背表紙面のオビアオリに曰く「月で一旗揚げたい人のためのガイドブック」とある。
もはや、月は遠くに見上げてただそこに在れば良いというシンボル的な物ではないようだ。
いよいよもって月面移住を見据えた時に、月ってどんな所なの?持って行くべきものは?気を付けるべき点は?ウサギはいるの?…etc.とあたふた
...続きを読むしないように備えておく意味でも、月研究の動向は追っておいた方が先々において思いもかけないようなチャンスを掴む事が出来るかもしれない。特に若ければ若いだけ、マジで生きてるうちに渡月の可能性があるかも、くらいに思っておいて良いように感じた。
やっぱり差し当たって最大の障害は降り注ぐ放射線への対策だろう。そんな中いきなり月面地上に基地を建設するのはシンドイだろうと思うので、如何にして地下洞窟空間(と思われるスペース)を確保するか否か、良い場所取り競争に勝つ事が重要。現時点で言えば最も宇宙開発分野で勢いがあるのは中国という事になるのだろうが、今後勝ち馬がどの国になるのか、あるいは企業なのか、見定める目が必要になってくる。
また、月移住どうこうを抜きにしても、昆虫食というものは今後一層着目される分野だと感じた。人口増大による食糧危機が叫ばれて昨今、昆虫食の可能性について目に耳にする機会も増えてきた。今はまだゲテモノ趣味嗜好の域を越えていないが、これから先は間違いなく’昆虫料理研究家’’昆虫生産者’の存在感は増してくるだろう。そしてp142でも言及されているように、月に持っていって持続的に生産可能そうな食材の候補に昆虫は間違いなく挙げられることだろう。
月面だろうが海底だろうが、暮らすとなれば衣食住の考慮は不可欠。将来的な月面移住を視野に、これら生活インフラの分野に関して真剣にリアルな想像を巡らせておくのもアリだと思う。
本書執筆時点では’予定’とされていた計画等のうち、
・インドのチャンドラヤーン2号は2019年2月に打ち上げには成功したが、月面着陸には失敗。
・日本の月探査機SLIMの打ち上げは2023年期中に延期。
・ispace社は2025年以降実施のアルテミス計画に参加予定。
…のようだ。
いずれそのうち、月面産のチタン(=ルナ・チタニウム合金)でガンダムが本当に建造される日が来るのだろうか。というか、この設定を考えた人は月マニアだったのだろうか!?
1刷
2022.10.2