吉本佳生のレビュー一覧
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損切りしないのは、アタマがフリーズしているから。過去の経緯は忘れて、残った資産を正しく運用することを考えるべき。
投資前に、確率的な予想を心がけ、リスクを把握する。
投資はカジノよりも確率はわからない。
投資期間が2倍に伸びると、ボラティリティ(年率換算しないもの)は、1.414倍になる。デイトレードは、その意味で安全。だが儲からないのでレパレッジを上げたくなる。
塩漬けによって(損切りしないことによって)投資期間を長くしてしまうことが(ハイリスク。
福利を考慮するためには、対数正規分布をつかう。
複雑な金融商品(仕組債)は、リスクを押し付けるもの。
投資期間とリスクの関係を正確に -
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信じれば救われますよ、では駄目で、そのメカニズムを説明しなければ駄目だ。アベノミクスが予想、というか期待するインフレ目標は、まさにそれであり、かつ、信じてもらえる努力が不十分だ、と。ちょっと高い商品が出た、売れ出している、という狭い報道が目につくけれど、消費全体がどうなっているかは、そういう話題にはならない。この本はタイトルにもある通り、賃金を消費に回す層(比較的所得が少ない層)にお金を振り分けることで消費を拡大しろ、という主張。そして子育て世代にはすでにインフレが起きている、というのは僕も感じているけれど、物価上昇を目指すのであれば、それはさらに子育てにダメージを与え、少子化に向かっていくの
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表題ほど突飛な内容ではない。最近の2011年までの日本の経済状況は、1998年(頃)を境に大きく変わったと説く。また、円高対策と金融緩和が不十分なのでデフレになったのではなく、それらのやりすぎがデフレを招いていると主張している。これらのために、70ものグラフや表を用いている。そのため、斜め読みには適していない。難しい理論が出てくるわけでもないし、債券や為替の基本的な仕組みについての丁寧な説明もあるので、経済に興味があってもっと知りたいけど、どこから手をつければいいのか?と悩む経済初心者には、これなんかどう?と薦めていい本だと思う。理解しながら読めばいい勉強になるだろう。
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1 リーマン・ショック後の日銀の金融緩和は、金余り→円キャリートレード→投機マネーの資源市場への流入→資源高騰へとつながったが、日本においては経済の二重構造(中小企業にはバーゲニングパワーがなく、また賃金の下方硬直性は必ずしも妥当しない)を背景に消費者への転嫁が進まず、賃金デフレ→デフレの進行という筋道を辿った(これは、同著者の「日本経済の奇妙な常識」で詳しく分析されていました。)
2 円安誘導はいまや日本経済の主力であるサービス業にとっては百害あって一利なし(燃料高・原料高)で、アベノミクスはリーマン・ショック後の二の舞になる可能性がある。
という見立て。
国内での資産バブルすら起きそうにな -
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経済学なんて言葉を使われると思わず怯える私のような人に、
自販機とスーパーのペットボトル、携帯電話のプラン、
(とりたて専門的でない)事務仕事、そしてスタバのコーヒー、
ごくごく身近な例をあげて優しく根付けの基本を教えてくれる本。
「あぁ、なんとなくわかる、知ってるよ」っという内容を
分かりやすい例と図で説明してくれる。
序盤は「実際はこんなに簡単ではないですが・・・」という枕詞が多用されるので、
本当に本当の基礎なんだろうけどとにかくグラフと図だけで理解できてしまう!
あと、啓発っぽい内容?なのかな。
お仕事に関する心構えのところ、すごく救われた気がする。
一人でやるのは効率悪いよ!知 -
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試し読み
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- カート
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試し読み
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あまりこういう本は読んだ事が無かったが、読んだ感想は数字の苦手な自分には頭が混乱しました。
それだけ参考になりましたね。
いま迄、答えが出た数字に、見せられた数字に何の疑問も抱かず、それを基準に考え、判断していましたが、見方により答えが大きく変わる事に気が付きました。
数字は説得力はあるが、その意味を良く理解しないと大変な間違の元で判断したり、行動したりすると言う事が気が付きましたね。
この数字の見方は難しいが、常にこの数字の意味を問う意識を持つ必要がある事を理解出来ました。
ここで、しかしと言うのは学んでいない証拠かもしれないが、これをやろうと思えば時間が足りない。
数 -
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名著「金融広告を読め」(光文社新書)の著者の本ということで、読んでみました。
ざっくりまとめると、
1 資源バブルは日本の近隣窮乏化政策が起こした。
2 日銀はアホ。
3 問題は賃金だ。
4 復興連動債で一石何鳥も。
1はよくわからない。説明としてはわかるし、データもそのような因果関係を示唆してはいるが、本書とは逆に、資源バブルが「因」で、日本の当局の政策が「果」なのかもしれない。
2もよくわからない。
3は納得。自殺率のデータには暗澹たる思いに。
4はこんなにうまく行かないだろうとは思うが、発想の突飛さは面白かった。
経済学に素人な僕は、経済学的な正しさはともかく、データの辻褄合わせの技 -
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安西先生、試合終了まで残り10秒。スコアは1点差です。
ラストシュートを打つのは、
今日の試合通して抜群に調子が良い、シュート成功率80%の桜木
今日の試合通してあまり調子が良くない、シュート成功率50%の三井
三井推しの私なら例え成功率が低くても関係がないが、
これしかデータが無ければ、合理的に考えて、普通は桜木を選択する。
だが、過去通算のシュート成功率が
桜木40%
三井70%
だとしたら?
MBAでは、直近の数字に惑わせられるな。より長い期間で見た数値で判断せよ。と教わるらしい。
たしかに。
今日調子が良い桜木にすれば、たまたまコインの表が続いていた、と言うだけ。
つまらんが -
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試し読み
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Posted by ブクログ
この本の筆者は1998年が日本経済の転換点であったと述べているが、確かに日本でP/L重視からB/S重視に企業評価の視点が大きく変化したのもこの時期だった。一方で資本収益率の低下はあまり問題にされこなかった。それはそういう時期だったから良いのだが、いつまでもそれを続けて良いわけではない。
現在日本に残る優良な製造企業は90年代後半から、財務体質を好転させてきたが(トヨタはずっと昔からそうだが)、2000年代にはいってからは、そのストックの使い道を広げられずに内部蓄積を積み上げ、今ややれることは自社株買いとなっている。これは収益拡大によって外部貢献を大きくすることに行き詰まっていることを現わして -
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試し読み
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グラフに用いられる数字をきちんと俯瞰することが大事というのが本書のテーマ。データは作成者にとって意図的に理想的な状態にすることが可能なため、閲覧者はそれが何のグラフであるのかしっかり把握する必要がある。また、軸によって大きくグラフの形が変わる可能性がある。特に確率で図示されているデータについては疑いを持つ必要がある。データ取得の際にはなんのためのグラフ作成かを明確にし、その目的に沿った軸(期間、時期など)で収集する必要がある。本書は簡単な内容ではあるがプレゼン資料作成時の的確なグラフ作成に大いに貢献し、テレビで表記されるグラフ等を半信半疑の気持ちで見、自分で考えることの重要性について学ぶことが
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NHK等で経済解説などをしているということだが寡聞にしてこの著者のことは知らなかった。当然ながら初めて読むもの。
著者による日本経済のデフレ・消費低迷の原因はかなりユニークである。一般的には政府・日銀による金融緩和政策が不充分であったとするところを、逆に「やりすぎ」であったことに起因するというのだ。
2001年以降のゼロ金利・金融緩和はいわゆる円キャリー取引によるグローバル投機マネーの急拡大を助長し、引いては2007年のアメリカ住宅バブルの規模を拡大させ、更には原油等資源価格の高騰を招いた。資源価格の高騰があったにも関わらず、日本の物価は下落している。なぜなら大手企業はコズト削減を部品供給