無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
俳人であり、小さな小料理屋のおかみである主人公「阿紗女」は、御年91歳。若い頃から、モテてモテて、もうモテてしょうがない人生。90歳をすぎた今も、その魅力および気力はまったく衰えていない。娘や友達の病・お店のお客の不運を目の当たりにし、はるかなる過去に思いをはせる…という内容。
折々に、阿紗女が過去をふりかえっていくんだけれども
大好きな男と恋愛結婚⇒
男蒸発、実家の家業も傾く⇒
死んだ姉の夫(生理的にキライ)と結婚させられる⇒
運命の男(既婚)と出会いフォーリンラブ!不倫まっしぐら!
という、なかなかすごい遍歴でして。娘を一人産んでて、現在の関係は決して悪くないんだけど、かつて恋してる間はほとんど忘れちゃってましたテヘペロみたいな。水商売の才覚があって(まあそりゃあるわな)、バリバリ仕事しながら、恋に愛にまい進してきたという。親しいお友達も、ていうか娘も同じような感じ。波乱万丈。
うん、これは、大人の女性にはうれしい小説でしょうねー。だって91歳で、俳句に関しては天才で、未だ自分のお店持って毎日たのしく働けて、「信じられないほどおきれい」とか頻繁に言われるんだよ、阿紗女。もうファンタジーだよね。夢だよね。勇気もらえるよね。さすがは寂聴先生、ツボ心得てますな。
登場人物の言葉選びや口調が、なんだか全体に心地よい。みなハキハキとリズムよくしゃべるし、出てくる単語がどことなく雅。ストーリーに複雑さや驚きは少なくて、ごくシンプルだけど…「人生はつらくて熱くて、ごちゃごちゃで、でも最高に楽しいもの」という大らかな世界観に、ゆったりと身を任せることができる。
「あれ、これ、さっき聞いた話…?」ていう感じで、同じ内容が別な章に書いてあったりしたんですが。終わりも、えーこんな結末かい、みたいな感じでしたが(笑)
今時分は、『読ませる』作品てすごく多くて。ジェットコースターに、高級外車に、あるいは磨き上げた自転車に乗せて…入念に用意され整えられた「結末」へ連れて行ってくれる作品がね。それは本当に幸せなことなんだけれども。
ストーリーも構成も、結末さえも最重要ではなくて、「大らかに生きる」空気やスピードを共有する、それを大事にする。そんな読書もいいねえ、と思ったりして。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。