【感想・ネタバレ】金田一耕助ファイル12 悪魔の手毬唄のレビュー

あらすじ

岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村。たまたまここを訪れた金田一耕助は、村に昔から伝わる手毬唄の歌詞どおりに、死体が異様な構図をとらされた殺人事件に遭遇した。現場に残された不思議な暗号はいったい何を表しているのか? 事件の真相を探るうちに、二十年前に迷宮入りになった事件が妖しく浮かび上がってくるが……。戦慄のメロディが予告する連続異常殺人に金田一耕助が挑戦する本格推理の白眉!

カバーイラスト/杉本一文

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Posted by ブクログ

ネタバレ

個人的第1次金田一ブームの頃から一番好きな物語です。
最近、石坂浩二版の映画を観ていたので、相関関係も大体頭に入っていて物語にどっぷりと浸れました。
見立て殺人、悲劇の元となった当時の田舎に根付いていた差別意識とそれに対する復讐心、解決した後のやるせなさ、横溝作品の要素が満載です。
金田一さんと老婆がすれ違うシーンにある、犯人の心理を小説で知って改めて震えました。
もう一度映画を観ないといけないな。

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2023年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

市川崑監督の映画はもう何度も観ているが、原作を読むのは初めてだった。作者本人もお気に入りの作品のようだが、日本の探偵、推理小説における名作の一つと言っていいだろう。
どうしても先に観た映画と比べてしまうのだが、映画は原作をほぼ踏襲しつつも、里子が殺されて以降、終盤の流れはかなり変更されている。原作ではリカが犯行を自供することなく死んでしまうが、映画では千恵子に自分が犯人であることを告白するシーンがあり、誤って我が子の命を奪ってしまったリカの苦しみが表現されている。自分は映画の方が好きだと思う一方で、リカにみなまで語らせず、取り返しのつかないことをしてしまったリカの後悔に読者自ら思いを馳せる原作の方が良いのではという気もしてくる。
いずれにしても探偵、推理小説ファンならば一度は手に取るべき作品なのは間違いない。

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2021年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集に首をひねったものだから長編もどうかと危ぶんでいたけれど、見事に杞憂だった。
いやー、面白い。当時からしても田舎と言われる地方で、過去からの因業があり、一夜度に被害者が増えていく…などという、読者からしたら実に贅沢な読み物だ。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

14歳の時に読み始めて、終わったのは、なんと20歳でした。

序盤がとにかく長い!

最初の事件が起きるまで、150ページもある。

結末は文句なしでした。

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2024年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後らへんでは私も犯人が薄々分かったが悲しい物語である。動機はありそうなものだけれど、悲しい。そして、手毬唄をモチーフにして殺人が行われるというのは、ドキドキさせる、謎解きのような面白さだった。そして薄気味悪い老婆。ドラマがパっと頭に浮かべられる、そんな情景、キャラクター性、物語性でとても読み応えがあった。

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2023年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まだそんなに冊数読めてないけど、今まで読んだ金田一シリーズで一番好き。
手毬唄って子供の頃とか普通に歌って鞠つきしてたけど、大人になって聞いたりするとなんとなく怖いのが不思議。そういう映画とか作品があるからかな?


偽のおりんさんの殺害に至った理由も怖いけど、里子ちゃん…。最後まで自分のせいだって思って殺されてしまったんやとしたらぅぁぁぁぁ

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2023年05月04日

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ネタバレ

読んでいるうちに、テレビで見たことを思い出してきた。でも肝心なところを全て忘れていたので、ほぼまっさらな状態で楽しめた。話が入り組んでいて読み応えがあって面白かった。
最初は読みにくかった方言がだんだんチャーミングに見えてきて、今となっては離れるのが惜しい。
最後はリカに同情した。八方塞がりでどうにもならなかっただろうと容易に想像がつく。その気持ちを考えたら居た堪れなかった。
外から正体不明の男が来ると荒らされるように言っている人があったが、正真正銘鬼首村出身の男がこの悲劇を引き起こしたというのが皮肉だった。

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2022年08月05日

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ネタバレ

鬼首村で伝わる手毬唄になぞらえて起こる連続殺人事件。
舞台は岡山の村、季節は8月。

とても面白かったです。先が気になるので、どんどん読んでしまいました。
田舎の村独特の熱気や閉塞感がありありと伝わってきました。風習なんかも、本当にありそうに感じてしまいます。

自分の読解力ではよく分からなかった点が二点。

昭和7年の死体はなぜ火葬されたか?(犯人が強く勧めた?)
犯人が投身したのは、初めから決めていたことなのか、里子を殺めたことによるのか?

もう一度、読み返してみよう。

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2022年03月15日

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ネタバレ

金田一耕助の事件を未然に防げないという特徴が十二分に発揮されている作品
これは他の探偵ものでは味わえないですよね……笑

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2022年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まぁ、面白いのは分かるけどやっぱり自分の好みではないかな。

特に見立ての理由であったり、リカが土蔵に影を映した理由とかっていうのはほとんど説明されていない。どちらが良い悪いというわけではなく、必然性を重視するかどうかは好みの問題。
(おそらくほとんどの本格好きにとっては必然性は重要なポイントではあるのだが)
見立ての理由に関しては、その手毬唄を一番よく知っていた多々良に罪を着せるため、というのが仄めかされてはいるが、犯人が犯人自身しか知らない歌に見立てるというのは有り得ないのでさすがに成り立たない。

だが、もう一つの「一人二役」トリックは面白い。"どちらが加害者でどちらが被害者なのか?"というのが問題になっている中、その加害者と被害者が同一人物という発想は盲点だった。

映画で見たことはないのだが、やはり横溝作品は映画の方が良いのではないだろうか。

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2022年01月09日

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