飯田泰之のレビュー一覧

  • 地域再生の失敗学

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    気鋭の経済学者、飯田泰之が主編者となり、5人の地方再生に取り組むスペシャリストによる講義と、飯田氏自身との対談をそれぞれ1人、1章という形でまとめたものです。
    感想として…
    人口減少という現状を前提とすれば、どこかの人口を増やせば、どこかの人口が奪われる事になる。
    その中で集積できるところはいかに集積し、減少するところはいかに、戦略的に止まるか、あるいは撤退戦を進めるか…
    とはいえ、けっして後ろ向きではなく、未来の地域のあり方…その選択、そのために今出来る選択肢を示した本だと思います。
    あと、本書で強調しているのは、民間が主体でなければ駄目だという事、補助金行政の批判ですね。
    補助金がいかに、

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    2016年05月05日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    「経済学」が、技術であり道具であるとの主張に目ウロコでした。

    刺激的な話が多く、「新自由主義」なるものの幻想。ケインズとハイエクの親和性。再分配の話。等々。また、所謂論壇に欠けているもの。メディアの無能など、まことに盛りだくさんで面白かった。

    また、自分も全く同感なのは、政治家が票にならない若年層を向いた政策をするはずがないという事。このままでは日本は滅びるね。

    一番いいのは、少子化対策をしっかりやって人口を増やすこと。でも、これが難しい。「経済学」的には処方箋を示せるのだろうか。それが嫌なら、移民を受け入れしかないかな。

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    2014年12月25日
  • NHKラジオビジネス塾 思考をみがく経済学

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    「凡人は、思考の『型』を身に付けることが大切」という姿勢には大賛成です。

    全体的にわかりやすい本ですが、サンクコストについては、これまであまりわかりやすい説明を見たことがなかっただけに、ものすごくわかりやすく感じました。

    経済学の本ではありますが、いろいろな気づきが得られましたし、期待以上の本でした。

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    2014年10月19日
  • 夜の経済学

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    フーゾクやワリキリの実態をフェルミ推計を用いて数値化する好奇心をそそるところからスタートし、貧困や幸福など社会問題にまで踏み込んでいく。データを見ることで逆張りが溢れるメディアに惑わされないなど、読む前の期待がいい意味で裏切られた。

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    2014年11月09日
  • 夜の経済学

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    ○ノンフィクションライター荻上チキ氏と明治大学教授の飯田泰之氏の著作。
    ○フーゾクの経済状況といった、社会の裏側に存在する大きな市場について、そのスケールや活況を、具体的な数値にて表し、分析している。また、そこから見える“真の社会的弱者”について、その実態を明らかにしている。
    ○まず、自分の身近な出来事を、統計学等の知識を用いて、数値化し、合理的に分析していることが大変興味深かった。
    ○また、荻上チキ氏の徹底した取材及び文章構成に、つい引き込まれてしまう。

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    2014年03月03日
  • 夜の経済学

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    この手の本としてはかなりのヒット。

    本文にも書いてあるとおり Inspired by 「ヤバい経済学」で、公式統計がない風俗などの分野について、なんとかして統計データを作った上でクロス統計で分析を行う、というのを読みやすくまとめてある。人々はなんで風俗産業で働いているのか、とかね。

    「ヤバい経済学」を読んだ時と、知的興奮という意味ではやっぱり非常に近いんだけど、出てくる分析がフィールドが日本だけあって、特に階層社会の現状については全く他人事ではない頭が痛い分析がバンバン飛び交うので、読後感はちょっと重い。「ヤバい経済学」も重い話題は多いんだけど、やっぱりアメリカの話題だから微妙な対岸の火事

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    2013年12月06日
  • 夜の経済学

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    多くのメディアでは語られない、もし語られたとしても根拠の乏しい、夜の経済について、生真面目にデータを用いて分析している本。

    こういうサブカルチックな本は面白い。ただ、こういう本はよく、筆者の主観が多分にはいってしまうものだと思うが、この本はかなりの調査量に基づいたデータをもとに議論が進むので、現実味があり、とてもおもしろかった。

    正直、ブックカバーをつけて読むべきだったかなぁと今さらながら思っている所存である。

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    2013年12月04日
  • 夜の経済学

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    よくぞここまで調べた。また、東スポを過去20年さかのぼって登場の多い源氏名を調べるなど、役に立たないと思われる情報も、本当に時間と手間をかけて調べた。この点だけでも敬意を表す。アンケート調査データの分析方法だけでも経済学の手法がわかり、勉強になった。

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    2013年11月17日
  • 夜の経済学

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    統計学を用いて社会を評論するライトな社会評論と言ったところ。統計に関する著書も複数ある飯田が関わっていることから調査・分析のデザインはなかなか。ただ本書で着目すべきなのは「幸福な若者」及び生活保護に関する分析だろう。いずれも誤解や偏見の多い分野に対して、どのような条件から、いかなる認識が形成されるかを統計学的に分析しているのは見物だ。このような、「若者」などを世代論によって勝手に規定するのではなく、その形成要因を仔細に明らかにしていく研究・言説が増えることを望みたい。

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    2013年10月01日
  • 飯田のミクロ~新しい経済学の教科書1~

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    やっぱり経済学は難しい!
    読み終わっての相変わらずの感想…。だが、部分的には、試験対策のテキストに比べるとはるかに理解しやすい部分もたくさんあった。飯田さんステキ。マクロもお願いします!

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    2013年02月05日
  • ゼロから学ぶ経済政策 日本を幸福にする経済政策のつくり方

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    題名のとおり「経済政策」の入門書。本著は理論的な整理を平易にしているため、世の中にでている経済評論をもう少し高い地点から考えてみたい人にはおすすめである。たとえば、規制改革や年金制度、量的緩和政策などなど、これらはパッケージとして行われる政策であり、単独では存在していないことがこの本からよくわかる。巷の本は、年金や規制改革などを個別に取り上げているモノが多く、全体像がみえにくい。そのようなことから生じる偏見への予防接種や治療薬にこの本はなると思う。

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    2013年01月15日
  • 飯田のミクロ~新しい経済学の教科書1~

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    同じ著者の『思考の「型」を身につけよう』が主として論理学や統計学の基本的な手法をツールとして提供していたのに対し、こちらは比較優位や効用関数などの経済学の概念を平易に解説したもの。まえがきでも著者が述べているようにミクロ経済学の概念はマクロ経済学などの基礎にもなっているため重要性は高い。数式もほとんどがグラフを用いて説明されるため、基礎的な理解には十分な内容。

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    2012年12月15日
  • 思考の「型」を身につけよう 人生の最適解を導くヒント

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    「自由な発想」はもういらない、という帯が挑発的だけど、中身は極めて全うな統計学及び経済学の考え方の解説書。論理学、相関関係、最適化などを社会や経済の問題を考える上でいかに用いるかをわかりやすく解説しており、安直なバッシングや大衆批判に走らないための心構えを身につけるためにも大いに役立つであろう。

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    2012年12月15日
  • ゼロから学ぶ経済政策 日本を幸福にする経済政策のつくり方

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    今は経済について何も知らないが、現在の日本の経済政策を考えたい!という方におすすめの本。経済学の基本的な理論から、現在の経済政策について考えるポイントを、時折飯田先生の私見も交えて説明している本です。

    何も知らない状態からこの本を一冊読むだけでも、「経済政策を考え方はどのようなものか、今はどのような事が問題で、どのような方向に解決していけばいいのか」という事が何となくわかるのではないかと思います。

    これを読んで本格的に経済政策を考えたいと思うようになったら、この本の兄貴分の本である、岩田・飯田『ゼミナール経済政策入門』に進むことをお勧めします。

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    2012年11月26日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    ネタバレ

    経済成長を可能にする方法は第一に個人の自由な創意工夫(競争)第二に失敗時のセーフティネット(再配分)第三に景気の振幅を抑制するマクロ経済政策(安定化)に尽きます。

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    2012年10月05日
  • 世界一シンプルな経済入門 経済は損得で理解しろ! 日頃の疑問からデフレまで

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    こいつはすげい。
    経済学とは?から、ミクロ経済学、マクロ経済学、会計学、日本経済、経済政策、ニュースの見方までわかりやすく説明している。

    作中に出てくるブルくん、ベアくんのイラストも可愛げがあり非常に楽しく読めた。

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    2012年09月10日
  • ゼロから学ぶ経済政策 日本を幸福にする経済政策のつくり方

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    ネタバレ

    経済政策を知る上での入門書となる。

    次は岩田規久男・飯田泰之共著の「ゼミナール経済政策入門」を読みたくなった

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    2012年08月07日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    日本神経科学学会が脳神話への声明を出していることは他の教育関係の本では引用は見かけない。成績が良い児童には朝食をとっている児童が多いことから、朝食を食べると成績が上がるという間違ったマスコミの例(家庭環境が関連すると想定されるのだが)が掲載されているので、学生に関連と因果を考えさせるいい材料になるであろう。また、宝くじが当たるために、神社に祈ったか祈らなかったで本当にご利益があったかを調べるために、疫学の考えとして、以下の4マスで確率を考えるとしている。これは、学生にとってとても役に立つ道具である。例えば、電子教科書を使わなくて、成績上がった学習者をがすぐ頭に思い浮かべることができるという利点

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    2012年03月21日
  • もうダマされないための「科学」講義

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    良書だと思う。
    科学のあり方について、大学の研究者やライターなど様々な人が語っていて、新書ながら内容が非常に濃かった。

    科学というと、どうしても絶対正しいものだとか、必ず答えが用意されているものと思いがちだ。しかし、実際にはそうではなくて、不確実な面もあるということを忘れてはいけないだろう。そして、不確実な面もあるけれど、それをなるべく正しい答えを導き出そうとする、方法論についてはやはり信用に足るものだと思う。

    今回の震災で、科学の見方が大きく変わった。研究者も一般市民も科学の見方について、もう一度しっかりと科学について、理解する必要があるのではないだろうか?

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    2012年03月24日
  • ダメな議論――論理思考で見抜く

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    常識とは,一般市民が「空気」として「なんとなくそう思う」,あるいは「なんとなくそう信じている」ところから生まれると著者は主張する。その常識は,やがて世間に受け入れられる中で「言説」として成立することになる。そういった傾向が社会のあらゆる側面にみられる中で,著者は,一部の天才と呼ばれる人間を除いては,統合的思考より,分析的思考が有効であり,私たちは分析的思考を駆使して今まで「常識」として受け入れられてきたものを分析しなおし,有用なものを見出す必要があると述べている。著者は,「虚無論法」や「自然論法」にも触れ,なぜそれらがダメな議論なのか,言説として信じられているものを見破る具体的な手立てを提示し

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    2012年02月15日