岸本佐知子の作品一覧
「岸本佐知子」の「エドウィン・マルハウス」「ルシア・ベルリン作品集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「岸本佐知子」の「エドウィン・マルハウス」「ルシア・ベルリン作品集」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
たった一行にも満たないものから数十ページになるもの、物語というよりは断片としか形容できないものや、特殊な形式のものまで、作者が『短編小説である』と断ずるこの作品集には一見どうやって読めばいいのか戸惑ってしまうような短編が多数収録されている。
正直自分の知識と感性の未熟さで楽しみきれなかったものもあるけれど、全体としてすごくスリリングで、こちらが読もうとすればするほど冷静で淡々とした文章の奥から物語がとめどなく溢れてくるすごい本だった。
比較的長めの作品なら、執拗なまでに細かい描写と事実を淡々と書き連ねた文章を追う内に胸が痛くなるほどの激しい感情が湧き上がってくるし、極端に短い作品ならば、そのた
Posted by ブクログ
はじめは、フーンこれがなんか色んな人が大絶賛の本か。なるほどなかなか読ませますなという感じで読んでいたのに、一編読み終えるごとに夢中になっていった。
あれ?あの話の彼女はこの人?この体験はあの体験のこと?というか、これ全部繋がってる……?
短編集というよりは自由な章立ての長編のような……作家自身の体験と深く結びついた物語が、ひとつ、またひとつ自分の中で繋がるほどに引き込まれていく。印象的なメロディーを繰り返しながら盛り上がっていく音楽みたいに。
読み終えた時には、一人の女性の人生――痛みと喜び、幸と不幸、激しさと静けさ、深い傷と赦し――が、確かな色と、音と、匂いを持って立ち上がってきた。
そ
Posted by ブクログ
彼女が執筆した全76篇の短篇のうち65篇を岸本氏が訳したもののうち、19篇を収めた短編集。
順番としては「掃除婦のための手引き書」が先だったようだけど、私はこちらが先だった。まあ、短編集だし独立しているし、順番は関係ないか。
最初の2篇を読んだあたりでは「なるほど。おしゃれ。」程度で、少し時間が経つと思い出すのがしんどくなるくらいの印象でしかなかった。
そこからもう数篇読み、ルシア・ベルリンの語る語り口に慣れてくる頃になると、この作家のすごさが見えてくる。
表題作を読むあたりでは、岸本氏が後書きで「そして文庫の帯で」書いているように「一篇読むたびに本を置いて小さくうなり、深呼吸せずにはいられ