あらすじ
伊豆半島の南方にある月琴島に源頼朝の後裔と称する大道寺家が住んでいた。絶世の美女、大道寺智子が島から義父のいる東京に引きとられる直前、不気味な脅迫状が舞い込んだ。『あの娘のまえには多くの男の血が流されるであろう。彼女は女王蜂である……』この脅迫状には、十九年前に起きた智子の実父の変死事件が尾を引いているらしい。智子の護衛を依頼された金田一耕助だが、その前で血みどろの惨劇が! 大胆なトリックで本格探偵小説の一頂点をきわめた、驚異の大傑作!!
カバーイラスト/杉本一文
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Posted by ブクログ
一つの映画や舞台を見終わったかのような劇場感があった。登場人物たちの個性豊かで、演技掛かった振る舞い。それは特に嫌だなという感じにもオーバーにも感じず、楽しませてくれる演出だった。これが映像化されているのはとても頷ける。犯人も最後まで誰か分からず、金田一耕助と同じように振り回されていて面白かった。最後に大道寺のトリックが明かされた時、裸で遊佐を殺したというのがバラエティ要素を感じて想像したらとても笑えた。総合的にとても楽しめたし、文庫の厚さにも関わらず、長く感じずに楽しめた。
Posted by ブクログ
久しぶりの金田一耕助シリーズ。
大昔に読んだのは確かであるのだけど、完全に間違えて覚えていたので今回も楽しめました。
※犯人は神尾秀子女史だと記憶してました。記憶なんてアテにならないですね。
相変わらず、探偵防御率は低いのですが、ちょっとした心遣いとかで見える優しさにやられてしまいます。
やはり金田一シリーズは“何故“が一番重要であることを再認識しました。
Posted by ブクログ
出てくるメンズがだいたいキモくて笑っちゃった 智子お嬢様が孤高の女王蜂として君臨し数多の男どもを這いつくばらせ踏みにじるがその魅力で全部許される話かと思ったら違った。結局グッドルッキングガイと結婚か~~~い!そんならもうちょい多門くんに活躍してもらいたかったな~ 私は神尾先生好きですよ!!
Posted by ブクログ
こんなに長い話だとは思わなかった(息切れ)
美人な女性に群がる男性陣が悉く殺されるこの惨劇の始まりとなった事件まで解き明かすのだから、それは当然か。
でも、その長さを最後まで飽きさせずに読ませられるのは、流石の筆力だと強く感じた。
息切れ起こしているのは、単にこちらの体力がなかっただけの話である。
(何しろ面白いのに4日かかった)
脅迫文に密室殺人(しかも2種類)時間差トリック、ミステリの要素盛りだくさんなところに、謎の男性陣の登場も多く、内容も濃い。
その割に、視点はくだんの女性か、謎の男性寄りなので、金田一探偵の存在感がやや薄い。
第三者から見た金田一探偵みたいな感じで、それはそれで面白かった。
ただ終盤、その謎の男性の影が薄くなっちゃったのは勿体なかった気がする。
まあ拘束されていたから、仕方ないね。
最後美味しいところ持って行くから仕方ないね。
これだからイケメンは……
Posted by ブクログ
小説で金田一耕助を読んだのは初めてです。
稲垣さん主演のドラマを昔にぼんやり見た。
初めは読みにくかったが、文章は慣れてくると読みやすく感じた。冒頭の智子が花束を海に投げ込むシーンとか、映像を想像しやすいシーンがたくさんあった。演出力高いなー。
とにかく、おもしろかったです。犯人より結末が気になって読みました。犯人はとても健気で哀れだと思います。でも真犯人には色々つっこみどころがありすぎて。日下部氏を殺害して、どうしたかったのか。琴絵さんと戸籍上結婚できたのは不本意だったのかとか。いろいろ謎。
Posted by ブクログ
帯に「金田一vs絶世の美女」とあったので悪霊島と似た話かと思いきや全然違う
離島に祖母と家庭教師の3人暮らす智子
母の遺言どおり18歳になると東京に暮らす父のもとへ行くことに
父の選んだ婚約者3人と異母弟と顔を合わしたところから惨劇が始まる
最後は犯人の自決かと思いきやどんでん返しが!
金田一シリーズでこのような結末ってあまりなかったような
警告状のとおり、智子は何人もの男の人生を狂わせてしまい、
(もちろん本人に責任は全くないけれど)大切な人を失ってしまったので最後に多門連太郎とくっつくのはよかったなー
2013/01/04-07
Posted by ブクログ
「正直殺人の方が本領発揮なんで」みたいなこと言ってる金田一耕助なに?ワロタ
登場人物全員ヤバくて共感性低いぶんエンタメ強めでさらっと読めますね。
新聞社の人他にも出てるのかな…。
Posted by ブクログ
ミステリアスな孤島、魔性の美女、名家、昭和初期。設定が好み。金田一がかなり速い段階で犯人の目星がつくところに感心。被害者が、誰の弱味を握れば自分が有利に働くか、その弱味を握られては困るのが犯人…成る程です。