ブックライブの書店員おすすめレビュー

少女・女性マンガ のおすすめレビュー

  • 主のセクハラが原因で務めていた屋敷を理不尽に追放されたメイドのルシルが再就職先として見つけたのは遠く離れた街の魔法使いの家。
    新しい雇用主であるフィリスは、口数が少なく不愛想ながらもその見た目とは違い悪い人ではなさそうで…。
    フィリスからの要望は「余計なことをしないように」ということだけ。
    そんな彼に対し「野生動物と距離を測っているかのよう」と妙なポジティブシンキングを発動するルシルに思わずくすっとしてしまいます。

    原作は「小説家になろう」の人気小説。
    虐げられ令嬢系作品が好きな方におすすめの作品です。

    魔法使いがいる世界の物語ですが、ルシルが作中で言っていたように魔法は身近なものではなさそう。
    そのため魔法バトルなどの派手さはなく、どちらかと言うと庭で植物を育てたり丁寧な家仕事が描かれる物語です。

    そんな素朴な物語ではありますが、この物語の醍醐味はフィリスとルシルの関係性がゆっくりと変化していく様と、フィリスのイケオジっぷりです!!

    フィリスの私生活は謎に満ちており、住み込みの家政婦として雇ったルシルに対し「余計なことをしない」と伝えるくらい。ルシルはそんな彼に対して不平不満を抱かず、自分を押し付けることなく必要なことを適度な距離をとって行うのです。彼女の有能さは見ていて爽快です。
    また、最初は偏屈感を感じさせるフィリスですが、ルシルとの会話に頷きを返したりメイドであるルシルに飲み物を作ってくれたり、不愛想ながらもふと見せる表情や優しさにハートをわしづかみにされました。


    今まで不遇だったルシルには幸せになって欲しいですが、前の雇い主であるニゼアの追手も気になるところ。
    彼女が幸せになるために、フィリスがどのように動くのか…!?
    先が気になります!

    2022年12月21日
  • ブックライブ書店員

    毎日忙しく働く仕事人間の久栖佳帆(くすみかほ)と、酒・たばこ・女遊びなどクズ要素満載な五百森泰(いおもりあきら)のラブコメディです。日々の激務に追われる佳帆は、お気に入りのバーでお酒を飲むことが唯一の楽しみになっていました。そのバーで知り合った超絶イケメンの泰と、一緒にお酒を飲んではいるものの、恋愛感情は全く湧かない佳帆。ある日の出来事を境に、二人の関係性が一気に変わり、微妙な関係のまま進んでいく大人な世界の恋愛物語です。

    絶対に付き合ってはいけないという条件がそろっているのに、なぜか惹かれてしまったり、ふとした出来事を境に好きになってしまったりすることってありますよね。自分がそんな恋愛をするのは嫌だけど、作品として楽しめるのが本書です。真面目な佳帆とクズ男の泰、そんな二人のやり取りにドキドキしてしまいます。

    ちょっと大人な世界の恋愛作品を読みたい方はぜひ手に取ってみてください!

    2022年12月13日
  • ブックライブ書店員

    英国のとあるペット可の物件に住んでいるのは、大学で教鞭をとる紳士のレオンと、そんな彼の愛猫でありパートナーでもあるジャックだ。
    彼らの朝は早い。それは、レオンが紳士らしく身なりを整えるためであり、ジャックが早く餌をもらうためでもあり、2人で過ごす時間を作るためでもある。お互い小言を言い合いながらも、その実、相思相愛な1人と1匹が織りなすハートフルストーリー、ここに始まる!
    日常に癒しを求めているなら、間違いなくこの1冊がオススメ!
    1人と1匹は相手のことをよく見ていて、お互いのためを思って行動しています。でも、それが何故か裏目に出てしまうこともしばしば…。喜んでほしいのに気持ちが伝わらなかったり、生活環境が違いすぎてお互いのことを理解できなかったり。
    しかし、なんやかんやでジャックは愛らしいし、レオンはそれに絆されてしまうので、1人と1匹の物語は常にハッピーエンド!
    1巻では、レオンとジャックの出会いも描かれていて、とっても心が温まります。
    ぜひご一読ください!

    2022年12月13日
  • ブックライブ書店員

    インターネットとスマホへの依存生活に疲れたサラリーマンの田中太一は、「無の心」を手に入れるため、刺繡にチャレンジすることに…!
    しかし、どうにも独学ではうまくいかなくて…。そんな折、行きつけの居酒屋のアルバイト・さよこちゃんに「お裁縫の会」へと誘われる。
    きらびやかなサロンに個性的な洋服、自分は場違いなのではと思いながらも、目標に向かって頑張るサロンの仲間に背中を押され、主人公もマルシェへの出品を目指して頑張ることを決意するのだった。
    手芸男子最高! 初心者大歓迎!
    大人になって仕事を始めてから、新しい趣味を見つけるのって大変ですよね。
    「何かやりたいな~」とは思うけれど、実際時間がなかったり、自分に向いてるのかわからなかったり、新しいことに挑戦するのは不安だったり…。
    主人公の田中太一は、そんな大変さを乗り越えて刺繍を始めてみたはいいものの、うまくいかないことや仕事が忙しくて間が空いてしまうことがあり、新しい趣味を長続きさせるのもまた別の大変さがありそう。
    そんなときに「仲間」や「同志」といった分かり合える存在がいると嬉しいですよね。
    「無の心」を求めていた主人公だけど、きっと手芸で手に入れたのはそれだけじゃないはず!
    きっとあなたも「何か新しいこと」にチャレンジしたくなる! ほんわり世界観なのに誰かの背中を押してくれる、そんな1冊です。

    2022年12月13日
  • 離婚して仕事も辞め、茨城の故郷に帰ってきた五來朝子(ごらい あさこ)、40歳。
    人生のやり直しを考えるものの、自分の選んだ道が正解だったのか迷う日々。
    学生時代一生懸命打ち込んだ吹奏楽部時代のトロンボーンを見つけ、河原でひとり吹き始めたとき、楽器を吹くのが好きだったことを思い出します。

    たまたま河原でランニングをしていた千尋から嫌味を言われるものの、毎朝練習に励んでいました。
    ピアノで音大に進みベルリンまで留学した腕を持つ千尋でしたが、家が老舗旅館・星辰館を営んでおり、彼もまた音楽という道を捨て実家を継ぐために地元に戻ってきたのでした。

    それからも何かと朝子に突っかかる千尋。
    実は、千尋が音大を目指したのは朝子の一言のお陰だったのですが、そんなことをすっかり忘れていた朝子にショックを受けたための行動だったのです。
    当時の朝子が千尋に伝えた
    「2つのことで迷ったら楽しそうなほうを選びなさい。ただし楽しいと楽は違うよ。」
    という言葉は、千尋だけでなく読者の胸にも響く言葉だと思います。
    朝子が当時のエピソードを思い出したために千尋との距離がぐっと近づきますが、今後二人の関係に変化が訪れるのか気になるところ…!!

    色々な事情により、やりたいこと・やりたかったことを手放して生活をしていることもあると思います。
    物語の中に登場する朝子の親友で同じ吹奏楽部にいたおーちゃん。彼女は地元で結婚し専業主婦をしています。彼女は義母から「専業主婦だから時間があるでしょ」と言われちょっとしたお願いごとをされるのですが、そういうことの積み重ねで家族によって勝手に予定を埋められ自分の時間を奪われているという描写があります。
    時間があるように見えて、楽器を弾く余裕なんてない…。そんなおーちゃんと同じ状況の方も沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

    登場人物の背景がとてもリアルで、ほんとうにいそうなほど普通な人たちです。
    物語もいまのところドラマチックな展開というよりは地味…かもしれません。
    ですが、そのゆったり感が読んでいてとても心地よいのです。
    ゆったりとした中にドラマチックな部分が秘められており、よりリアルな人生ドラマを見ている気分がします。

    昨今、女性の人生やり直しドラマを描いた作品が増えてきている印象があります。
    ですがこの物語は、「人生はやり直せる!頑張れ!!」という強いメッセージというよりも、「やりたいことがあったらやってみたらいいよ」と優しく伝えてくれているのです。

    それぞれの事情で今がある。
    どれが正解でどれが駄目なんてことはないし、逃げても良い。
    ただ、なるべく楽しくいられるのが良いよね!というメッセージが詰まった作品です。

    2022年12月05日
  • ブックライブ書店員

    登場人物全員怪しい……。

    よくありがちな、職場でいじめられて、王子様的な存在に見初められて…のシンデレラストーリーだと思いきや、後半からどんどん不穏な空気が出てきて……?
    1話でこんなにやっちゃっていいの? 2話も3話もこの勢いが続く? と心配していたのですが予想をはるかに上回る怒涛の展開で手が止まりません! あっという間に最新話まで読み進めてしまいました。
    モラハラ夫だけでなく、姑も同僚もみんな怪しくて、誰を信じればいいのかわからなくなってしまいます!
    毎話、「えー!」が止まらず、誰かに共有したくなること間違いなし! 超刺激的なマンガをお求めの方にぜひおすすめの作品です!

    2022年11月30日
  • ブックライブ書店員

    年下すぎる男の子は恋愛対象外ですか?
    30歳を目前にして独り身となった和花(わか)、なぜか年下すぎる犬系男子・一色くんに迫られています!
    結婚に憧れを抱く「普通」の女性である和花は、恋人の浮気が原因で別れたばかり。そんな彼女の前に現れたのは、7つ年下の朱髪の男の子でした。「将来を考えられない」と一色くんを遠ざけようとする和花でしたが、彼のまっすぐで真剣な想いに少しずつ絆されてしまって…。
    恋愛対象をある程度の年齢で区切っているという方は多いのではないでしょうか。
    この物語の主人公である和花は、7つという歳の差に囚われ、一色くんは恋愛対象にならないと決めつけています。
    しかし、一色くんはそんな年齢差をものともせず、いつだってストレートに気持ちを伝えてくれます。
    落ち込んでいるとき慰めてくれたり、デート中にはスマートにリードしてくれたりと、大人っぽさを見せつける一色くんですが、
    そんな姿とは反対に、普段はとにかくかわいいんです! 彼の頭に犬耳が見えるのは私だけではないはず…。
    若くてかわいい男の子に振り回されたいあなたにオススメ! ぜひ、ご一読ください!

    2022年11月28日
  • ブックライブ書店員

    喧嘩するほど仲が良い!? 大嫌いから始まる純愛ラブコメディ!

    ハイスペイケメン高校生の永臣と最強空手ガールの茅多は、巷でも有名な犬猿幼なじみ。ある日、永臣から「嫌がらせのキス」をされたことがきっかけで、茅多は永臣のことが大嫌いに! しかし、どんなに喧嘩をしても、辛いときいつもそばにいてくれる永臣の行動に謎が深まる茅多。あれは本当に「嫌がらせ」だったのか!?

    本作は何といっても、感情豊かな茅多の可愛さが魅力です!
    いつも、クールでいじわるな永臣にからかわれてばかりの茅多ですが、そんな永臣のふるまい一つ一つに泣いたり笑ったり怒ったりドキドキしたりする茅多がとにかく可愛いです! 大嫌いだったはずの永臣に徐々に惹かれていき、恥ずかしがりながらも自分の気持ちに素直になっていく茅多から目が離せません!
    また、犬猿の仲とはいえ、一緒に過ごしてきた時間が長いからこそ、気の許しあえる二人の関係性も魅力となっております。
    もちろん胸キュン要素も豊富で何度でも読み返したくなるようなシーンばかりなので、ラブコメ好きの方は是非ご一読ください!

    2022年11月28日
  • ブックライブ書店員

    「最後に、貴方達をブッ飛ばしてもよろしいですか?」

    "氷の薔薇"の二つ名を持つスカーレットは、別の女性を抱き寄せる婚約者にあらぬ疑いをかけられ、パーティで婚約破棄宣言をされてしまう。「悪役令嬢」と罵られた彼女は、婚約者に最後のお願いをする……。

    いつもこのような話に触れるたびに、「そんな最低な奴にはビンタでもお見舞いしちゃえ!」と思うのですが、今作のヒロインが繰り出すのはなんと、左ストレート……実にスカッとします! 
    そして、スカーレットはその身一つで数々の事件を解決するのですが、戦闘シーンは迫力満点で、毎回どんな演出をしてくれるのだろうとワクワクしています!
    悪役令嬢ものにマンネリしてしまった方、強い女性が好きな方に読んでいただきたい作品です!

    2022年10月31日
  • ブックライブ書店員

    ある日、死んだはずの人が帰ってきたとしたら、あなたは今まで通りその人のことを好きでいられますか?
    ある集落で暮らす幼馴染のよしきと光は、いつも通り何気ない日常を過ごしていた。楽し気な会話をする二人であったが、半年前に光が1週間行方不明になったときを境に、よしきは「今の光が光ではないナニカにすり替わっている」という疑念を抱いていた。次第にその疑念は確信へと変わり、本人にその旨を打ち明けることにしたが…。
    本作では、「偽物でもそばにいてほしいと願うよしき」と「自分が何者なのかもわからないけれど、心の底からよしきのことが好きな偽物の光」の不安定で歪んだ友情が描かれています。現実ではありえない内容ではありますが、この二人の心理描写が事細かに描かれており、どっぷりと感情移入できる作品です。
    また、光とナニカがすり替わったことで、集落全体では徐々に異変が起き始めるのですが、この異変一つ一つが非常に恐怖心を煽る要素となっているため、ホラー作品としてかなり上質な体験ができると思います。
    本作は、ホラーとしてもヒューマンドラマとしても、非常に魅力的な内容となっておりますので、是非ご一読ください!

    2022年10月28日
  • 社会問題や重い題材の恋愛マンガではなく、とにかく純粋な10代のラブストーリーを読みたい!!という方にお勧めしたいのが、こちら!!

    自分のことを平凡と思っている森 光(もり ひかり)は、親友の美少女でありながら極度の人見知りな髙橋 麻里(たかはし まり)こそが物語の主人公たる存在であると思い、麻里の相手役にはクラスのムードメーカー大谷 慎太郎(おおたに しんたろう)か学年1モテる朝霧(あさぎり)が良いのでは?と妄想していました。
    そんなある日、突然大谷と朝霧から話しかけられ、大谷が麻里のことを好きであることを知ります。
    大谷が麻里の相手に相応しいと思った光は大谷の恋を応援するのですが、次第に自分の気持ちが大谷に向いていることに気付き…。

    この物語はとても丁寧に各キャラクターの心情が描かれています。
    それを表しているのが、光の部活のシーンです。
    麻里と大谷との仲を取り持とうとする内に大谷の優しさに気付き、次第に彼のことばかりに目がいくようになった光。
    そんなある日、所属する吹奏楽部で3年生のポジションを1年である光が奪ってしまったのです。ポジションを戻して欲しいと教師に頼みに行った際、
    「あなたは本当はどう思っていて、どうしたいと思っていますか?」
    と問われて、部活だけでなく恋においても自分の気持ちに気付くのです。

    ずっと主演は麻里、自分は彼女の物語に友情出演するだけのポジションであると思っていた光。
    平凡で良いと思いながらも、吹奏楽のホルンは誰よりも練習をし、誰よりも大谷を見ていた光。
    彼女が大谷への気持ちを自覚した時から彼女の表情や彼女まなざしの先の風景が変化していきます。
    その描写がとてもリアルで心が苦しくなります。

    1巻の途中からは大谷視点でも描かれており、4人の中で恋愛関係が巡るのかと思いきや…!?

    読み進めるほど10代のキラキラしたピュアな恋模様にぐっと惹きつけられます。
    恋をしたからこそ新しい自分に気付き成長する姿は、私には眩しすぎます…!!

    4人の片思いが交差する純粋な極上ラブストーリーをご堪能ください。

    2022年10月21日
  • ブックライブ書店員

    丸一電機株式会社では今日もおじさん2人の激しいバトルが繰り広げられていた!?
    営業部課長・鷹野と開発部課長・大神は、社内の誰もが認める犬猿の仲。
    ある日は製品の性能について、またある日は部品の納期について、些細なことで言い争う2人はもはや会社の名物に。
    そんな2人、実は部下のやる気を引き出すために、わざと「ビジネス不仲」を演じているんです!

    性格が正反対なイケおじ2人の小競り合いはまさに眼福!
    スーツをビシッと着こなし、髪型もしっかり整えた2人は、仕事もできて部下からの信頼も厚い。
    しかし、お互いにだけ見せる等身大の疲れた様子だったり焦った表情だったりは、どこかコミカルで非常に愛着がわいてきます。特に、部下の前で激しい「ビジネス不仲」を演じた後は、相手を気遣うメッセージを送りあっているのがかわいいポイント!
    そして、この作品最大の見所が息の合った2人の連携プレー。一方がピンチのときにはもう一方が助け、部署同士がぶつかりそうになったときには間に入ってクッションになる。
    そんなギャップだらけの2人の劇場、あなたもぜひ訪れてみませんか。

    2022年10月14日
  • ブックライブ書店員

    義妹の付き添いで赴いたパーティーで偶然第一王子・リーンハルトと出会ったフィリーネ。
    「死神」と恐れられるリーンハルトに求婚され、婚約者となったが、
    彼は死別したフィリーネそっくりの元婚約者が忘れられず…!!!

    父と継母から疎まれ、義妹からは嫉妬される針のむしろだった日々から一転、
    豊かな王宮での暮らしに戸惑いながらも楽しみを少しずつ見つけていくフィリーネが本当に健気!
    まだ自分の悲しみで手いっぱいでフィリーネの気持ちはお構いなしな様子のリーンハルトですが、
    自分のことを「リーン」と呼ばせたり、不用意な発言を後悔したりまんざらでもなさそうな…???
    「死神」という異名が怖すぎるのですが、
    きっと何か深いワケがあるに違いないと思わせる孤独と繊細さが垣間見えます。

    クールだけれど味方になってくれそうな侍女のアリア、一言も二言も多いリーンの友人たちなど
    周囲のキャラも濃くて楽しい一作。
    2人がゆっくり距離を縮めていく様を一緒に見守りましょう!

    2022年10月05日
  • ブックライブ書店員

    他人に触れられることが苦手な尋輝は、その原因を思い出すため、人の記憶を探る能力を持つユージンを頼る。
    しかし、肝心の心を読む方法は相手に触れることだった―――。

    ラブ要素がない本作。正確にはBLというよりは友情の要素が強いです。
    しかし、ふたりの間に流れる空気感、ふとした瞬間の感情の動き、照れくさいやり取り。これがたまらんのですよ…。
    BLの微粒子で萌えることができる読者さんにはかなりおすすめです!

    思考をよりクリアに読み取る条件は、触れられる人間が、能力者に心を開いていること。
    その条件を満たすため、お友達から始めることになったふたりが少しづつ心の距離を縮めていく様子は付き合いたてのカップルを見ているようでなんともほほえましい…。
    はじめてふたりでご飯を食べに行った日に、触れられることへの強い拒絶に交じって、「今日は楽しかった。」という思考が伝わってくるシーンはなんだかぐっと来てしまいました。

    ユージンが尋輝の悩みに対して、自然体で向き合っている様子がすごくいいなぁ。
    俺が何とかしてやらなきゃ!とか、強引にでも原因を探るぞ!とか、そういった無理が全くないところがとても素敵。
    作中でも尋輝はユージンについて「(一緒にいると)新鮮な風が吹き込んで、息がしやすくなる」と表現しています。
    そばにいると「息がしやすくなる」誰かがいてくれる心強さが、自分に向き合う勇気をくれたんだと思うと心が温かくなります。

    誰かに受け入れてもらえる尊さを感じられる、心に染みるいい物語でした。

    2022年09月30日
  • ブックライブ書店員

    ヤクザ×オタク!?異色の推し活ギャグマンガ!
    ボッチの隠れオタクだったミキは、SNSで知り合ったイチゴとオフ会を開くことになった。推しについて語り合ったり、一緒にイベント参戦して感動を分かち合ったりなど、期待を膨らませるミキであったが、そこに現れたのはイチゴを名乗るヤクザだった!?
    ヤクザと聞くと少し物騒な内容なのではないかと感じるとは思いますが、まったくそんなことはございません!こちらの作品はとにかくオタクを全肯定してくれる熱い内容が魅力となっております!オタクに対する偏見や否定的なイメージをヤクザのイチゴが一刀両断!ヤクザだけど命を懸けて推し活をするイチゴから目が離せません!また、物語のテンポが良く、ところどころに出てくるヤクザネタがとにかく面白いです!
    こちらの『オフ会したらとんでもないやつが来た話』、オタクにもヤクザにもギャグマンガ好きにも是非読んでいただきたい作品となっております!

    2022年09月29日
  • ブックライブ書店員

    堅実な人生を歩むために、超富豪もイケメンもNG! 

    平和な専業主婦になるために生きてきた、超打算的JK主人公・マリが、平和とは正反対の職業であるイケメンミュージシャンに翻弄される話です!
    マリは若さを武器に堅実な旦那様と結婚することを目標にしているので、「結婚してやるからボーカルになれ」と勧誘してくるイケメンミュージシャン・碧を毛嫌いしており、ヒーローに向けているとは思えない言葉遣い・表情がとにかくクセになります! 大学の文化祭に行きたい理由も、芸能人がゲストだから……ではなく、高学歴高収入の教授を狙うためと、なかなか個性的です!
    長年の夢である専業主婦に向けて今の生活を続けるのか、碧とともにミュージシャンとして生きるのか、マリの出す答えとは……?

    2022年09月26日
  • 長年連れ添った夫を亡くした、はな代。
    彼女の夫は悪い人ではないものの、ちょっとズレていたり、はな代のお洒落心に対し「みっともない」と言ってしまう、所謂“古いタイプ”の男性。
    はな代は街中で見かけた化粧品店の店員・堂島芳子(どうじま よしこ)と出会い、夫からの呪いを振り切り、美容やお洒落に目覚め“自分の好きなことをする”という新たな人生をゆっくりながらも歩み始めます。

    美容やメイクは何歳になってもやってよい!というのが主題のように思えますが、この物語のメインは違います!!
    自分の“好き”を見つける物語であり、人生の艶めきは何歳からでも得られることを教えてくれる物語でもあり、麗しいご婦人と可愛いご婦人の淡い想いの物語なのです。

    登場人物の関西口調もあり、物語全体的に流れるゆったりした空気感が心地よく、schwinn先生が言葉選びを非常に意識されているのを感じます。
    また端々に織り込まれたはな代の亡き夫との会話からは現代で言う“モラハラ夫”を感じますが、決してそれを批判するためではなく、今までは心に引っかかりを感じながらも受け入れてきたはな代の強さがそれを受け流しそれでも自分の好きを貫くしなやかな強さへ変化したことを表すために描かれているのです。
    恋愛の多様性、人生の多様性をサラリと描いているところもポイントです。

    物語の中に『花物語』という小説が登場します。
    今作『はなものがたり』のタイトルも『花物語』をリスペクトして付けられたのでは?と思う、物語の重要なアイテム。
    こちらは恐らく大正時代に発表された吉屋信子さんの少女小説かと思われます。
    少女や女性の友愛を描いた物語で、今作のはな代はその世界に憧れを抱いています。
    『花物語』を読むはな代は乙女全開でとにかく可愛らしいのですが、彼女にとって美しく凛とした芳子は憧れの物語の世界に引き込んでくれるような存在なのかもしれません。

    今後、芳子とはな代の関係がどうなっていくのか、彼女達の人生がどう進むのか見守りたいです。

    2022年09月16日
  • ブックライブ書店員

    主人公の吉岡双葉は中学生の頃に同級生の田中洸に想いを寄せていました。一緒に夏祭りに行く約束をしていた双葉と洸ですが、洸は待ち合わせ場所に来ませんでした。二学期になり、学校へ行くと洸は転校していました。
    高校に入学してからも洸のことを忘れられない双葉でしたが、ある日以前とは雰囲気も性格もガラッと変わった洸が転校してきて…!?二人が紆余曲折ありながらも距離を縮めていく純愛ラブストーリーです。

    THE王道の恋愛マンガ。恋愛マンガが好きな人は絶対読むべき一冊です。お互いが一途に相手を想い、一生懸命恋をする姿がたまりません。お互いの過去を理解し、受け入れながら前に進む二人の関係に注目です。

    青春という言葉がこれほど似合うマンガは他にありません。最近ドキドキしてないなと思った方はぜひ『アオハライド』を読んでみてください。

    2022年09月12日
  • ブックライブ書店員

    幼馴染み兼婚約者・ウィリアムの浮気現場を目撃したセレスティアは、婚約破棄をしたことで「寝取られ令嬢」と呼ばれることに。そんな折、彼女は渋々参加したお茶会で、ゴールドスタイン家の御子息・アランと出会う。後日セレスティアは見目麗しく誰もが見惚れる彼から、なぜか縁談を申し込まれてしまう!?彼の誠実で熱心なアプローチに段々と絆されていく彼女だったが、一度傷ついた心は臆病でなかなか一歩が踏み出せなくて…。
    こんないい男に出会えるなら婚約破棄も悪くない!
    婚約者に裏切られ、男性を信用できなくなっていたセレスティアに対して、アランは何度も気持ちを伝えてきます。特にセレスティアが食べたがっていたケーキ屋さんを男1人で訪れ、彼女の好きなものを必死に考えた結果、大量のケーキを差し入れしてしまうアランは最高にかわいいです!そんな彼の行動に、彼女の凍り付いた心もきっと溶かされてしまうはず。一途に愛される喜びを、セレスティアと一緒に感じちゃってください!!

    2022年09月12日
  • ブックライブ書店員

    「まずは犬らしくお手とお座りな」
    一流リゾートホテルに転職してウキウキなはずの葵(あおい)だったが、現実は夜逃げした父親の借金返済に給料が消えていく日々。そんなときに出会ったのは、リゾートホテルの御曹司・幸村志季(ゆきむらしき)だった。傍若無人な振る舞いの彼を冷たくあしらったせいか、葵はすぐさまホテルの一室に呼び出されることに!?お金を渡す代わりに「お手とお座り」を要求された葵がとった行動とは…?
    この作品、志季がチャラ男のくせしてちゃんとキュンキュンさせてくるのがずるい!!
    志季の最初の頃の印象は横柄で女たらしの典型的なドラ息子。彼を好きになる要素なんてあるのかなと不安になりました。しかし実際は自分の行動を反省して、葵の様子をそれとなく見守ってくれたり、ピンチのときには助けてくれたり。不器用ではあるけれど葵に向き合おうとする姿がかわいらしく、また彼の成長を感じて応援したくなるはずです!お互いに欠けている部分を補い合いながら、ちょっとずつ近づいていく2人の距離をぜひ見守ってください!

    2022年09月12日