主に世界に焦点をあて、リサイクルを中心とした3Rの概論が書かれている。
リサイクル自体の是非、すなわち、トータルで見てリサイクルというのは環境に良いのか?ということが知りたくて手に取ったので自分には不足でした。
アルミ缶のリサイクルでは、鉱石から製造する場合の4%のエネルギーで済む、という記載があ
...続きを読むり、こういうリサイクルいいなとわかる事例をもっと知りたい。
以下抜粋
◯リユース中古品
日本から大量の電化製品や車が輸出されている
・15年排出量、テレビエアコン冷蔵庫洗濯機の4品目合計1825万台、内家電リサイクル法に基づく処理1088万台、スクラップして海外輸出556万台、中古品として輸出90万台
・自動車は1/3が中古車として海外で再使用、部品が手に入りやすい、日本の道路環境がよく走行距離も短いので状態がいい
・修理や補修をして新品同程度として出荷する再製造が国際的に注目されてきている
・コマツはインドネシアとチリに交換部品拠点を設けて、部品の修理を展開
・ゼロックスやリコーの複合機
・コミックのクリーニング、カンボジアまで40フィートコンテナ輸送費は2千ドル、10万冊あれば1つ5円以下
◯再生資源
・金額ベースで見ると、鉄・銅・貴金属スクラップがこの順で多い。
・発泡スチロール: 築地では5万箱/日の魚箱が不用品として生まれ、1/50に圧縮されて中国へ。ペレットにし、緩衝材などへ、1/3は熱利用
・PET: 洗浄し、フレーク状態で中国へ。繊維へ変える。短い繊維で良い中綿など。色付きは繊維に色がつくのでリサイクルしにくい。
・鉄スクラップの輸入はトルコが多い、分別に必要な機械の導入コストが高いので途上国では人力、近年はだんだん国内で行われるようになっている
・石炭灰は電気集塵機で回収されるフライアッシュとボイラー底に堆積するクリンカアッシュに分かれ、前者はセメント原料として使うと長期にわたり強度が増し、耐海水性が増す、後者は盛り土材
○グローバル取引の必要性
・水平リサイクル(もとの製品へ再生)でない場合は再生後の製品が使われる国に輸出してそこで再生させて方が良い。
・水平リサイクルでも、作られる国と消費国が異なるケース
・年代により、発生時期と利用した時期にタイムラグが生じる。
◯越境移動に伴う問題
・輸送中の破損
・輸入したものの全てが利用できず廃棄物になる(排気規制が緩いと冗長される)
・ボロ着がダニやノミなど、病気の媒介となる(ペストはこれだった)ネズミが紛れたり
・鉛はきとんと回収しないと大気中に排出され健康被害をもたらす。
・ゴミが輸出されたり、不正があったり
◯国際ルール
・貿易の制限が大規模戦争に繋がるという反省から定めた互恵的貿易ルールがGATT。
自国内産品の優遇の禁止、輸出入自体・量の制限の廃止
例外として動植物の生命や健康の保護のための措置、資源の保存のための措置が20条にあり、その適用を巡っては訴訟になることもある。
・有害廃棄物の越境移動規制の代表的な条約はバーゼル条約(185+EU、×米)
有害廃棄物のリストがあり該当品を越境移動させるには輸入国から事前同意が必要。
・先進国から途上国への廃棄物輸出を規制するBan条約があるが、この括りでは排出体制が整わない先進国メキシコへの輸出を止める術がなく、体制が整う途上国シンガポールへの輸出の術もない。25年経って改正の必要がある。
◯適切な国際リサイクル
・資源確保目的(鉄くずレアメタル)、オイルショックの時に流行った
・産廃の規制強化で処分施設の立地が難しくなり処理費用が増加、一般ゴミも埋立地の逼迫