「決め方」の経済学

「決め方」の経済学

ビジネス・実用
1,760円 (税込)

8pt

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慣れ親しんだ決め方である多数決は欠陥だらけの方法だった。『多数決を疑う』の著者である坂井豊貴氏が、民主的な「みんなの意見のまとめ方」を経済学のツールを使って解説。「多数決」と「数の暴力」はどう違うのか? 曖昧でいい加減な「民意」「選挙」の議論を叩き切る! 選挙の前にぜひとも読みたい一冊。

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「決め方」の経済学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     副題に「みんなの意見のまとめ方」を科学する-とあるように,本書は,人々の多様な考えの状況を如何に正確に捉え判断するかを解説した本です。
     本書を読むまでもなく,単なる多数決は,民主的な方法とは言えません。しかも多数派が少数意見を全く無視したような多数決は「多数の横暴」とも言えます。さらに,3択や4択があるときの多数決は,死に票がたくさん出たり,本来のベターではない人が選ばれたりする可能性もあります。
     本書は「決め方を変えると結果が変わる」ということを具体的に示してくれるています。「民意は選挙結果から分からない」ことも,教えてくれます。
     この決め方が絶対正しいというのはないようですが,ボルダルールなどは,なかなかおもしろい方法です。ボルダールールは「広く指示されている人」が選ばれる方法です。
     決め方を変えると,歴史が代わり,もしかしたら今のイスラム国も誕生しなかったかも知れない…という話も出てきます。

     今の日本の選挙制度ももっと民意を反映するようなモノにしていかないと,選挙そのものに興味が出ないという状況は変わらないでしょう。「私の一票が生きている」と思うからこそ,人は投票に行くようになると思うからです。
     その方法として,著者は,マスメディアに期待しています。世論調査の折りに「あなたはどの政党を支持していますか」と聞くのではなく,ボルダルールや総当たり戦ルールで聞くのです。そうすることで,民意を反映した,よりよい国会議員の構成の姿が浮かびあがってくるのではないか。

     多数決は,どうでもいい内容の時に使うものである。
     ねーねー,今日のお昼何にする?

    0
    2017年06月20日

    Posted by ブクログ

    「決め方」、投票の制度次第で、結果が変わることを平易に解説した本。
    本書全編を通してなるほど、面白いと感じ、また社会的選択理論への興味が増した。
    ただ、制度によって結果が変わると主張しつつ、実際に制度変更の影響を受ける投票者へのアプローチがなかったのは残念、物足りなさを感じた。(本書、また研究の射程の範囲ではないのかもしれないが…)

    0
    2021年08月29日

    Posted by ブクログ

    大学教授の著者が選挙などにおける決め方の制度設計を近年の選挙結果などを用いて数理モデルなどを使い解説した一冊。

    現行の選挙制度である多数決の方式が本書を読んで必ずしも民意を反映していないことや代替案として提案されているとボルダルールやマジョリティー・ジャッジメントや中位選択肢などの決め方の正当性や問題点などを事例を用いて解説されており大変勉強になりました。
    また、裁判員制度における判決の方法の部分は大変勉強になり印象に残りました。

    特に本書のなかでも多数決が集団の分裂を引き起こすことやそのために明暗の差を縮めることや運任せの要素を取り入れて少数派の不公平感を緩和することの部分は日常生活でも特に有用な部分だと感じました。

    結果的になんとも言えないですが、現行の政治制度でも多数決という制度が少数派の意見がかき消されていたり、投票者も完全に納得して投票をしていない者もいたりと問題があることを感じ、そこから一票の格差の問題へと結びついていたりしているのではないかと本書を読んで感じました。
    政治制度を変えることは困難を伴いますが、本書での指摘されていることが少しでも周知され歪みが是正されていければいいなと読んで感じました。

    0
    2018年02月21日

    Posted by ブクログ

    全体的に新しい気づきを与えてくれました。記憶に残る、また読み直して確認したい項目を目次より記載。

    ・民意は選挙結果からはわからない
    ・「政治家を選ぶこと」は「政策を選ぶこと」ではない
    ・「票の割れ」が起こると多数決はまともに機能しない
    ・「決め方」しだいで結果が変わる
    ・政治は「決め方」に翻弄されている
    ・ボルダルールは満場一致に近い決め方である
    ・「多数決サイクル」があると、議場は議長の思い通りになる
    ・ボルダルールではリンカーンは敗北する
    ・修正提案の順番で結果が変わる
    ・ペア敗者を絶対選ばない決め方を考える
    ・ベストな配点を考える-スコアリングルール
    ・出されたメニューによって行動が変わる
    ・ほかの選択肢の影響を受ける-「コントラスト効果」
    ・最新方式「マジョリティー・ジャッジメント」
    ・多数決の陪審で正しい評決はできるか?
    ・陪審員の人数が多いと、正しい判断をしやすくなる
    ・他人に流されると正しい判断ができない
    ・多数決が暴力以上の価値を持つとき
    ・(2)有権者の判断が正しい確率pが、0.5より低いとき
    ・多数決は「どうでもよいこと」を決めるのに向いている
    ・自分の意思を正直に表明できる「ランダム独裁制」
    ・改憲ハードルは見かけより低い
    ・国会は党議拘束によって少数派支配が起きている
    ・費用分担を決めるのに最適な「シャプレー値」
    ・自由の領域を病棟に保護する

    0
    2017年04月10日

    Posted by ブクログ

    ★長い研究の歴史があるんだな★選挙で過半数を取れば独裁してもいいのが民主主義だと言っていた人がいた。ただそれは、正しい選び方での過半数という条件付きだということがこの本を読むとよく分かる。間違った選び方での過半数は民意を必ずしも示していない。だから少数意見の尊重という考え方も生まれるのだろう。

    多数決は1位しか表明できないので情報が少なく、昼食の店選びのようなどうでもいいことを選ぶのに向いているという。1位3点、2位2点のようなボルダルールの方がみんなの意見を反映する。みんなが1位とするまでの距離の違いでほかの決め方と意見の反映度合いを比べるというのがなるほど経済学なんだろう。倫理との兼ね合いもずいぶん前から研究されていて、この分野の蓄積の深さが興味深い。

    ボルダルールを選挙に導入できないのは投票と集計の双方の手間の問題だろう。さらに現在の仕組みで選ばれた人がその仕みを変えることは考えにくい。
    筆者はあとがきで、まずは世論調査に使ってみてはというが、そこまで答えてくれる人も少ないだろう。結局は選ぶ側のやる気の問題に戻ってしまうのか。

    0
    2017年02月12日

    Posted by ブクログ

    社会選択理論の専門家が、単純な多数決にかわる「決め方」を解説する。
    ・「政治家を選ぶこと」は、「政策を選ぶこと」ではない
     →有権者は個々の政策をすべて反映できる政治家を選べない
    ・選択肢が3つ以上になると、「票割れ」が起きて多数決が機能しなくなる
    ・「決め方」で結果が違ってくるのだから、「決め方」決定的に重要だ
    ・「ボルダルール」(1位に3点、2位に2点…といった投票方式)では、「広く支持される人」が選ばれる
    ・多数決は「どうでもいいこと」を決めるのに向いている
    ・「ランダム独裁制」(じゃんけんで買ったやつの言うことを皆がきく)は悪くない決め方だ。「誰にとっても正直に自分の意志を表明するのが常に特になるやり方

    0
    2016年11月23日

    Posted by ブクログ

    多数決は、一見公平のように見えて、実は公平でない。
    「決め方で歴史が変わる」ことはあり、あの大統領選挙ももしかしたら・・・。

    様々な事例を交え、「決め方」の重要性を説いてくれる一冊。

    0
    2018年10月11日

    Posted by ブクログ

    多数決をはじめとした「決め方」のみにフォーカスを当てた狭くて深い?本。そんなに論点あるのか?と思いながら読み始めたけど、うーん、なるほど…という感じ。

    冒頭は選挙の実例や決め方の仕組み解説があって、後半はマンションの理事会や裁判員裁判での量刑の決め方など、身近な実例も出てより興味深く読めました。
    決め方の議事進行方法によって結果が左右される(二者択一を繰り返して勝ち残る選択肢を決める場合)、というのはテクニックとして知っておいても良いかも。また、マンションの1階住人にも納得考えられるエレベーター修繕費分配のやり方というのは極めて実践的。

    今はこれだけICTが進歩しているのだから、投票や決め方もボルダルール的にもうちょい手の込んだことをやっても集計は難しくないような。選挙はさておき、自分の日常においてできる工夫は取り入れていければと思いました。

    0
    2017年02月21日

    Posted by ブクログ

    コンドルセの定理。

    多数決は人数が増えるほど一定の条件のもとでは正しい判断を下せる確立が高くなるとしつつ、裏を返せばその条件が満たせない環境での多数決では、正しい判断を下せるとは限らない。

    その条件とは、
    ・50%以上の確立で組織の各個人が正しい判断を下せること(50%がたくさんかけ合わさることで、集団としての判断の精度が高まる)
    ・全員の目標が一致していること(一致しているからこそ、何が正しいのかを全員が問えるし、少数派の人も多数派の意見が正しいのだから納得できる)
    ・各個人の判断が独立であること(他の人の影響を受けずに、各人が判断できる状態。確率論の独立性。)

    なにより多数決のメリットは、かんたんであること。ボルダールールなど、少し複雑な方法を使えば、より満場一致に近い結論に至れるとしても、簡便さでは随一。

    0
    2016年12月05日

    Posted by ブクログ

    大半は新聞や雑誌で読んだことがある内容だった。
    それでも、決闘や裁判員裁判、エレベーター修理費の辺りは、単なる決め方の話だけでなく意義まで含めて人間的な話をしていて面白かった。

    0
    2016年11月03日

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