あらすじ
激闘の地区大会決勝戦終盤。たった一つのプレーが試合の形勢を変える切迫した場面が連続する8回。稲実(いなじつ)エースと青道(せいどう)4番の対決、新球種を織り交ぜた沢村(さわむら)の熱投。どちらも譲れない闘いが繰り広げられる! そして迎える最終回……。甲子園の切符を懸けた最後の攻防が始まった!
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試合に出ること。
それを当たり前のことのように描いているスポーツマンガは、やはりフィクションだと感じてしまう。
『ダイヤのA』は野球エリートを集めた強豪校を舞台にした高校野球マンガである。甲子園に出ることはとても難しいことだが、甲子園を目指すチームで試合に出ることは、同じくらいに難しいことだ。甲子園のアルプススタンドで声を張る3年生が美しいのは、彼らの中にはチームの誰よりも練習をして、それでもベンチの18人に入れなかった男がいるからである。
試合に出られない悔しさが高校球児を大人にするし、レギュラーを奪うための努力が青年を男にする。そんなことを、このマンガは教えてくれる。そして「そこ」を描くことが、プロ野球ではなく高校野球を描く意味なのだと、私は思う。(書店員・アンコウ)
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