ハズレの少ない講談社新書。あまり馴染みのなかったナショナリズムについても本書でとりあえず基礎はわかった。
まず「形の見えるネイション」として、島国である日本が世界でも特異なネイションである点を説明してくれるあたりが良い。
また淡々と「東欧はアメリカのような合衆国にはなりませんでした」と説明してしまう
...続きを読むのも読んでいて気持ちがいい。そのほか、ネイション内部での主導権争い、なぜネイションは増え続けるのか、についても理解できたのでよかった。
でも地政学の本って言われたら、地政学の本な気もするのだけど、ナショナリズムの起源というか本質は地域であるのだから、地政的な事実を語らずにナショナリズムだけ取り出すとおかしなことになるんだろうなと勝手に解釈。
また結構な数の参考文献が記載されていてこういう著者には好感が持てた。