【感想・ネタバレ】ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 11巻のレビュー

第二次世界大戦時、ペリリュー島は日本軍にとって大切な軍事基地だったそう。「楽園のような南の島が昔は戦場であった」そのことは史実として知っていましたが…。
主人公は漫画家志望でありながら、兵士になってしまった気の弱い青年。 武田一義先生のホッコリとした絵柄はとても親しみやすいのですが、それが戦場という悲惨な場所とのコントラストを強めている感じがしました。
日を追うごとに減っていく食糧、日本とは違う温度と湿度。なんとしても敵を攻撃しようとする上官、そして戦友たち…極限の中での人間関係の描写が胸に刺さります。
読後は「あ~、現代日本に住んでてよかった…」と思うこと間違いなし!ホント平和が一番!!

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感無量

2021年10月21日

自分の祖父もこの島で戦没しました。
いつかは島を訪れたいと思ってます。

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Posted by ブクログ 2022年05月10日

貴重な作品だと思います。
10年後はできない、今しかできないことをやる、と感じた、という趣旨を作者が述べられています。
確かに、このようなテーマについて、商業ベースで成立させつつ、一次情報を踏まえて描くことは、どんどん困難になっていくでしょう。
もはや最後かもしれません。

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Posted by ブクログ 2022年01月27日

日本の戦争を扱った漫画は精神的にツラくてそんなに読んだことはなかった(はだしのゲンぐらいか?)が、あまり苦しまずに最後まで一気に読めた。
たぶんキャラクターが可愛く書かれているのがよかったのではないかと思う。
ただし内容自体は戦争物なのでハードかつ残酷。
当時の日本について強い非難も美化もしていない...続きを読む、フラットな感じがするところも読みやすい点かと思う。
可愛い絵柄だがしっかりとリアリティが感じられる良い作品だった。

解説もほどよく入っているので、戦争についてあまり知らない人でも読みやすくおススメ。

こういった極限状態を生きた作品をみると、眠れないとか体重がちょっと増えたとか、子供がイヤイヤ期でしんどいとかっていう自分のストレスがあまり大したことない気がして、もうちょっと頑張る気になるところがいいと思う。

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Posted by ブクログ 2021年11月28日

戦争の事後談。
今の僕には、戦争の悲惨さに耐えられない。この巻まで読まずには、いられない。
この巻を読んで、「良かったな」という気持ちになるので、10巻まで読んだ人は
11巻まで読むだろう。

本当は読むのが辛かったのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2021年10月17日

ついに完走。コレがマンガになって本当に感謝。知らなかったことばかりで、今知ることができて本当に良かった。等身大の普通の人の戦争の話。絵柄がかわいいけれど、中身はひどく悲惨。死ぬ原因も戦うだけでなく、餓死、事故死、自死、病死、内ゲバで亡くなる…あまりにも理不尽すぎる。
この巻は戦後70年を一気に。食...続きを読む料や服を取られたり、子どもに財布をすられたり、遺族を回っても、辛く当たられたりされても、怒らない田丸くん、良い人すぎる。いろんな人の戦後があって、いろんな人生があるということ。アニメ版も楽しみ。

あとは、ふと思ったのが主人公たちは、若くて体力があったから生き残れたのかも…。

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ペリリュー島

2021年09月02日

天皇皇后両陛下のご訪問前のことです。パラオに旅行した時、ペリリュー島の一日観光ツアー(旧日本軍の歴史中心)がありました。
歴史好きな私♀は参加したかったけれど、同行者♂がダイビングにしか興味なくあきらめました。
この漫画に出会って、なぜ一人でも参加しなかったのか後悔しました。コロナが終息したら是非訪...続きを読むれたいです。アニメ化も決まったとのこと。本当に楽しみにしています。

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Posted by ブクログ 2021年08月19日

完結巻となる11巻は、帰国してからの田丸の歩みを、孫との語らいの中で振り返るスタイル。70年あまりを経て今も活き続ける想いと、それが受け止められ引き継がれていく様に胸が熱くなります。「戦争」を僕らが実感することは今や難しいけれど、目を逸らしてはいけないことだと、改めて感じる作品でした。

「話を聞け...続きを読むば、体験していなくても描けるとお考えですか?」このお話を、アニメでどう描きどう伝えるのかが気になります。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

物語の最初の「戦死者」の描き方※を読んでしまい、これを描くの凄いなと思い連載中から毎号追っかけた漫画の最終巻。(※世間一般にはおそらく知られていないのでは)

100人いれば100人の戦争体験があると言われ続けてきたが、タイミングとして、かなり重要な季節を今迎えている。
テーマは『戦争は女の顔をして...続きを読むいない』同様か。

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購入済み

涙が止まらない

tak
2021年08月08日

淡々と終戦から日常に戻る過程が丁寧に描かれていて、それが逆に戦争の悲惨さを際立たせている。涙が止まらない。

#泣ける #切ない #感動する

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購入済み

繰り返し読み続けています

2021年08月08日

先日1巻無料試し読みに偶然出会った作品です。
続きが気になり、全巻試し読みをし、たまらなくなりこちらの最終巻を購入。
そしたらやっぱり全巻読みたくなり、結局冊子版で全巻購入しました。それから何度も読んでいます。

素晴らしい作品です。
考えさせられ、胸に深く残ります。でも読みやすい。
...続きを読む終巻を読んでからまた読み返すのも面白い。
全部が史実ではないが、史実もあり…色々考えさせられる作品です。
今の若い人にたくさん読んでほしい本。
学校でも推奨してほしい本。
将来子どもたちに読ませたい本となりました。
本当にオススメです。

#切ない #深い

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Posted by ブクログ 2021年08月06日

★5つじゃ足りないのだけれど、感想を言葉にすると野暮なものにしかならない気がして、書き始められなかった。そんなすごい漫画の最終巻。


戦争は悲惨だとか、してはいけないとか、わかっているけれど、わかっているのに、わかっているからこそ、戦争物といわれる漫画や小説を好んで読むのだけれど、ここまで読み終わ...続きを読むってから言葉にできない気持ちがブワッと湧き上がることってあんまり経験がなくてどうしていいかわからない。

以下、どうにもならないから羅列する言葉。若干のネタバレあり。注意。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・表紙、楽園だ。楽園だったのに。鎮魂の1冊。
・最初から「あ、吉敷くんじゃん」って思って、おじいちゃんになった田丸くんが彼を見て泣いたところで、もらい泣きした。吉敷くんはみつからなかったんだって、これだけでわからせるのすごい。
・功績係として田丸くんがしたこと、すごい。あんなになりたかった漫画家の道を失念するくらい大変だったんだ。
・片倉さん、怖い。たった数ページだけれど、「戦中」のいろんな漫画の場面がフラッシュバックするみたいだった。
・この漫画で一番刺さったのは、「高木」の「戦争中のことは何も思い出したくない あの頃の自分が嫌いだから」というセリフ。私、高木がすごく嫌いで。自分のことばっかり、本当に嫌なヤツだと思う。最低なことをたくさんした場面が出てくる。でも、高木本人が、それを悔いていたのかと、嫌悪していたのかと。目から鱗というか、こいつは「そういう奴」という人物設定だと思っていたから。

・最後の数ページ、静かに海に入った吉敷くんは、長い年月をかけて、遠い南の島から、田丸くんを迎えに来てくれたんだ。その音のない数ぺージの、なんて尊いことか。切ないことか。

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ネタバレ購入済み

当事者と生き証人

2022年09月29日

最初から最後まで目が離せませんでした。
終戦を迎え帰国した後の生活を語る田丸くんと、取材という名目で聞き出し壮絶な体験に引き込まれる孫。
読者であるわたしも孫と同じようにどんどん引き込まれ、最後まで気が抜けませんでした。
笑って過ごせられる平和な生活をもっと大切に、亡くなった戦没者たちに冥福を...続きを読む祈ります。
わたし自身、もっと祖父たちから戦争体験を聞いておけばよかったと後悔しています。

#感動する #深い

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Posted by ブクログ 2021年07月31日

人の数だけ、背景があり、身近な人間にほど言い出せない…
海にいる
見つからない
どう受け止めればいいのかわからない。
現代の感覚では量ってはいけない何かがそこにある。

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Posted by ブクログ 2023年08月04日

太平洋戦争末期の激戦地の一つ、ペリリュー島。玉砕も許されず、来るべき反転攻勢に備えて持久戦を強いられた兵士たち。糧秣も底をつき、敵と戦うよりも食糧を探す日々。仲間同士の諍い、病気や怪我により失われる命。生きて故郷に戻れる確約もなくひたすらに耐え忍ぶ姿。
終戦の事実も知らされず、戦後一年半も隠れ、生き...続きを読む延びて故国日本に帰り着いた兵士は僅か34名。

この辛い事実が何処かほのぼのとした絵で描かれていることが救い。生きて共に日本へ帰ろうと誓い合い、助け合った田丸と吉敷の友情に胸が熱くなった。若き指揮官島田少尉の葛藤と後悔は想像するだに苦しい。

終戦記念日を前に、この作品を読み通せてよかった。

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Posted by ブクログ 2022年04月24日

最初の3巻ほどで、もういいでしょ、と思ってしまう。戦争は人類が犯している最大の過ちであり、最も知られざる悲劇だ。だからその実態を描いたマンガはとっても貴重だけれども、1944年9月の米軍上陸から始まった南の前線基地ペリリュー島約一万人の兵士の殲滅譚は、11月の島の「玉砕」宣言辺りで描き切ったと思えた...続きを読む。でも見るとあと7巻もある。

実際には、そこから2.5年間、1947年4月に残った日本兵34人が投降するまで、彼らの戦いは続いたのである。生存者への聞き取り、研究者との二人三脚、現地取材、映像資料などを通じて、史実にかなり忠実に(しかし主要登場人物は多分フィクション)で描かれたと思う。銃撃で吹っ飛ぶアタマ、腐ってゆく身体、食糧調達の様々な知恵、米軍に閉じ込められた男は2ヶ月同胞を食って命を繋ぐ、投降しようとした同胞を何人も殺す‥‥、その他様々な小物、自然などの描写をリアルに描く。全11巻でこそのリアルな戦争マンガだった。


一方で登場人物は全て三頭身のデフォルメされた描写に徹した。これは正しいやり方だったと思う。現代の人間は、こんな極限の状態を長いこと見ていられない。私も、映画「野火」のような状態が24時間続いたら、精神に変調が生じてしまうかもしれない。

最後の数巻は、主人公の田丸だけではなく、親友で頼もしい吉敷、残存兵たちをカリスマ的にまとめ上げた島田、常に自分の生命安全を優先させたのに最後の選択で帰れなかった小杉、最後まで自分の心情を口にしなかった片倉の、彼らの交差する運命と戦後の命の仕舞い方を描いていた。

アニメ化されるらしい。
片倉さんの「体験していなくても、(マンガを)描けるとお考えですか」という根本の問いを、武田さんは正面から受け止めているように思える。生き残った田丸さんにしても、孫に話し始めたのがこの作品の始まりということになっている。田丸さんは息子には一切話していなかった。何故なら、「自分が人を殺したという事を、それを、自分の子どもに伝えるのは、とても恐ろしいこと」だから。

私の父は呉の海軍通信兵候補で戦争を終えているので、戦場に行ったことはない。上等兵に尻を叩かれた等の厳しい訓練生生活を、夕食時に得意げに何度も「同じこと」を喋っていた。「昔は大変だったけど、今の世界に生きることは幸せなんだよ」と不器用ながら伝えていたのだろう。今ホントに悔いが残るのは、叔父がシベリア抑留からの帰還兵だった。体験を一度も聴いたことがなかった。多分誰にも喋っていない。聞けるとしたら、親族の中では私しかいなかったのかもしれない。しかし、それももう10年前に叶わぬことになっている。

こういうマンガは、ホントに貴重だ。
今現在世界の片隅の「戦争」で、
次の一瞬にも生命を落としている方がいる中で、
ひとつの選択が、大きな過ちに繋がるこの世界で、
こういうマンガはホントに貴重だと思う。

「ヤングアニマル」2016-2021年連載。
2022「このマンガがすごい!」オトコ編第9位。

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Posted by ブクログ 2022年03月31日

終戦を迎えた後、年余にわたってそれを知るすべもなく、戦時中を送り続けた兵士たちを描いたのが本作の終盤。特にそこから受けた感銘が大。もう戦わなくていいのに、なぜその命は奪われる?っていう不条理が、これでもかと突きつけられる。この無常、繰り返したらアカンて。すぐに止めようぜ、戦争。

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Posted by ブクログ 2021年10月02日

ペリリュー最終巻。戦後の顛末について。戦争は終わっても、そこで戦っていた人の中では続いていくものがあるということ。

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Posted by ブクログ 2021年08月06日

この11巻、読む前は蛇足だと思っていたのですが
読み終えて、そうではないと思いました。
戦友・遺族全てが同じ気持ちなワケないですよね。
そういう当たり前のことに今更ながら気づかされました。

ただ、スピンオフ作品は本当に蛇足だと思うのでw
読まないつもりです。

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