民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代

民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代

902円 (税込)

4pt

現代の日本で、暴動を目撃する機会はまずないだろう。では、かつてはどうだったのか。本書は、新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺という四つの出来事を軸として、日本近代の一面を描く。権力の横暴に対する必死の抵抗か、それとも鬱屈を他者へぶつけた暴挙なのか。単純には捉えられない民衆暴力を通し、近代化以降の日本の軌跡とともに国家の権力や統治のあり方を照らし出す。

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民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    明治から大正にかけての「民衆暴力」を、そのタイトル通り”民衆”の側の事情を掘り下げて書いた一冊。

    おしなべて言うと…この国の動きは意外と「普通の人」が決めているんだなあ、と。それは悪い意味でも。

    書の最初で、江戸時代は「仁政イデオロギー」のもとに動いていた、と解く。
    身分に応じた動きをすること前

    0
    2023年05月23日

    Posted by ブクログ

    民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代。藤野 裕子先生の著書。政治家や権力者たちの傲慢理不尽な言動や政策に耐えかねて民衆が暴力を起こしてきた日本の歴史。一揆・暴動・虐殺。普段はおとなしい国民性と言われるのが日本人だけれど政治家や権力者たちの傲慢理不尽な言動や政策には一揆・暴動・虐殺で反抗してきた事実。

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    2022年12月16日

    Posted by ブクログ

     民衆による暴力の論理を、代表的な四つの事例を主に検討することで明らかにしている。
     気になったのは三点。
    一つは、日露戦争の講和条約の発表を受けて、民衆に厭戦感情が働くとともに、講和条約に反対もしていた論理について明らかではないことである。もう戦争をこれ以上続けたくはないが、もっと有利な講和条件が

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    2022年05月27日

    Posted by ブクログ

    前著を踏まえて一般書にしたもので、近世以来の日本の民衆暴力のメカニズムを通時的に描き出したもの。第3章以下は基本的には前著の内容に沿っているのに対して第1章(新政反対一揆)と第2章(秩父事件)は先行研究をまとめつつも著者の視点で一貫した叙述がなされており本書の白眉。なお第3章以降も前著のあとに朝鮮史

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    2022年02月12日

    Posted by ブクログ

    新書として読みやすいだけでなく、「歴史を通して思考を深められる本」であり、手軽に読めるため良い。ある程度近代史を知っていると読みやすい本。

    近代国家における「暴力」と民衆による暴力の2つの視点が基本的に通底した観点と解釈した。
    世直し一揆から関東大震災の朝鮮人虐殺までの民衆暴力を扱う。

    民衆暴力

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    2021年11月05日

    Posted by ブクログ

    民衆暴力、とはいうものの、初めの江戸時代末期のものはあまり暴力という感じは受けなかった。
    一揆、その後の暴動、事件、そして関東大震災の時の朝鮮人虐殺に至るまでを解説。その時々の人々の息づかいが聞こえてくるような調査研究で、どのような事件が起きたのか、感じることができる。
    巻末のあとがきに筆者が書いて

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    2021年08月05日

    Posted by ブクログ

    個々の事件についての分析は面白いが、『民衆暴力』とはという問いへのこたえはよく分からなかった。
    それぞれの事件の入門書として読む方が多そう。

    0
    2021年03月20日

    Posted by ブクログ

    本書は、明治新政府対する新政反対一揆、自由民権運動と連動する形で起きた秩父事件、日清・日露の両戦役を通じた増税や戦死、厭戦気分の元で警察権力に向けられた日比谷焼き討ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺事件という4つの出来事を軸として、日本近代の一面を描く。権力の横暴に対する必至の抵抗か、それとも鬱屈を他

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    2020年12月07日

    Posted by ブクログ

    歴史を多面的に分析した名著。
    江戸時代の一揆、新政府反対一揆、秩父事件、
    日比谷焼き打ち事件、関東大震災の朝鮮人虐殺、
    民衆が誰かに対して攻撃性を発揮した事件を
    比較、それぞれの時代に、当事者たちが
    どういう状況に置かれ、どういう発想に至ったのかを
    読み解く。

    ネットでの誹謗中傷、自粛警察などが

    0
    2020年09月19日

    Posted by ブクログ

    民衆の暴力を歴史の中から読み解き、その構造を示している。歴史修正主義の蔓延る今日、あった事実をそのままに知る事が出来て良かった。
    権力に立ち向かう力は肯定できても、そこに含まれる暴力が例えば被差別部落への襲撃といった日頃蔑視している者への暴力になる構図に恐ろしさを感じた。
    とても考えさせられる本です

    0
    2022年03月07日

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