河合祥一郎の作品一覧
「河合祥一郎」の「新訳 ナルニア国物語」「【合本版】ポー傑作選」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
現在のエンターテイメントの祖となる小説と言っていいでしょう。
下巻ではピップへの『大いなる遺産』の送り主をめぐる攻防が目まぐるしく展開ます。ウェミックの『お城』のからくりやロンドンを流れるテムズ川と6つの橋の間でのボートの往来などたのしい仕掛けが満載です。徐々にこれまでの登場人物がつながっていき、ミステリーや冒険小説のおもしろさがつまった物語となっています。
同時にピップの上流階級への憧れるが揺らいでいくのが感じられます。物語のラストへ向け、すべてのピースが完全に揃っていくのを感じながら読み進めていくのは読書の気持ちよさを感じさせてくれます。
Posted by ブクログ
森新太郎演出・内野聖陽主演『リア王』関連企画のトークイベント、本書の訳者シェイクスピア学者の河合祥一郎とアメリカ政治が専門の三牧聖子同志社大学大学院教授の対談「独裁者の行く末」で紹介されていて、読みたくなった。
原著は2018年刊で、謝辞に「…近々の選挙結果について心配…「私に何ができる?」…「何か書けばいい」…それで、そうすることにした。」「そして、選挙が最悪の予想どおりになってしまって…」とある。トークイベントで河合氏いわく、それ以上は詳述できないということで邦訳時にはあとがきや解説は付けられなかったけど、今だから言うけど、第1次トランプ政権に対して書かれたものとのこと。シェイクスピアも不安定な政治状況の時代を生きたが、第2次トランプ政権になってますます、これってい今の話じゃん! と感じる部分が増している…
リチャード3世の悪辣さはみんなに認識されているのに、なぜ王位につかせてしまうのか?
「分別のある大人たちがまわりにたくさんいるのだから、約束は守られ、同盟は大切にされ、重要な制度は尊重されるだろうと思ってしまう…」「ありえないと思っていたことが実際に起こっていると気づいたときには遅いのだ…」(p.85)「暴君は、選挙で選ばれるのだ。」(p.97)
自ら望んだわけではないのにどんどん暴君になってしまったマクベス。「制度的な抑制はすべて機能しなくなっている。」(p.141)
ロマンス劇にすら暴君が現れる。『冬物語』のリオンティーズ。「暴君には、事実や証拠などどうでもよい。自分が非難しているだけで十分なのだ。誰かが裏切り、嘲り、こちらをスパイしていると王が言えば、そうに違いないのだ。反対する者は噓つきか愚か者だ。」(p.161)リオンティーズは改心する。しかし、「…このやり直しを可能にしている出来事は、シェイクスピアの最も大胆にしてありえない幻想のたまものだ。すなわち、暴君の誠心誠意の、偽らざる、心の底からの後悔である。そのような心の変化を想像するのは、像に生気が宿るのを想像するのと同じくらいむずかしい。」(p.177)
もちろんトランプだけではない。史上の、同時代の、様々な暴君が思い浮かぶだろう。そして暴君を存在せしめてしまうのが他人事ではないことも。
ほかに『ヘンリー六世』3部作、もちろん『リア王』、『ジュリアス・シーザー』、『コリオレイナス』が詳しく取り上げられる。
暴君の悪弊を知りながら、どの時代でも暴君を存在させてしまうのが人間、しかし一方で、グリーンプラットは、無名(役名がない)の存在にスポットライトを当てる。コーンウォール公爵がグロスター伯爵に拷問を加えるのを諫めて主人に殺される召使。「シェイクスピアは、一般人が暴君に対する防波堤になりうるとは信じていなかった。…ところが、『リア王』の名もなき召し使いには、まさに暴君に対抗する民衆の本質が備わっている。この男は黙って見守ることを拒むのだ。それは命懸けの行為だが、人間の品位を守って立ち上がるのである。ほんの数行の台詞しかない極めてマイナーな登場人物ではあるが、シェイクスピアの偉大なる英雄の一人である。」(p.190)
Posted by ブクログ
テーバイ国のライオス王は神から「お前は自分の子に殺される」と神託を受ける。怖くなったライオス王は生まれたばかりの息子オイディプスを野獣がうろつく山奥に捨てる。捨てられたオイディプスは羊飼いに助けられて、子のいないコリントス王に献上される。オイディプス、コリントス王子として育てられ成長。ある日、オイディプスは神から「お前は父を殺し、母と交わる」と神託を受ける。オイディプスは、おぞましい神託を回避しようと隣国テーバイ(じつは生まれ故郷)へ逃げる。途中、傲慢な老人に会い、侮辱されたので殺した。それが父ライオスだったが、オイディプスは知らない。テーバイに入り、スフィンクスを退治した功から、オイディプスはテーバイ王に即位。実の母の夫となる。妃となった母と交わる。が、オイディプスは知らない▼テーバイ国に疫病が流行。オイディプスは神に救いを求めると、神は言う「ライオス殺害の犯人を見つけて処罰せよ。そいつが災いの源だ」。オイディプス、犯人探しをしているうちに、自分こそが犯人であると気づき絶望。妃(じつは母)は息子オイディプスを捨てた罪、息子と交わった罪に苛まれ発狂、首を吊って自殺。オイディプス、首を吊りぶら下がる母を見て凄まじい叫び声をあげ、金の針で自分の両目を突き刺す。オイディプス「もはや見てはならない。わが恐ろしき苦しみも、呪わしき罪も。この目は見てはならない人を見、知りたいと願った人を見分けられなかった。これからは闇の中で見るがいい」。ソフォクレスSophoklē̃s『オイディプス王』悲劇 BC5世紀★
※神々が導くとき、人間はそれから逃れられない。
※最大の盲点は「自分自身」
※スフィンクス。道行く人になぞなぞを出して、解けない者を食べてしまう化物。オイディプスにスフィンクスが出したなぞなぞ「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩くものはなんだ」。答えは人間。はいはい赤ちゃん、成人、杖つく老人。
〇テイレシアス。盲目の老人。予言者。オイディプスが犯人だと指摘。ホメロス「オデュッセイア」などにも登場。
〇クレオン。母イオカステの弟。オイディプスから”テイレシアスと共謀して王位を奪おうとしている”とあらぬ疑いをかけられる。
〇イオカステ。オイディプスの母。テーバイ王妃。
〇アンティゴネ。オイディプスと母イオカステとの間にできた娘。
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オイディプスの娘アンティゴネ。兄が戦死した後、兄は国法に反したとして埋葬を禁止される。しかし彼女は埋葬した。家族を埋葬するのは自然の法だ。国法に反していても。ソフォクレスSophoklē̃s『アンティゴネ』
※自然法の原型。
真理の言葉は単純である。ソフォクレス
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総大将アガメムノン。トロイア戦争から帰ると妻とその愛人に殺される。妻はわが娘を夫アガメムノンに殺されていた。愛人の方も、父がアガメムノンの父に殺されていて恨みがあった▼倒れた者を、さらに蹴りつけようとするのが人間の生まれつきの性である(ミケーネ王)▼少しも羨望せず、友人の成功を喜ぶほど、強気性格をもつ者は稀である▼苦しみの報酬は経験である。アイスキュロス『アガメムノン』悲劇 BC5世紀
プロメテウスは人間に火を与え、ゼウスの怒りに触れ、罰として岩山に縛り付けられる。ゼウスに従う様子のないプロメテウスは、地中深くに埋められてしまう。アイスキュロス『縛られたプロメテウス』
真の悲しみは苦しみの支えである。アイスキュロス『断片』
メデイア。女。夫と子供2人。ある日、夫(イアソン)がコリントス王に気に入られ、王の娘(グラウケー)を嫁にもらうことに。夫はメデイアを捨てる。メデイアは夫の裏切りに自尊心を傷つけられ、夫を憎み、夫への復讐を始める。夫の新妻(グラウケー)に、毒の冠を「贈物」として渡す。冠をつけた新妻(グラウケー)は炎に包まれ、助けようとしたコリントス王もろとも焼死。さらに元夫(イアソン)との子供2人も剣で刺し殺す。駆け付けた元夫(イアソン)の前で、メデイアは子供の遺体を抱え、笑みを浮かべている。エウリピデス『メデイア』悲劇
※女は臆病で、戦争に怯える。しかし、夫婦の間の誠が踏みにじられると女は残虐で非情な心となる。
長い話を切り詰めて、短い言葉で適切に語るのは賢人である。エウリピデス『アイオロス』
心の底を傾けた深い交わりは禁物。 愛情の紐は解けやすくしておいて、会うも別れるも自由なのがよい。エウリピデス『ヒッポリュトス』
待っていたことはやって来ず、思いがけないことがやって来る▼すでに過ぎ去った困難を思い出すことは、何と快いことか。プルタルコスの道徳論より▼経験こそが人にとり万事の教師となる▼沈黙は真なる英知の最上の応答なり。エウリピデス
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リュシストラテ。若い女。アテネの男たちにスパルタとの戦争を止めさせるため、ギリシア全土(スパルタ含む)でセックス・ストライキを提案。戦争をやめないなら、セックスしてあげない。女たちはアクロポリスを占拠、軍資金を差し押さえ籠城。しばらくすると、禁欲に堪えられない男女が続出。そこに敵国スパルタの使者がやってくる。使者は禁欲のあまり男根を勃起させている。アテネの男たちも男根を勃起させている。禁欲はあまりにもつらいため、両者に和平交渉が成立、平和が訪れる。アリストファネスAristophanes『女の平和』喜劇・反戦 BC5世紀 ※ペロポネソス戦争、ビアズリーの絵
賢者は敵から多くを学ぶ。アリストファネス『鳥類』