飯田泰之のレビュー一覧
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序盤は辛口な批判が続いて読んでて不快でしたが、辛口なのは最初だけで、全体的には良書に感じました。
普通は成功事例とかを載せて、『ウチはこのやり方で成功しました!他の地域の皆さんも是非試してみて!』みたいな喧伝が一般的ですが、本書は逆のアプローチで、今までのまちづくりの失敗から今後にどう活かすべきかを提供してくれる面白い本です。
中山間地域の解散話はちょっと衝撃でした。村を存続できなくなったら、村民全員が村を出るという発想は昔からあったらしいのですが、いよいよ現実味を帯びてきたように思います。
余談ですが、現在放送しているアニメ『サクラクエスト』というのが地域活性化の話で、主人公は観光大使として -
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【メモ】
▼第1章
・中核企業を支援したいなら、撤廃してほしい規制を聞いて、そこを緩和する。規制緩和や許認可の手続きサポートをして、お金は自分で工面させる
・成果を上げたら税金を軽減するほうが実際に成果を出すのでいい
・多様な人に寛容な地域は、理由はよくわからないけど発展する(都市社会学者リチャード・フロリダ)
・多様性こそ可能性を引き出す。数を確保することが大事
・行政は、最良のシナリオから最悪のシナリオまでの幅をつくって、最悪を避けるようにマネジメントしなければならない
▼第2章
・日本経済、地域経済を考えるにあたっては、過去からの遺産(または負債)をどう使うのか、どう変えるのかという観 -
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GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。
中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。
マクロ経 -
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地域再生にまつわる施策の歴史を検証すれば、失敗例が多々あったのではとの筆者の言葉。しかし今、その地域の再生の成否に、日本の未来がかかっていることには間違いない。
そこで、従来の発想ではない新たな視点で取り組んでいる方々の講義と、筆者の対談という構成の本である。
第1章 経営から見た「正しい地域再生」
木下 斉 エリア・イノベーション・アライアンス代表
第2章 官民連携の新しい戦略
川崎 一泰 東洋大学経済学部教授
第3章 フラット化しない地域経済
入山 章栄 早稲田大学ビジネススクルール准教授
第4章 人口減少社会の先進地としての過疎地域
林 直樹 東京大学大学院農学生命科学研究科・特 -
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木下斉氏、飯田泰之氏など”若手”に属する実務家、学者による現場から地域再生を考える話。経済面からか政治(厚生)からかどちらで評価するかそもそも考えましょう、というピンポイントな掴みにgoodだなと感じる。メモ。
(1)予算というお金を使うのだから、リターンもお金で示すべきなのにそうではない。市民が楽しかったと言えばいいイベントになる。
(2)サプライチェーンにはギュッと細くなるボトルネックが必ずあって、そこをにぎったひとが価格統制力を持つことが出来る。
(3)販売先から逆算して考え、独自の生産・加工を行うからこそ利幅も大きくなり、適切に人も雇える。
(4)戦略の基本は競争構造を理解したうえで戦 -
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◼️p22-23 私たちは、「自分の知らないことを知る」本を探しながら「自分の知っている(漠然と感じている)ことが書いてある」本を購入し、読書を「自分の役に立てる」ことを目標としつつ、「自分の思想・行動に何ら影響のない(読んでも読まなくても変わらない)」本を読んでいます。つまりは、自分が日頃から抱いている「信仰」にお墨つきを与えてくれる、「自分が読んで心地よいと感じる」本を選んでいるなすぎないというわけです。
なるほど、その通りだ。これは本に限らず、たとえばtwitterなんかでも、無意識のうちに自分に合った言論を発信する人ばかりをフォローしてはいないだろうか?そのような状況下では、既に自 -
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ダメな議論とは、誤った議論、無用な議論、有害な議論なのだそうだ。
そのチェックポイントを四つに分けて提示していた。
一、定義の誤解、失敗はないか
二、無内容または反証不可能な言説
三、難解な議論の不安定な結論
四、単純なデータ観察で否定されないか
そのうち、非専門家には、一と二をまずせよ、とのこと。
たしかに、定義の確認からやってみよう、とは思う。
もっとも、やってみるときっとそれすら難しいだろう。
定義されるべき言葉と、必要ない言葉をどう線引きするか。
「正しい定義」(本来、定義は「正しい」ものであるはずなのだけれど)を、何に依拠して見分けるか。
やはり、調べるなどの手間を嫌がってい -
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筆者がまとめている問題解決の方法を、さらに単純化してまとめると、こうなりそうだ。
・問いを確認可能なレベルにまで分割する。
・問題に関係ありそうなデータを観察して作業仮説を作る。
・データで検証する
・総合してまとめる
問いの分割に、またMECEが出てきた。
MECEは、前やってみたけれど、実際にはそう簡単にはできない。正しくできているか心もとない。
ほかの本では、真面目に「もれなく、ダブりなく」を説かれるので、とてもハードルが高いのだ。
ここでは、少し現実的に、二つのティップスが提示されていて、ヒントになった。
それは、「性別、年齢など明らかなもの」で階層を作ること。次に、「AとA以外の