あらすじ
崇拝する中宮定子を慰めるため「枕草子」では美しいことばかり描いた。智識と才気で紫式部と反発し合った清少納言も、いまは山の庵でひとり九十を迎える。自分の定命がわからないのも仏の慈悲。心には華やかな宮中での日々が甦える。九十歳の著者が九十歳の清少納言に乗り憑ってのモノローグ。著者畢生の意欲作。
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匿名
清少納言の回顧録的な感じです。
田辺聖子さんの昔あけぼのを読んでいたので 状況などは よくわかっていましたが、さらに清少納言ぽい イメージがしました。
Posted by ブクログ
清少納言が90歳まで生き、過去の想い出に身を馳せたらどうなるのか。
最愛の定子様の幸せや不幸。
自分を愛してくれた父や元亭主との想い出。
定命を待つ清少納言の、今と昔を行き来する物語。
90歳の瀬戸内寂聴さんが、90歳になった清少納言が何を想うのかを書いた小説です。
清少納言を通して、自分の死生観を語っているないようになっていると思います。
定子と帝の関係や、回りの人間がいなくなっていく清少納言の様子が印象的でした。