感してほしいと言う感情に縛られている感覚が多い。
仮にお金に縛られない生き方が実現できたとしても、他人の評価に縛られる生き方になるような気もする。
封建社会が終わり自由主義社会になっても、今のインターネット社会になっても、恩恵を受ける人は相場が決まっている。
ここから私の持論ですが、この本で描かれた未来は一般ピープルにはそれほど影響はないんじゃないのかと思ったりする。
加えて仮想空間がもたらしてくれる「精神的な満足、」は、身体を超えるものにならないと思う。なぜなら、精神は「身体ありき」だから。
現在2025年。この著書は2017年のもの。
8年が経ちました。
さあ、どうだろうか。
改めてこの本を検証してみてはいかが。

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2025年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『お金とは何か』という問いから、お金の実態は『価値』にあると解く。
この価値はどこから出てくるもの何か、それを考えた時に、今後ある将来の経済の姿を予想し、資本主義の先にある新しい社会に示唆を与えてくれる本。
この手の社会経済の予想本は大抵ハズレがちで、荒唐無稽な印象があるが、予想の期待感と言う観点より、『お金』という存在について、新たな視点を与えてくれる一冊だと思った。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

お金の新たな局面を解説するために、資本主義の歴史から説き起こす本書。冒頭でビットコインやブロックチェーンの話題を振っているが、それらについては殆ど触れられない。キャッチーな書名……それは新たな経済論を読ませたい著者と出版社の思惑だ。ICTが既存の経済圏や国家という枠組みを変えるかも知れないというのはあり得ることだ。価値主義が標準になるのか? ベーシックインカムが実現するのか? 不確定要素が多いが、多様な価値観に基づく多様な経済圏ができるといいな。

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2024年10月29日

Posted by ブクログ

2017年。ビットコインが来るよの時代。

たぶん、筆者も言語化しきれてない、何か奥底で繋がりがある気がする

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2024年09月08日

Posted by ブクログ

お金中心ではなく価値中心になるよ、な本。

一番響いた話は、心がサビる話。
これはリタイア後に似たような状況になる。
自分が30代でセミリタイアして、似たようなことに悩んだから、実感している。
基本的な生活が満たされれば、自己の中にある興味関心が何なのかが最も重要になる。
▼以下抜粋
・10代は色々なものに感動や悲しみを感じる
・世界に直に触れており、精神にサビが溜まってないから
・小中高と教育(元は軍隊教育)を受け、枠組みの中で画一的に動く人を育てる
・やらなければならないことを続けるうちに、情熱の源泉を忘れる
・情熱、熱狂、熱中が必要な時代になる
・まずは、1日中やっていても苦痛ではないことを探せ

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

既存の経済から新しい経済へ……
言われてみれば確かにそうだなぁと思う事が多い本でした。
これからもどんどん変化していくでしょうから、置いていかれないようにしたいものです。

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

お金について改めて考えさせられる本。
お金はただの道具であり、その道具のあり方もITの発展によって変わってきている。
資本主義から価値主義への移行。
お金やモノではなく、フォロワーなどのこれまでに無かった新しい価値が重要になっていく社会。

これからのITについて改めて学び、特にメタバースなどの主流になりそうなものについては早めに身につけて置きたいと思えた。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

経済の民主化、お金のコモディティ化
個人が新たな経済圏を確立できる世界。いろいろな経済圏が並立する。
メタバース、ブロックチェーン、SNS

歴史のなかで知識の民主化が起きたのと同じような流れで、経済の民主化が起きる。

16世紀に印刷技術が生まれ、書籍ができ、
大衆が知識を学べるようになった。
こから市民が強くなり革命、産業革命が起きていった。

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2023年02月10日

購入済み

ルールは分かった

でも、生き方までは、ストンと伝わってこなかった。というか、読み取れきれなかった。
読み手の力量かもしれませんが…

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2018年03月11日

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