武田一義のレビュー一覧

  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 7巻

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    必死で生き延びようとする日本兵たち。
    しかし、米軍は掃討を完了したものとして、攻勢は弱まります。

    そして敗戦。

    米軍は少しずつ撤退を始めますが、ペリリューの兵たちはその事実を知らず、反攻の機会を待って潜伏を続けます。

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    2020年08月30日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 6巻

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    ひとつ、上手くいくようになったと思ったのもつかの間、米軍陣地への侵入に失敗した部隊から潜伏場所がバレ、襲撃をうけます。
    なす術もなく殺されてゆく日本兵たち。
    いい奴かどうかは関係なく、無慈悲に命が奪われてゆく様は、改めて戦争な悲惨さを感じさせます。
    米軍指揮官の「敵も見方も狂っている」という言葉には、例え優勢だとしても、狂っていないといられない、戦争という過酷な環境を示しているように思います。

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    2020年08月28日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 5巻

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    再び生き残った日本軍の兵士が集合し、米軍の基地から糧食を盗み出すことに成功します。
    各隊から集まった当初は、それまでの経緯や以前からの上下関係や確執もありましたが、次第に一枚岩になってゆきます。
    「持久に徹する」という大本営の指示を思い出し、長期戦の備えを始める彼らの裏で、日本では東京大空襲がおこるなど、銃後も大きな被害を受けるようになっていきます。

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    2020年08月27日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 9巻

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    文句なし。戦争の悲惨さをこんなに可愛い絵で、こんなに切実な物語にかえる筆者さんはすごい。

    アメリカ軍への投降計画がバレ、扱いの変わった主人公たち、アメリカ軍に自分も同じ人間だと最期に語り掛ける仲間、報復の射撃、ああ。ああ、戦争は嫌だ。

    「なんでだよ…」
    読みながら5回くらい勝手に口が呟いていた。

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    2020年08月06日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 9巻

    ネタバレ 購入済み

    圧倒されます

    戦争が終わっても、ペリリュー島に残る兵士達にとって戦いは終わっていない。その中で投降するか否か、銃を向けられた主人公が選択を迫られるシーンがすごく良かったです。

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    2022年09月29日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 3巻

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    開戦から74日、天皇陛下からの「御嘉賞」は11回という異例の多さを誇ったペリリュー島の守備隊も、組織的な戦闘を終えます。
    「玉砕」という勝ち目のない突撃を命じられ、効果を上げることなく死んでいった兵士たちも悲劇ですが、「玉砕」すらゆるされずに補給もないまま「持久戦」を強いられ、病魔に苦しみながら戦う兵士たちもまた悲劇だと強く感じます。
    むしろ、本部の指示系統から離れて一日いちにちをひたすらに生き抜こうとする者たちの方が、”解放感”があるように描かれていると感じます。

    いずれにせよ、戦争という行為の恐ろしさや、国際法にもとづく「降伏」という手段を決して認めず、理論的に思考せずに困ったときには精

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    2020年07月29日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 2巻

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    ペリリュー島にある飛行場の確保をめぐって始まった激戦でしたが、ペリリュー島の陥落を待たずにアメリカ軍がフィリピンへの侵攻を開始したことで、そもそもの戦闘の意義がなくなってゆきます。
    日米両軍の被害が拡大するなか、日本軍(守備隊)は水や食料を確保するために命懸けで壕から出て探索におもむき、銃弾に倒れてゆきます。

    降伏勧告のビラが全島に散布されるなか、「徹底抗戦(持久戦)」を指示する司令部を、過大報告された戦果に対する大本営や天皇からの「御嘉賞」が後押しし、泥沼の状況が続きます。

    地図や盤面の数字ではなく、戦場にいる兵士も一人ひとりの人間であることを改めて感じます。

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    2020年07月29日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1巻

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    平成天皇皇后両陛下が慰霊訪問を行ったことで有名になったペリリュー島の戦闘を描いた作品です。

    温かみのある、どこかほっとする絵柄で描かれている戦場の「無慈悲」な様は、あらためて平和の尊さを感じさせます。
    この巻で初めて知った「功績係」という仕事。
    戦死した兵士が「いかに勇敢に戦って死んだか」を遺族に知らせるための仕事です。
    たとえ、戦闘でなく事故で死んだとしても「勇敢に戦って死んだ」ということにしたり、また「玉砕」ではなく「持久戦(突撃するのではなくその場に踏みとどまって戦局を長引かせる)」を命じたりするなど、兵士一人ひとりの人生や人格を無視した(そうでないと軍隊として機能を維持したり戦闘を継

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    2020年07月27日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 7巻

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    表紙の青空と笑顔が美しくて悲しい。
    ここまで一気読みしてきた。2019/12/29現在の最新刊。来月の新刊がもう待ち遠しい。

    片倉兵長、相変わらずの敵も味方も邪魔な奴はぶっ殺すマンでブレない。あんなことあったのに、なにこの人、鬼?怖いよ。しかも衝撃の真実「寺生まれ」。寺生まれのKさんマジやばい。
    入木さん、英語堪能マン。マジ即戦力。
    高木、サイコパス高木。怖い。超怖い。
    少尉、尊い、上司にしたい。
    伍長、健か。生きてほしい。

    着々と、本土が攻撃され、原爆が落とされ、戦争が終わる。そうおわる。
    終わっても、この島の戦いは終わらなかった。史実だから、この島で何人の日本兵が生き残ったか知っている

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    2019年12月29日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 6巻

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    片倉兵長、あの状態から早々の完全復活。怖い。

    米軍の英語が、わかる単語以外めっちゃ読みにくいのとか、本当によくできた漫画で感心する。「なにを話してるんだ?」って聞きにくい声を一生懸命聞くキャラクターと同じ気持ちになる。


    あと、どうしても言いたいことがあるんだけど。
    「高木ってなに?サイコパス??」
    もう高木こえぇよ。いなくなってくれよ、マジで。そう思いながら読んでた。泉くんとのやりとりとか、もうホント怖いわ。何か欠落してるキャラをこの頭身で描かれると本当に怖いわ。干からびててくれ。頼む。

    以下ネタバレ。


    泉くんのところ、泣いた。少尉の影を追い、想い、生きてきた。それが憧れが尊敬か恋

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    2019年12月29日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 5巻

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    アメリカ軍陣地に潜入して敵の物資を盗んで戻ってくる。こんな作戦、あまりにすごくて、「え?フィクション?」と思ったけど、ノンフィクションだった。

    糧食さえあればある程度人はまともな「生活」に戻れることがよくわかる。食事もないのに持久に徹して1人でも多く敵を殺してなんて、無理だ。

    一番ショッキングな話は38話生存本能2 。
    コンクリ攻めされた穴を掘り出すことに成功し、片倉兵長たちを救出することに成功するのだが…
    黒塗りで描かれないからこそ、彼らの惨状を想像させられる。
    生きるために。
    死なないために。
    人はいくらでも残酷になれるし、体より先に心を失うんだなぁ。悲しくて、怖い。
     

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    2019年12月29日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 4巻

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    片倉兵長怖い。
    吉敷くん尊い。
    少尉殿と泉くん、良い…。

    玉砕、初めて人を撃つ主人公、コンクリ攻め。
    島に残った子供たち。

    お腹が空きすぎてまともな判断ができなくて、人を殺して見せしめにして、敵の飯も味方の飯も奪って、地獄になった楽園だけど、今回は少し幸せな時間もあって、ホッとした。

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    2019年12月30日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 3巻

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    ネタバレ

    美しい表紙は玉砕の電文。

    7巻まで読んでから戻ってきてるので、もう泉くんの姿に涙が止まらないよ。島田の決意、優しさ、漢気。そうだよね、泉くんはそこに憧れて惹かれて尊敬してたんだよね。

    イマイチ小杉がわからんが、彼には彼なりの哲学みたいなものがあって、彼なりに最良を選んで生きてるんだろうなあ。

    吉敷くんは、なんか本当に頼りになるし強いけど、どこか脆くて、でも素直で本当にいい奴。

    鬼畜米兵か。仲間を焼き払って、爆撃で殺して。だから日本兵はあんな風に死体を、あんな。ああ、戦争なんて本当に嫌だ。本当にクソだ。

    本巻はついにさくらさくらの玉砕。Wikiのこの部分も本当に熾烈。この数ページのコマ

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    2019年12月27日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 2巻

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    小杉伍長と吉敷くんと。だんだん戦場で感覚が麻痺していく主人公田丸。そして、読者。
    よかった田丸くんが無事だった、吉敷くんが生きてる、よかった。アメリカ兵が涙を流して死んでも、伍長が死んだかもと分かっても。そうやって安心している自分に気づく。

    wikiによると、最初は日本がかなり優勢にことを進めていたことがわかる。島を要塞化して堅実に守っていた。でも、圧倒的に人も物も足りない。

    飄々としているどこか信用できない小杉。目が大きいイケメンぽい主人公感あふれる優しい頼れる推しの吉敷。できる男の包容力、みんなのカリスマ島田少尉。おっとり穏やかたおやか系男子泉くん。なんか怖い目付の片倉兵長と彼の率いる

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    2019年12月27日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1巻

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    Twitterで紹介されて、ネットで試し読みしたらいてもたってもいられなくて、電子書籍で7巻まで買って、泣きながら一気読みして、今から落ち着いて一冊づつ感想を書きます。
    電子書籍で買ったことを後悔してる。人に貸せないから。つまり、そう言う本です。

    激戦地、ペリリュー島。聞いたことはあったけど、Twitterで見た数コマの絵、真っ黒く塗りつぶされて描かれた「死ねる」ことを喜ぶハエにたかられている兵士たち。その絵が、なんとも丸っこい、頭身の低い、可愛い絵なのだ。

    主人公は漫画化志望の「兵士意識希薄め」の普通の青年。本巻は、彼が漫画家死亡故に「功績係」として戦死した仲間のことを記録する係となるこ

    7
    2019年12月26日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 7巻

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    ペリリュー島の敗残兵が、米軍基地に忍び込んで食料を盗みながら生き永らえる様子がリアルに描かれている。しばらく戦闘が起きないうちに(=戦局が定まったのちに)半年がたち、本国では無条件降伏による敗戦が決まってしまった。ペリリュー島では、そのことすら知らずに時が経っていく。。。

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    2019年08月10日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 3巻

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    ネタバレ

    たまに
    これ戦争だよな?
    と思うほど平和な空気が流れるのだけれど
    現実に引き戻される
    戦争が日常で
    日常が戦争

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    2019年05月31日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 6巻

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    ペリリュー島でのサバイバル。日本軍の敗残兵は、米軍の倉庫から食糧を盗んで、何とか食いつないできたが、潜伏先の洞窟を米兵に見つけられてしまう。ついには味方の死体を食うか食わないかというところまで追い詰められていき…

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    2019年05月24日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1巻

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    借りたもの。
    激戦地となったペリリュー島で何が起こったか――
    南国の楽園的雰囲気は、1話目の小山一等兵の不慮の事故死、島民と言葉を交わし彼らが疎開したから次第に不穏な空気に包まれてゆく……
    持久戦であると明言する指揮本部(つまり退路も補給路も無い)。
    戦い慣れしていない兵士たち。正面対決をしていなくても、常時戦闘中であり、空爆で壕の入り口付近にいた兵士が跡形もなく消し飛んでいた……
    アメリカ軍による上陸作戦、塹壕での戦闘――ほとんど日本側は特攻が戦術――は目も当てられない。
    配置を変えることもなく、無残に的にされる砲台……
    戦略も無い。

    死んでゆくアメリカ軍兵士の姿、何の戦果も出せぬまま死ぬ

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    2019年01月23日
  • ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 5巻

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    先の大戦の日本軍を描いた実録コミック。ペリリュー島の攻防戦はすでに決着がついているのだが、「降伏させてもらえない」日本兵は、食料を求めて夜陰に紛れて米軍基地に忍び込んだり。もはや何のために生きているのかも分からない。旧日本軍の戦い方は、あまりにもひどすぎる。大本営には「国民あっての国家」という発想がないんだな。

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    2018年11月19日