吉本佳生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
グラフに用いられる数字をきちんと俯瞰することが大事というのが本書のテーマ。データは作成者にとって意図的に理想的な状態にすることが可能なため、閲覧者はそれが何のグラフであるのかしっかり把握する必要がある。また、軸によって大きくグラフの形が変わる可能性がある。特に確率で図示されているデータについては疑いを持つ必要がある。データ取得の際にはなんのためのグラフ作成かを明確にし、その目的に沿った軸(期間、時期など)で収集する必要がある。本書は簡単な内容ではあるがプレゼン資料作成時の的確なグラフ作成に大いに貢献し、テレビで表記されるグラフ等を半信半疑の気持ちで見、自分で考えることの重要性について学ぶことができる。
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Posted by ブクログ
NHK等で経済解説などをしているということだが寡聞にしてこの著者のことは知らなかった。当然ながら初めて読むもの。
著者による日本経済のデフレ・消費低迷の原因はかなりユニークである。一般的には政府・日銀による金融緩和政策が不充分であったとするところを、逆に「やりすぎ」であったことに起因するというのだ。
2001年以降のゼロ金利・金融緩和はいわゆる円キャリー取引によるグローバル投機マネーの急拡大を助長し、引いては2007年のアメリカ住宅バブルの規模を拡大させ、更には原油等資源価格の高騰を招いた。資源価格の高騰があったにも関わらず、日本の物価は下落している。なぜなら大手企業はコズト削減を部品供給の中小企業に強いて利益は拡大したが内部留保が増えただけ。労働人口の大半を占める中小企業は原材料高騰を価格転嫁できず代わりに人件費・賃金削減によってコスト削減を行っている。結果として賃金デフレと消費低迷の悪循環に陥り、日本国内でも所得格差が拡大している、というものだ。
個人的は前半の金融緩和と資源価格高騰の原因になっているあたりにはやや違和感を感じる。2001年以降に市場に追加的に供給された円は本書のグラフを見る限りでは僅かに20兆円程度であり、それ以上に過剰なレバレッジによる投機ゲームのほうが問題だろう。但し後半部の中小企業の人件費削減による賃金デフレ効果・消費不足についてはその通りという感じだ。R.ライシュの「余震」でも中間所得層の減少がアメリカ不況の原因とされているように感覚的にもしっくり来る。
と、なるとデフレの原因は下請け企業のコスト増加分の価格転嫁を許さない大企業の「下請けイジメ」が論理的帰結となるのだろうか?下請けイジメというのが語弊があれば、トヨタに代表され、日本全体で疑うことを知らない「改善」「コスト削減」運動と言い換えても良いのだが。コストは下がるものだという思い込みこそが見直されるべきであり、それが個別企業の論理としては正しくとも日本全体では悪循環の元、まさに合成の誤謬となるわけだ。しかしながら、明日からコスト削減が悪、とは言い切れないところに問題の根の深さがあるのだろう。 -
Posted by ブクログ
スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
経済学者 吉本佳生 ダイヤモンド社
404の弾さんのご推薦で挑戦。
「数字」「経済学」は、3歩進んで2歩下がってしまう。
キーワード
取引コスト、心理コスト、ドミナント戦略、
規模の経済性と範囲の経済性、平均コスト
価格差別「高く買う客には高く、安くしか買わない客には安く」
所有格差の本質は資産格差
機会コストと比較優位
P.245
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?」は一番興味深い。
ところで、スタバでグランデを頼むと売る側も買う側もwin-winになるという。
理屈はわかるのだが、どうしてもだまされているように思ってしまうのは、コーヒーを自分でおとすセコサからか・・・。
カバーは厚盛りシルク