飯田泰之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「思考の「型」を身につけよう」飯田泰之
経済学。特になし。
学生時代まで通じて、経済学とはずっと疎遠だったのですが、社会人になって資格試験勉強をして、その面白さを知りました。
経済学って、まずは実学よりも、社会の事物がどうやって効果的に「収まる」のかの考え方を学ぶのだな、と。
数理学・物理学出身の経済学者が多いという話もとてもよくうなずける気がします。
本書はその経済学の考え方を噛み砕いて語っている一冊。
実はNHKラジオで分かりやすく経済の話をする人がいるなあ、著作読んでみたいなあと思ってたら、ちょうど家に転がってました。
よくある経済学ムックのように、身近な出来事に経済学を当てはめるというメソッドではないので、むしろわかりやすい。
僕自身なんとなく感じていた、例えば「80%から95%の出来に上げることの大変さ」とか「最大値よりも極大値を見つける方がコスパがいい」とか「とりあえず自分の出来る範囲のことだけ考える」とか、そういった物事の考え方を分かりやすく書いてくれていました。
論理的思考は好きなんだけど数学が苦手で文転したんだよなあ、なんて人にはとっつきやすいのではないでしょうか。(4)
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@全体として、[経済学]に関する本
@[社会科学的な事物の捉え方]について、[経済学の思考法を使って]詳しく述べている
@[構成] §1.(思考の基本型)問題を分割する、データ化する、仮説でモデリングする。反証可能な論理型を構築する。§2.(1章の具体的な手法)MECE、均衡分析、オープン/クローズドシステム、演繹・帰納法、因果関係、必要十分条件、トレンド §3.(その他の経済学思考法1)合理性と境界条件内での最適化、局所最適と全体最適、コストパフォーマンス、割引率、危険愛好、サンクコストなど。§4.(その他の経済学思考法2)機会費用と比較優位、双曲割引、限界効用逓減の法則 §5.(外部がある経済)交換、競争、貿易について
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Posted by ブクログ
エッセンスとしてはおなじ著者の『ダメな議論―論理思考で見抜く』と通じるものがあるが、あっちは「論理」に、こっちはより「経済」のほうに軸足配置。
1章は「ロジカルシンキング」に「データ」をあわせて考えよ、という「経済学思考」の骨子。
2章は経済学思考の「考え方」というか、よーするに経済学は、限りある「なにかよいもの」を取り扱うのだということ、そこから「人はインセンティブに従って行動する」とか「ノーフリーランチ」とかの原則が導かれることについて書いてある章。わずかな前提から、いろんなルールが出てくるところが刺激的。
3章ではいよいよ経済理論に踏み込むが、数式ではなく図解になっているので、なーんとなく直感でもわかる、と思う。
4章では「平成大不況」脱出のレシピを題材に今までの総仕上げをしているが、その論理たるや今まで土台のブロックをがっちり組んできただけあって、ものすごい堅牢さ。主張の内容はいままで読んできたリフレ派のそれなのだが、きちんと舞台裏までまわりこんで説明してもらえると、たのしいなぁ。
まぁこれを読んだからと言ってすぐに「経済学思考」が使いこなせるようになるとは思わないが。抽象から具象へのひとつのテストケースとして見事。パーツの選び方、くみ上げ方、手際の良さ、いろんなところが気持ちいい。 -
Posted by ブクログ
「はじめに」ではこの本が、あくまでも「技術書」であり、「ダメな議論」のフィルターである旨が明らかにされる。でもやっぱり面白いのは「具体例」の部分。ココがおもしろいからこの本は、類書に比べてもホントに「使える」本になっている。
まず、よく使われるマジックワード、内容がないことをごまかすための常套テクニックが、実例付きででてくるところがイイ。そうそう、「本当の○○」とか「真の○○」とか「自然な状態」とか「夢」とか出てきたら、眉唾だってことっすよ。
つぎに、じっさいに「ダメ議論」が蓄積されてる分野から例文をつくっているのがイイ。たとえばニート論とか、「よいデフレ」論とか、食糧安保論とか、「財政ハルマゲドン」論とか……ぜったいにどっかで「ああ、こーいうの読んだ」というデジャヴュがでそうな例文を、てってーてきにタタいてるところが、この本の痛快なところ。とくに第5章(あやしい「大停滞」論争)のところは、「バブルの原因」「不況の原因」「格差拡大の原因」を絶賛おっかぶせられ中の若者世代必読。
読んでたのしく、役に立つ。ロジカルシンキングとか論理学とかしゃらくせぇというか、めんどくせぇというかな人にも、「ダメ議論フィルター」の使い方がイメージしやすい。お買い得な1冊です。 -
Posted by ブクログ
カネの意味、モノとカネの関係がなんとなくわかるようになる本。古典的な貨幣数量説があてはまった時代から、新古典派の数量説とその限界を経て、「期待」を重視する動学的な理解へと。マネー理論の進展を、実際のヨーロッパや日本における実例をもとにしていくので、頭に入りやすいし、理解しやすい。
第1部は、議論のベースとなっているのでそこだけを整理すると……
・原始的な貨幣数量説では、「価格はマネーの量に比例する」。つまり、ある閉鎖的な経済体制の国で金がざくざくとれて、そのぶん貨幣が増えて2倍になったら、みかんの価格は2倍になるはずだ。
・しかし、19世紀イギリス(ビクトリア時代)を通じて、マネーの量は増え続けたのに、物価はデフレ傾向だった。これは、マネーの量が増えても、産業革命で財の量も増えたせいだ。
・しかしハイパーインフレが起こる段階になると、古典的な貨幣数量説はあてはまらなくなってくる。ハイパーインフレは、モノとカネとの釣り合いだけではなく、“これからもっとインフレになるに違いない”という人々の「期待」こそが現時点でのインフレを生み出しているからだ。この「期待」が、「静学モデル」と「動学モデル」の差である。
・たとえば第1次世界大戦のバブルがはじけて、1920年代の日本は深刻な不況に陥った。1923年の関東大震災の打撃がさらに追い打ちとなった。当時の日本では、不況の原因を「震災手形」(債権のモラトリアム)に求める声もあった。効率の悪い企業が救済されたことにより経済全体の効率性が低下した、不良債権の影響により貸し出し停滞がおこった、繊維産業の中国進出による空洞化現象、中国からの安価な工業製品によるデフレ化……などが取りざたされた。まさに「平成不況」と同じ状況だ。
・しかし、このときの長期デフレの原因は、本質的には政府の政策にあった。第一次世界大戦機に、日本は大幅なインフレーションを経験した。一時的に金本位制を停止していた日本だったが、旧平価による金本位制度復帰のために、政府はデフレよりの政策を推し進めた。このような政府の基本姿勢が民間に認知された結果、デフレ「期待」が起こり、デフレとなったのだった。
ということになる。
この調子で、第2部では「カネとモノ」の交換からさらにすすんで、「カネとカネ」の交換である「為替」について取り上げる。固定相場制のもとでは、重商主義にはそれなりの根拠があったこと。固定相場制の下でキャピタルフライトが起こるメカニズム。幕末の日本が実は世界でも抜きんでて近代的な制度である「不換紙幣」を実現していたことなどが、実例をもって語られる。続く第3部では、幕府の「不換紙幣」を議論のベースにして、金融政策とは、マネーとは何か、という総論になる。
いやもう全部まとめてるとすごいことになるのでやらないけど。きちんと順を追って読んでいけば、ちゃんと「歴史」が「経済理論」で説明できるんだなぁというのが気持ちよい。「そりゃうまく説明できるところだけ説明してるんだよ」と言われればそれまでかもしれないけど。経済史に興味がある人……と言われてもソレ何人ぐらいよ、と思うけど。理屈っぽい人、江戸時代の経済や貨幣制度に興味がある人、は読んで損はないと思う。と書きながら、「オレこの本読んで、何の役に立つんだろう」……いいんだ、読んでる間がおもしろかったから。娯楽だから。 -
Posted by ブクログ
稼働店舗と1店舗あたりの在席女性の数から、日本全国の
風俗嬢の人数を30万人と推測。
風俗嬢の平均月収は49万円、首都圏と地方のワリキリの
平均金額の違いなど、まあ、風俗関連の数字について
よくぞここまで仮説を立てたと、好きな人には面白い夜の経済学。
ただ、ただのエロ経済の話ではなく、光ったのが後半部分の
貧困・生活保護に関わる考察。
それなりの所得を得ている人たちは、生活保護を受けている
人たちに対して厳しい評価を下している、これはすなわち
”貧困を想像できていない”という指摘。数字が物語っているだけに
間違いなく事実。
(別のことでも触れて、著者は”自分にやや厳しく、他人には
超厳しい”傾向と表現しています)
そして、この結果が今の日本を覆っている、息苦しさにもなっているの
ではないでしょうかね。 -
Posted by ブクログ
個人的な勝手要約!
思考のアプローチは「近い選択肢を集中的に調べ、MECEで分割,パートに分け,相互関係を考える」➤「間違いを消し込んでゆく過程でベターな結論を選ぶ」
「因果関係あれば相関あり,相関あっても因果不明」,「観察から得られるのは相関だけ」,「データ収集は、成功率のみならず失敗率も」,「前提正しい保証はない、だから確認する」に注意!
競争は利益をすり減らす,だから十分な実力を持ち競争の少ないところで戦う,競争的な仕事は人に任せる
問題の整理が進めば助言も得られる
価値観のすれ違いこそチャンス、自分だけが賢いという思い込みから脱し、人を認め、自発性を高めれば、互いを向上させ・・・ 自分と他者が同じ状況を喜ばしく思うようになれば目標達成に近づく
幸福感の高い人からは幸福感の影響を受ける
* この書籍で紹介された思考は、思考のアプローチのみならず、態度や姿勢も触れられている。 -
Posted by ブクログ
本書は興味本位で(半ばネタとして笑)買ったのですが、あまり馴染みの無いテーマだったこともあり、新鮮でした。
統計学と経済学の手法を使って、所謂フーゾク産業を分析しているのですが、読むと日本の問題が見えてきます。
「『売春相場の地域差』は、印象だけのものではない。価格の平均値・最頻値に加え、『経済状態』を表す変数として、完全失業率、有効求人倍率を用いて回帰分析も行ったのだが、いずれの場合でも『経済状態が悪い地域では売春価格は安い』という結果が得られた。そう、『売春は経済問題』なのである。」(p.81)
そういうお店を利用して、極端に値段が低かったら、その地域は経済状態が悪い、景気が悪い、ということなんですね。
まあ、行きませんけどね。