プロフィール

  • 作者名:横溝正史(ヨコミゾセイシ)
  • 性別:男性
  • 生年月日:1902年05月24日
  • 出身地:日本 / 兵庫県
  • 職業:作家

大阪薬学専門学校卒。1948年『本陣殺人事件』により第1回日本探偵作家クラブ賞(後の日本推理作家協会賞)長編賞を受賞。『八つ墓村』、『犬神家の一族』、『悪魔の手毬唄』、『病院坂の首縊りの家』など数えきれないほど多くの作品を手がける。『犬神家の一族』をはじめとする多くの作品が映画化され評判となった。

作品一覧

  • 金田一耕助ファイル1 八つ墓村

    金田一耕助ファイル

    小説・文芸

    4.2
    1~22巻550~1,111円 (税込)
    戦国の頃、三千両の黄金を携えた八人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を惨殺。その後、不祥の怪異があい次ぎ、以来この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという――。大正×年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、要蔵が突然発狂、三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。そして二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った……。現代ホラー小説の原点ともいうべき、シリーズ最高傑作!! カバーイラスト/杉本一文
  • 金田一耕助ファイル 全22冊合本版
    値引きあり

    金田一耕助ファイル 全22冊合本版

    小説・文芸

    4.7
    1巻6,600円 (税込)
    500人の作家・評論家・愛好家が選んだ歴代ミステリ作品No.1に輝いた「獄門島」をはじめ、「八つ墓村」「本陣殺人事件」「獄門島」「悪魔が来りて笛を吹く」そして「犬神家の一族」などなど。本格ミステリのバイブルと呼ばれる横溝正史作品が合本版で登場。ミステリ界の巨匠の名作を味わい尽くす贅沢な作品集。 本作には、以下の22冊が収録されています。「八つ墓村」「本陣殺人事件」「獄門島」「悪魔が来りて笛を吹く」「犬神家の一族」「人面瘡」「夜歩く」「迷路荘の惨劇」「女王蜂」「幽霊男」「首」「悪魔の手毬唄」「三つ首塔」「七つの仮面」「悪魔の寵児」「悪魔の百唇譜」「仮面舞踏会」「白と黒」「悪霊島(上)」「悪霊島(下)」「病院坂の首縊りの家(上)」「病院坂の首縊りの家(下)」
  • 金田一耕助ベスト・セレクション 1 犬神家の一族

    金田一耕助ベスト・セレクション

    少女・女性マンガ

    5.0
    1~4巻550円 (税込)
    犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が莫大な遺産を残して亡くなった。その相続をめぐり、斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)――大財閥・犬神家の家宝になぞらえた、戦慄の連続殺人事件が幕を開けた! 華麗にして恐ろしい、横溝正史の金田一耕助シリーズ代表作をJETが迫力の漫画化!!
  • 名探偵・金田一耕助シリーズ 悪魔が来りて笛を吹く

    名探偵・金田一耕助シリーズ

    少女・女性マンガ

    4.0
    1~3巻550円 (税込)
    宝石商「天銀堂」で店員10名が何者かに毒殺され、宝石が奪われる事件が起こった。元子爵の椿英輔はその容疑で取り調べを受け、釈放後に失踪……。その後、椿家でフルートの音色と共に凄惨な連続殺人が…果たしてフルートを吹く怪人の正体は椿元子爵なのか? 椿家の人間たちが恐れる「悪魔の紋章」とは何なのか? 名探偵・金田一耕助が怖ろしくも哀しい事件の謎を解く! 横溝正史の傑作推理小説をJETが漫画化。表題作ほか『雌蛭』を収録。
  • 本陣殺人事件 1

    本陣殺人事件

    少女・女性マンガ

    3.5
    1巻704円 (税込)
    婚礼の夜に密室で死んだ夫婦。犯人は如何にして現場から逃走したのか? その巧妙なトリックと意外な犯人に金田一が迫る!
  • 羽子板娘 自選人形佐七捕物帳1
    値引きあり

    自選人形佐七捕物帳

    小説・文芸

    5.0
    1~3巻198円 (税込)
    正月気分さめやらぬ江戸の町に、血なまぐさい事件が勃発した。江戸三小町と呼ばれ、羽子板のモデルになった三人の評判娘のうち、深川小町のお蓮が水死体となって発見された。その後、押し絵の首を切り裂いたお蓮の羽子板が、彼女の実家に投げこまれる。だが事件は、これだけで終わらなかった。今度は音羽小町のお蝶が……。女にモテすぎるのが玉に瑕、美男目明かし人形佐七の初手柄話他7篇収録。「これだけは読んで欲しい」と横溝正史が自ら選んだ捕物傑作選第1集! カバーイラスト/杉本一文
  • 蝶々殺人事件
    値引きあり

    「由利先生」シリーズ

    小説・文芸

    3.5
    1巻473円 (税込)
    原さくら歌劇団の主宰者である原さくらが「蝶々夫人」の大阪公演を前に突然、姿を消した……。数日後、数多くの艶聞をまきちらし文字どおりプリマドンナとして君臨していたさくらの死体はバラと砂と共にコントラバスの中から発見された! 次々とおこる殺人事件にはどんな秘密が隠されているのだろうか。好評、金田一耕助ものに続く由利先生シリーズの第一弾! 表題作他「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」を収録。
  • 犬神家の一族 1

    犬神家の一族

    少女・女性マンガ

    5.0
    1巻704円 (税込)
    仮面の男、第4の相続人、謎の復員兵…。犬神家の財宝を巡る複雑な人間関係が、犬神家の象徴「斧・琴・菊」に見立てた連続殺人に発展する!!
  • 芙蓉屋敷の秘密
    値引きあり

    芙蓉屋敷の秘密

    小説・文芸

    2.6
    1巻198円 (税込)
    夜目にも鮮やかに咲きほこる白い芙蓉の花に包まれた石畳を踏みしめながら、巡査は玄関へ入った。人の気配は感じられない。暗がりの中を探りつつ、彼は問題の部屋に辿り着いた。灯りのスイッチを押すと、バラ色の光が部屋に溢れる。だが次の瞬間、彼は殴られたような驚愕に打たれた。敷きつめられた派手な模様の絨毯の上に、胸から鮮血をしたたらせた女の変死体が……。それぞれに複雑な殺害動機を持つ7人の容疑者と、素人名探偵都築欣哉の対決を描く表題作ほか7編を収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 怪獣男爵
    値引きあり

    怪獣男爵

    小説・文芸

    -
    1巻418円 (税込)
    瀬戸内海の真ん中に浮かぶ奇妙な小島、男爵島。そこには、得体の知れない怪物が住んでいるという噂があった。史郎と二人の少年は、ヨットで島の沖合を走っているところを突然の嵐に襲われる。三人が島へ逃げ込んだそのとき、彼らのヨットを奪って何者かが逃げ出した。それこそが噂の怪物だったのだ! 島の所有者・怪獣男爵は何を隠しているのか。等々力警部と小山田博士がタッグを組み謎に迫る、サスペンス溢れる傑作長編。
  • 真珠塔・獣人魔島
    値引きあり

    真珠塔・獣人魔島

    小説・文芸

    -
    1巻440円 (税込)
    翼から鬼火のような青白い光を放ち、夜空に舞う無気味な金色のコウモリ。探偵小僧の御子柴進少年は、金コウモリが自動車の中から銃を発砲し、女性を殺害する現場を目撃した。三津木俊助とともに事件の調査を行う進少年のもとに、催眠術を駆使する金コウモリの魔の手が迫る……(「真珠塔」)。刑務所を脱走した悪党を追いかけた先で、脳の移植手術が秘密裏に研究されている骸骨島を見つける進少年の冒険劇「獣人魔島」を併録。
  • 金田一耕助のモノローグ

    金田一耕助のモノローグ

    小説・文芸

    1.0
    1巻374円 (税込)
    昭和20年4月1日から始まった約3年半にわたる岡山での疎開生活。横溝正史は肥たごをかつぎ、畑を耕しながら、土地の人々との交流を深めた。彼は日本の敗戦を予測し、もし戦争協力を求められたら一家心中も辞さず、と常に青酸加里を携帯していた。玉音放送を聞いた時、彼は快哉を叫んだ。正史の猛烈な創作がこの時から始まる……。「本陣殺人事件」「蝶々殺人事件」「八つ墓村」「獄門島」等、数々の名作が生まれた背景を、横溝正史が自ら綴った想い出の記。横溝ファン必読の1冊! カバーイラスト/杉本一文
  • 真珠郎
    値引きあり

    真珠郎

    小説・文芸

    4.2
    1巻374円 (税込)
    ※2018年11月21日まで配信していた『真珠郎』と同じ内容となっております。重複購入にご注意ください。 鬼気せまるような美少年「真珠郎」の持つ鋭い刃物がひらめいた!浅間山麓に謎が霧のように渦巻く。無気味な迫力で描く、怪奇ミステリーの最高傑作。他1編収録。
  • 真説 金田一耕助

    真説 金田一耕助

    小説・文芸

    3.4
    1巻286円 (税込)
    バレンタイン・デーに金田一耕助を襲った毒入りチョコレート事件! しかし金田一は無事、九死に一生を得たのである。真相はこうだ。ある編集者氏が「読者から金田一先生にバレンタインの贈り物です」と小包を届けてくれた。自称金田一の小生は遠慮なく戴く。だが中身のチョコレートを食べ終わって数日後、世間を震撼とさせた毒入りチョコレート事件が発生したのだ! 猛烈な横溝ブームの最中、その熱気にとまどいながらも淡々と日々を過ごす著者の心境を吐露した好エッセイ集。
  • 姿なき怪人
    値引きあり

    姿なき怪人

    小説・文芸

    4.5
    1巻198円 (税込)
    床に残るどす黒い血だまり。その横にナイフを突き刺した写真が一枚。写真の主は法医学者、板垣博士の旧友の娘、吾妻早苗だった。電話で早苗の悲鳴を聞き、駆けつける三津木俊介と。犯人は早苗との結婚を博士に反対された木塚陽介か?だが早苗から電話が掛かってきたとき、木塚は博士の部屋にいた……。「“姿なき怪人”となって、博士に復讐してやるのだ」と不敵な挑戦状を突きつけてきた犯人は。 カバーイラスト/杉本一文
  • 風船魔人・黄金魔人
    値引きあり

    風船魔人・黄金魔人

    小説・文芸

    -
    1巻198円 (税込)
    上野公園に集まった人々は空を見あげて驚いた。一頭の馬が空に舞いあがったのだ! 馬体には7つの風船がゆわえつけてある。それにしても馬一頭、空に舞いあがらせるとは何とすごい浮揚力だろう。風船にはどんなガスが詰められているのか? そしてそれを発明したのは何者なのか? やがて新聞紙上に次の実験を予告する広告が出た。“風船魔人”の次の実験とはいったい何なのか? ほかに、全身黄金の謎の怪人を追う御子柴進と三津木俊助の活躍を描く『黄金魔人』を収録。傑作中編集。 カバーイラスト/杉本一文
  • 怪盗X・Y・Z
    値引きあり

    怪盗X・Y・Z

    小説・文芸

    4.0
    1巻165円 (税込)
    「先生、起きてください、先生!」進が声をかけたが、永利はデスクにうつぶせになったままだ。たまりかねた進は、永利の背後からのぞきこんだ。だが次の瞬間、進は背筋の凍る衝撃を覚えた。原稿は鮮血に染まり、デスクの上に血だまりができていたのだ……。新日報社の少年社員御子柴進は、有名な画家永利の所へ随筆原稿を受け取りに行き、恐ろしい事件に巻き込まれてしまった。事件の前後に出没する怪人X・Y・Zとは敵か? 味方か? 探偵小僧御子柴少年の大活躍を描く連作推理。 カバーイラスト/杉本一文
  • 喘ぎ泣く死美人
    値引きあり

    喘ぎ泣く死美人

    小説・文芸

    3.8
    1巻313円 (税込)
    昭和3年、町はずれに住んでいた60歳過ぎの女性・片岡直が殺された。行きずりの強盗が犯人だろうと思われたが、事件の真相は直の恐ろしい過去に隠されていた――。そのほか当時の交友関係をベースにした「艶書御要心」「素敵なステッキの話」、外国を舞台とした「夜読むべからず」「喘ぎ泣く死美人」、また新たに単行本未収録作品「燈台岩の死体」「甲蟲の指輪」を加えた全18作品を掲載。
  • 青い外套を着た女
    値引きあり

    青い外套を着た女

    小説・文芸

    3.0
    1巻187円 (税込)
    フランスから帰朝した無名の画家は、ポケットに入っていた奇妙な紙切れに気がついた。そこには「日比谷公園の入口で青い外套を着た女に会いたまえ」と書いてある。彼は、面白半分に日比谷公園へ行った。入口近くに真青なレインコートを着た美しい女が立っている。彼は、女に話しかけた瞬間から、とんでもない事件に巻き込まれてしまった……。表題作のほか、白い恋人/クリスマスの酒場/木乃伊の花嫁/花嫁富籤/仮面舞踏会/佝僂の樹/飾窓の中の姫君/覗機械倫敦綺譚を収録 カバーイラスト/杉本一文
  • 悪魔の家
    値引きあり

    悪魔の家

    小説・文芸

    2.3
    1巻253円 (税込)
    武蔵野の面影をとどめた杉並木に生暖かい夜霧が立ちこめる人けのない道。帰途を急ぐ新日報社の花形記者三津木俊助は、背後に尾行者の気配を感じてふと立ちどまった。意外にもそれは若い女だった。夜道の一人歩きが怖くて、と女は詫びた。うち解けた二人が善福寺池のほとりへさしかかった時、突然女が悲鳴を上げた。「悪魔が!」と女が指さす杉木立の向こうには、グロテスクな顔がボーッと浮かび上がり、無気味な笑い声が聞こえて来た……。表題作ほか六篇を収録した傑作短編集。 カバーイラスト/杉本一文
  • 悪魔の降誕祭

    悪魔の降誕祭

    小説・文芸

    3.5
    1巻594円 (税込)
    大胆不敵! 金田一耕助の事務所で起こった殺人事件。被害者は、その日電話をしてきた依頼人だった。あまりのことにさすがの名探偵も唖然とするばかり。その時、12月20日であるべき日めくりのカレンダーが何者かにむしられ、12月25日になっているのに気がついた……。降誕祭パーティーの殺人を予告する悪魔のような犯人。屈辱的挑戦を受け、名探偵の激しい怒りが燃える。本格推理小説の最高傑作! ほか2編収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 悪魔の設計図
    値引きあり

    悪魔の設計図

    小説・文芸

    4.0
    1巻187円 (税込)
    庭の隅に立つ大木に、セメントでギッチリ充填された洞がある。そこには一握りの長い髪が生え出し、冷たい秋風にバサリバサリと揺れていた。すぐに発掘が始まり、やがてそこから女の真っ白な脛が…。役者殺しを皮切りに、たて続けに殺人が起きた。事件解決に乗り出した由利先生と三津木俊助は、被害者が一様に或る大富豪の隠し子である事実をつきとめた。だがその時、最後の遺産相続人である盲目の娘に、犯人の魔の手が! サスペンス豊かに描く本格推理小説。表題作ほか2篇を収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 刺青された男
    値引きあり

    刺青された男

    小説・文芸

    4.0
    1巻187円 (税込)
    灼熱の外洋でも、絶対にシャツを脱がない大男の船乗りがいた。他人に見せられない刺青をしているという噂がある男だ。ある日、私が船医をしている船で、船員同士の傷害事件が起きた。被害者は日頃、仲間からゲジゲジのように嫌われている腕自慢の水夫である。片目をつぶされ、肋骨をヘシ折られた瀕死の状態で運ばれてきた。喧嘩の相手はなんと、あの謎の船乗りだった。彼はいつの間にかボートを盗み、船から姿を消していた。表題作ほか9篇を収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 空蝉処女
    値引きあり

    空蝉処女

    小説・文芸

    4.0
    1巻165円 (税込)
    終戦によって、ようやく人間らしい感情を取り戻していた私は、何年かぶりで中秋名月を愛でる気になった。五分あまり歩いて大きな池のあたりにさしかかった時、突如として、うら若い女性の美しい唄声が聞こえてきた。声に誘われ竹藪の中へ歩を進めた私は、はたとその場に立ち止まった。行く手の小高い段の上に、月光で銀色に輝くワンピースに竹の葉影を斑々とさせて、神秘なまでに美しい女性が佇んでいた……。ロマンチシズムの極致。数奇な運命を辿り、今蘇った横溝文学異色の名作。 カバーイラスト/杉本一文
  • 恐ろしき四月馬鹿
    値引きあり

    恐ろしき四月馬鹿

    小説・文芸

    3.2
    1巻198円 (税込)
    四月一日の朝、M中学寄宿舎内で恐ろしい事件が起きた。学生の一人が自室で、何者かに殺されたらしいのだ。現場は惨澹たる有様で、机は覆り、インクが流れ、破壊された石膏細工の破片が部屋一面に飛び散っていた。そして夜具の白いシーツには、ベットリしみついた生生しい血潮が! しかし不思議なことに、肝心の死体が部屋のどこにもなく、また夜中に物音を聞いた学生は一人としていなかった……。処女作「恐ろしき四月馬鹿」を初めとした横溝正史初期短編傑作選(大正編)! カバーイラスト/杉本一文
  • お役者文七捕物暦 江戸の陰獣

    お役者文七捕物暦 江戸の陰獣

    小説・文芸

    3.3
    1巻440円 (税込)
    赤々と血で描かれた猫の絵の下で乳房を抉られた女…なにゆえか恍惚の眼差しで絶命した女…雪だるまに埋められた湯文字ひとつの女たち…江戸八百八町に続発する奇々怪々な事件に、名探偵文七が疾る。巨星横溝正史の未刊行三作、ついに出版!
  • お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷

    お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷

    小説・文芸

    4.0
    1巻495円 (税込)
    「何者じゃ」夜回りの老局は思わず誰何した。奥州棚倉の城主、勝田駿河守の上屋敷の闇に男が蹲っている。「土蜘蛛(つちぐも)の精…」名乗ったその顔は幽鬼のものであった。折しも婚儀定まった姫を案じて寝所に踏み入った局の見たものは、無惨な姫の姿。姫が自害して果てたのは間もなくである。勝田の家を呪うのは、いったい何者? もと歌舞伎役者の色男、文七が大陰謀に迫る。横溝正史生誕百年記念、幻の名シリーズ甦る!
  • お役者文七捕物暦 謎の紅蝙蝠

    お役者文七捕物暦 謎の紅蝙蝠

    小説・文芸

    4.0
    1巻440円 (税込)
    お江戸の歌舞伎に水もしたたる若役者が登場した。その男・中村菊之助の左腕には紅蝙蝠の彫物があった――。折しも大岡越前守の許に重大情報がもたらされた。十七年前の御金蔵破りの下手人が今にして判明した由。一味は左腕に紅蝙蝠を彫り、しかも江戸のどこかに三千両がいまだ埋められているというのだ。菊之助と賊の繋がりは、そして埋蔵金はいずこに? 名探偵・文七が始動した!
  • お役者文七捕物暦 花の通り魔

    お役者文七捕物暦 花の通り魔

    小説・文芸

    4.0
    1巻440円 (税込)
    「おや、妙なものが流れてくるぜ」夜釣りとしゃれこんだ文七が引き揚げた古つづら。ボロの底から現れたのは、凄惨な娘の絞殺体であった。しかも娘は、人気浮世絵師が描いた「艶色三幅対」の一人ではないか。次いで、残る二人の小町娘も何者かの毒牙に……。江戸市中を騒がせた連続殺人は、なんとご政道に関わる大事件と結びついていく。もと歌舞伎役者の色男、文七の名推理。巨星・横溝正史、幻のシリーズ甦る!
  • お役者文七捕物暦 比丘尼御殿

    お役者文七捕物暦 比丘尼御殿

    小説・文芸

    3.5
    1巻440円 (税込)
    お江戸八百八町に、淫らな噂が乱れ飛んでいた。市中に比丘尼御殿なるものがあり、主の尼御前が家来に見目よい男を攫ってこさせ、精を吸い尽くしたあげくに捨てさせる、というのだ。だが、いかに調べても、尼御前の正体も屋敷も判然としないのである。大岡越前守を悩ます怪事究明に乗り出した、もと歌舞伎役者の文七は、事件の背後にただならぬものを直感した……。
  • 女が見ていた
    値引きあり

    女が見ていた

    小説・文芸

    2.5
    1巻220円 (税込)
    酔い痴れて夜の歓楽街をさまよい歩く啓介は、絶えず女の視線を感じていた。それも三人が入れ替わりながらあとを執拗につけてくる。朦朧とする頭の中で、彼はそのことだけをはっきりと意識していた。外出中に妻を殺害され、現場にいつも持ち歩いていたシガレット・ケースがあったために妻殺しの重要容疑者にされた作家の風間啓介。自分のアリバイを証明する謎の三人の女を必死に探索する。だが、その中の一人を見つけた時、彼女は……。横溝正史が描く本格ミステリーの最高傑作! カバーイラスト/杉本一文
  • 仮面劇場
    値引きあり

    仮面劇場

    小説・文芸

    4.3
    1巻187円 (税込)
    瀬戸内海のまっただなかに木の葉のように浮かぶ一艘の小舟。だが、その上にしつらえた大きなガラスの柩の中には、一人の美少年が身動きもせず横たわっていた! 助け出された少年が盲聾唖の三重苦とわかった時、ひどく同情した富裕な未亡人が彼を引きとった。しかし、それが恐ろしい連続殺人事件の発端になろうとは……。無気味な背景に潜む見事なトリック。横溝正史の傑作本格推理、他2編収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 完本 人形佐七捕物帳 一

    完本 人形佐七捕物帳

    小説・文芸

    -
    1~10巻3,300円 (税込)
    横溝正史が愛惜をもって描いた時代劇調ミステリシリーズ―江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇
  • 夜光怪人

    夜光怪人

    小説・文芸

    3.3
    1巻792円 (税込)
    ホタル火のような妖しい光を放つ怪盗・夜光怪人は秘蔵のダイヤの首飾りに狙いをつけた。警備にあたった三津木俊助だったが、夜光怪人に裏をかかれて失敗。金田一耕助が事件の解決に乗り出すこととなる……。
  • 金色の魔術師

    金色の魔術師

    小説・文芸

    -
    1巻792円 (税込)
    名探偵・金田一耕助の一番弟子を自認する立花滋は、冒険好きな友人二人と少年探偵団を結成。だが、彼らの前に「わしはな、七人の少年少女をもろうていくつもりじゃ」と語る、謎の魔術師が現れる。金色のフロックコートに身を包んだ、奇妙な鷲鼻男の狙いとは? 立花少年たちは、同級生が魔術師に連れ去られ、悪魔の生贄にされようとしている世にも恐ろしい場面に遭遇し……! 横溝正史による、推理ジュブナイルの傑作。
  • 蝋面博士

    蝋面博士

    小説・文芸

    -
    1巻836円 (税込)
    怪しい男を追いかけてアトリエに入った御子柴進は、異様な物体を見つけて驚いた。それは裸の男の蝋人形で、しかも剥がれた蝋の下から本物の人間の手がのぞいていたからだ! 人間を殺して蝋人形に仕立て上げる、蝋細工の面のような顔をした蝋面博士の暗躍に、等々力警部と御子柴少年は手も足も出ずに苦しむ中、アメリカ旅行中の金田一耕助が予定を繰り上げ帰国した――。表題作のほか「黒薔薇荘の秘密」「燈台島の怪」「謎のルビー」を収録した傑作集。
  • 仮面城

    仮面城

    小説・文芸

    3.0
    1巻836円 (税込)
    朝の尋ね人コーナーに、突然自分の名前が出てきたのを見て、文彦少年は驚いた。不思議に思いつつその人物に会いに出かけ、雑木林を抜けて古びた洋館にたどり着いたその時、館の中から少女の悲鳴が聞こえた。夢中で中へ飛び込むと、そこには頭に鮮血を滲ませ、床に倒れた老人が! ふとしたことで恐ろしい事件に巻き込まれる少年たちと、金田一耕助の活躍を描いた表題作の他「悪魔の画像」「ビーナスの星」「怪盗どくろ指紋」を収録。
  • 大迷宮

    大迷宮

    小説・文芸

    -
    1巻836円 (税込)
    避暑のため軽井沢に滞在する滋と謙三。サイクリングに出かけた先で急な夕立にあい、古びた洋館に泊めてもらうことに。2人を手厚く出迎えたのは、10年前に行方不明になった世界的サーカス王の遺児、剣太郎だった。ところがその夜、怪しい足音を聞いた滋と謙三が剣太郎の寝室をのぞくと、ベッドの天井が突然下がってきて……? 名探偵・金田一耕助の大人気シリーズ。金田一と怪獣男爵の対決が、ここに幕を開ける!
  • 黄金の指紋

    黄金の指紋

    小説・文芸

    3.5
    1巻748円 (税込)
    「君に預けておく。これを金田一耕助という人に渡してくれ……」そう言って難破船の遭難者が死ぬ前に言付けた黒い箱。邦雄少年が中を開けて見ると、それは燦然と輝く黄金の燭台だった。思わず息をのみ慌ててしまおうとした時、彼は妙なことに気がついた。燭台の火皿に指紋が一つ焼きつけられていたのだ。邦雄は知らなかったが、これこそ一人の少女の運命を握る大切な証拠の品だったのである……。巧みな変装術と鮮やかな推理で事件の核心に迫る金田一耕助の活躍!
  • 迷宮の扉

    迷宮の扉

    小説・文芸

    3.5
    1巻792円 (税込)
    金田一耕助の行く所、必ず事件あり。三浦半島巡りを楽しんでいた金田一は、嵐に遭い、竜神館という屋敷へ逃げこんだ。直後、一発の銃声と共に背中を撃たれた男が土間に倒れこんできた。殺された男は、毎年この屋敷の主、東海林日奈児少年の誕生日に、カードを届け、ケーキを切りにくる男だった。莫大な財産をめぐる人々の葛藤をテーマに、完璧なトリックと緻密な構成で描く傑作本格推理、ほか二篇。
  • 幽霊座

    幽霊座

    小説・文芸

    4.0
    1巻836円 (税込)
    ※本書は、昭和48年9月に刊行された角川文庫『幽霊座』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。 人気随一の若手歌舞伎俳優が失踪、17年後の追善興行で、またしても殺人事件が……。梨園にわだかまる因習と確執、激しい親子の愛憎の中に謎が隠されていた! 表題作に「鴉」「トランプ台の首」を収録。
  • 死仮面

    死仮面

    小説・文芸

    3.7
    1巻792円 (税込)
    ※本書は、昭和59年7月に刊行された角川文庫『死仮面』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。 昭和23年秋、「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警へ挨拶に立ち寄った。ところがそこで、耕助は磯川警部から、無気味な死仮面にまつわる話を聞かされる。東京で人を殺し、岡山に潜伏中の女が腐爛死体で発見され、現場に石膏のデスマスクが残されていたのだ。デスマスクはいったい何の意味なのか。帰京した耕助は、死んだ女の姉の訪問をうけ、さらに意外な事実を聞いて、この事件に強い興味をそそられた。三十年ぶりに発掘された巨匠幻の本格推理に絶筆「上海氏の蒐集品」を併録する。
  • 吸血蛾

    吸血蛾

    小説・文芸

    3.8
    1巻880円 (税込)
    木箱のふたをこじあけた瞬間、思わず縫い子たちは後ずさりした。箱の中には、乳房をえぐりとられ、その血だまりに一匹の蛾を浮かべた若い女の死体が……。服飾界の女王として君臨する美人デザイナー浅茅文代。だが、突然アトリエに死体入りの木箱が送り込まれたのを手始めに、彼女の大事な専属モデルたちが次々と殺されていった。犯人の目的は何か? そして、灰色ずくめの服装で暗躍する無気味な狼男とは何者? 全編にあふれる怪奇とロマン、横溝正史の傑作長編推理!
  • 毒の矢

    毒の矢

    小説・文芸

    4.0
    1巻814円 (税込)
    高級住宅街緑ヶ丘町一帯に、突然、悪意に満ちた奇怪な密告状が舞い込み始めた。差出人は黄金の矢と名乗る謎の人物。はじめは、たちの悪いイタズラと笑い過していた人々も、殺人事件が起こるにいたり、たちまち恐怖のどん底に叩き落された。被害者はアメリカ帰りの富裕な未亡人で、むき出しの背中に彫られたトランプ散らしの刺青のうちハートのクイーンの部分を、無気味なからす羽根の矢が深々と刺し貫いていた! 金田一耕助の名推理が冴える奇怪ミステリーの傑作、ほか一篇を収録。
  • 華やかな野獣

    華やかな野獣

    小説・文芸

    4.2
    1巻792円 (税込)
    ※本書は、昭和51年8月に刊行された角川文庫『華やかな野獣』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。 臨海荘の大ホールでは、大勢の男女が集うパーティが催されていた。 一夜限りの相手を物色する享楽的な宴が終わろうとした矢先、ベッドルームで死体が発見!  被害者は美しい女主人で、左の乳房をえぐられていた。ボーイに変装し潜入していた金田一耕助は駆けつけた警官たちと取り調べを開始する。 だが、事件の裏には大規模な麻薬密売が複雑にからんでいて……。 表題作に「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」を加えた傑作本格推理。
  • 壺中美人

    壺中美人

    小説・文芸

    3.8
    1巻792円 (税込)
    ※本書は、昭和51年7月に刊行された角川文庫『壺中美人』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。 陶器収集で有名な画家が自宅のアトリエで何者かに殺害された。 現場におもむいた金田一耕助は、聞き込みを続けるうちに数日前、テレビで見た“壺中美人”と称する曲芸を思い浮かべる。 なんと発見者のたえは、血にまみれたパレットナイフを握りしめたまま、身体をねじまげ壺の中へ入っていく女の姿を見たというのだ!  表題作ほか奇妙な廃墟で起きた殺人事件を追う「廃園の鬼」を収めた、愛と裏切りを映し出す、横溝正史の傑作推理。
  • 死神の矢

    死神の矢

    小説・文芸

    3.6
    1巻792円 (税込)
    ※本書は、昭和51年5月に刊行された角川文庫『死神の矢』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。 弓の収集家として名高い考古学者の古館博士が、三人の若者を招き弓遊びに興じていた。見事的を射た者を、愛娘早苗の婿とするというのだ。 だが、その直後、競技に参加した若者の死体が発見される。浴室の中でシャワーを浴び続ける男の胸部には、白塗りの矢が射ちこまれていた……。 解決不能と思われた密室トリックを名探偵・金田一耕助が解き明かす。 一風変わった隣人の嫌疑に挑む「蝙蝠と蛞蝓」を併録したファン必読の小説集。
  • 貸しボート十三号

    貸しボート十三号

    小説・文芸

    3.8
    1巻858円 (税込)
    ※本書は、昭和51年3月に刊行された角川文庫『貸しボート十三号』(電子版発売日:2012年8月3日)を改版した作品となります。重複購入にご注意ください。 白昼の隅田川に漂う一艘の貸しボート。中を見た人々は一斉に悲鳴を上げた。そこには首を途中まで挽き切られ、血まみれになって横たわる、男女の惨死体があったのだ。 名探偵・金田一耕助による聞き込みで、事件直前に、金ぶち眼鏡をかけ、鼻ひげを蓄えた中年紳士がボートを借りたことが判明。謎の人物を追って捜査が開始されたが、事件は意外な方向に……。 表題作に「湖泥」「堕ちたる天女」を加えた、横溝正史の本格推理。
  • びっくり箱殺人事件

    びっくり箱殺人事件

    小説・文芸

    4.0
    1巻836円 (税込)
    箱の蓋をはね上げ、バネ仕掛けの人形のように男が飛び出した。だが瞬間、まえのめりに倒れこむと激しく痙攣し始めた。男の胸には、箱の中に強いスプリングでとめられた鋭い短剣が突きささって……。スリラーふう軽演劇『パンドーラの匣』の舞台で起った、恐怖の殺人事件! 名推理で犯人を追いつめる等々力警部の活躍は? 本格推理小説の異色傑作。ほか「蜃気楼島の情熱」を収録。
  • 支那扇の女

    支那扇の女

    小説・文芸

    3.6
    1巻792円 (税込)
    鮮血が飛び散る部屋の中で、血溜りに鼻を押しひしゃげて突っ伏す寝巻姿の女。そして隣の部屋には、額をざくろのように割られ、凄まじい形相をした老婆が死んでいた! 駆けつけた等々力警部と金田一耕助はただちに聞き込みを開始。だが、使用された凶器の意外な捨て場所、さらに70年前、世間を恐怖のどん底に陥れた毒殺事件とのからみが、事件をますます複雑にしていった。謎の因縁話に秘められた斬新なトリック、横溝正史の傑作長編推理。ほかに「女の決闘」を収録。

ユーザーレビュー

  • 金田一耕助ファイル1 八つ墓村

    Posted by ブクログ

     映画「八つ墓村」が上映されると知り、本棚の横溝正史覧を確認し、本書を読み直した。消費税3%の時代に購入していた作品である。1977年に渥美清が金田一耕助に分した八墓村では、野村芳太郎監督や橋本忍の脚本で、濃茶の尼や村人が「八つ墓明神のたたり」として、オカルト映画的脚色で、世間を震撼させた。さて、原作はどうか?毛利に負われた尼子一族の言い伝えを縦軸に、実際に起きた岡山県津山の30人殺し(映画「丑三つ村」)をモチーフにした横軸で紡がれる連続殺人事件である。が、しかし、八つ墓村の地下を縦横に走る鍾乳洞や洞窟の探検と主人公を中心とした恋慕と家族愛が織りなす、夢のある冒険・恋愛活劇が私には強く印象に残っている。鬼首村(おにこべむら)で起きた「よる歩く」や「悪魔の手まり歌」の事件を解決して、保養のために寄った八つ墓村の西屋に滞在中の金田一耕助が、東屋を巡る連続殺人事件で、事件を解決へと導くが本書での出番は極めて少ない。村人に追われながらも、自然洞窟に眠る尼子一族の残した財宝を探検して発見する主人公辰也と典子の純愛。著者の横溝正史は、戦時中に岡山に疎開して、意にそぐわない作品を書かされることに嫌気がさし、戦後に疎開中に知った事件や怨恨をテーマに戦後の推理小説と金田一耕助を一躍有名にする。私見になるが、横溝正史の各作品に低通するのは、アジア・太平洋戦争に対する静かな怒りと内省、戦争による親族たちの血肉を争う憎悪と苛烈(かれつ)なトラウマと葛藤を現しているように思う。横溝作品を読み返したい意欲が増すが、一方で積読も増える葛藤に苛(さいな)まれる。

    0
    2026年10月02日
  • 金田一耕助ファイル3 獄門島

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (表紙が違うんですが多分中身は同じなのでこれで登録)

    市川崑監督をはじめとする映画はいくつか見ていて粗筋も犯人も知っているんだけど、金田一耕助(以下、耕ちゃん)ものは原作だとやっぱり良いので読んでいっている。
    今回はなんと言っても『本陣殺人事件』で探偵デビューした耕ちゃんが、その後戦争の真っ只中で「人生でいちばん大事な時期を空白で過ごし」たあとというのがなんかぐっと来ました。25、6歳だった耕ちゃんは30半ばのくしゃくしゃの頭に和装にソフト帽子の中年に。物語中盤で『本陣殺人事件』で親しくなった岡山県警磯川警部と再会してお互い感じ入る場面があるんですがこのあたりはやっぱり戦争中は考えることもなかった相手が無事で相変わらず活躍しているって知ったときの感慨は私たちが想像するより深いんだろうなあ。
    ※放送禁止用語が使われていますが重要な鍵のためそのまま記載しています。

    その金田一の耕ちゃんは瀬戸内海の小島「獄門島」に向かっている。表向きは戦友鬼頭千万太(以下チマタ)の戦死を伝えること。しかし彼には裏の目的があった。なんとしても生きて帰ることを望んでいたチマタが無念の病死に際しての遺言「俺が死んだら三人の妹たちが殺される…俺の代わりに獄門島に行ってくれ…おれの従兄弟が…」という願いを叶えるためだった。
    金田一耕助物語では親族関係がとても複雑に絡み合うのでまとめておく。
    まずは「網元」について。物語で網元の地元での強さ、漁師たちをまとめる力などは読んでいたんだけど、ここで説明されていたのを読んで納得でした。そりゃー強い。
    漁師には3階級ある。一番下は船も網も持っていない。農家で言えば小作人。
    次の階級は船も網も持っているけれども小規模なので、「自作農」みたいな感じ。
    それらに君臨するのが、船も網も漁業権も持っている網元。「大地主」にあたるんだけどそれより権力がある。網元は漁穫の全てを総取りして、漁師たちに日当を渡すという関係。漁師は網元からそれぞれの網、鯛網、壺網、鰯網…などなどの網をその場その場で借りなければいけない。そして「板子一枚下は地獄」の世界に生きる漁師たちを束ねるだけの肝っ玉が必要となる。改めてナルホド。
    ●鬼頭家(島随一の網元の本家。「本鬼頭」と呼ばれる)
    嘉右衛門(故人):「太閤」と呼ばれる程の権力を持っていた。死んだことにより獄門島の権力のバランスが崩れる。
    与三松:嘉右衛門の長男で本鬼頭の当主のはずなんだけど、「気ちがいさん」で座敷牢に入れられている。
    チマタ(故人):鬼頭家の跡取りだったが、戻れなかったことでどうなるか…。
    月代、雪枝、花子:チマタの三人の異母妹。知的障害者だろう。派手な振り袖に帯に髪飾りでいつでもキャラキャラ大騒ぎで、異様な雰囲気を醸し出す「徒花」。
    お小夜(故人):月・雪・花の母。女役者だったのが与三松の後妻になった。
    一(以下ハジメ):嘉右衛門の次男(与三松の弟)の息子。
    早苗:ハジメの妹。ふんわりカールの美女だがなかなか度胸があるらしい。

    ●分鬼頭(わけきとう。嘉右衛門の従兄弟?の家)
    儀兵衛:当主の老人。本鬼頭から権力奪取を狙っている。
    志保:儀兵衛の妻。あだっぽい中年女性。ものすごく権力奪取を狙っている。
    鵜飼章三:分鬼頭夫妻が、本鬼頭から権力奪取のために住まわせている復員軍人。美少年。

    ●島人
    了然(りょうねん)和尚:獄門島の千光寺住職。故嘉右衛門老人と親しく、島での権力者。
    了沢(りょうたく):千光寺典座で、了然の跡継ぎ。
    荒木真喜平:獄門島村長だが、故嘉右衛門老人の派閥なので、もし分鬼頭が権力を握ったら追い出される。
    村瀬幸庵:獄門島の医者。故嘉右衛門老人の派閥なので、もし分鬼頭が権力を握ったら追い出される。
    竹蔵:漁で潮つくりという大切な役目。
    清公(せいこう):流れ者の床屋。俳諧もかじっていたので嘉右衛門のお太鼓持ちだった。耕ちゃんの重要な情報源。なお、よそ者耕ちゃんが島人から犯人じゃないかと疑われた時に「馬鹿言っちゃいけない、仮にも金田一の旦那は江戸っ子だ。本鬼頭を乗っ取る気なら回りくどいことしないでピストルパンパンぶっ放して解決すらあ。だいたい江戸っ子がこんな島の麦なんざ食ってられるか」とかばってくれた?ようで、耕ちゃんをなんか複雑な気持ちにさせるのです・笑

    ●警察関係
    磯川常次郎:岡山県警察部の警部。耕ちゃんとは『本陣殺人事件』で知り合っている。戦争を経てお互い前の仕事を続けているとわかって感慨深くなっている。なお階級は当時と同じ警部。同僚では警視になった者もいるけれど、戦争のゴタゴタで昇格しそびれたけれど、そのために県警名物の古狸警部としてドドーンと一目置かれているらしい。
    清水巡査:獄門島巡査。島では事件はそんなに起きないので(起きても島の人たちが島の掟で解決する?)、瀬戸内海の海賊対応の仕事なんかもやっているらしい。「向こうは7,8にんポンポンピストル売ってくるし、警察の船も弾丸打ち込むし、壇の浦以上の大合戦ですよ」ってのが警察のお仕事。なるほど。

    ●獄門島絶大な権力の鬼頭家の跡取り順番
    チマタ→月→雪→花→ハジメ→早苗→儀兵衛。
    儀兵衛と志保には子供がいないので、美少年鵜飼章三を雪月花の婿に入れて権力を取ろうとしている。
    チマタの遺言のとおりに「俺が死んだら三人の妹が殺される」としたら、ハジメが跡取り。
    そして現在では「私はハジメさんの戦友でした。ハジメさんは生きて、もうすぐで戻ってきますよ」という復員兵が獄門島を訪れた。

    ●帰ってきたもの、帰ってこなかったもの
    死亡:チマタ
    生きているという知らせがあった:ハジメ
    戻る予定:戦争中に供出されていた千光寺の釣鐘が、戦争が終わったために鋳潰されずに返還されることになった。

    ということで耕ちゃんは戦友の遺言で獄門島に渡ったのだ。
    美しい早苗さんに驚かされる。徒花のような三姉妹に驚かされる。艶っぽいお志保さんに驚かされる。
    そして獄門島の権力争いが蠢いていることを感じる。他所から来た巡査の清水さんは「この島の者はみんな気がくるってる」というくらいだ。
    千光寺の釣鐘が戻って来た日に、チマタの葬儀が行われることになった。だがその夜から連続殺人が起きるのだった。

    今回の連続殺人では、死体を俳句に見立てた装飾をされる。まだそれに気が付かない頃の耕ちゃんが「なんだ、有名な松尾芭蕉か!」などと食傷気味なんだけど、俳句を見てすぐに読人とか背景をかを思い浮かぶのが、戦争を挟んだとはいえこの時代の、耕ちゃんの教養だよなあ。(アメリカ放浪していたので、英語もペラペラのはず)
    「無惨やな 冑の下のきりぎりす」(松尾芭蕉)
    「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」(松尾芭蕉)
    「鶯の 身を逆に初音かな」(宝井其角)

    横溝正史物は死体が装飾されておどろおどろしいんだけど、それでも読めるのは「死」をだのエンターテイメントにしていないことだよなあと思います。P167に「死という事実は厳粛であるべき」って書いてあるのですが、これだけ死体を弄られていても読んでいて不愉快にならないのはちゃんと死を一人の人間の人生の終わりとして書いていることを感じるからじゃないかなあ。そして耕ちゃんも、死を前に不謹慎なことを口走る人には不快の目を向けるのであります。
    そんなおどろおどろしい死を書きながらもちょっと笑ってしまう場面も。駐在の清水巡査が海賊対応する様子(の報告)だとか、岡山県警の磯貝警部と知り合いだって聞いて「あんたはいい人みたいだけど、磯貝警部に疑われるような悪党じゃないだろうね?」と勘違いされるところ、そしてその清水巡査に最初の殺人犯人と間違われて牢屋に入れられちゃったところで「バカ、バカ、清水さんのバカ!」と悔しがるところ。しかし結果的には耕ちゃんが牢屋に入ったお陰で第二の殺人が起きたので耕ちゃんの無実が証明されたのである、あんまり嬉しくないタイミングだけどね(^_^;)。
    今回の殺人は、偶然と偶然が重なり、さらに合ってはならないタイミングでの「嘘」によって行われたことだった。まさに酷いことが重なっちゃったよなあ。
    そして犯人には現実の罰よりも酷い「絶望」が与えられる。それでも後味が悪くないのは、残った人たちが戦後の新しい獄門島を立て直そうとする早苗さんの強い眼差し。また醜い権力争いしているかと思われた分鬼頭の儀兵衛老人がさすがは網元の大人物で、良くも悪くも封建社会の権化であった嘉右衛門老人のことを「とにかく稼いで使ってそのために島の人々の暮らしが豊かに明るくなったことは確かだ」とお互いを認め合っていたのも良かった。

    そういえば横溝正史は「金田一耕助には、恋人も妻もいない」って書いていますが、全小説で耕ちゃんがほぼ唯一よろめいたのが、美しく案外肝が座った早苗さん。東京に出ませんか?って一応プロポーズ???耕ちゃんがんばったね。(振られたけど)

    0
    2026年09月23日
  • 獄門島 金田一耕助ファイル 3 アニメカバー版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (表紙が違うんですが多分中身は同じなのでこれで登録)

    市川崑監督をはじめとする映画はいくつか見ていて粗筋も犯人も知っているんだけど、金田一耕助(以下、耕ちゃん)ものは原作だとやっぱり良いので読んでいっている。
    今回はなんと言っても『本陣殺人事件』で探偵デビューした耕ちゃんが、その後戦争の真っ只中で「人生でいちばん大事な時期を空白で過ごし」たあとというのがなんかぐっと来ました。25、6歳だった耕ちゃんは30半ばのくしゃくしゃの頭に和装にソフト帽子の中年に。物語中盤で『本陣殺人事件』で親しくなった岡山県警磯川警部と再会してお互い感じ入る場面があるんですがこのあたりはやっぱり戦争中は考えることもなかった相手が無事で相変わらず活躍しているって知ったときの感慨は私たちが想像するより深いんだろうなあ。
    ※放送禁止用語が使われていますが重要な鍵のためそのまま記載しています。

    その金田一の耕ちゃんは瀬戸内海の小島「獄門島」に向かっている。表向きは戦友鬼頭千万太(以下チマタ)の戦死を伝えること。しかし彼には裏の目的があった。なんとしても生きて帰ることを望んでいたチマタが無念の病死に際しての遺言「俺が死んだら三人の妹たちが殺される…俺の代わりに獄門島に行ってくれ…おれの従兄弟が…」という願いを叶えるためだった。
    金田一耕助物語では親族関係がとても複雑に絡み合うのでまとめておく。
    まずは「網元」について。物語で網元の地元での強さ、漁師たちをまとめる力などは読んでいたんだけど、ここで説明されていたのを読んで納得でした。そりゃー強い。
    漁師には3階級ある。一番下は船も網も持っていない。農家で言えば小作人。
    次の階級は船も網も持っているけれども小規模なので、「自作農」みたいな感じ。
    それらに君臨するのが、船も網も漁業権も持っている網元。「大地主」にあたるんだけどそれより権力がある。網元は漁穫の全てを総取りして、漁師たちに日当を渡すという関係。漁師は網元からそれぞれの網、鯛網、壺網、鰯網…などなどの網をその場その場で借りなければいけない。そして「板子一枚下は地獄」の世界に生きる漁師たちを束ねるだけの肝っ玉が必要となる。改めてナルホド。
    ●鬼頭家(島随一の網元の本家。「本鬼頭」と呼ばれる)
    嘉右衛門(故人):「太閤」と呼ばれる程の権力を持っていた。死んだことにより獄門島の権力のバランスが崩れる。
    与三松:嘉右衛門の長男で本鬼頭の当主のはずなんだけど、「気ちがいさん」で座敷牢に入れられている。
    チマタ(故人):鬼頭家の跡取りだったが、戻れなかったことでどうなるか…。
    月代、雪枝、花子:チマタの三人の異母妹。知的障害者だろう。派手な振り袖に帯に髪飾りでいつでもキャラキャラ大騒ぎで、異様な雰囲気を醸し出す「徒花」。
    お小夜(故人):月・雪・花の母。女役者だったのが与三松の後妻になった。
    一(以下ハジメ):嘉右衛門の次男(与三松の弟)の息子。
    早苗:ハジメの妹。ふんわりカールの美女だがなかなか度胸があるらしい。

    ●分鬼頭(わけきとう。嘉右衛門の従兄弟?の家)
    儀兵衛:当主の老人。本鬼頭から権力奪取を狙っている。
    志保:儀兵衛の妻。あだっぽい中年女性。ものすごく権力奪取を狙っている。
    鵜飼章三:分鬼頭夫妻が、本鬼頭から権力奪取のために住まわせている復員軍人。美少年。

    ●島人
    了然(りょうねん)和尚:獄門島の千光寺住職。故嘉右衛門老人と親しく、島での権力者。
    了沢(りょうたく):千光寺典座で、了然の跡継ぎ。
    荒木真喜平:獄門島村長だが、故嘉右衛門老人の派閥なので、もし分鬼頭が権力を握ったら追い出される。
    村瀬幸庵:獄門島の医者。故嘉右衛門老人の派閥なので、もし分鬼頭が権力を握ったら追い出される。
    竹蔵:漁で潮つくりという大切な役目。
    清公(せいこう):流れ者の床屋。俳諧もかじっていたので嘉右衛門のお太鼓持ちだった。耕ちゃんの重要な情報源。なお、よそ者耕ちゃんが島人から犯人じゃないかと疑われた時に「馬鹿言っちゃいけない、仮にも金田一の旦那は江戸っ子だ。本鬼頭を乗っ取る気なら回りくどいことしないでピストルパンパンぶっ放して解決すらあ。だいたい江戸っ子がこんな島の麦なんざ食ってられるか」とかばってくれた?ようで、耕ちゃんをなんか複雑な気持ちにさせるのです・笑

    ●警察関係
    磯川常次郎:岡山県警察部の警部。耕ちゃんとは『本陣殺人事件』で知り合っている。戦争を経てお互い前の仕事を続けているとわかって感慨深くなっている。なお階級は当時と同じ警部。同僚では警視になった者もいるけれど、戦争のゴタゴタで昇格しそびれたけれど、そのために県警名物の古狸警部としてドドーンと一目置かれているらしい。
    清水巡査:獄門島巡査。島では事件はそんなに起きないので(起きても島の人たちが島の掟で解決する?)、瀬戸内海の海賊対応の仕事なんかもやっているらしい。「向こうは7,8にんポンポンピストル売ってくるし、警察の船も弾丸打ち込むし、壇の浦以上の大合戦ですよ」ってのが警察のお仕事。なるほど。

    ●獄門島絶大な権力の鬼頭家の跡取り順番
    チマタ→月→雪→花→ハジメ→早苗→儀兵衛。
    儀兵衛と志保には子供がいないので、美少年鵜飼章三を雪月花の婿に入れて権力を取ろうとしている。
    チマタの遺言のとおりに「俺が死んだら三人の妹が殺される」としたら、ハジメが跡取り。
    そして現在では「私はハジメさんの戦友でした。ハジメさんは生きて、もうすぐで戻ってきますよ」という復員兵が獄門島を訪れた。

    ●帰ってきたもの、帰ってこなかったもの
    死亡:チマタ
    生きているという知らせがあった:ハジメ
    戻る予定:戦争中に供出されていた千光寺の釣鐘が、戦争が終わったために鋳潰されずに返還されることになった。

    ということで耕ちゃんは戦友の遺言で獄門島に渡ったのだ。
    美しい早苗さんに驚かされる。徒花のような三姉妹に驚かされる。艶っぽいお志保さんに驚かされる。
    そして獄門島の権力争いが蠢いていることを感じる。他所から来た巡査の清水さんは「この島の者はみんな気がくるってる」というくらいだ。
    千光寺の釣鐘が戻って来た日に、チマタの葬儀が行われることになった。だがその夜から連続殺人が起きるのだった。

    今回の連続殺人では、死体を俳句に見立てた装飾をされる。まだそれに気が付かない頃の耕ちゃんが「なんだ、有名な松尾芭蕉か!」などと食傷気味なんだけど、俳句を見てすぐに読人とか背景をかを思い浮かぶのが、戦争を挟んだとはいえこの時代の、耕ちゃんの教養だよなあ。(アメリカ放浪していたので、英語もペラペラのはず)
    「無惨やな 冑の下のきりぎりす」(松尾芭蕉)
    「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」(松尾芭蕉)
    「鶯の 身を逆に初音かな」(宝井其角)

    横溝正史物は死体が装飾されておどろおどろしいんだけど、それでも読めるのは「死」をだのエンターテイメントにしていないことだよなあと思います。P167に「死という事実は厳粛であるべき」って書いてあるのですが、これだけ死体を弄られていても読んでいて不愉快にならないのはちゃんと死を一人の人間の人生の終わりとして書いていることを感じるからじゃないかなあ。そして耕ちゃんも、死を前に不謹慎なことを口走る人には不快の目を向けるのであります。
    そんなおどろおどろしい死を書きながらもちょっと笑ってしまう場面も。駐在の清水巡査が海賊対応する様子(の報告)だとか、岡山県警の磯貝警部と知り合いだって聞いて「あんたはいい人みたいだけど、磯貝警部に疑われるような悪党じゃないだろうね?」と勘違いされるところ、そしてその清水巡査に最初の殺人犯人と間違われて牢屋に入れられちゃったところで「バカ、バカ、清水さんのバカ!」と悔しがるところ。しかし結果的には耕ちゃんが牢屋に入ったお陰で第二の殺人が起きたので耕ちゃんの無実が証明されたのである、あんまり嬉しくないタイミングだけどね(^_^;)。
    今回の殺人は、偶然と偶然が重なり、さらに合ってはならないタイミングでの「嘘」によって行われたことだった。まさに酷いことが重なっちゃったよなあ。
    そして犯人には現実の罰よりも酷い「絶望」が与えられる。それでも後味が悪くないのは、残った人たちが戦後の新しい獄門島を立て直そうとする早苗さんの強い眼差し。また醜い権力争いしているかと思われた分鬼頭の儀兵衛老人がさすがは網元の大人物で、良くも悪くも封建社会の権化であった嘉右衛門老人のことを「とにかく稼いで使ってそのために島の人々の暮らしが豊かに明るくなったことは確かだ」とお互いを認め合っていたのも良かった。

    そういえば横溝正史は「金田一耕助には、恋人も妻もいない」って書いていますが、全小説で耕ちゃんがほぼ唯一よろめいたのが、美しく案外肝が座った早苗さん。東京に出ませんか?って一応プロポーズ???耕ちゃんがんばったね。(振られたけど)

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    2026年09月23日
  • 金田一耕助ファイル7 夜歩く

    Posted by ブクログ

    横溝正史の長篇ミステリ作品『夜歩く 金田一耕助ファイル 7』を読みました。
    『悪魔が来りて笛を吹く 金田一耕助ファイル 4』に続き、横溝正史の作品です。

    -----story-------------
    「我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真が、古神家の令嬢八千代のもとにまいこんだ。
    三日後に起きた、キャバレー『花』での佝僂画家狙撃事件。
    それが首なし連続殺人の発端だった……。
    因縁の呪いか? 憎悪、貪欲、不倫、迷信、嫉妬と、どす黒い要素が執念深くからみあって、古神家にまつわる、世にも凄惨な殺人事件の幕が切って落とされた!!
    -----------------------

    1948年(昭和23年)から1949年(昭和24年)に中央文芸社から出版されていた大衆文芸・小説雑誌『男女』(後の『大衆小説界』)に連載され、1950年(昭和25年)に刊行された作品……金田一耕助シリーズの第3作です。

    古神家の令嬢八千代に舞い込んだ「我、近く汝のもとに赴きて結婚せん」という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった……卓抜なトリックで推理小説の限界に挑んだ力作。

    佝僂の画家や夢遊病、旧家の因縁、嫉妬などのモチーフをこれでもかと詰め込んだ、怪奇色の濃い本格長篇ミステリ……「汝夜歩くなかれ」という不気味な警告を発端に、狙撃事件、首なし死体、血塗られた村正、佝僂の人物の入れ替わりなど、複数の謎が互いに絡み合いながら進行します、、、

    古神家と仙石家の複雑な関係、夢遊病の八千代の存在が、誰もが秘密を抱えているような不穏な空気を生み、読者を物語の奥へと引きずり込みます……物語は途中から岡山県の鬼首村へ舞台を移し、閉ざされた山村の陰鬱な雰囲気がさらに怪奇性を強めます。

    村に伝わる因習や土地の空気が、古神家の謎と結びつき、物語のスケールが一段と広がるのも魅力です……そして本作最大の特徴は、金田一シリーズでは異例の叙述トリック、、、

    語り手の一人称が読者の認識を巧みに誘導し、終盤でその「語りの罠」が明かされることで、真相の意外性が鮮烈に立ち上がります。

    怪奇味と本格性、そして叙述の妙が見事に融合した、読み応えたっぷりの一作でした……面白かったです。

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    2026年09月22日
  • 金田一耕助ファイル5 犬神家の一族

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    見立て殺人かと思いきや、そうでもなかったていう笑
    後々考えると「ん?」と思うところはあるし、全部佐兵衛翁が悪いやんって話なんだけど、これはもう雰囲気が抜群に楽しい小説

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    2026年09月18日

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