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選挙の正統性が保たれないとき、統治の根幹が揺らぎはじめる。選挙制度の欠陥と綻びが露呈する現在の日本。多数決は本当に国民の意思を適切に反映しているのか? 本書では社会的選択理論の視点から、人びとの意思をよりよく集約できる選び方について考える。多数決に代わるルールは、果たしてあるのだろうか。
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Posted by ブクログ
この本を読んで選挙制度を変えてほしい。 まずは地方から。 支持率が低い与党がのさばることができる理由の一端がわかる。 (一番の理由は民度の低さだろう。) 払ってもいい金額:1,000円 貼った付箋の数:8
THE SECONDの採点方式はボルダルールだったのか… モーニングサテライトの今週の株価予想は中位投票者定理だったのか…
ルソーによる『人間不平等起源論』。主に社会不平等が拡大するなかで人間同士が疎外していくプロセスを描いたもの。支配する者の中には高慢と虚栄が、支配されるものの中には卑屈と追従が生まれる。しかし、結局は、富者さえも、欲望の奴隷。 ー 人間は、欲望の奴隷。 私も10代だった頃、よくその事を考えた。しかし...続きを読む、欲望に程良く従い、飼い慣らした先に、遺伝子との共創があり、種の連続性があるのだと。これは、個人の話だ。関係性において、この奴隷状態をこれを克服するために『社会契約論』がある。 人民主権。それを運営するのが一般意志。共通化、平等性を志向する傾向をもつ、民衆の代弁、総括。一般意志は、どのように導かれるべきか。ここまで来ると成田悠輔のデータ民主主義も伏線として、踏まえておきたくなる。いや、社会的選択理論の方が基礎と呼ぶべきか。 そこで、民主主義的投票、多数決の是非。投票の無い民主制はない。意志の集約ルールにより結果が変わる。集約ルールは、民意を反映できているのか。決選投票付き多数決、繰り返し最下位消去ルール、コンドルセ・ヤングの最尤法、ボルダルールなど、多数の運用方法があるが、性能の良い方法とは。また、多数決をめぐる最大の倫理的課題は、なぜ少数派が多数派の意見に従わねばならないか。 これは、面白いなー。勉強になった。
タイトルを見て手に取った人は多少なりとも多数決という仕組みが不完全であることには気づいていると思うが,本書は多数決が不完全であることからスタートして,では完全な投票システムとはどのようなものかを数学の知識がない人にもわかるように解説してくれている。 後半多少難解な部分もあるけれど,読み飛ばしたとして...続きを読むも十分ためになる内容。 民主主義を支える投票というシステムが、現実には全然民意を反映できない仕組みになっていることを啓発する一冊。 われわれ日本人が幼少の頃より平等な決定方法と刷り込まれてきた多数決があまりにおおきな欠陥を抱えているということはなかなか意識されないところ。この本のような内容を、簡略でもいいから学校でぜひ教えるべきだと思う。 民主主義国家を名乗る上で絶対に国民全員が知っておくべき内容だろう。
多数決で、と聞いて全く疑問も意見も持たなかった過去を反省。 ルソーの社会契約論を読んでみたくなる一冊。
単純な多数決には色々と問題がある。選挙で票が割れた結果、必ずしも多数派とは言えない候補が当選したりということもある。それを解決するための、ボルダルールやコンドルセルールの解説から入り、そもそもなぜ多数決の結果に従わなければならないか、憲法や代表民主制についてなど、民主主義の本質論についての議論まで、...続きを読む少ないページ数にもりだくさんな内容になっている。 今年読んだ本でいちばん面白かったかもしれない。
多数決の弱点についての議論にとても関心をもった。ボルダルール、コンドルセのパラドクスなど、この問題についての基本的概念を学べた。
(3章)少数派が多数決の結果に従う正当性の根拠とその議論の前提条件、抑えときたい。社会的分断と少数派抑圧を防ぐ策も。(4章)64%以上の賛成で多数決するとペア勝者のサイクルが生じないと数理的に示されているらしい。不思議。(5章)50年前の計画道路の実施を例に、行政を有権者が制御しにくい現状。ルソーと...続きを読むにかくすごい。
『多数決を疑う』おもしろかった。少数意見も尊重しましょうという話では全然無く、多数決より優れた意見集約ルールを探る話。多数決は票割れで結果が変わるので、意見集約ルールとしては性能が悪いという。著者の結論は、ペア勝者弱基準もペア敗者基準も棄権防止性も満たすボルダルール(1位に3点、2位に2点、3位に1...続きを読む点と配点し合計点で競う)が良い。さらに単峰性を満たす、争点が明確な議題なら中位ルール(メジアン=中央値を採用する)が良い。読みやすくて社会選択理論の面白さが解った。 とはいえ、多数決をボルダルールに変える改善効果の大きさはよく解らなかった。真の民意は常に分からないのだから、どれだけ民意に近い結果になったか評価できないのでは。多数決の偉大なメリットであるシンプルさを捨てるほどの価値があるのだろうか。選択結果そのものより、意見集約プロセスの納得感という効果を取るということか? ルソーの一般意思の概念が、少数派が多数派に従うべき根拠となる点は興味深かった。でも一般意思を考えない今日では根拠にはならないか。著者のweb記事で、ボルダルールは満場一致に最も近いから優れているという本書には書かれていない説明があった。いいかも。納得感を根拠にするのは有力そう。 終盤に、うちの近所でもある小平市都道328号線問題で住民投票が開票されなかった事例が出てきて、そこだけは少数意見も尊重しましょうという変な話になりかけて危なかった。特殊利益的な公共サービスは行政機関だけで決めるのでなく、メカニズムデザインで市場的に決めるという意見集約ルールについてはなるほど。
物事を決める際に当たり前のように用いられる多数決。そこに潜む課題を素人にもわかりやすく解説した良書。中身は専門的だが一般教養として面白い。 ・ブッシュとゴアの大統領選挙のように、1対1ならゴアが勝利していたはずが、ゴアに考えが近いネーダーの出現によりゴア票が割れ、結果的にブッシュが勝利した。多数決...続きを読むはペア敗者を選びうる(ペア敗者基準を満たさない)という課題。ペア敗者基準を満たすのが、1位に3点、2位に2点、3位に1点を付けるボルダルール。ただし、ボルダルールもペア勝者基準を満たさないことがある。 ・ルソーの人民主権は、自分も含めた社会を構成する共同体が、人々の共存と相互尊重を志向する意思=一般意思の指揮のもと運営されること。ここでの人民主権とは多数派の意思に服従することではなく、多数派が見つけた一般意志の判断に従うこと。 ・多数決が少数派を抑圧する法律ができないよう、上位の憲法がそれを禁止するのが、立憲主義のやり方。この仕組みが機能するためには、憲法が単なる多数決で簡単に改正できるものであってはならない。立憲主義は、民主主義の名の下に非民主的なことがなされないよう歯止めをかけるものであり、民主制を適切に働かせる機能をもつ。
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多数決を疑う 社会的選択理論とは何か
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