ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、神道、儒教 世界の裏側がわかる宗教集中講座

井沢元彦

[ブクログ · ★★★☆☆]

　本著によって得られるものは、「対決」である。人間の、民主主義の、もしくは時代の移り変わりについて、それぞれの宗教の代表者たちは適応しているような顔をしていて、ヒューマニズムに基づいた宗教面ばかりを述べるが、一歩踏み込めば、絶対に一歩も譲らない世界が広がっていることがわかる。キリスト・ユダヤ・イスラムの言い分が載っているが、これは結構貴重ではないかと思う。絶望的なまでに、なんも相互理解もあったものじゃないことはあきらかだ。各宗教の最高レベルの人間でさえ、この譲らなさ、ほかの宗教へのディスと、自分たちの宗教はそこまで危ないものではないという平和アピールは、面白おかしいくらいだ。なかなかインタビューできなさそうな、各一神教のボスたちのやばさを知ることができるので、良い本だと思う。