大今良時のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もし、1話目を雑誌の中の短編の一つとして読んだとしたら、アンケート葉書に「続きは描かれないのですか?描いて欲しいです」と熱望してしまうだろう。1話目だけで秀逸な短編として読めてしまう。
極寒の地の中に在る小さな集落に、たった一人で生きている少年。楽園を求めて旅立った村の住人が「次の地」の朗報を持って帰って来ると信じている。彼は、旅立てない年配者の世話をするために村に残されたようだが、それも5年前の話。5年前、彼はまだ子供だった筈だ。恐らく彼には「親」がいなかったのだろう。だから、村の年寄りの為に残されてしまったのだろう。年寄りたちは死んでいき、彼は仲間の残した村に唯一生き残った一人になってし -
Posted by ブクログ
ネタバレ少しずつ少しずつ謎であったり、ミスリードされてる内容が明かされていく感覚がゲームのようで表現は漫画なのが面白かった。
まずなんでもコピーできる球が、狼に変身してそのあと飼い主のところへ行く。元の狼自体は死んでいるのだが、飼い主である人間は大喜びする。しかし、本当の狼ではないので普段とは違う行動をするそのギャップと、本物ではないとバレるのではないかというハラハラ感。この2つが最初、軸となり物語が進められる。
飼い主が何もない雪国より、クダモノがある場所に荷物を背負い出発することになった。なんでもコピーできる球が出てくるぐらいだから、人間も何かテレパシー能力か何か持っているのではないか?そう思 -
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ネタバレ表紙の色と狼の視線に吸い込まれるように駅の本屋で購入。
一話目がひどく切なくて、狼の表情が本当に繊細に描かれていて大今さんの世界観に引き込まれた。死んでいく少年の呪いのような言葉にぞくりとしつつ、物語は進んでいく。二話目以降は一話と少し違う世界で、なんだかもののけ姫を彷彿とさせる。一話目の少年は出てくるのか?と不思議に思いながら読み進めていくと、突然自己修復しながら現れる。その描写もまたすごくリアルで、グロテスクなはずなのに美しく見えてくる。そしてマーチが餌をやり、そのお礼とばかりに彼女を最後に助けてくれる。とても動物的で、単純な思考回路だと思う。
きっとこれから〈球〉だったものはマーチやほか -
Posted by ブクログ
ようやく石田がみんなに本音をぶつけれた。ぶつけちゃった。
真柴くんの目がこわい。彼は闇を抱えてそうだけど石田たちとどうなるんだろう。
川井さんが男目当てでイメチェンして真柴くんにぶりっこしまくりなのすごいイライラするんだけどこの子もこの後どう変わるのかな。
植野さん、今までこの子やだな~すぐキレるし西宮さんのこと嫌いだし‥って思ってたけど実はこの子が一番素直で一生懸命だったのかな。この子にも幸せになってほしい。
永束くんはいいやつなんだけど結局小心者で虚栄心が強くて、真柴くんとの違いはイケメンかイケメンじゃないかってところくらいなのかもしれないけどその差って大きいよね‥。
そして西宮一家と花 -
購入済み
考えさせられる
とても考えさせられる漫画です。
人間とは、もともと残虐性を持ち合わせており、ストレスや周りの影響により、理性で抑えていた残虐性を解放する。
誰が悪い、誰が悪くないと議論してもいじめは無くならない。
この漫画を読んで、障害者が一人輪の中にいると、周りの反応は人それぞれ。主人公のように障害者をいじめてしまう人、障害者に優しく接する人、関わりを持とうとしない人、さまざまな人がいるんだと改めて感じました。
そして、いろいろな価値観や気持ち、思いが交錯して、新たな感情を生み出す。
障害者の人がいるから、ではないかもしれません。
意味不明なレビューでごめんなさい。
でも、普段普通に生きていて -
購入済み
読んでよかった
以前、一巻の最初の方で拒絶反応が出てしまい
ずっと避けていた漫画でした。
家族が「今日、すっごく面白い漫画読んだ!」と
この漫画の話をしたので、そこまで面白いなら…と思い
読んでみたら、すごく良かった!
多分自分がこの漫画に登場するとしたら
何もせず傍観してるクラスメートだろうなあ。
高校時代なら顔にバッテンつけられてるモブで…
話には感動したけど、私は過去をほじくりかえす勇気はない。
それをやったばかりに(能動的にしたわけじゃないが)
人間関係が滅茶苦茶になったことがあって、今も
その苦しみや後悔は続いてるから。
自分を誤魔化して忘れてしまった方がいいこともあ -
ネタバレ 購入済み
これはキツイ
友人が聴覚障害持ち(趣味で知り合った)なので、気になり購入。
普通学級の中に障害者が入るとここまで大変とは予想外だった。同学年の障害持ちがいなかったせいだからか。
友人も凄いイジメを受けた、と言っていたな。多くは語らないから聞くつもりはないけど。
補聴器のくだりは印象に残っている。
友人は電池交換だけでも万単位のお金が飛ぶ、と話してくれた。メンテも同じ。障害者年金が一気になくなる、とも話してくれた。
当の本人は頭がめちゃくちゃキレる子で、医療系の資格を持ってバリバリ働いているが、その影にある何とも言えない闇が辛い。
硝子の闇は明ける時は来るのかな。 -
購入済み
月の話がうき
通っている美容院で1巻を読み、いじめの描写で気分を害しましたが、2巻以降の石田の悩みや葛藤は1巻があるからこそ理解できるので必要なエピソードだったと思います。
2巻以降はけっこういい感じに話が進み、個人的にはこの3巻の最後の『月』の話は特に好きです。
「友達になってくれる?」と西宮に言ってきたのは実は石田が初めてだったのかもしれませんね。
彼が周囲を巻き込んで自分の生活を変えてくれ、いつしか特別な存在になったにも拘らず2週間も会えないということで西宮の気持ちが高ぶるのは当然かと(笑)
伝わらない気持ちの歯がゆさ、敢えて手話を使わなかったのは西宮なりに恥ずかしかったの