作品一覧

  • 史的システムとしての資本主義
    3.8
    1巻990円 (税込)
    壮大な〈世界システム論〉を唱えたウォーラーステイン(1930-2019).資本主義をひとつの歴史的な社会システムとみなし,「中核/周辺」「ヘゲモニー」「帝国」「反システム運動」などの概念を用いて,その成立・機能・問題点を鋭く描き出す.現代世界を批判的に検討し,未来を展望するうえで示唆に富む一冊.

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  • 史的システムとしての資本主義

    Posted by ブクログ

    面白かったです。非常に説得的であるとともに、これほどまでに資本主義というシステムを、あたかもそのシステム外から冷静に分析したかのように論じている本はなかなかないのではないでしょうか。資本主義という史的システムは、資本を蓄積していくこと、しかもその終わりがないことを特徴としていますが、これがいかに馬鹿げているかをウォーラーステインは冒頭できっぱり述べています。

    そのうえでマルクスをはじめとした多くの識者が論じてきた資本主義の見方がいかに間違っているかについて説明します。例えばブルジョア革命という概念。資本主義は、多くの人が信じているような、新階級であるブルジョアジーが貴族を打倒してできたシステ

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    2023年05月08日
  • 史的システムとしての資本主義

    Posted by ブクログ

     原著1983年刊、1995年増補。
     社会学におけるシステム論ということで、ただちにニクラス・ルーマンとの関連を想定したが、読んでみるとルーマンともまた違っており、関係性は分からない。ルーマンほど極端に抽象的ではなく、現実の社会の相に根ざし、たまには統計データをもとにしたような論述も見られる。それでもやはり、かなり抽象的な本ではあるので、好き嫌いは分かれるかもしれない。
     小さな章に分かれていないために読んでいて一息つくタイミングが計りにくく、ちょっと読むのに苦労する。しかし、中身は資本主義システムなるものの独特さを個性的な切り口で浮かび上がらせ、たいへん興味深い指摘があちこちに見られる。

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    2022年08月24日
  • 史的システムとしての資本主義

    Posted by ブクログ

    資本主義に限らず、「史的システム」はその内部に矛盾を抱えている。資本主義における矛盾とは、平等性と不平等性(普遍主義と人種/性差別、富と搾取の増大など)である。
    史的システムとしての資本主義は16世紀の西ヨーロッパに端を発し、現代に至るまで500年ほど存続してきた安定的なシステムであったが、その拡大と維持に必要である、新たな周辺(搾取対象)の供給に陰りが見えており、緩やかな崩壊が始まっているように思われる。
    次を担う史的システムの詳細を予見することは不可能に近いが、幾つかの粗いシナリオを準備しておくことは可能であろう。

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    2024年02月12日
  • 史的システムとしての資本主義

    Posted by ブクログ

    中心地域(北米・西欧)は資本を蓄積し、その周辺地域(ラテンアメリカ)を搾取している。鉱山や鉄道は欧米資本。国境をまたいだ資本主義の体制ができている。不均等な国際分業。中心地域が周辺地域に従属を課している。ラテンアメリカで開発が進まないのは中心地域に経済的に従属しているからだ。「近代化しておらず伝統社会のままだから」ではない。アンドレ・フランク『世界資本主義と低開発』1967

    豊かな国が貧しい国に商品作物を生産させている。日常の食糧でさえも商品作物として豊かな国の商売に組み込まれている。だから貧しい国は十分な食糧を自給できずに飢餓が起きてしまう。飢餓は人口過剰や異常気象だけが原因ではない。スー

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    2023年05月10日
  • 史的システムとしての資本主義

    Posted by ブクログ

    12
    開始:2023/4/10
    終了:2023/4/19

    感想
    資本主義社会から漂う悪臭。鼻を摘むことなく腐臭に立ち向かう。人類は進歩していると言えるのか。おそらくは言えない。同じ場所を廻るだけ。

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    2023年04月19日

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