飯田泰之のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私自身、農家の孫でありながら、農業について知っていることが少なすぎた。そう実感させられた一冊でした。
例えば、稲作が意外と手のかからないということ。
「ハウス栽培のように一年中作物を生産できる農家と違い、コメづくりに要する労働時間は10アールで年間15〜20時間程度。」(p.31)
うちのじいちゃん、もっと働いてたように思えたのですが、そうでも無かったのか〜。
そんなに田んぼ大きくないはずなのに…。
他にも色々と発見はあったのですが、読んでて思ったことは、知らないこと、世間一般に知られていないことが多いのではないか?ということです。
農業には誤解があり過ぎる。
それは農林水産省や農協によるものが多い。
そんな印象を持ちました。
もっともっと、著者たちには、農業を明るみに出す活動をして欲しいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「物事を多方面から観察し、総合的に判断する」ための具体的な方法論は「物事の一面だけを観察し、個別的に判断をする」ことから始まる。問題を把握可能なレベルにまで落とさないと人は「考え始める」ことができない。絞り込みによって初めて意味のある思考が可能になる。
中小企業向けのコンサルタントの方にお話しを伺うと、相談に来る経営者(クライアント)の問題意識が整理されていないために、どこから手をつけてよいのかわからない案件は少なくないとのことです。
その会社が直面している状況を一番よく理解しているのは当事者自身です。有用な助言を得るためには、自分自身の中でもある程度問題が整理されている必要があるのです。 -
Posted by ブクログ
経済学をベースに、思考するためのフレームワークを教える本。やはり経済学を勉強していないのと新書では薄いのもあり、まだまだ鍛錬が必要だと感じた。
① 「大学はその専門分野の『思考方法』を学ぶためにある」(p6)
大学こそ浮世離れしたことを教えるべきであり、それが現実で最も役立つとして、専門分野からその思考方法を学ぶことの意義を語っている。
経営学だけでなく、そのバックグラウンドとなる「心理学」、「社会学」、「経済学」もしっかりと学んで、自分の身になるようにしたい。
②「不確かな情報に騙されない」(p88)
”相関関係と因果関係は無関係である。”これがわかっていなければ、多くの情報に惑わされることとなる。例えば、2つの事象は「トレンド(時間さえ経てば伸びること)」がお互いに共通していれば、勝手に上昇するが、そこから他の因果を導いてしまうことがよくある。トレンドを除いて考えるなど、疑うことが大切である。
③ 「社会全体を幸福にする思考の型」(第5章)
自分自身の考え方の基礎を形づくるために、学問はある。目先の事象ばかりに捉われず、きっちり背景の型も学んでいきたい。
最後に参考になったのを少し。
・取引の2面性(p193)
⇔誰かの需要は、誰かの供給があって成立
⇔売上が伸びることは他の製品の売上を喰う
裏にあるものを考える
・ベルトラン競争(p199)
⇔値引きの余地がある分だけ価格は下がっていく
⇔企業はできるだけ”競争をしない”のがベスト
人も同じ。競争に巻き込まれないポジションを探す
・本当のライバルを見極める(p206)
⇔ライバル(代替品)はそれが「提供している価値」で決まる
⇔提供価値を定義し、ライバルを把握する
続けて『ブルー・オーシャン戦略』、『自分のアタマで考えよう』、『ダメな議論』、『経済学思考の技術』なんかも読んで学生のうちに思考力を鍛えたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ題名の通り「経済成長が必要なのはアタリマエだ」という前提で書かれている。この場合の経済成長は、いわるゆ戦後の高度経済成長やバブル景気といったレベルではなく、ゆるやかな、年2%程度の、それこそ普通の先進国が普通に成し遂げているものをさしている。
統計などの数字で裏付けしつつも、読者には「数値を読み取る」といったことを強要せずに、きちんと言葉で説明しているのが好感。
白眉なのは湯浅氏との対談で、同氏の運動の“戦術”である「うしろめたさ票を確実にとりにいく」という言葉を引き出したくだりか。
その一方で、話の内容に出ている経済概念、つまり「新自由主義」の意味やその論者・フリードマンやハイエクなどのバックボーンだけでなく、ケインズ学派やマルクスについての説明がほとんどない。これらの事は知っていることが前提となっているようだ。例えば、マルクス経済学とマルクス主義の違いについて、そこからケインズ経済学との繋がりを知っていないと、本書の半分は理解できないであろう。 -
Posted by ブクログ
「少子化」「福祉」「失業」「格差」「貧困」そして「生存」という,バックグラウンドにあるテーマ.
私は,個人的にもこれらの問題の早期解決を望んでおりますが,
いわゆる「日本」という体質が今後,
日本の景気回復・経済成長,
利益の適切な再配分,
適切公正な制度改善,
企業や社会の体質改善・・・
を
阻みつづけてしまうのか,
本当にこれらの問題を解決しようという意思はあるのか.
支持されない層,数が少ない層の声は無いように扱われてしまうのか
「個人の問題」に落とし込まれてしまうのか.
ともすれば,「希望は戦争」になってしまうのか,
すこし古い本なのですが,
社会経済(またはそれに近い思考法)の入門書として,十分読める本だと思います.
日本の経済学者さんには,実践派より理論派が多い,という指摘があります.
お国柄なのでしょうが,確かに,学校で教えられる経済学の内容は,大部分理論でしたよね.
もちろん,基本は大事ですけどね.
が,応用も楽しいです. -
Posted by ブクログ
世の中に多い「ダメな議論」に付き合わされないための方法を紹介している。機械的にチェックできるポイントが5つ紹介されているので引用。
1. 定義の誤解・失敗はないか
2. 無内容または反証不可能な言説
3. 難解な理論の不安定な結論
4. 単純なデータ観察で否定されないか
5. 比喩と例話に支えられた主張
身の回りだと、「2. 無内容または反証不可能な言説」が多い。話していて不利になると極論持ち出す人や、「結局幸せなんてひとそれぞれじゃん」と言って話を終わらせようとする人はこれ。
それなりに教養と常識があればデタラメとわかるような話でも真に受ける大人が多いのを見ると、こういう本は必要だと思うのだけど、たいていの場合そういう人は自分で気づいていないから、きっと売れないんだろうなあ。