あらすじ
高校3年生になり、大学受験も意識しだした葵。不器用ながらも、ゆっくりとお互いの距離を縮めていく葵と清貴の前に、清貴を敵対視する贋作師・円生が現れた。それからしばらくして、清貴は葵に別れを切り出す。2か月後、失意のなかにいる葵に、店長から電話が入った。「清貴が兵庫から帰ってきたんです」――大ヒット・キャラクター小説第7弾!
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Posted by ブクログ
葵と清貴に別れが…
ヒヤヒヤ必須の第7巻だった!
プロローグ
清貴と好江の仲を疑う葵。そんな葵を救ったのは、清貴がお土産に贈った『黄道十二宮』とブレスレットウォッチだった。2人は自分たちの思いを確かめ合い、幸せな時間を過ごすが…
第一章『その心は』
利休の父左京が京都に住むことに。そして清貴と葵の2人は利休たち斎藤家に招待され、清貴は彼ら兄弟の茶室の審査をすることに…そのお茶会に向けて清貴と葵が準備したり、公園で2人の時間を楽しむシーンはほんわかしたなぁ。
審査当日に訪れた今宮神社や高桐院、老舗和菓子店『松屋藤兵衛』も趣深くて訪れてみたい場所になった。そして審査での秀吉や千利休の逸話、お茶会の作法、『気遣い』と『気配り』の話はためになったな〜。
全体的に伝統や文化を体感できた章だった。
第二章『砂上の楼閣』
「蔵」に白磁の香合の鑑定に訪れた円生。それを本物と鑑定した清貴に、驚いた顔をし店を後にした円生。それから1ヶ月後、葵の前に姿を現した円生。彼は頼みごとがあると葵にお願いがあってくるが、彼女の鑑定眼を目の当たりに、いつも通りちょっかいを出そうとするところへ清貴が駆けつける。そんな騒動がありこれからの葵の身の安全のことを考え、清貴は葵を守るため別れ話を切り出す。2人は涙を流しながら、辛い選択をするだった。
第三章『言霊という呪』
清貴と別れた葵の前に、清隆の父である店長が現れる。彼は「家頭家の呪」が清貴を縛り、葵との別れに至ったのではないかと言う。しかし所詮言霊であり、真実を見極めることが大事であると店長は思っており、その言葉が葵を救ったのだった。
第四章『望月のころ』
葵は店長の言葉に救われ、円生の今までの言動を振り返ってみることに…すると彼の隠されざる真実が見えてくる。そして清貴と円生の決着を見届けるため、様々なヒントから葵は決着日を特定し、久々に「蔵」を訪れ清貴と再会を果たすのだった。そこへ訪れた円生に清貴は、円生の持参した香合と対になる香炉を見せる。実はその2つは一対であり、昔円生が大事な人ユキに渡してきたものであり、それが本物であったことでユキが売っていないかどうか心配になったのだ。しかしユキはそれを売らず大事に持っていたことから、葵は円生にユキのもとへ会いにいってほしいと懇願する。葵の説得とあり、ユキのもとへ会いにいく決心をした円生。そして葵をまた巻き込み不甲斐なく思っている清貴に対して、葵は「言葉の力」をもって清貴をやさしく包み込み、2人はまた恋人に戻るのだった。
エピローグ
晴れて「蔵」に戻った葵。そんな清貴と葵の前に円生から1枚の絵が送られてくる。それは円生の門出を描いたような清貴も嫉妬してしまうほどの素晴らしいものだった。そして2人がイチャついているとそこに秋人や円生が訪れる。驚いたことに円生は改心して、柳原先生のもとで鑑定士見習いをすることに…また賑やかになりそうな春の午後だった。
清貴と葵が元に戻れて良かった!
本作はこの一言に尽きる!!
そして清貴と円生の今後の鑑定士同士の戦いに
目が離せない
Posted by ブクログ
因縁の円生とホームズの戦い?円生の為に鑑定したホームズ。その結果円生の大切な人との再会をアシストした。最後は円生もホームズと同じ舞台に立ち切磋琢磨していく。今後も期待
Posted by ブクログ
付き合いだしたホームズとの幸せをかみしめるのだったのが6巻の葵
そんな二人が円生との関係で分かれることになるが
色々あり(手抜き)
「清貴くん」
驚くホームズに腕を伸ばして両手いっぱいに開く
「――おいで」
Posted by ブクログ
「人の死なないミステリ」として続いてきたシリーズも7冊目となり、当初は高校2年生だった葵も今作で高校を卒業し、これから大学生になろうとしています。
ちゃんと時間が流れている、というのもシリーズを楽しく読める1つの要素かも知れません。
因縁の相手、円生と清貴との激しいやり取りに巻き込まれた葵は、清貴から別れを告げられます。
いわゆる、「貴方を守るため、別れます」的な展開を迎える訳ですが、シリーズを通して成長し続けてきた葵の強さが、その後の物語の中で光っていました。
メソメソと泣き続けるのでもなく、恨み言を言うのでもなく、自身を見つめ、為すべきことをやる。
芯の通った女性になったなぁと感心しました。
最終的には円生も足を洗い、鑑定師として出発するとのこと。柳原先生の元で修行を積むことになるようで、これからも清貴や葵とは関わりが続きそうです。
……といっても、葵には頭が上がらかないか?とも思い、8作目も気がかりであります。