あらすじ
【発売前重版決定!話題沸騰】
仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミー、評論経済。
「新しい経済」を私たちはどう生きるか。
メタップス創業者が明かす、資本主義の先の世界。
〈資本主義を革命的に書き換える「お金2.0」とは何か〉
2.0のサービスは、概念そのものを作り出そうとするものが多いので、既存の金融知識が豊富な人ほど理解に苦しみます。あまりにも既存社会の常識とは違うので「今の経済」のメインストリームにいる人たちにとっては懐疑や不安の対象になりやすいといった特徴もあります。そして、それこそが全く新しいパラダイムであることの証でもあります。本書ではまずお金や経済の仕組みから、テクノロジーの進化によって生まれた「新しい経済」のカタチ、最後に私たちの生活がいかに変わるか、の順番に解体していきます。
第1章 お金の正体
・お金とは何か?・仮想通貨は鏡の世界?・膨大なデータから見えてきた「経済システム」の構造・経済とは「欲望のネットワーク」・人の手で経済は創れるか?・発展する「経済システム」の5つの要素・ビットコインに感じた「報酬設計」の秀逸さ・持続的に成長する組織の条件・「小米(シャオミ)」に学ぶ経済圏の作り方
・経済と脳の深い関係・自然の秩序に反したルールの危険性・ダ・ヴィンチには見えていた“ひとつの世界”…
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
・今起きているのはあらゆる仕組みの「分散化」・分散化する社会とシェアリングエコノミー・中国がリードするシェアの世界・国家を代替するトークンエコノミーの可能性・「自律分散」という次世代の成功モデル・AIとブロックチェーンによる無人ヘッジファンド・テクノロジーによって経済は「作る」対象に変わった…
第3章 価値主義とは何か?
・限界を露呈し始めた資本主義・資産経済の肥大化と金余り現象・資本主義から「価値主義」へ・「共感」や「感謝」などの内面的な「価値」の可視化と流通・「評価経済」の落とし穴・社会的な価値・ソーシャルキャピタルの可視化・ベーシックインカム普及後の「お金」・複数の経済圏に生きる安心感・タイムバンクとVALUの正体・デジタルネイティブからトークンネイティブへ・「価値主義」とは経済の民主化である…
第4章「お金」から解放される生き方
・人生の意義を持つことが「価値」になった世代・「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ・人間の心は放っておくとすぐサビる・「お金」のためではなく「価値」を上げるために働く・枠組みの中での競争から「枠組み自体を作る競争」へ…
第5章 加速する人類の進化
・お金にならなかったテクノロジーに膨大なお金が流れ込む・電子国家の誕生:エストニア
・宗教と価値主義・「現実」も選ぶ時代へ・人類の経済圏は大気圏を突破する・「お金」は単なる「道具」である…
お金の価値が変わる!2018年に読むべき1冊!
著者の佐藤航陽氏は時間を売買できるサービス「タイムバンク」を運営する株式会社メタップスの創業者。お金に苦労した少年時代の経験から、お金について自身がこれまでの人生で感じてきたすべてが語られている本作。
人間の仕事の大半がAI(人工知能)に取って代わり、ベーシックインカムが実現した世界ではもはやお金のために働く必要がなく、金から国が発行する紙幣に価値が代わっていったように、お金が個人の内面的な価値(感動、共感、熱狂、信頼etc)に代わるだろうと予測している。動画配信サービスに投稿するアイドルへの投げ銭、ソーシャルゲームの課金、クラウドソーシング、仮想通貨…すでにその兆候が現れ始めている今、非常に納得できた1冊でした。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
モノやサービスを消費する「使用価値」ではなく、「人間の内面的な価値」に関しては、現在の資本主義の枠組みでは上の世代が認識しにくく、大きなチャンスが存在する
→共感、熱狂、信頼、好意、感謝
→金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中しているほど結果的に利益を得られるようになる
→楽しい事、共感できる事!
→自分なりのスタイルや個性を追求していった人には、熱狂的なファンがつく
熱中できることはどうやったら見つかる?
→1日中やっていても苦痛ではないこと
→他人から異常に詳しいと言われたこと
→なぜそんな事を気にするのかと言われたこと
→心が錆びる : 何を見ても何も感じなくなること
価値主義の世界では、「自分の価値を高めておけば何とでもなる」世界が実現しつつある
→本当に価値を提供できる人は会社に属して働く必然性が消えて来ている
→事業戦略、CSR、ブランディングを個人単位でもやる必要が出てくる
→日々の業務でも、本当に今の活動が自分の価値向上につながるのか見直す(例え年収が高くとも!)
枠組みの中の競争ではなく、自分なりの独自の枠組みを作れるかどうかの競争になる!
Posted by ブクログ
劇的に変化する社会の中で、お金や経済の在り方も変わってくる。今まで自分に無かった視点をもたらしてくれた1冊。
キーワードは「価値主義」
以下からは、自分のリマインド用メモ
①「自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇をうみやすい」
ex,マルクスの社会主義
②「分散化による経済システムそのものを作る存在の力(価値)の拡大」
◾︎経済は読み解く対象→創り上げていく対象
分散化したネット社会では手軽にサービス(経済システム)をつくれる→経済の民主化
③「自動化+分散化→自立分散」
·管理者がいない
·個々がバラバラに行動しているのに成りたつシステム ex,インターネット、ビットコイン
④「知識→コモディティ化、お金→コモディティ化」
◾︎活版印刷により知識の価値は薄れた。
◾︎将来的にお金もコモディティ化!?
→経済圏を作り運営するノウハウが重視
→ベーシックインカムが拍車をかけるかも
⑤「資本主義→価値主義」
◾︎資本主義が考える価値と世の中の人が考える価値に溝ができている
→資本主義は有用性としての価値(役に立つか)しか認識しておらず、内面的な価値(愛情、好意など実生活に役にはたたないが内面にポジティブな効果があるか)と社会的な価値(社会の持続性を高める活動かex,砂漠に木を植える)を無視している。
◾︎価値を媒介する唯一の手段である’お金’の独占が終わりつつある。
→価値を保存·交換·測定する手段はお金である必要はない!?
→価値をやりとりする手段の多様化により、人々が注力するポイントがお金という手段から価値に変わるのでは?
メイドインアビスの世界観
⑥新しい技術へのバイアス
◾︎脳は一度常識が出来上がってしまうと、新しく誕生した技術などをバイアスなしに見ることが難しい。
ex,年寄りが若者のスマホ使いすぎを心配
ミレニアル世代=1980年以降に生まれた世代
→終戦直後に生まれた世代で仕事·人生のモチベーションが大きく異なる
⑦内面的な価値に着目し好きな事に熱中せよ
Posted by ブクログ
事前に思っていたよりかなり面白かった。
自分の中で当たり前にあるお金という価値観も昔からあるわけではなく経済の一つの形、ツールであると思わされる
・資本主義ではなく価値主義になっていくのではないか。
本来は人々が感じる価値があるからこそお金になるはずが、世の中の人が感じる価値と関係ないところでお金が増えるようになっている。
テクノロジーの力でお金以外での価値を保存交換測定できるようになっている
資本主義は有用性としての価値しか表せていない。
内面的な価値(愛情共感興奮好意信頼など)、社会的な価値(社会全体の持続性を高めるような活動)にも価値がある
ベーシックインカムが導入されたらよりお金自体の価値が下がる
仮想通貨などお金以外での価値の表現
・ミレニアル世代はその前の世代と仕事や人生に対するモチベーションが大きく異なる
戦後からはもっと豊かになりたいのがモチベーションだが、ミレニアル世代は生まれながら物質的には満たされている。
そうなると人生の目的や方向性、意義を見失っている人が多い。
グーグルやフェイスブックのような企業が多くの優秀な人を惹きつけられるのは、待遇面だけではなくそこで働く人たちに人生の意義や目的を提供していることが要因なのではないか
(会社のビジョンミッション)
Posted by ブクログ
3年ぶりに改めて読んでみたが、忘れていた概念や視点が多く出てきたのでメモ
出版直後に仮想通貨バブルは弾け、VALUは終了し、タイムバンクもよくわからんアプリに変貌してしまったみたいだが…
◆未来を決める3つのベクトル
金、感情、技術
◆お金について
・そもそもお金とは?
最初は物々交換の不便さを補う手段
→次第にお金そのものが目的となり、証券などができてからは独り歩き
・国の中央銀行という考え方はここ150年くらいのもので、それ以前は各銀行が勝手に通貨を発行
→仮想通貨と同じ
◆経済について
・本能、金銭、承認、三つの欲望のネットワーク
・心理的に人は、すでに多くの人に支持されているものを買う(その方が失敗が少ないから)
→さらにその商品が売れるというサイクル
→自然に経済格差は発生してしまう
・経済システムやサービス発展の5つの要素
①インセンティブ…金や承認
②リアルタイム…常に状況が変化
③不確実性…運と実力の両方
④ヒエラルキー…指標や自己の立ち位置
⑤コミュニケーション
・上に加え、持続のための2つの要素
①寿命…淀みを防ぎ、次のサービスへ繋げる
②共同幻想…価値観に共感していれば失敗も許容
・これらは自然の法則と似ている
→というより経済は自然と同じルール、普遍的な要素
→そのため、共産主義などの自然に反する?システムは持続しない
★テクノロジー
・これまでの中央集権化に対し、分散化がトレンド
ハブの存在を必要としない(自然と同じ)
→その延長でシェアリングエコノミー、トークンエコノミー、評価経済などが発達
・シェアリングエコノミー
Uber、エアビー、メルカリなどは、企業はただシステムが円滑に回るよう設計している黒子にすぎない
・トークンエコノミー
参加者が経済圏の改善や維持に努めるようなインセンティブ設計となっているので、ハブがないのに上手く回る
→代表であるビットコインは、経済圏を誰かが支配しようとしたりして皆がシラけると、フォークという選択肢が用意されている
→こうした「自律分散」が今後のカギではないだろうか
無人コンビニ、無人ヘッジファンド
・今後は個人が安価で、自律分散の仕組みや経済圏自体を作れるようになるのではないか
→歴史を振り返ると、印刷術の発明により書物が普及、さらにネットの登場で知識が完全に民主化
→これからは経済も民主化、お金そのものよりもどのように経済圏を作って上手く回していくかのノウハウが重要
★価値主義
・資本主義の限界、実態とかけ離れすぎて起きたリーマンショック
→じつは実体経済(消費経済)は全体の1割、金融経済(資産経済)が9割
資産経済はどんどん膨らんでおり、投資先を探してさまよっている状況
・資産として認識されていない「価値」への揺り戻し
→お金は価値を媒介する唯一の手段だったが、テクノロジーのおかげで他の選択肢が生まれてきている
フォロワー数などの注目度、社員の満足度、データ
・価値の種類
①有用性としての価値(役に立つか)
②内面的な価値(個人の感情)
③社会的な価値(慈善活動)
→資本主義では①のみを評価として認識してきた
しかし、②③を無視するとうまくいかない
→テクノロジーによって②③も数値やデータ化できるようになった、いいね数や閲覧数など
・評価経済の問題点
評価経済においても、資本主義のように価値が雪だるま式に増えていく
→しかし現在認識されている評価は「信用」ではなく、「興味」「関心」に過ぎず、アクセス数やフォロワー数はそのあたりが混同されている
→炎上商法は資本主義における詐欺や強要のように、手段を問わない利益の追求により他の価値を毀損している
・マネーキャピタル(金融資本)に対してソーシャルキャピタル(社会関係資本)
社会的なネットワークを資本と捉えることで、営利と非営利の境界が消える
→価値主義では経済活動に公益性が求められ、政治活動には持続可能性が求められるようになるため、政治と経済の境界も消える
ソーシャルビジネスや、企業が展開するベーシックインカム的なやつも増えるかも
・既存の経済と新しい経済は併存し得る
選べるし、複数に所属することで安心
→タイムバンク
時間は通貨と異なり「自然と減っていく」ので、経済のアンカーとすることは新陳代謝の面から優れている
→VALU
個人の価値をトレードできる
★お金からの解放
・人生の意義を持つことが価値
ミレニアル以前の世代は、衣食住など足りないものを埋めるために頑張る
→ミレニアル以降は満たされているので、意義や目的が必要、マズローの5段階
・儲かることよりも、情熱を傾けられること
→テクノロジーにより、内面的な価値も可視化できるようになってきた
→熱中できることに取り組み、お金ではなく個人の価値を上げるために働くべき
これはけっこうきにいたほんです
佐藤航陽さんの目から見ていた今の世界の枠組みをよくかんがえれば、確かにそんな形のもんでした。これから十年後の世界の影も垣間見たのような気がします!でも本書の最後に書いたバーチャルな世界はまるでSF小説のように、まだ受け入れませんでした。
Posted by ブクログ
『お金とは何か』という問いから、お金の実態は『価値』にあると解く。
この価値はどこから出てくるもの何か、それを考えた時に、今後ある将来の経済の姿を予想し、資本主義の先にある新しい社会に示唆を与えてくれる本。
この手の社会経済の予想本は大抵ハズレがちで、荒唐無稽な印象があるが、予想の期待感と言う観点より、『お金』という存在について、新たな視点を与えてくれる一冊だと思った。