感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
性とは一体どうあるべきなのかを強く訴えかけている本だと思う。
所謂男らしさ、女らしさに縛られているこの社会で兄弟はそれぞれの性格とのギャップを感じ、父親が性を偽装し別々の性別で人生を送っていく。
女君は男の姿であるときの果断に富んだ性格が本来の女君の姿になることで一変しステレオタイプの男を待ちわび苦悩し
男君においては引っ込み思案な性格から宇治の女にもアタックする疑いようのない色男へと変貌した。
このように考えると男はこうあれ、女はこうあれという規範が確固たるものとなりすぎているあまりに、幼少期の性格がどうあれ型にはまった性格に変わっていってしまうのだとも思った。
また元の性別に戻る引き金を引いた内大臣が女を得られなければ渇望し、得られればまた次へと「ゲームのような感覚」で、そして行方のわからなくなった女をいつまでも思い恋慕に浸り続ける滑稽さとそのゲームへ取り組む真面目さを感じられる。
Posted by ブクログ
女君は女の姿に戻ってから幸せになれたのか。
そうじゃない気がする…。
奇抜な発想の物語だけど、(当時において)典型的な女性像に疑問を呈しているとも言えるお話。
ビギナーズクラシックスは表紙がどれも可愛いから好き。
Posted by ブクログ
問題集などで部分的に目にしたことがあるが、通して筋を読んだのは初。
必要な情報がコンパクトにまとまっており、学習者には最適。
男女のこどもが逆であればよかったという今であればジェンダー問題で抗議が来そうな内容だが、平安時代では今以上に男女がそれぞれが自分の特性を生かし生きる道を選択することが難しいことがわかる。
男のほうは女よりも順応が早く、ただの色男になっていくというところが滑稽。