第二次世界大戦時、ペリリュー島は日本軍にとって大切な軍事基地だったそう。「楽園のような南の島が昔は戦場であった」そのことは史実として知っていましたが…。
主人公は漫画家志望でありながら、兵士になってしまった気の弱い青年。 武田一義先生のホッコリとした絵柄はとても親しみやすいのですが、それが戦場という悲惨な場所とのコントラストを強めている感じがしました。
日を追うごとに減っていく食糧、日本とは違う温度と湿度。なんとしても敵を攻撃しようとする上官、そして戦友たち…極限の中での人間関係の描写が胸に刺さります。
読後は「あ~、現代日本に住んでてよかった…」と思うこと間違いなし!ホント平和が一番!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2020年08月06日
文句なし。戦争の悲惨さをこんなに可愛い絵で、こんなに切実な物語にかえる筆者さんはすごい。
アメリカ軍への投降計画がバレ、扱いの変わった主人公たち、アメリカ軍に自分も同じ人間だと最期に語り掛ける仲間、報復の射撃、ああ。ああ、戦争は嫌だ。
「なんでだよ…」
読みながら5回くらい勝手に口が呟いていた。
戦争が終わっても、ペリリュー島に残る兵士達にとって戦いは終わっていない。その中で投降するか否か、銃を向けられた主人公が選択を迫られるシーンがすごく良かったです。
Posted by ブクログ 2020年08月01日
まもなく昭和22年…ペリリュー島の日本軍兵士たちにまだ終戦は来ない。わからない事実を知ろうとする者、これまでの信念を固持しようとする者、それぞれに動揺を抱えて日々を重ねていく…。「本当のことがわからず、先が見えず」という状況はコロナ禍にも通じるものがあるなぁと感じました。死への不安の重さは比ぶべくも...続きを読むありませんが。訪れた嵐に、状況はどう動くのか?