飯田泰之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
まず「ダメな議論」とは、「誤った」「無用な」「有害な」言説のこと。
と定義し、常識とされているものにもこのような言説が多く含まれていることを指摘。
その上で必ず正解を見抜く術ではなく、ダメな議論を簡便に見抜くためのチェックポイントとその応用方法をレクチャーする一冊。
備忘録として著者の挙げるチェックポイントを記します。
1、定義の誤解・失敗はないか
2、無内容または反証不可能な言説
3、難解な理論の不安定な主張
4、単純なデータ観察で否定されないか
5、比喩と例話に支えられた主張
感想としては、著者の主張もチェックポイントももっともだけど、
「ダメな議論」を見抜くというのは実際とても面倒で大変な作業だということ。
著者は繰り返し「人は自分の感覚と合うものを正しいと思う」述べている。
自分が正しいと感じてしまったものを疑って読み込み、手間をかけて調べて正否を確かめる人がどれ程いるか甚だ疑問。
でもこれから何かの議論に触れた時、それを自分のなかの常識にしてしまう前のワンクッションにはなると思う。 -
Posted by ブクログ
・初心者にも分かりわかりやすい経済学の入門書
・著者のお家芸である「経済学の知識を政策にどう生かすか」という点に重点が置かれている
【以下、興味深かった記述を抜粋】※「?付きの文章」は自分の感想
・経済学 …社会全体の満足度の合計を最大にする方法を考える →競争は望ましい
経営学 …会社の利潤を最大にする方法を考える →いかにして競争を避けるかがポイント
・日本の不況(失われた20年)は、「デフレ = ギャップ型不況」
→小泉改革の「成長戦略」(規制緩和、公的企業の民営化)は、NG
→本来は「安定化政策」(財政政策、金融政策)が必要 →結構やった筈?
・安定化政策
景気の上げ下げが激しいと、企業は長期的な視野に立った活動が出来ない ←設備投資、社員の雇用など
→ボラティリティが激しいのを嫌うのは、経済も投資も一緒?
・不況の長期化
生き残る企業 …財産が多く、銀行と繋がりが深い企業 →老舗、大企業
潰れる企業 …資金力が乏しく、銀行と繋がりの浅い企業 →ベンチャー企業など
※生産性の高さは関係ない
→旧来型の企業ばかり生き残り、ベンチャースピリットを失った社会は活力を失い、長期的には潜在GDPが低下? →失われた20年 = 今の日本
・会社内での人間関係も生産性に影響する(この仕事は誰に頼めばうまくいくかなど)
→会社の人間関係がしっかりしている方が仕事もスムーズに進む = 関係特殊性人的資本
→派遣社員は仕事場を転々とする為、技術が身に付かない以外に、職場の人間関係(資本)の点でも不利?
・成長政策 …(生産性、技術力などで)頑張る人を応援。
|対立することもある
再分配政策
…(デメリット)頑張って成功しても、再分配されてしまう →損するから頑張らない。
(メリット)ビジネスの成功・失敗は運の要素も大きい。失敗したときの「保険」の役割(セーフティネット)
→「保険」なので、成功者・失敗者が満遍なく費用負担することが必要だが、チャレンジャー=失敗を考えない人なので負担を嫌がる
→成功者が社会保障の負担を嫌うのは、その人個人にっては効率的でも、社会にとっては非効率(チャレンジャーが減少) →合成の誤謬。
→例えば健康保険で、健康な人は保険に入らず、健康に不安な人だけが保険に入るようなもの →高コスト
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
ニート問題から財政赤字、平成不況まで、いかにももっともらしい議論がメディアを飛び交っている。
じつは国民的「常識」の中にも、根拠のない“ダメ議論”が紛れ込んでいる。
そうした、人をその気にさせる怪しい議論を、どのようにして見抜くか。
そのための五つのチェックポイントを紹介し、実例も交えながら、ダメな議論の見抜き方を伝授する。
論理思考を上手に用い、真に有用な情報を手にするための知的技法の書である。
[ 目次 ]
第1章 常識は「何となく」作られる(「常識」とは何か なぜこの本を読もうと思ったのですか? ほか)
第2章 ダメな議論に「気づく」ために(場の「空気」による支配 もっとも単純な対応法 ほか)
第3章 予想される「反論」に答える(「真の幸福」論法 「データは現実を表していない!」 ほか)
第4章 現代日本のダメな議論(思考の練習問題 「最近の若者」批判のダメさ加減とは? ほか)
第5章 怪しい「大停滞」論争(バブル悪玉説のここがヘン バブルは日本だけではない! ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
「実存の問題は政府や政策が手を突っ込むべき問題ではない。共同体や秩序に希望をたくす方向も同様である。」
経済問題に関する入門書のように見えるけれど、本の内容はといえば、何かと話題の若年層非正規雇用労働者に関するもの。「格差」ではなくて「貧困」を問題の中心にすえて、貧困を経済学の問題として捉えて、貧困を無くすための方向性を模索してみようというコンセプト。
頭のいい人たちの内輪話で、本の内容はあまり理解できなかったけど、貧困という問題に取り組む上では「生きづらさ」みたいな心の問題と向かい合う必要なないってこと。
貧困者の心の問題に対して、社会学や精神論からのアプローチを突き放することろが潔い。
貧困は単純に政策の間違いから生まれた問題で、心の問題を持ち出すまでもなく、経済学的解決策で対処できる問題である。
例えば生きづらいと思っている青年に、「仕事を通じて社会から承認を受ける」みたいな社会心理学的な話とか「自分を変えよう」とか励ますヒューマニスティックな啓発本は役立たずだということ。
弱いもの同士集って傷を舐めあいたい欲望にかられるけれど、そこは強がって我慢しよう -
Posted by ブクログ
● 年金というのは何をやっているのかというと、貧乏な若者から税金をとって、金持ちの年寄りに配っている。それよりも生活保護やベーシック・インカムで生活を保護し、それ以上の部分については、個々人が自分の判断で預貯金すればいい。
● ニート、フリーターに対して「自己責任」といっていいのは、景気がいいときだけです。需要がちゃんとあって、その状況でニート、フリーターだったら、僕は自己責任だと思う。けれども、いまは席が人数分ないわけですから、社会の問題です。
● 要するに、都会の金持ちと貧乏人からとって、田舎と都会の貧乏人にまき、貧乏な若者と金持ちの若者からとって、金持ちの年寄りと貧乏な年寄りに配っているので、65歳未満の不平等・貧困はまったく解決しないんです。 -
購入済み
立ち読み大事
まさかの横文字で参りました。文字の大きさは替えられないし。今更ながら、立ち読みして、どんな形態の本なのかというのを理解してから購入するのも大事だと思いました。