吉本佳生のレビュー一覧
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2007年、当時の新鋭エコノミストによる市場経済における価格決定のノウハウ本。当時はその斬新でインパクトのあるタイトルでかなりのブームを巻き起こしていたことを覚えている。そのムーブメントに乗った読者の一人として、再読。
なぜ、スタバでショート(Sサイズ)ではなく、グランデ(Lサイズ)を選ぶべきなのか。量は倍だが、価格差はそれほどではない。そして、店側の材料費、労力負担はどちらのサイズもほぼ同じ。社会全体の経済利益を考えれば、客も店もグランデを選ぶことが幸せだ。という結論。
これって、最近のダダ下がりする日本のGDPを回復させる一つのアイデアでは。日本人はスタバでショートしか飲まなくなってし -
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ビットコイン=仮想通貨と聞いて反応はいくつかに分かれるだろう。
①損した!二度とかかわりたくない。
②興味はあるけどなかなか手が出せない。
③単語は聞いたことがあるけど、ちんぷんかんぷん。
本書は、②③の方が読むと非常に参考になるのではないかと思う。
ビットコインとは、元々中本哲史と名乗る人物が論文を書き、生まれた仕組みだ。中本論文を読んだ技術者達が作り出したのが現在のシステムとなっている。
特に2014年マウントゴックスという取引所の破綻によって、一気に知名度が上がったが、実は、ビットコインの詳細を知るものはあまりいないというのが、今も続いている実態ではないだろうか。
この本は、二人 -
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201402/
これから10年とか20年とかで、確実に急成長する消費市場があります。「高齢女性の消費市場」です。/
日本全体では人口が急激に減る、これから20年間で、逆にどんどん人口が増えるのは、80歳以上の高齢者-しかも80歳以上の”高齢女性”です。もちろん、高齢男性も増えるのですが、ここでは増加率よりも増加人数が大切です。日本経済全体での消費市場の牽引役を探しているからです。/
高齢者は消費にかなり積極的で、そのいちばんの理由は負債残高が少ないことでした。それでも、高齢者は消費にあまりおカネを使っていないと思い込んでいる人がたくさんいます。明らかにまちがっているのですが、ついまちがってしま -
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給与所得者でこのタイトルに反対する人は・・・まあいないよねw。
橘玲氏ブログからリファレンス。
タイトルは一旦置いて、では誰の賃金を上げるのか。本書では「女・小・非正規・短」がキーワードとなる賃金所得者をターゲットとしている。こうしたターゲットがマーケットとなる労働需給の充実こそ、賃金格差・少子化・高齢層の消費を同時に実現するとしている。
いまの日本では「年2%のインフレ率」という政策が、好むと好まざるに関わらず教育関係費を押し上げ、結果的に「子供なんて産むな、育てるな」という効果をもたらすという点、政策評価に対する新たな指標を得られました。 -
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■世界金融
A.借金大国の中でも、アメリカ・イギリス・フランスの対外的な借金があまり心配されないのには、共通の理由がある。
3カ国とも、対外純資産残高のマイナスが金利負担につながってい。
海外に支払う金利や配当より、海外から受け取る金利や配当のほうが多い。
B.ストックの借金残高だけをみて論じると、まちがったイメージをもってしまいやすく、複眼思考で、フローの金利の受取・支払もあわせてみるべきです。
C.貸借をみれば、日本は世界一の対外純資産高を誇っている。
D.世界の経営収支を全て足せば、ゼロになる。だか大国は自国の収支だけをみてはいけない。 -
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・超良書。
・資期間が長くなる程、リスクは増える。つまり、短期投資より長期投資の方がリスクは高い。という長期投資にとっては耳が痛い話。
→山崎元氏の主張と同じだけれど、こちらの本の方が、更に細かく説明しているので、納得感はより高いと思う。
・短期投資はリスクが低いから(当然)リターンも低い。その低いリターンを補う為に、高レバレッジの取引をする人が多い。
→つまり、短期投資の方が長期投資より危険度が高く見えるのは、レバレッジを掛けて取引をしているから。もし同じ商品(個別株、インデックス、FX)なら、短期間保有する方が、長期間保有するよりも資産価格の変動幅は少ない。(これは感覚的にも納得 -
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価格が決められる背景が詳細に書かれている。
購入する際の手間など、目に見えない取引コストを加味することで、価格が高くても購入してしまう、消費者の非合理的な消費行動が理解できる。
生産にかかるコストは、原材料よりも労働(人件費)にかかるものが大きい。スタバでも、SサイズとGサイズの価格差がわずか100円であるのも、コーヒー豆など原料コストが占める割合は小さいことを意味する。むしろ、待機しているスタッフの人件費が大きいため、カフェでは何とかして客単価をあげようとする。単価の高いGサイズは店にとっても利益幅が大きく、また客にとっても量が多い利点がある。Gサイズは、店、客双方にとって旨みがある。
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試し読み
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クリス・アンダーソンの『フリー』を、日本国内の状況に落とし込んだ新書。身近な例から、現在花盛りの「無料ビジネス」がどのような戦略で行われているのかを概説している。
基本的に無料ビジネスは「損して得取れ」か、「あるものを売ることで、別のものを提供する」かのどちらかだと思うけれども、それを的確に分類してあてはめていくところは面白く読めた。この本の良いところは、「無料ビジネス」としての戦略が上手くいっているところと、上手くいっていないところを論じている点にあると思う。
結論から言うと、「無料ビジネス」という概念は最近名付けられたけれども、そこで行われていることは昔から脈々と続いているということ。 -
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最初はマーケティングの本と思って手に取ったのですが…
ペットボトルのお茶という同じものが、自動販売機、コンビニ、スーパー、ディスカウントショップでは、なぜ異なる値段で売られているのか?を始め、デジカメとテレビ、携帯電話、スタバなどシアトル系カフェ、100円ショップなど身近な話題を経済学の観点から、分析し、わかりやすく説明している本です。
経済を勉強したい高校生、社会人1年生(特に経済を勉強しなかった)におすすめです。中堅クラスのビジネスマンにとっては、「そんなの知っている」ということも多数ありますが、難しいことをここまで単純化、簡素化してまとめ、伝える能力は素晴らしいと思います。
個人的に参考