瀬戸内寂聴の作品一覧
「瀬戸内寂聴」の「新装版 寂聴 般若心経 生きるとは」「わたしの宇野千代」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
2017年刊。もとは「群像」連載(2016.4~17.7)。95歳の時の作品。オビには「長篇小説」とある。みな実名で登場、どう読んでもフィクショナルな箇所などないような気もするのだが。
瀬戸内寂聴(1922-2021)。長年のライバル、悪友・戦友でもあった河野多恵子(1926-2015)、大庭みな子(1930-2007)をめぐる回想とレクイエム。いろんな人たちが脇役として登場する。もちろん、ゴシップも山のように出てきて、おとなしくは済まない。
読みどころは大庭みな子。なぜ寂聴が彼女を激しくライバルとみなすのか。寂聴がデビューしたての頃に書いた作品「花芯」は、卑しいポルノグラフィーと酷評された。その10年後彗星のように現れた大庭の作品は「ポルノグラフィーの絶品」という評。なんでこうも扱われ方が違うのか。最後は、この最愛のライバルを喪う悲しみも書いている。夫に尽くされて亡くなった大庭に嫉妬もしている。
意外な登場人物は、ノーベル物理学賞の江崎玲於奈。京都にいた若い頃、江崎の母親のダンス教室に通っていた。息子の玲於奈が現れると、娘たちはキャー。後年、その玲於奈と、共通の友人大庭みな子の話をする。なお、江崎玲於奈先生はご健在。いま101歳か。