植村和秀のレビュー一覧

  • ナショナリズム入門
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    288p

    植村 和秀
    京都市生まれ。京都大学法学部卒業。京都大学法学部助手を経て、現在、京都産業大学法学部教授。国際日本文化研究センター共同研究員、奈良県立大学ユーラシア研究センター客員研究員を兼任。研究分野は、日本政治思想史、比較ナショナリズム論。

    ナショナリズム入門 (講談社現代新...続きを読む
  • ナショナリズム入門
    「ナショナリズム」は西洋由来の概念で日本語では「民族主義」と訳されることが一般的だが、「民族」は英語で言えばどちらかと言えば「エスニシティ」の方が近い。例えばアメリカ人がオリンピックなどで”USA! USA!”などと連呼するがアメリカのような多民族国家のナショナリズムを「民族主義」という言葉で訳する...続きを読む
  • ナショナリズム入門
     〝ナショナリズム〟という思想が、日本だけでなく東西ヨーロッパや南北アメリカ、ロシア、中東のアラブ諸国でどのように考えられているか、どのように扱われているかが紹介されている。最初に読者層の大半をなすであろう日本に居住する日本人がおおよそイメージする〝ナショナリズム〟を扱い、そこから日本のナショナリズ...続きを読む
  • 昭和の思想
    4人の思想家から、日本の思想を読み解く軸を説明するユニークな本。平泉澄と西田幾多郎との軍部の関わり、A級戦犯の合祀の思想的背景、丸山真男と一般大衆との乖離が生じた理由等、興味深い話題があって読み応えがあった。
  • ナショナリズム入門
    ハズレの少ない講談社新書。あまり馴染みのなかったナショナリズムについても本書でとりあえず基礎はわかった。
    まず「形の見えるネイション」として、島国である日本が世界でも特異なネイションである点を説明してくれるあたりが良い。
    また淡々と「東欧はアメリカのような合衆国にはなりませんでした」と説明してしまう...続きを読む
  • ナショナリズム入門
    本書ではナショナリズムをネイションへのこだわりと捉え、ネイションを中心に紐解いていく。特にネイションの形成が人間集団単位の形成と地域単位の形成とふたつに区分し、それぞれのこだわりと、両者のせめぎ合いによる紛争やネイション形成について、さまざまな事例をもって解説する。

    ナショナリズムや民主主義は人間...続きを読む
  • ナショナリズム入門
    ・ナショナリズム・・・ネイションに対するこだわり
    →ネイションには、人間集団単位のネイション形成と地域単位のネイション形成がある

    第一章
    ・ネイション・・・何らかのまとまりであり、ある人間集団にとって特別な土地
    →日本は、形がわかりやすく、歴史の堆積が分厚いので、ネイションとしての自明性がとても高...続きを読む
  • ナショナリズム入門
    ナショナリズムを、「土地を持ち、その土地の上に文化的なものや国家的なもので歴史的に形成され、ネイションへの命式と意欲が目覚めて、ネイションとして広く認知されたもの」という定義(フリードリッヒ・マイネッケによる 本書P.36より)を、いろいろな実例で検証し紹介している。

    日本の形、ドイツの変形、ドイ...続きを読む
  • 折口信夫 日本の保守主義者
    関東大震災や二・二六事件、太平洋戦争と戦後の日本社会の変容といったできごとに対して、折口信夫がどのようなしかたでかかわってきたのかということを論じた本です。

    本書では折口を「保守主義者」と規定していますが、折口にとって守るべきものは、日本の政治や国家などではなく、人びとの社会生活だったと著者は論じ...続きを読む
  • ナショナリズム入門
    「ナショナリズム」を、民族と領土と国家という三つのファクターが複雑にせめぎあう現象としてとらえ、日本のほか、ドイツやユーゴスラビア、カナダ、アメリカ、イタリア、ロシア、中国など、さまざまな国家を例に、そうしたせめぎあいの諸相を解説している本です。

    「ネイションとは何かを多くの人がさまざまに問うこと...続きを読む
  • ナショナリズム入門
    非常勤で「エスニシティ・地域・境界」というテーマを持った社会学の講義を担当しているが、最後の事例でヨーロッパの話をする予定である。国民国家という政治システムは近代期にヨーロッパで誕生した、みたいないい加減な話をしているが、じゃあ、実際にヨーロッパ内部で国境の変動がどのようなものであったのかという知識...続きを読む