吉本佳生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同業者の店舗が集まるのは集客の取引コスト等から考えて合理的な判断である。
賢い消費者になる為には広告等様々な情報を読み取る能力が必要である。
本書では例として携帯電話料金が示されている。
取引コストを意識して見ることで色々なビジネスの本質が理解出来ることがある。
経済格差は所得格差より資産格差の方がより問題であると著者は考えている。
それには納得出来る。
比較優位の考え方は大切である。
全ての面で絶対的な能力が高い人と絶対的な能力が低い人を比較しても能力の低い人は何らかの仕事において比較優位を持つ。
つまり、自分に何が出来て何が出来ないかを自覚して自分の出来ることを確実に行うことが大切。
余談だがIKEAが1986年に日本から撤退していたのは知らなかった。
身近な例を取り上げており非常に興味深く読み進むことが出来た。
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Posted by ブクログ
車が系列販売店だけでなく買えるようになると僕も過去考えたことがあったが実際そのようになってきているのは驚きだ。
家電のように価格競争に巻き込まれることは容易に想像出来る。
フードマイレージに関する指摘は納得できる。
食料を運ぶ重さに距離を掛けて算出するのだが輸送手段を問わなかったり、逆に人が移動した場合はフードマイレージが0になるといった欠点が見える。
こうした指標はよく考えなければならない。
オークションに値段を上げて行くイングリッシュオークションと値段を下げて行くダッチオークションがある。
その他に封印オークションがあり最高落札額を提示した人がその金額で買うファーストプライスオークションと最高落札額を提示した人が二番目に高い落札額で買うセカンドプライスオークションがある。後者のオークションは参加者が正直な価格を提示し易い上、落札者がもっと安い価格で買えたのでは。と悩む勝者の呪いにかからない。
一ドルオークションの例は面白い。自分ならばやはり参加しないと思う。しかし、こういった状況は実際の市場では見られるとのこと。例えば、縮小しつつある市場に販促費をかけて売上を伸ばそうとすることが一例として挙げられている。
先発薬とジェネリック医薬品との価格差は一見、先行して投資の為、先発薬が高いと考えていたが、日本でのジェネリック医薬品の市場規模を考えると先発薬を下げて売る合理的な理由が少ないことが分かる。
著者をNHK教育テレビで知ったのだが、身近な題材を用いて説明されているので比較的理解し易い。 -
Posted by ブクログ
私の力では、本書の内容を正確に要約することもできないし、筆者の見解を検証しながら読むこともできない。
でも、ここに書かれていることは衝撃的だった。
日本の稀有なデフレ期は、日銀=日本政府の過度な円安誘導のためであったのか。
国際金融論の見地からはそうなるのね…。
そして輸出産業は潤ったものの、内部留保だけが増え、社会にお金が回ることはなかった、と。
その一方で、多くの企業(中小企業)は価格転嫁を悪とみなす風潮に逆らえず、人件費の切り下げでの対応を余儀なくされ、国内の経済格差は拡大した、と。
自分自身もみてきたことがパズルのピースのようにはまって、絵が見えてきたような感じがした。
最後の提言は、なかなか過激。
「出社が楽しい経済学」の後番組、「オイコノミア」にも、他のNHKの番組にも、この人が出なくなってしまったのは偶然ではないのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
挑発的なタイトル。
個人投資家は、暴落によるダメージを徹底的に避け、バブルのチャンスに乗って儲けるしか、資産を増やす芽はない、というのだ。
逆に、金融知識に自信のない個人投資家は、ネットバンクの預金と、変動型10年満期の個人向け国債がよい、ということだった。
個人の投資家ができるリスク管理は、流動性リスクだけ。
それゆえの、上記二つの選択だと。
金融の世界の常識も変わる。
長期にわたっての分散投資がよい、という常識さえ、もはや通用しなくなっているという。
本書は5年前の本だが、今はどうだろう。
実際、私も日本株、日本債券、先進国株、先進国債券と四つのインデックス投信に分散して積み立てをしてきたが、ほぼ同じような値動きをするので、やめてしまった。
その理由が、本書で分かった。
どの金融商品の運用者も、ポートフォリオ理論でリスク分散をするからだそうだ。
長期投資が危ないのは、大暴落が数年に一度程度起こり、世界経済も右肩上がりに成長するとは限らないから。
長期投資をするということは、暴落に何度も会う可能性を高めていくことであり、損をする確率も高まる。
私は結構、この話に納得、だ。
「あなたが働かないのにおカネが働いてくれることはない」は名言だと思う。
金融庁は積み立てNISAを始めようとしているが、実際、どうなんだろう。
長期分散投資は今後も金融機関の鉄板のセールストークであり続けるのだろう。
金融庁は日本の投信が顧客の利益を優先していないと指導に入っているらしいけれど、案外金融機関の利害に沿った制度になってたりして。
さてさて、最後に残る心配は、暴落から逃げることが自分でできるかということ。
ボラティリティを自分で計算することは難しい。
日経平均ボラティリティ指数のチェックから始めようか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルは煽りすぎですが,中身は真っ当で,いわゆるミクロ経済学として扱われるトピック(の一部)について,様々な事象・事例を用いて門外漢にも分かりやすく解説されています。
すでに他のレビューに書かれている通り,本書の主軸となっているトピックは,モノやサービスの価格・料金体系がどのように決まり,それらがなぜ現在のような形・あり方になっているのかということです。「スタバではグランデを買え」は全9章のうちの1章での著者の主張に過ぎず,本書の内容全体を代表しているわけではないので「煽りすぎ」というわけです。
私が個人的に面白いと思ったのは上記の主要トピックがかかれている部分ではない,第7章でした。理由は,経済学的な概念が,現実に働くということにかんして,どのような意味を持ち、また我々がどのように行動していったらいいのかの指針を与えてくれているからです。
第7章は経済格差について論じられているのですが,格差是正のために我々ができることについて書かれていることが個人的には「なるほどな」と思わせるものでした。まず,経済学の概念である「比較優位」を持ち出し,自分の能力をきちんと把握すれば誰にでもいくらでも仕事はあるのだということを述べています。この比較優位に基づく分業の利益を基軸として、付加価値を生み出すこと,その付加価値の大小を理解して人材の適材適所を進めることが大切であるということです。(考えてみれば当たり前のことでなのですが。)
さらに,付加価値の大部分は取引コストによって生み出されている(という本書の主張)からすると,「モノ・サービス・人・情報について,探す・知らせる・分ける・結びつける・運ぶ等を行うことで,何らかの取引コストの節約をするような仕事が,実は大きな価値を持っている」(p.184)ということも納得できます。著者はこのような仕事に必要な4つの資質についても述べていて,それらはこれから社会に出て行こうとする若い人たちにも良い指針となると思います。(このあたりは筆者が大学教員であるというこが多分に影響していると思います。)
本書に対する感想・評価としてはいささか変則的になってしまいました。しかし第7章だけでも読む価値があると思います。 -
Posted by ブクログ
人が物やサービスを買う時は「お金」だけではなく「時間」「労力」が対等に働くということを頭に入れて行動することが、偏った思考にならない方法なのだと言うことを感じた一冊でした。
・「裁定取引」とは、同じ時点で同じ物が違う価格で売買されていた時、その価格差を利用して儲けようとする取り引き、いわゆる転売。
・ドミナント戦略
物流の効率を考えて特定の店を集中して出す戦略のこと。
・規模の経済性
たくさんの物が作られることによってコストが下がること。
・経験効果
同じ製品を繰り返し作ることによって品質管理が向上してコスト低下をもたらすこと。
・価値を測るものとしては「お金」「時間」「労力」を用いると物の値段の納得がしやすい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレコスト計算に関する考え方が、めちゃくちゃわかりやすい。手間をかけるということは、コストがかかっている、ということ。リテラシーのない人はコストを払うしかないということ。人と同じようにやっていて得になることと、損になることがあること。あたりまえだけど、原油を精製するとき同時に全種類できてしまうから、国内で消費するために100円ショップのプラスチック用品を作るとか。高級品を作る工場の空きのあるときに安く作るとか、そうすれば、新たなコストは材料費だけでいいとか、すごい面白いね。船便で中国からモノを運んでくるのは、思ったよりも全然コストがかからないとか。子供の医療費補助が、本当に子どものためになるのか、とか。本当に医療の必要な緊急時の子供が、病院が混雑するあまり、サービスを受けにくくなるのではないかとか。
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Posted by ブクログ
「コーヒー一杯無料」を謳うカフェAと、「コーヒーを一杯頼めばおかわり無料」のカフェB。二つのカフェの戦略には、どういう違いがあるだろうか。実質0円スマホと、基本プレイ無料の携帯ゲームは、それぞれどんな思想で設計されているのか。TDLやUSJが、アトラクションごとの課金を行わないのはどうしてか――。
本書が扱うのは上記のような、いわゆる「無料ビジネス」の戦略である。おカネを稼ぐことが最大の目的であるビジネスと「無料」は本来、相性が良くないはず。ところが現実では、これを戦略に採り入れる経営者は少なくない。
タダほど高いモノはなく、美味しい話には裏がある。コーヒー無料を謳うのは、それにかかるコストが宣伝広告費よりも安くつくからだったりするし、基本プレイ無料のゲームを支えているのは一部のヘビーユーザー(=総合で見て採算が取れている)だ。それに、「我々がGoogleで調べている時、Googleもまた我々を調べている」。
と、いう話自体は面白かったのだけど、どうして「無料ビジネス」か、という話になった途端、いきなりデフレ批判がはじまって混乱した。それは別の本に書いてください……。 -
Posted by ブクログ
「スタバではグランデを買え!」ってなぜかを知りたくてこの本を読んだ。100円追加で容量が2倍になるから消費者にとってお得感があり、スタバにしてみれば増えた容量の原価は人件費や家賃に比べるときわめて低いので、両者にとってwin-winの関係となる。
たしかに、スタバにしてみればグランデを注文する消費者は上客であるが、はたして消費者は、容量が2倍になったからといって100円を余計に払うものでしょうか?
本書でも述べているように、コーヒーショップはコーヒーそのものと飲む場所を提供するサービスである。多くの人は、コーヒー目当てにスタバに行くのではなく、憩いの場所として利用することが多い。したがって、コーヒーはなんでもいいからできるだけ安く場所を確保したいとおもうようになる。よって、大多数の消費者にとって、「スタバではスモールを買え!」が正しいではないか?
本書の中で一番ためになったのは7章である。
所得格差よりも資産格差の格差是正が難しいはなしはなるほどとおもえた。所得を要因分解すると、地位、能力、労働時間に分かれる。この3つのなかで、地位が占める割合が大きいと、同じ所得でも要求される能力や労働時間が低くなる。つまり、地位が違う人間が2人がいたとき、同じ所得を得るための能力と時間に大きな格差が生じることになる。これが、著者がいう資産格差である。もっと簡単にいうと、金持ちの子供は、生まれながらにして土地、株式などの資産をもっているので、少しの労力だけで大きな収益を得られるわけである。