中公新書作品一覧

  • 諸子百家 儒家・墨家・道家・法家・兵家
    3.9
    春秋戦国時代、諸国をめぐって自らの主張を説いた思想家たち。彼らの思想は、その後の中国社会の根幹を形づくったのみならず、日本をはじめ東アジアにおいても大きな影響力を持った。一九九〇年代には大量の古代文献が発掘され、これまで謎とされてきた事柄も解き明かされつつある。新知見をふまえ、儒家(孔子・孟子)、墨家(墨子)、道家(老子・荘子)、法家(韓非子)、兵家(孫子)などの思想と成立の過程を平易に解説する。
  • 経済大国インドネシア 21世紀の成長条件
    3.8
    リーマンショック後の二〇〇九年秋、欧米の格付け会社が、インドネシアの持続的成長能力と財政的安定を評価し、国債の格付けを引き上げた。以来、インドネシアの有望性は世界が注目するところとなる。二億四〇〇〇万近い人口と豊富な資源を背景とした潜在的な国力は、二〇〇四年、ユドヨノ政権になって以降の政治的安定によって、さらに強固な成長要因となっている。中国、インドに続く"アジアの大国"のこれからを展望する。
  • 教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか
    4.1
    戦後教育において「平等」はどのように考えられてきたのだろうか。本書が注目するのは、義務教育費の配分と日本的な平等主義のプロセスである。そのきわめて特異な背景には、戦前からの地方財政の逼迫と戦後の人口動態、アメリカから流入した「新教育」思想とが複雑に絡まり合っていた。セーフティネットとしての役割を維持してきたこの「戦後レジーム」がなぜ崩壊しつつあるのか、その原点を探る。
  • 宦官 改版 側近政治の構造
    3.5
    中国の歴史において宦官のはたした役割は実に大きい。清朝の歴史家は、各王朝ともその衰亡の原因が宦官にあったことを指摘する。過去四千年にわたる専制君主と表裏一体をなして生きながらえた宦官の研究は、単なる好奇心を越えて、中国史の重要な課題の一つである。宦官とはなにかから説きおこして、宦官のもっとも活躍した漢・唐・明代を中心に、それぞれの、時代を背景にした特色を指摘する。毎日出版文化賞受賞。
  • 大平正芳 「戦後保守」とは何か
    3.8
    戦後、「保守本流」の道を歩み、外相・蔵相などを歴任、一九七八年に首相の座に就いた大平正芳。その風貌から「おとうちゃん」「鈍牛」と綽名された大平は、政界屈指の知性派であり、初めて「戦後の総決算」を唱えるなど、二一世紀を見据えた構想を数多く発表した。本書は、派閥全盛の時代、自由主義を強く標榜し、田中角栄、福田赳夫、三木武夫らと切磋琢磨した彼の軌跡を辿り、戦後の保守政治の価値を問うものである。
  • 歌う国民 唱歌、校歌、うたごえ
    3.8
    日本人の心の原風景として語られることの多い唱歌だが、納税や郵便貯金、梅雨時の衛生などの唱歌がさかんに作られた時期がある。これらは、ただひたすらに近代化をめざす政府から押しつけられた音楽でもあった。だが、それさえも換骨奪胎してしまう日本人から、歌が聞こえなくなることはなかったのである。唱歌の時代から「うたごえ」そして現代までをたどる、推理小説を読むような興奮あふれる、もう一つの近代史。
  • 電車の運転 運転士が語る鉄道のしくみ
    4.2
    時速100キロ以上の速さで数百トンの列車を率いて走行し、時刻通りにホームの定位置にピタリと停める…。このような職人技をもつ運転士は、何を考え、どのように電車を運転しているのだろう。また、それを支える鉄道の仕組みとはどのようなものだろう。JRの運転士として特急電車から貨物列車まで運転した著者が、電車を動かす複雑精緻なシステムと運転士という仕事をわかりやすく紹介する。
  • ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」
    3.7
    南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡のころ、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。
  • シュルレアリスム 終わりなき革命
    4.0
    シュルレアリスム(超現実主義)は、第一次世界大戦後のパリで生まれ、世界に広まった文化運動である。若い詩人、文筆家、画家が導いた。戦争、共産主義、ファシズム、無意識、エロス、死、狂気などアクチュアルなテーマに取り組んで、近代文明の刷新をもくろむ。個人の壁、国境の壁を超えて多様な生の共存をめざしたその革命精神は、情報と物に充足する利己的な現代人に、いまだ厳しい批判を突きつけて、生き続けている。
  • 雑草のはなし 見つけ方、たのしみ方
    4.0
    庭の片隅で、都会の歩道のコンクリートの隙間で、雑草はひっそりと生きている。名も知らない草も多いが、子孫を残そうと懸命に生きる戦略には驚かされるものも多い。ハハコグサとチチコグサの花はどう違う?葉の小さいオオバコがなぜ「大葉子」なのか?ツキミソウはどうして夜に咲くのか?春夏秋冬の雑草の見つけ方、見分け方を一つひとつ写真と文章で紹介し、植物の生き方のふしぎを解き明かす。カラー130点。
  • 小村寿太郎 近代日本外交の体現者
    3.7
    幕末に結んだ欧米列強との不平等条約の改正を目指し、一九〇〇年代に日英同盟、日露戦争、韓国併合を推進した外相・小村寿太郎。日向国飫肥藩の下級藩士に生まれた小村は、病弱で一五〇センチに満たない身長、非藩閥出身と恵まれない出自ながら、第一回文部省留学生としてハーバード大学に留学。抜群の語学力と高い交渉能力を身につけ、日本を「一等国」に引き上げた。帝国主義と国際協調の間を巧みに動いた外政家の真実。
  • 古事記の起源 新しい古代像をもとめて
    3.6
    古事記は、八世紀に編纂された日本最古の書物のひとつである。しかし古事記は突然出現したのではない。縄文・弥生期から連綿と続く、無文字時代の神話がその源にあった。著者は、無文字文化の「生きている神話」「生きている歌垣」が今なお残る中国長江流域の少数民族文化を調査し、神話の成立過程のモデルを大胆に構築。イザナミやヤマトタケルの死、スサノオ伝承、黄泉の国神話、糞尿譚などを古事記の深層から読み直す。
  • アメリカと宗教 保守化と政治化のゆくえ
    3.9
    アメリカは、二億人を超えるキリスト教徒を抱え、その八割が「天地創造」を信じ、教会出席率・回心体験でも群を抜く保守的な宗教大国である。一九七〇年代以降、宗教右派が政治に参入し、レーガンの大統領当選に貢献するなど、表舞台に登場。二一世紀以降、ブッシュ、オバマは宗教票を無視できなくなった。本書は、世俗への危機意識からリベラル派が衰退し、保守化・政治化していく過程を中心に、アメリカの宗教の実態を描く。
  • 北方領土問題 4でも0でも、2でもなく
    3.8
    「北方領土問題」は、日本とソ連の戦後処理をめぐる交渉のプロセスのなかで生まれ、一九五六年の日ソ交渉においても、これを解決することができず、平和条約の締結に至らなかった。以来五〇年、事態が進展しないなか、中国とロシアの間で、同じく第二次世界大戦に由来する国境問題に終止符が打たれた。本書は、この係争地を互いに「分け合う」という政治的妥協に至る道筋を検討し、日ロ間への具体的な応用を探るものである。
  • ハワイの歴史と文化 悲劇と誇りのモザイクの中で
    3.7
    ハワイ――世界中の観光客を魅了する太平洋の美しい島々。十八世紀以来、欧米、そしてアジア諸国から多くの移民が来島し、定着・活動してきた。しかし、異人種、異文化との接触が、ネイティヴ・ハワイアンに苛酷な歴史を強いてきたことも忘れてはならない。本書は、日本との交流に光をあてながら、楽園イメージの奥に横たわる、もう一つの現実を浮かび上がらせ、ハワイ文化の力強い流れを描き出すものである。
  • 経済学の哲学 19世紀経済思想とラスキン
    4.5
    経済と環境保護。分裂し、対立するかのような両者が折り合う思想は可能なのか。このきわめて現代的な問題は、すでに19世紀に提起されていた。産業革命が隆盛を誇るロンドンで、哲学者ラスキンが環境と弱者を犠牲にする経済学に怒りを感じ、新しい経済学の枠組みを構想したのだ。本書は、同時代の経済学者との格闘に光を当てながら、この先駆的な思想を辿る。ありうべき価値体系とは何か。よりよい社会への道を探る。
  • キリストの身体 血と肉と愛の傷
    4.1
    キリスト教にとって大切なのは、身体ではなく精神、肉体ではなく霊魂ではなかったか。しかし、キリストの身体をめぐるイメージこそが、この宗教の根幹にあるのだ。それは、西洋の人々の、宗教観、アイデンティティの形成、共同体や社会の意識、さらに美意識や愛と性をめぐる考え方さえも、根底で規定してきた。図像の創造・享受をめぐる感受性と思考法を鮮烈に読み解く、「キリスト教図像学三部作」完結篇。図版資料満載。
  • インドネシア 多民族国家という宿命
    4.1
    インドネシアでは、三〇〇の民族集団から構成される二億の国民が、四〇〇の母語を使用して生活している。一見平和な風景からは、穏健で寛容な秩序が保たれているように見えるが、多様な混沌を統御するために暴力と暴力がぶつかり合ってきたという厳しい現実もある。本書は、第二次大戦後の独立時に起因する問題が、六人の大統領の時代を経過しながら、どう変質して今に至っているかを、丁寧にリポートするものである。
  • 信長と消えた家臣たち 失脚・粛清・謀反
    3.4
    信長は天下統一の過程で多くの配下の者を粛清した。反逆が疑われる者は無論のこと、抜擢に応えられなかった者も容赦なく切り捨てた。なぜ信長は周囲の理解を超えた過酷な処分を行ったのか。一方、趨勢が明らかにもかかわらず、結果的に少なくない数の武将が反旗を翻したのはなぜなのか。着々と進む天下統一の裏で続いていた信長と家臣、そして恭順した大名たちとの駆け引き。その生々しい局面から、信長の戦略と素顔に迫る。
  • ケネディ-「神話」と実像
    3.6
    一九六一年、四三歳で米大統領に就任し、三年後、凶弾に倒れたジョン・F.ケネディ。名家に生まれ、海軍士官、下・上院議員として活躍し、一気に頂点に登り詰めた彼は、理想を追い求めた政治家として「神話」化されている。だがその一方で、家族、宗教、女性、病魔といった問題に常に苛まれていた。本書は、虚弱だった成長期から繙き、米ソ冷戦下、政治家としてどのように時代と対峙し、生きようとしたか、その実像を描く。
  • イラク建国 「不可能な国家」の原点
    4.3
    サッダーム・フセインを放逐し、イラクに救済者として降り立ったアメリカは、民主主義という福音がこれほど無力とは思っていなかったろう。なぜ戦後復興は泥沼に陥ったのか。宗派や民族の対立、いびつな国土という混乱の種は、イラク誕生時すでに蒔かれていた。一九二一年、暴発した排外運動を封じ込めようと、苦肉の民政移管でこの人工国家を生み出したガートルード・ベルの苦悩を軸に、イラクが背負う困難を照らし出す。
  • 日本書紀の謎を解く 述作者は誰か
    4.0
    七二〇年に完成した日本書紀全三十巻は、わが国最初の正史である。その記述に用いられた漢字の音韻や語法を分析した結果、渡来中国人が著わしたα群と日本人が書き継いだβ群の混在が浮き彫りになり、各巻の性格や成立順序が明らかとなってきた。記述内容の虚実が厳密に判別できることで、書紀研究は新たな局面を迎えたといえる。本書は、これまでわからなかった述作者を具体的に推定するなど、書紀成立の真相に迫る論考である。
  • 社会変動の中の福祉国家 家族の失敗と国家の新しい機能
    3.5
    高齢化、少子化、そして女性の社会進出によって、家族に揺らぎが生じている。失われた家族の機能を代行しうるものとしては、地域社会やNPOとともに、やはり国家が不可欠である。本書は社会構造の多元性を確認しつつ、福祉、環境、社会資本を統合的にとらえる「総合的福祉国家政策」を提唱。社会的市場経済のドイツやコーポラティズムのスウェーデンなどの事例を参照しながら、日本の伝統を生かした福祉政策を考察する。
  • 天皇誕生 日本書紀が描いた王朝交替
    3.6
    神武以来、連綿と続く万世一系の皇統の歴史を綴った書物として尊重されてきた『日本書紀』。戦後はそれに徹底的な批判が加えられ、王朝交替という、万世一系とは対立する古代史が提唱されるに至った。本書は『日本書紀』の神武天皇から武烈天皇までの物語を精細に読み解き、その叙述を貫く主題・構想や歴史認識を鮮やかにあぶり出す。律令制国家として新生した日本が描こうとした天皇と国家の歴史とはいかなるものか。
  • 戦略的思考の技術 ゲーム理論を実践する
    3.8
    自分の利害が、自分の行動だけでなく、他人の行動によってどう左右されるか、という状態が戦略的環境である。その分析ツールがゲーム理論であり、ビジネス交渉はもちろん、恋人とのかけひき、朝なにを着るかといったことまで、私たちは他人の行動を織りこみつつ戦略を立て、実行している。本書は身近な題材をふんだんに使い、コミットメント、シグナリングなどゲーム理論のキーワードを解説しながら読者の戦略的思考を磨く。
  • 変貌する子ども世界 子どもパワーの光と影
    3.5
    「子ども」たちが変わってしまったといわれている。しかし、変化したのは彼らそのものではなく、戦後の半世紀で激変した社会、ひいては「子ども―大人関係」なのではないだろうか。戦後のベビーブームはかつてない数の子どもを生みだし、前例のない文化が彼らを取り巻き、育てた。学校教育、医療、テレビ、漫画、お菓子など、戦前世代と戦後世代を隔てるさまざまなことを丁寧にたどり、新しい「子ども観」と「子ども―大人」関係を探る。
  • がん遺伝子の発見 がん解明の同時代史
    3.8
    80年代になってがん研究は様変わりした。原因別のメカニズムがあると考えられていたがんは、今やがん遺伝子という共通のメカニズムで説明できるようになった。生命にとって大事な遺伝子が次々に変異を重ね、行き着いた一つの悲しい結末、それががんなのだ。がん遺伝子と抑制遺伝子の発見をめぐって熾烈な競争を繰り広げる研究者たちのドラマと、徐々に明らかになるがんの本態を、自らのがん体験をふまえてヴィヴィッドに描く。
  • 両班(ヤンバン) 李朝社会の特権階層
    3.0
    韓国では今日も、儒教の「教え」が日常生活の隅ずみまで深く浸透している。朝鮮・韓国で朱子学の受容を担ったのは両班階層であった。両班は官僚・知識人として李朝時代を通じ京師と地方の支配エリートであった。しかし両班は法制的手続きを経て制定された特権階層ではない。彼らは社会的慣習を通じ周囲から両班としての資格を認定された、相対的で主観的な階層であった。ではその資格とは? 両班の形成過程と儒教的伝統の実態を描く。
  • 魯迅 阿Q中国の革命
    4.3
    帝国主義列強に侵略され、半封建社会であった清末から民国時代の旧中国には、様々な「馬{マー}々{マー}虎{フー}々{フー}」(欺瞞を含む人間的な「いい加減さ」)が存在した。そうした「馬々虎々」は支配者によって利用され、旧社会の支配体制を支えていた。魯迅は中国民衆を苦しめてきた悪霊支配を憎み、その支配を助長する土壌を憎んだ。彼は中国社会にいまなお存在する「馬々虎々」を中国(民族)の死敵と見なし、終生それと真正面から闘いつづけた文学者である。
  • 続・神々の体系 記紀神話の政治的背景
    -
    記紀の制作主体を藤原不比等とみる大胆な仮説をもとに、前著で考察の対象となった記紀神統譜の基本構造と不比等の政治的役割について、その照応関係を多面的に解明する。そして記紀神話が奈良朝の藤原氏の権力の正統化にいかに適合していたかをきわめて説得的に論述。律令国家成立の社会史ならびに思想史を背景に、定説化した記紀の体系性とイデオロギー的性格を捉え直し、そこに律令国家のデザインとその独自性を読みとろうとする。
  • 物語 中東の歴史 オリエント五〇〇〇年の光芒
    3.8
    キリストを生みムハンマドを生んだ中東は、歴史上の転換点となった数々の事件の舞台であり、まさに世界の富と知の中心だった。ソロモン王とシバの女王の知恵くらべ。新興イスラーム勢力のペルシア帝国への挑戦と勝利。ムスリム商人による商業の隆盛と都市文化の繁栄。「蛮族」十字軍や、モンゴル帝国による進攻とその撃退。しかし、やがて地中海世界は衰退し、中東は帝国主義の蹂躙する所となる…。ドラマティックな歴史をたどろう。
  • 国際関係論 同時代史への羅針盤
    3.9
    戦争と革命の世紀、二〇世紀は轟音を響かせて転換しつつある。国家そのもののあり方とともに、国家間の関係もまた問われているのである。国際関係論という学問は、政治・経済・文化などが交錯する場である国際関係に生ずる問題を解明し、現代史の深部の潮流を捉えて未来を展望することを目指す総合的社会科学である。歴史の転換期に立つ現在、この学問は世界を見据える羅針盤となるであろう。巻末に詳細な基礎文献案内を付す。
  • 織田信長合戦全録 桶狭間から本能寺まで
    3.6
    家督を継いだ十九の年より本能寺に没するまで、織田信長は四方の敵と戦い続けた。初期には、劣勢を覆した桶狭間の戦いのように少数精鋭の部隊を自ら率いて戦い、後には、浅井・朝倉氏攻めや対本願寺戦のように、羽柴秀吉らの部将を配して多方面にわたる戦線を同時に指揮した。際だった戦巧者ぶりを示す戦略や戦術への考察も併せ行い、天下統一の基礎を作った信長のすべての戦いをたどる。
  • 古田織部 美の革命を起こした武家茶人
    3.8
    織田信長に仕えて調略の才を発揮した古田織部は、のち羽柴秀吉に従って天下取りに貢献。他方で茶の湯を千利休に学んで高弟となる。利休死後、特異な芸術センスで桃山文化に多大な影響力を及ぼし、公武にわたる広範な人脈を築いた。だが、大坂夏の陣で豊臣方への内通を疑われ、幕府から切腹を命じられる。その死の背景に、徳川政権の盤石を期す家康の思惑はなかったか――。美の世界に革命をもたらした稀有の茶人の実像に迫る。
  • アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」
    4.0
    『旧約聖書』に登場する、最初の人間アダムとイヴ。二人の名前は「禁断の木の実」「楽園追放」などのキーワードとともに語られ、日本人にとっても馴染み深い。しかし彼らの物語から生まれた、文化、思想、文学・美術作品の多様さは、私たちの想像を遥かに超えるものがある。本書では、美術史的な解説・解釈にとどまらず、アダムとイヴが歴史上いかに語られ、いかに現代社会に影響を及ぼしてきたかを探っていく。
  • 旧約聖書の謎 隠されたメッセージ
    3.6
    「天地創造」をはじめとして、旧約聖書に描かれた物語は現在、その多くが神話と見なされている。だが、他方で「バビロン捕囚」のように、世界史の教科書で史実として扱われているものもある。本書では「ノアの方舟と洪水伝説」「出エジプト」「ダビデとゴリアトの一騎打ち」など七つの物語を取り上げ、その史実性を学問的に検証。物語に込められたメッセージをも読み解き、聖書が秘めた豊かな世界へと読者をいざなう。
  • 感染症の中国史 公衆衛生と東アジア
    3.7
    一九世紀末、列強に領土を蚕食されるなか、中国では劣悪な栄養・衛生状態、海外との交流拡大によって、感染症が猛威を振るう。雲南の地方病であったペストは、香港や満洲に拡大し、世界中に広がることになる。中国は公衆衛生の確立を迫られ、モデルを帝国日本に求める。本書は、ペスト、コレラ、マラリアなどの感染症被害の実態、その対応に追われる「東亜病夫」と称された中国の苦悩とその克服に挑む姿を描く。
  • 法と社会 新しい法学入門
    4.2
    社会においては個人の行動を規制し、秩序を維持していくことが不可欠であるが、これは主として「社会化」および「社会統制」という過程を通じて行なわれる。本書は、法を社会統制のための特殊な技術とみる立場からその社会的機能を論じ、法と他の文化領域――言語、神話、宗教、道徳などとの関係を明らかにする。古代社会や未開社会における社会秩序の問題にも考慮がはらわれており、従来の書とはやや異なった法学入門である。
  • 災害の日本近代史 大凶作、風水害、噴火、関東大震災と国際関係
    3.7
    東北大凶作、関東大水害、桜島大噴火、東京湾台風、そして関東大震災……。百年前の日本は、戦争だけでなく、自然の猛威により膨大な被災者を出していた。この時期は、世界各地でも巨大災害が続発。諸外国との支援をめぐる交渉が活発化し、“一等国”となった日本はその対応に迫られていた。本書は、巨大災害の実態から、対応、復興、影響、国際関係まで、民衆と国家の双方の視点から記していく。戦争で語られがちな日本近代のもう一つの現実を描く。
  • 「徴用工」問題とは何か 朝鮮人労務動員の実態と日韓対立
    3.3
    2018年秋、韓国最高裁は「徴用工」訴訟で韓国人被害者への賠償を日本企業に命じた。日本の最高裁でも、韓国の高裁でも原告敗訴だったが、なぜそれが一転したか――。本書は、日本統治下の朝鮮人労務者の実態から、今なぜ問題が浮上したかまでを描く。この問題は、歴史的事実、総動員体制、戦後処理、植民地主義、歴史認識、国際法理解、司法の性格など多岐にわたる。それらを腑分けして解説、日韓和解の糸口を探る。
  • 六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」
    4.8
    奈良時代から平安時代にかけて編纂された歴史書「六国史」。七二〇年に完成した日本書紀から、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三代実録までを指す。天地の始まりから平安中期の八八七年八月まで、国家の動向を連続して記録した「正史」であり、古代史の根本史料である。本書は、各書を解説しつつ、その真偽や魅力を紹介。また、その後の紛失、改竄、読み継がれ方など、中世から現代に至る歴史をも描く。
  • 明治維新と幕臣 「ノンキャリア」の底力
    4.0
    明治維新は、西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允ら薩長土肥の志士が中心となって成し遂げたというイメージが強い。進取の気風に富む西南雄藩が、旧態依然たる江戸幕府に取って代わったのは、歴史的必然だったとさえ捉えられている。だが本当に幕府は無為無策で、すぐれた人材を欠いていたのか。本書は、行政実務に精通し、政権交代後も継続登用された中・下級の旧幕臣たちに光を当てるものである。明治維新への新たな視座。
  • 幕府海軍 ペリー来航から五稜郭まで
    3.6
    ペリー来航などの「西洋の衝撃」を受け、1855年に創設された幕府海軍。長崎海軍伝習、勝海舟らによる咸臨丸の太平洋横断航海、幕長戦争などを経て近代海軍として成長してゆく。鳥羽・伏見の戦いにより徳川政権は瓦解し、五稜郭で抵抗を続けた榎本武揚らも敗れて歴史的役割を終えるが、人材や構想などの遺産は明治海軍へと引き継がれた。歴史研究者・現役海上自衛官の二つの顔を持つ筆者が、歴史と軍事の両面から描く。
  • 不倫―実証分析が示す全貌
    3.9
    既婚者が配偶者以外と性交渉をもつことを指す「不倫」。毎月のように有名人がスクープされる関心事だが、日本では客観的な研究がほとんどない。本書では、気鋭の社会学者と経済学者が大規模調査を敢行。実験的手法や海外の先行研究も活用して実態に迫る。経験者は何%か。どんな人が不倫しやすいのか。どこで出会い、いかに終わるか。家族にどんな影響があるか。誰が誰をバッシングするのか。実証分析により解き明かす。
  • 「美味しい」とは何か 食からひもとく美学入門
    3.0
    あるものを「美しい」「醜い」など評価するとき、私たちは何を考えているのか。評価を下す基準となる「センス」とは。こうしたことを考える学問が美学だ。本書は絵画や音楽ではなく、身近な食事からその扉を開く。「美味しい」「まずい」という評価は人それぞれ? レビューサイトの情報があると、純粋に食事を楽しめない?美食の感動は言葉にすべきじゃない? インスタントラーメンは芸術か? やさしくも奥深い美学入門。
  • 肝臓のはなし 基礎知識から病への対処まで
    4.3
    現代の日本人は、四~五人に一人の割合で、肝機能に異常があるとされる。「沈黙の臓器」である肝臓の異変に気づかぬまま、慢性の病で死に至る場合も多い。本書では、健康診断以外で意識しづらい肝臓について、基礎知識をイチから解説。飲酒やダイエットとの関係、健診項目の見方、主な肝臓病と最新の治療などを、医学史の流れをふまえつつ紹介する。健康な毎日のために知っておきたい、人体最大の臓器をめぐる医学講義。
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    4.4
    順調に成長を続けた日米欧経済はなぜ長期停滞や格差拡大に陥ったのか。従来の経済学ではうまく説明できない。本書ではお金や富の保有願望=「資産選好」に注目し、経済が豊かになるにつれて人々の興味が消費から蓄財に向かい、経済構造が大きく変貌した経緯を解明。高度成長期を支えた従来型の金融緩和や構造改革、減税やバラマキ、教育方針が、今では無意味か逆効果であることを明らかにし、低成長時代の経済政策を提言する。
  • 江戸―平安時代から家康の建設へ
    4.0
    徳川家康が入城し、将軍の本拠地として大都市へ変貌した江戸。その始まりは平安時代末、秩父平氏一族の江戸氏が拠点を置く低湿地だった。太田道灌の江戸城築城、戦国大名北条氏の支配を経て、入府した家康の大工事によって、城と町は発展を遂げる。江戸の繁栄はいかにして築かれたのか。本書では新知見をふまえ、中世から近世への変遷過程を解明。平安時代の寒村から、豪華絢爛な都市が成立するまでの500年を描き出す。
  • サウジアラビア―「イスラーム世界の盟主」の正体
    3.9
    1744年にアラビア半島に誕生したサウジアラビア。王政国家、宗教権威国、産油国の貌を持つキメラのような存在だ。王室内の権力闘争や過激主義勢力との抗争、石油マネーをめぐる利権により、内実はヴェールに包まれている。中東の新興国はいかにして「イスラーム世界の盟主」に上りつめたのか。宗教・経済・女性問題は克服できるか。イスラームの国家観と西洋近代の価値観の狭間で変革に向かう、大国の実像を描き出す。
  • 北条義時 鎌倉殿を補佐した二代目執権
    3.9
    北条義時は十八歳で突如、歴史の表舞台に立たされる。義兄の源頼朝が平家追討の兵を挙げたのだ。義時は頼朝の側近として鎌倉幕府の樹立に貢献。頼朝没後、父時政に従い比企氏ほか有力御家人を排斥する。さらには父を追放して将軍補佐の執権職を継ぎ、甥の将軍実朝と姉政子を支えて幕政を主導。後鳥羽上皇と対決した承久の乱で鎌倉勢に勝利をもたらした。公武関係の変遷を辿り、武家優位の確立を成し遂げた義時の生涯を描く。
  • 三好一族―戦国最初の「天下人」
    3.7
    阿波の守護細川氏に仕え、主家に従い畿内に進出した三好氏。全盛期の当主長慶は有能な弟たちや重臣松永久秀と覇業に邁進し、主家を凌ぐ勢力となる。やがて足利将軍家の権威に拠らない政権を樹立し、最初の「天下人」と目された。政権が短命で終わった後も、織田信長の子や羽柴秀吉の甥を養子に迎えるなど名門の存在感は保たれ、その血脈は江戸時代になっても旗本として存続する。信長に先駆けて天下に号令した一族の軌跡。
  • ガリバルディ イタリア建国の英雄
    3.7
    イタリアの英雄、ガリバルディ(1807~82)。亡命先ウルグアイの独立運動で戦功をあげ、名声はヨーロッパにまで轟いた。帰国後、千人隊を組織し、シチリア・南イタリアを解放した、イタリア統一の立役者である。その活躍は神話化され、明治日本でも西郷隆盛になぞらえられ、中国・韓国では、独立運動の理想像とされるなど、世界中を熱狂させた。イタリア建国に生涯をかけた男の実像に迫る。
  • 中先代の乱 北条時行、鎌倉幕府再興の夢
    4.1
    鎌倉幕府滅亡から二年後の一三三五年、北条高時の遺児時行が信濃で挙兵。動揺する後醍醐天皇ら建武政権を尻目に進撃を続け、鎌倉を陥落させた。二十日ほど後、足利尊氏によって鎮圧されるも、この中先代の乱を契機に歴史は南北朝時代へと動き出す――。本書は、同時代に起きた各地の北条氏残党による蜂起や陰謀も踏まえ、乱の内実を読み解く。また、その後の時行たちの動向も追い、時流に抗い続けた人々の軌跡を描く。
  • 宗教と日本人 葬式仏教からスピリチュアル文化まで
    4.0
    日本では信仰を持たない人が大半を占めるが、他方で仏教や神道、キリスト教の行事とは縁が深い。日本人と宗教の不可思議な関わりはどこへ向かうのか。新宗教の退潮とスピリチュアル文化の台頭、変わる葬式や神社の位置づけ、ケルトや縄文など古代宗教のブーム……。宗教を信仰の面だけでなく、実践や所属の観点も踏まえ、その理解を刷新。人々の規範から消費される対象へと変化しつつある宗教の現在地を示す。
  • 英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで
    4.1
    ネット上で海外発の情報に接する機会が増えた昨今、英語を読む力の重要性はますます高まっている。本書では、ニュース記事や論文、SNS、小説など、幅広いタイプの英文の読み方を指南。論理的な読み解きのセオリーを解説する。独学者にとって宝の山である各種サイトの活用法や、ネイティブでも間違えやすい表現など、「さらに上」を目指す人へのガイドも満載。巻末に、重要語彙・文法が身につく60の厳選例文を収録。
  • 男が介護する 家族のケアの実態と支援の取り組み
    3.3
    かつて女性中心で行われてきた家族の介護。今では男性(夫や息子など)が担い手の3分の1を占めるが、問題は少なくない。孤立し、追い詰められた男性介護者による虐待、心中などの事件は後を絶たない。他方で介護離職を余儀なくされる人もいる。本書は、悲喜こもごものケアの実態、介護する男性が集い、支え合う各地のコミュニティの活動を、豊富なエピソードを交えて紹介。仕事と介護が両立できる社会に向けた提言を行う。
  • リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで
    3.9
    現代のリベラルは「すべての個人が自由に生き方を選択できるよう、国家が一定の再分配を行うべきだ」と考える。リベラルは17世紀ヨーロッパの自由主義から思想的刷新を重ね、第二次世界大戦後は先進諸国に共通する政治的立場となった。しかし20世紀後半の新自由主義や近年のポピュリズムなどの挑戦を受け、あり方の模索が続く。本書は理念の変遷と現実政治の展開を丁寧にたどり、日本でリベラルが確立しない要因にも迫る。
  • 暗殺の幕末維新史 桜田門外の変から大久保利通暗殺まで
    4.0
    近代日本が生まれた幕末維新期。日本史上これほど暗殺が頻発した時期はない。尊皇攘夷論の洗礼を受けた者をはじめ、彼らはなぜ暗殺に走ったのか。本書は大老井伊直弼から内務卿大久保利通に至る国家の中枢、外国人、坂本龍馬らの“志士”、市井の人々までが次々に標的となった事件の凄惨な実相と世間の反応を描く。さらに後世、一方で暗殺者を顕彰し、他方で忌避した明治国家の対応も詳述する。闇から見つめる幕末維新史。
  • 民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代
    4.3
    現代の日本で、暴動を目撃する機会はまずないだろう。では、かつてはどうだったのか。本書は、新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺という四つの出来事を軸として、日本近代の一面を描く。権力の横暴に対する必死の抵抗か、それとも鬱屈を他者へぶつけた暴挙なのか。単純には捉えられない民衆暴力を通し、近代化以降の日本の軌跡とともに国家の権力や統治のあり方を照らし出す。
  • 性格とは何か より良く生きるための心理学
    3.9
    「あの人は性格がいいね」「もっと明るい性格だったらなあ」――私たちがよく話題にする「性格」。最新の心理学はそこに潜む謎を解明しつつある。歳をとると人はどう変わるのか。住む地域はどんな影響をもたらすか。日本人はどんどんネガティブになっているのか。男女は何が同じで何が違うか。「成功」できる性格とは。性格についてよく知ることで居心地よく暮らせる環境を作り、幸福な人生を送るためのヒント。
  • 音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日
    4.0
    二〇二〇年、世界的なコロナ禍でライブやコンサートが次々と中止になり、「音楽が消える」事態に陥った。集うことすらできない――。交響曲からオペラ、ジャズ、ロックに至るまで、近代市民社会と共に発展してきた文化がかつてない窮地を迎えている。一方で、利便性を極めたストリーミングや録音メディアが「音楽の不在」を覆い隠し、私たちの危機感は麻痺している。文化の終焉か、それとも変化の契機か。音楽のゆくえを探る。
  • デジタル化する新興国 先進国を超えるか、監視社会の到来か
    4.0
    デジタル技術の進化は、新興国・途上国の姿を劇的に変えつつある。中国、インド、東南アジアやアフリカ諸国は、今や最先端技術の「実験場」と化し、決済サービスやWeChatなどのスーパーアプリでは先進国を凌駕する。一方、雇用の悪化や、中国が輸出する監視システムによる国家の取り締まり強化など、負の側面も懸念される。技術が増幅する新興国の「可能性とリスク」は世界に何をもたらすか。日本がとるべき戦略とは。
  • お酒の経済学 日本酒のグローバル化からサワーの躍進まで
    3.6
    日本のお酒をめぐる環境が激変している。日本酒からビール、焼酎と主役が交代しつつ消費は伸びてきたが、1990年代半ばにピークを迎えた。その後はデフレ下で「第3のビール」やサワーが躍進する一方、クラフトビールや純米大吟醸酒も人気を集める。さらに、日本酒やウイスキーは海外から高く評価され、輸出が急増している。日本のお酒が抱える課題と可能性とは。経済学と経営学の最新の研究成果から解き明かす。
  • 平和主義とは何か 政治哲学で考える戦争と平和
    4.1
    平和を愛さない人はいないだろう。だが平和主義となるとどうだろうか。今日では単なる理想論と片付けられがちだが、実はその思想や実践は多様である。本書は、「愛する人が襲われても無抵抗でよいのか」「正しい戦争もあるはず」「平和主義は非現実的だ」「虐殺を武力で止めないのは無責任」といった批判に丁寧に答え、説得力ある平和主義の姿を探る。感情論やレッテル貼りに陥らず、戦争と平和について明晰に考えるために。第35回石橋湛山賞受賞作。
  • アメリカ黒人の歴史 奴隷貿易からオバマ大統領まで
    4.2
    黒人たちはアメリカ社会の底辺にいるとされてきた。だが、二〇世紀の後半、徐々に社会的上昇をとげ、中産階級の仲間入りをする者も現れた。政財界に進出した例も多く、文化や芸能、スポーツなどの分野でも活躍は目覚ましい。本書は、アメリカ独立以前から南北戦争、公民権運動を経て現代まで、差別にさらされながらも、境遇改善への努力を積み重ねてきた彼らの歩みを辿るものである。また、今なお残された諸問題も指摘する。
  • インドネシア大虐殺 二つのクーデターと史上最大級の惨劇
    4.3
    一九六○年代後半、インドネシアで二度のクーデターが起こった。事件発生の日付から、前者は九・三○事件、後者は三・一一政変と呼ばれる。この一連の事件が原因となって、独立の英雄スカルノは失脚し、反共の軍人スハルトが全権を掌握する。権力闘争の裏で、二○○万人とも言われる市民が巻き添えとなり、残酷な手口で殺戮された。本書は、いまだ多くの謎が残る虐殺の真相に、長年に及ぶ現地調査と最新資料から迫る。
  • 信長と将軍義昭 連携から追放、包囲網へ
    4.3
    各地を流浪した足利義昭は、一五六八年、織田信長に奉じられて上洛し、宿願の将軍職に就いた。長らく傀儡にすぎないとされてきた義昭だが、近年では将軍として行使した政治力が注目されている。京都から追放された後でさえ、信長に対抗できる実力を保持していた、とする説もある。上洛後の信長と義昭は果たしてどのような関係にあったのか。強烈な個性を放った二人が、連携から確執、対立へと至る過程を詳述する。
  • 戦国武将の叡智 人事・教養・リーダーシップ
    3.7
    群雄割拠の戦国時代、数多の武将が激しい合戦を繰り広げながら、独自の領国経営を行っていた。下剋上・弱肉強食・合従連衡による淘汰が進む実力主義のなかで、リーダーたる武将たちは何を考え、どう行動したのか。部下の諫言を重視した武田信玄、「戦わずして勝つ」を極めた豊臣秀吉、歴史書に学んだ徳川家康など、名将たちの〝乱世を生き抜く叡智〟とは。現代にも生かせる教養、人材活用術、リーダーシップの本質を凝縮。
  • 東アジアの論理 日中韓の歴史から読み解く
    3.5
    強権的な姿勢を強める習近平政権、慰安婦問題や徴用工判決で悪化する日韓関係……。中国や韓国は同じ「漢字・儒教文化圏」に属すと言われるが、日本人にはわからないことだらけだ。日本には日本の立場がある一方、両国にもそれぞれ固有の思考・論法があり、それを理解するには歴史をひもとくのが最善である。本書は、近年の時事的な話題を切り口に、歴史的アプローチから日本・中国・韓国の違いを知るためのヒントを示す。
  • 人類と病 国際政治から見る感染症と健康格差
    3.8
    人類の歴史は病との闘いだ。ペストやコレラの被害を教訓として、天然痘を根絶し、ポリオを抑え込めたのは、20世紀の医療の進歩と国際協力による。しかしマラリアはなお蔓延し、エイズ、エボラ出血熱、新型コロナウイルスなど、新たな感染症が次々と襲いかかる。他方、現代社会では、喫煙や糖分のとりすぎによる生活習慣病も課題だ。医療をめぐる格差も深刻である。国際社会の苦闘をたどり、いかに病と闘うべきかを論じる。
  • 感染症 増補版 広がり方と防ぎ方
    4.3
    グローバル化による人やモノの大移動によって、病原体が世界的に拡散するリスクは劇的に高まった。本書では、伝染病対策の歴史、病原体の種類や性質、伝播経路と遮断法など、感染症の脅威に正しく対処するための基礎知識を伝える。コレラから新型インフルエンザまで、多様な感染症をわかりやすく解説したロングセラーに、新型コロナウイルスの特徴や予防法を考察した新章「新型ウイルスが広がりにくい社会」を加えた増補版。
  • 移民の経済学 雇用、経済成長から治安まで、日本は変わるか
    4.0
    すでに250万人の「移民」が暮らす日本。2018年末に入管法を改正し、さらなる外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切った。移民が増えると、私たちの生活にどのような影響があるのか。本書は、雇用や賃金、経済成長や物価、貿易、税と社会保障、さらに科学技術、治安・文化に至るまで、主要な論点を網羅。経済学の研究成果をもとに分析することで、感情的な議論を超え、移民がもたらす「損」と「得」を明らかにする。
  • ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者
    4.1
    『全体主義の起原』『人間の条件』などで知られる政治哲学者ハンナ・アーレント(一九〇六―七五)。未曽有の破局の世紀を生き抜いた彼女は、全体主義と対決し、「悪の陳腐さ」を問い、公共性を求めつづけた。ユダヤ人としての出自、ハイデガーとの出会いとヤスパースによる薫陶、ナチ台頭後の亡命生活、アイヒマン論争――。幾多のドラマに彩られた生涯と、強靭でラディカルな思考の軌跡を、繊細な筆致によって克明に描き出す。
  • 桂太郎 外に帝国主義、内に立憲主義
    3.4
    日本最長の八年に及ぶ首相在任期間を誇った桂太郎。三度の政権下、日露戦争、韓国併合と、外には帝国主義政策を断行、内には伊藤博文らの次世代として、最後には政党結成に動く。山県有朋の“傀儡”と、低く評価されてきた桂だが、軍人出身ながら、軍の予算を抑制、国家全体の利益を最優先し、緊縮財政を追求し続ける。時代の制約の中、「ニコポン」と呼ばれた調整型政治家が求めたものは何か――。その全貌を描く。
  • アジア経済とは何か 躍進のダイナミズムと日本の活路
    4.3
    戦後アジアをリードした日本経済。しかし20世紀の終わりから長期停滞に陥っている。一方、中国を筆頭にASEANなどのアジア諸国・地域は躍進し、21世紀は「アジアの世紀」とされる。日本の家電メーカーなどの凋落と、中国はじめアジア企業の急成長に象徴される激変の本質は何か。「グローバル・バリューチェーン」「インテグラル/モジュラー型」といった鍵となる概念をわかりやすく解説し、日本の活路を示す。
  • 月はすごい 資源・開発・移住
    4.5
    一番身近な天体、月。約38万㎞上空を回る地球唯一の衛星だ。アポロ計画から約半世紀を経て、中国やインド、民間ベンチャーも参入し、開発競争が過熱している。本書では、大きさや成り立ちといった基礎、探査で新たに確認された地下空間などの新発見を解説。人類は月に住めるか、水や鉱物資源は採掘できるか、エネルギーや食糧をどう確保するかなども詳述する。最前線の月探査プロジェクトに携わる著者が月面へと誘う。
  • 戦国大名の正体 家中粛清と権威志向
    3.6
    応仁・文明の大乱を経て、群雄割拠の時代が幕を開ける。戦国大名たちは、家中粛清を断行して権力基盤を固め、分国法の制定や城下町の整備により自らの領国を発展させた。やがて北条・毛利・島津らのように、版図を拡大し、地域に覇を唱える大大名も現れる。生き残りをかけて戦い続けた彼らは、ただ力のみを信奉し、伝統的権威を否定する専制君主だったのか。大名たちの行動規範を探究し、戦国時代への新たな視座を提示する。
  • 折口信夫 日本の保守主義者
    3.0
    民俗学者、国文学者にして釈迢空の号で知られる歌人、そして小説家でもある折口信夫。多方面にわたる業績は「折口学」と総称されるが、全貌をひととおり眺めるのは容易ではない。本書ではその生涯をたどり、関東大震災、二・二六事件、敗戦から占領へという日本崩壊への危機感がこの稀有な思想家を生み出したことを示す。さらに、折口の思想をナショナリズムとの関係性から読み解き、真の保守主義とは何かを問う。
  • 老いのゆくえ
    4.2
    運転免許を返納した。転倒が増えた――。85歳という新たな区切りを超えた作家が描く「老いの日常」。優先席での年齢比べ、一向に進まない本の整理、曲げた腰を伸ばす難しさ、隙を見ては襲ってくる眠気、病気との付き合い方。いずれも70歳代のころとは何かが徐々に変わっている。この先の時間に思いを馳せながら、年齢を重ねるなかで生じる失敗や戸惑い、さらに発見や喜びも余さずつづる、老いの日々のスケッチ。
  • 物語 ポーランドの歴史 東欧の「大国」の苦難と再生
    3.8
    十世紀に産声をあげたポーランド王国は、十四~十六世紀に隆盛を極めるが、王朝断絶後、衰退に向かう。十八世紀、ロシア・プロイセン・オーストリアによる分割で国家は消滅。第一次大戦後に束の間の独立を勝ち取るも、第二次大戦中にはドイツとソ連に再び国土を蹂躙された。冷戦下の社会主義時代を経て一九八九年に民主化を達成。潜在力を秘めた地域大国は今、どこへ向かうのか。栄光と悲運に彩られた国と民族の歴史。
  • キリスト教と戦争 「愛と平和」を説きつつ戦う論理
    4.4
    世界最大の宗教、キリスト教の信者は、なぜ「愛と平和」を祈りつつ「戦争」ができるのか? 殺人や暴力は禁止されているのではなかったか? 本書では、聖書の記述や、アウグスティヌス、ルターなど著名な神学者たちの言葉を紹介しながら、キリスト教徒がどのように武力行使を正当化するのかについて見ていく。平和を祈る宗教と戦争との奇妙な関係は、人間が普遍的に抱える痛切な矛盾を私たちに突きつけるであろう。
  • 科学技術の現代史 システム、リスク、イノベーション
    4.2
    第2次世界大戦後、科学技術の力は増大する。その原動力は豊富な資金を持つ国家、特に米国だった。インターネットが生まれ、遺伝子操作が可能になり、原子力や人工衛星の利用が広がる。一方でリスクは巨大化・複雑化した。21世紀に入り、AIやバイオテクノロジーが驚異的な展開を見せ、中国や民間企業による〝暴走〟が懸念されるなか、世界は今後どうなっていくのか――。科学技術の〝進化〟の歴史と未来への展望を描く。
  • 植物はすごい 七不思議篇 知ってびっくり、緑の秘密
    4.1
    アサガオの花はなぜ夕方になると赤紫になるの? どうしてゴーヤの実は熟すと爆発するの? トマトのタネはなぜぬるぬるに包まれているの? トウモロコシの黄色い粒と白い粒の比率が3対1って本当? イチゴの種はどこにあるの? チューリップの花はなぜだんだん大きくなるの? ソメイヨシノはなぜ暖かい九州よりも寒い東京で先に咲くの? 7つの身近な植物に秘められた「すごさ」から学ぶ、生き方の工夫と知恵。
  • 貨幣が語る ローマ帝国史 権力と図像の千年
    4.2
    古代ローマでは、発掘されただけでも数万種類にのぼる貨幣が存在した。貨幣は一般に権力の象徴とされ政府や中央銀行などが造幣権を独占する。だが、ローマでは政界に登場したばかりの若手や地方の有力者も発行していた。神話の神々、カエサルや皇帝たちの肖像、ヤギや北斗七星など描かれた図像も多岐にわたるが、彼らは貨幣を用いて何をアピールしようとしたのか。図像と銘文から読み解く、新しい古代ローマ史入門。
  • 日本鉄道史 幕末・明治篇 蒸気車模型から鉄道国有化まで
    3.9
    1~3巻902~1,034円 (税込)
    一八五四年、来航したペリー提督は蒸気車模型を幕府に献上。以来、日本は鉄道時代に突入した。幕末の外国人たちによる敷設計画に始まり、新橋~横浜間の開業、官設鉄道を凌ぐ私設鉄道の全盛期を経て、一九〇六年の鉄道国有化と開業距離五〇〇〇マイル達成に至る半世紀――。全国的な鉄道網はいかに構想され、形成されたのか。鉄道の父・井上勝をはじめ、渋沢栄一、伊藤博文などの活躍とともに日本鉄道史の草創期を描く。
  • 経済学に何ができるか 文明社会の制度的枠組み
    4.0
    さまざまな「価値」がぶつかり合う、現代の自由社会。その結果、数々の難問が私たちの前に立ちはだかっている。金融危機、中央銀行のあり方、格差と貧困、知的独占の功罪、自由と平等のバランス、そして人間にとって正義とは、幸福とは――。本書は、経済学の基本的な論理を解説しながら、問題の本質に迫る。鍵を握るのは「制度」の役割である。デモクラシーのもとにおける経済学の可能性と限界を問い直す試み。
  • 事大主義―日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」
    4.5
    事大主義とは、強者に追随して保身を図る態度である。国民性や民族性を示す言葉として、日本や朝鮮、沖縄で使われてきた。本書は、福沢諭吉、陸奥宗光、柳田国男、朴正熙、金日成、司馬遼太郎などの政治家や知識人を事大主義の観点で論じ、時代の変遷を描く。日本への「島国根性」という批判や、沖縄への差別意識はどこに由来するのか。韓国と北朝鮮の相剋の背景は何か。自虐と侮蔑が交錯した東アジアの歴史が浮き彫りに。
  • 日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実
    4.4
    310万人に及ぶ日本人犠牲者を出した先の大戦。実はその9割が1944年以降と推算される。本書は「兵士の目線・立ち位置」から、特に敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高い餓死率、30万人を超えた海没死、戦場での自殺と「処置」、特攻、体力が劣悪化した補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏……。勇猛と語られる日本兵たちが、特異な軍事思想の下、凄惨な体験を強いられた現実を描く。アジア・太平洋賞特別賞、新書大賞受賞
  • 中国の論理 歴史から解き明かす
    4.2
    同じ「漢字・儒教文化圏」に属すイメージが強いためか、私たちは中国や中国人を理解していると考えがちだ。だが「反日」なのに日本で「爆買い」、「一つの中国」「社会主義市場経済」など、中国では矛盾がそのまま現実となる。それはなぜか――。本書は、歴史をひもときつつ、目の前の現象を追うだけでは見えない中国人の思考回路をさぐり、切っても切れない隣人とつきあうためのヒントを示す。
  • ヴィルヘルム2世 ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」
    4.4
    1888年にドイツ皇帝として即位したヴィルヘルム2世(1859~1941)。統一の英雄「鉄血宰相」ビスマルクを罷免し、自ら国を率いた皇帝は、海軍力を増強し英仏露と対立、第一次世界大戦勃発の主要因をつくった。1918年、敗戦とともにドイツ革命が起きるとオランダへ亡命、その地で没する。統一国民国家の草創期、ふたつの世界大戦という激動の時代とともに歩んだ、最後のドイツ皇帝の実像。
  • 硫黄島 国策に翻弄された130年
    4.0
    小笠原群島の南方に位置する硫黄島。日本帝国が膨張するなか、無人島だったこの地も一九世紀末に領有され、入植・開発が進み、三〇年ほどで千人規模の人口を有するようになった。だが、一九四五年に日米両軍の凄惨な戦いの場となり、その後は米軍、続いて海上自衛隊の管理下に置かれた。冷戦終結後の今なお島民たちは、帰島できずにいる。時の国策のしわ寄せを受けた島をアジア太平洋の近現代史に位置づけ、描きだす。
  • 沖縄問題―リアリズムの視点から
    5.0
    米軍海兵隊の普天間飛行場の移設をめぐる国と沖縄県の対立は根深い。保守と革新の単純化した構図でとらえられることの多い沖縄問題をどう考えればよいのか。本書では琉球処分、沖縄戦から米国統治、そして日本復帰という近代以降の歴史を踏まえ、特に沖縄県の行政に注目し、経済振興と米軍基地問題という二大課題への取り組みを追う。理想と現実のはざまで苦闘しつつも、リアリズムに徹する沖縄の論理を示す。
  • 左遷論 組織の論理、個人の心理
    3.8
    左遷という言葉は「低い役職・地位に落とすこと」の意味で広く用いられる。当人にとって不本意で、理不尽と思える人事も、組織の論理からすれば筋が通っている場合は少なくない。人は誰しも自分を高めに評価し、客観視は難しいという側面もある。本書では左遷のメカニズムを、長期安定雇用、年次別一括管理、年功的な人事評価といった日本独自の雇用慣行から分析。組織で働く個人がどう対処すべきかも具体的に提言する。
  • 大伴家持 波乱にみちた万葉歌人の生涯
    3.5
    大伴家持(七一八頃~七八五)は、天平文化を代表する歌人であり、『万葉集』の編纂にも関わったとされる。橘奈良麻呂の変など、無数の政争が渦巻く時代を官人として生き、さまざまな美しい景色や多くの親しい人々との思い出を歌に込めた。その歩みを追うと、時代に翻弄されながら、名門一族を背負った素顔が浮かび上がる。本書は、残された資料と各所で詠んだ歌から、謎の多い彼の全生涯を描き出す。
  • 斗南藩―「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起
    3.7
    二十八万石を誇った会津藩は戊辰戦争に敗れ、明治二年、青森県の下北半島や三戸を中心とする地に転封を命ぜられる。実収七千石の荒野に藩士とその家族一万七千人が流れこんだため、たちまち飢餓に陥り、斃れていった。疫病の流行、住民との軋轢、新政府への不満と反乱……。凄絶な苦難をへて、ある者は教師となって青森県の教育に貢献し、また、近代的な牧場を開いて荒野を沃土に変えた。知られざるもうひとつの明治維新史。
  • 〈どんでん返し〉の科学史 蘇る錬金術、天動説、自然発生説
    3.3
    ありふれた金属から金や銀を作り出そうとする錬金術。ニュートンすらその魅力に取り憑かれていたが、元素の概念が普及すると荒唐無稽だと退けられた。だが20世紀になると物理学者ラザフォードが「新しい錬金術」と称した物理学の進展によって、今では自在に元素の変換が可能になった。天動説、不可秤量物質、エーテル、自然発生説など、一度は否定され、別の視点から復活するトピックに注目して描かれる、もう一つの科学史。
  • リサイクルと世界経済 貿易と環境保護は両立できるか
    4.2
    古紙やペットボトルなどの分別収集のイメージが強いリサイクル。だが、回収された使用済み製品は国内で再使用・再生利用されるだけではない。中古車や鉄スクラップなどは今や日本の主力輸出品である。一方、国際的なリサイクルは急速に拡大し、各国による再生資源の獲得競争や、環境汚染を生む有害廃棄物の輸出など、多くの問題も起こっている。二十世紀末から急拡大している知られざる現状と、問題点を明らかにする。
  • 兼好法師 徒然草に記されなかった真実
    4.0
    兼好は鎌倉時代後期に京都・吉田神社の神職である卜部家に生まれた。六位蔵人・左兵衛佐となり朝廷に仕えた後、出家して「徒然草」を著す――。この、現在広く知られる彼の出自や経歴は、兼好没後に捏造されたものである。著者は同時代史料をつぶさに調べ、鎌倉、京都、伊勢に残る足跡を辿りながら、「徒然草」の再解釈を試みる。無位無官のまま、自らの才知で中世社会を渡り歩いた「都市の隠者」の正体を明らかにする。
  • 定年準備 人生後半戦の助走と実践
    3.7
    シニア向けライフプラン研修でお金・健康・趣味などが重要と説かれる。だがそれだけでは物足りない。長い定年後を充実させるには、やりたいことを見極めて行動に移す準備が必要だ。『定年後』に続く本書は、シニア社員や定年退職者への取材を重ねるなかで著者が新たに見聞した、個別的で多彩な実例を一挙公開。自分らしい第二の人生を踏み出す上で役立つ具体的ヒントを明かす。巻末に「定年準備のための行動六か条」を掲載。
  • 理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント
    4.0
    本を読むのが苦行です――著者の勤務する京都大学でも、難関の入試を突破したにもかかわらず、そう告白する学生が少なくない。本書は、高校までの授業になかった「本の読み方」を講義する。「最後まで読まなくていい」「難しいのは著者が悪い」「アウトプットを優先し不要な本は読まない」など、読書が苦手な人でも仕事や勉強を効率よく進めるヒントが満載。文系の人にもおすすめの、理科系の合理的な読書術を伝授する。

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