吉本佳生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ冒頭、奇妙な経済常識を一気に20並べる。答は本書を精読しなければ分からないシステム。常識を覆すというよりは、正論を淡々と記述している感じ。驚きも衝撃もなかった。寧ろ全く常識的な理論展開に逆に驚かされた。また、内需産業であるサービス産業の賃金を向上させるべきと訴えるが、どうすれば良いのかという道筋も示されていない。とは言うものの見過ごしてきた常識にハッとさせられることも多かった。経済のグローバル化が進んだことで、国内消費市場が十分に成長している国こそが強力な経済力を持っているということであり、意識すべきは生産より消費。冷静に考えれば当然のことだが、今一度、認識を新たにさせてもらった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ経済学の本。とても勉強になりました。
経済学をベースとしながらも、経営学も学べる素晴らしい本だと思います。
(個人的には、中小企業診断士試験などを目指す人が、読むといいと思う)
特に印象に残ったのは、「比較優位」の話。
著者の吉本さんは、イイ人だというのが、よくわかります。
後半のケーススタディでは、イケアやスタジオアリスの事例が出てきますが、起業のヒントを探る観点においても、分析の切り口が参考になりました。
初版から5年経過してしまっているので、ところどころで出てくる情報が古いってことはありますが、逆に、たった5年なのに、世の中はこんなに変わってしまったんだと認識できる点もいいです。
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Posted by ブクログ
金融庁、メガバンク、大手証券会社を完全に叩く内容。ただ、実例や数値、判例を含め記載しているのでかなり信憑性がある。
話の中心は、過去に三井住友銀行、野村證券、三菱UFJ銀行などによってPRDC債、FXリターン債を売り込まれた内容を細かく分析、記載している。いかにデリバティブが危険性であるのかを書いてあるが、投資家の責任もあるとのこと。ただ、確かにPRDC債もFXリターン債も金融を真面目に学んでいない営業担当が販売していた事実がこの日本ではあり得ないことであると思う。法的規制や緩和と既得権益保守とのイタチごっこ。
最終的に、筆者も金融庁や金融機関に巻かれたかの印象を受けたのが残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ”「時間と労力(手間)、余分なお金の支出、他の資産の使用、心理的負担」といったものが、買い物の代金とは別にかかるとき、それを取引コストと呼びます。”
本書は、取引コストという概念を中心に、私たちの生活の身近にある家電量販店や100円均一ショップ、スタバなどを例に挙げて経済学の基礎的なことを教えてくれています。単に知識的に「経済学」を学ばせるのではなく、生活と直結させて「経済学」について伝えてくれるので経済のことを全く分からない人でも自然に理解出来ると思います。
これを端として、これから周囲にある色々な料金体系などについて気を配っていきたいと思いました。 -
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ネタバレチェック項目14箇所。デジカメ、パソコン、テレビ、洗濯機など人気があって販売数量が増えると生産規模が大きくなって一台を生産するのにかかるコストが下がる・・・規模の経済性。売れないから一人当たりの単価を上げる・・・消費者の反感。自動車保険や大学では平気で行われているが経済の基本に反する。売れないときは値下げするが基本。アメリカや日本で車が売れなくても新興国向けの輸出gあ伸びているから生産規模を維持・拡大できている。高級レストランのランチが安いのは・・・?実は赤字ではなく元がとれている。夜の分まで材料を仕込んでおくことで時間のコスト削減になる。ディナーだと2時間の回転がランチは1時間の回転でできる
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Posted by ブクログ
ケインズが指摘した「完全投資」=「どんな種類の耐久財についても、これ以上の増加からはもはや取り換え費用以上の収益を期待することができなくなるほどの投資の状態」、はたまたマルクスが言った「利潤率の傾向的低下」、また、リカードやミルが想定した「定常状態」。現今の日本経済が陥っている資本主義経済が成熟すればするほど資本主義経済が滅亡に近づくというパラドックス。
そんななか、各企業は、消費不況に立ち向かう価格戦略として「無料ビジネス」という新たな戦略の下、日々実践を重ねている。
企業にとって一番の消費者であった「政府」ももう消費するだけの余力はないし、官が関与すればするほど余計に墓穴を掘ることも露 -
Posted by ブクログ
久しぶりに読み応え有った良書でした。
大ざっぱに本の結論を述べれば、日本の企業の大多数である中小企業は、資源の高騰などのコスト高を価格に転嫁できず、その分賃金カット等で乗り切って切るので、デフレ・スパイラルに陥っている。故にデフレ脱却にはインフレターゲットのような、物価を引き上げる政策ではなく、労働生産性に見合った分だけ賃金を上げること、コストが嵩んだ分はきちんと価格に反映させること。ということだ。
筆者が言うように、企業は、例え政府が消費税を毎年引き上げても、それを価格に転嫁せず、コストカットで乗り切る企業が増えるだけではないかと思う。
僕個人この処方箋には大賛成なのだが、日本人の体質 -
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