桜井美奈のレビュー一覧
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ずっと積読状態だった作品です。
やっと手に取り読み終えました。
塀の中の「あおぞら美容室」が作品の舞台です。
連鎖短編集で色んな人が美容室を訪れます。
取材だったり、以前行ったことがあるから、価格が安いから、好奇心で…等など。
刑務所と聞くと全く知らない所でどうしても緊張したり構えたりすると思うのですが、美容室は別棟で、いくつか決まり事はあるにしても、とても雰囲気が良い所の様でした。
受刑者の訓練ということだそうですが、刑期が終わった後のこと、また、刑期中の家族のことが深刻にならずとも描かれていました。
これらのことは、いくら想像しても難しくて答えの出ない問のように思いました。
作品はとても優しく読みやすいものでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙の意味が分かるとグッとくる。
・「大丈夫です。涙なんて、あくびやクシャミと同じですから」「え?」「生理現象の一つですよ」
・「大切だったものまで、捨てることはないと思います」
・「髪を切っても、ラプンツェルは幸せになったんです」 突然、美容師さんの目から涙が溢れた。マスクの上から手をあてて、声を殺して泣いている。制服の女性に肩を抱きかかえられながら、涙を流していた。
・「髪、切って良いよ。わたしはあのときより、幸せだから」 返事はない。葉留はうつむいていた。振り返って覗き込むと、葉留は泣いていた。もういい、と思った。わたしが責めるのは、もうやめようと思った。誰が責めなくても、葉留自身が責め続けるのだから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ普段はミステリーやホラーばかりなのでたまには、と思い拝読。
近年ネットには過食嘔吐の人々がよく流れてくるので、過食嘔吐は知っていたが窃盗と合わせて癖になるようなものだとは知らず、勉強になった。万引きは意外とある話なので、身近にももしかしたら盗む食べる吐くを繰り返している人がいるのかもしれないと思った。
個人的に、得体のしれない母親との関わりに怯えるような作品は好みなので、母親への不信感や関わりたくない気持ちと過食嘔吐が結び付けられて書かれている当作は読むのが楽しかった。ただ母親を受け入れられないというだけではなく、早織自身が娘に受け入れてもらえていないというところも、過去に読んだ他の作品とは違って良い。
このような本のジャンルが分かりませんが、また読みたいと思えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルの強烈さに惹かれて読み始めた一冊。設定は刺激的なのに、物語の運びは意外と落ち着いていて、肩の力を抜いて楽しめるタイプのサスペンスでした。
“殺したはずの夫が戻ってくる”という大胆な導入から始まる物語ですが、似た構造の作品を読んだことがある人なら展開の予想はしやすいかもしれません。ただ、主人公・茉菜の選択がとても力強く、読みながら「そこまでリスクを取らなくても、もっとまっとうな選択で十分だったのでは…」と思う場面もありつつ、そこは物語として受け止めるのが正解なのだと感じました。
物語には茉菜に関わる人物がいくつか登場しますが、幼い頃にやさしく接してくれた近所の方の存在が印象的で、その方にはどうか幸せになってほしいと素直に思いました。こうした脇の人物が物語に少し温度を与えてくれるのも良かったです。
タイトルは刺激的ですが、内容は比較的マイルドで、最初と最後の出来事も“現実に起きたら怖い”というリアル寄りのライン。だからこそ、もっと振り切った展開でも面白かったかもしれません。深読みすると気になる点は出てきますが、あえて考えすぎずに読むとちょうど良い作品でした。
読み終えてふと、フィクションのようでいて現実にも似た話があるのかもしれない…そんな余韻が残る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
最後まで犯人がわからないドキドキ感が楽しかった。
自分の身に置き換えても、起き得る内容だと思った。
自分が知らない裏金社会がこの世にはたくさんあって、それは生徒を正しく導くべき場所である学校という場も例外ではない。
企業と同じく、学校だって利益を生み出さないと潰れてしまうしどんなに悪どい手を使っても護らないといけないものはあるかもしれない。
責任感が強く、教師としての仕事を最後まで全うした先生の結末が悲しくて心が痛い。
実際にはこんなに素晴らしい先生はどのくらい存在し得るのだろうか。
自分の先生が同じ立場になったら、奥澤先生と同じような行動をとったのだろうか。気になった。 -
Posted by ブクログ
鈴倉茉奈は五年前に旦那の和希を崖から突き落として殺したはずだった。
だが、ある日ひょっこり帰って来た。しかも性格が180度変わってDVとは程遠い穏やかな人間になって。
記憶が曖昧だということだが、過去を思い出した時には殺人者と被害者。寝首をかかれるんじゃないの⁉︎
薄氷を踏む同居生活が始まる。
「過去を知っている」と書かれた手紙が届いたり、和希は優しいのだが、なんとなく怪しい行動を取ったり。
何が真実で何が嘘なのか。
文章はほんの少しぎこちなさがあるし、色んな問題を詰め込み過ぎた感はあるものの、どういう結末になるのか知りたくてどんどん読み進めてしまう。
結果驚きのラストが待っていた。
で、答え合わせの再読してしまった。ふう〜。