飯田泰之のレビュー一覧
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正解は容易に見つけることが出来ないにしても、ダメな議論は見抜くことができる。
・定義の誤解・失敗はないか
・無内容または反証不可能な言説
・難解な理論の不安定な結論
・単純なデータ観察で否定されないか
・比喩と例話に支えられた主張
という五つのチェックポイントでダメな議論を除いていけば、残った議論は有用である確率が高くなる、というわけ。
特に2番目の「無内容または反証不可能な言説」は間違ったことを言ってるわけじゃないだけに「それは何も言ったことにならないダメな議論だよ」ってわかるかどうかが大事だと思う。「定義の誤解・失敗」や「比喩と例話」のダメな議論もそうだな。
とにかくこのチェックポ -
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ダメな議論を機械的に見破り、論ずるに値する議論を選別する方法が述べられている。
実際にこの本に書かれているチェックポイントを使うと、容易く怪しい議論を見抜く事が出来る。短期間に著書を大量に出している著名人や、テレビでコメンテーターとして活躍している、怪しい肩書きの学者などが展開している議論は、大抵このチェックポイントに引っかかる。政党が掲げているマニフェストの論拠も引っかかる。
この本を読めば、いかに自分の周りにダメな議論が渦巻いているか、そしてそのダメ議論やダメ議論を信奉する人に振り回されているかが良くわかる。しかし、怪しいと思う議論に出くわしても、わざわざ裏を取ったりデータを引っ張り出 -
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日本の貧困問題について、経済学の立場から切り込んだ本です。
この本を読んで、自分が経済学についてわかっているようでわかっていないこと実感。
いろいろな政策がある中で、経済的合理性の視点で確認する必要があることを感じました。
それと正規・非正規問題では、正規の雇用条件を悪く(解雇しやすくする)方向での解決策を考えていたけど、それでは受け入れられないから、他の方策を検討すべきというのは示唆に富んでいると思う。
それにしても、贈与税や相続税減税は消費を減退させるって本当かな?大前研一さんも主張しているぐらいだから消費の活性化になると思っていたんだけどね~ -
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タイトルそのものの答えは、「日々社会は進歩→新しい価値を生み出さないと人が余る→成長そのものが社会を支えるために必要」というとこでしょうか。やっぱり少し詭弁かなと感じてしまう…
Anyway, コーディネーターの経済学者が私より若いことに驚きました。キレのある文章を書くなー。論理構成やスタンスは賛同できますが、あらまほしき社会像というのはやはり個々違うのかな。
それから、「年越し派遣村」を主催した湯浅誠さんのインタビューは面白かったです。単なる活動家ではなく、思想背景の部分や現実の戦略に落とし込む際の葛藤(「いかに中流階層に共感してもらうか」)などを垣間見ると、優れた人なんだろうなぁと思いまし -
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知の生産と流通を大学という特権的な場から解放して、現代人の生活にもっと身近なかたちで展開することを組織目的とする「シノドス」が、現代社会を多角的に検討する「知」の交流スペースにおいて、経済政策、マクロ経済学者の飯田泰之氏、内閣府経済社会総合研究所主任研究官岡田靖氏、フリーライターの赤木智弘氏、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠氏との対談を行い、その内容をまとめたのがこの作品である。
連続対談では高度経済成長、若年失業問題、貧困問題を経て論壇における経済学の役割と多岐にわたったものである。
何が貧困を救うのか、反貧困運動の最前線に立つ運動家と、経済学者が説く経済学的な合理 -
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貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ
飯田泰之と他参加者との対談という形式
対談=話し言葉なので読みやすい
飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)
…高度成長時代のまとめ タメになります
飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)
…赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな)
飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)
…湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法 -
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本書には、現代経済学にあっての「期待」ーー将来と現在との対比によってほとんど変わらないのか、あるいは、インフレになっていくだろうという漠然とした予測ーーーーの重要性が歴史的な事象(昭和恐慌、江戸時代の各改革、幕末期の金流出な、第一次大戦後のハイパーインフレ)に照らして論じられる。歴史経済学のおもしろさを啓蒙してくれる意味で、マクロ経済学の意義と金融政策について解説してくれるので面白く読ませてくれる。特に、一部の1920年代のオーストリアのハイパーインフレーションの終焉に果たしたインフレについての「期待の転換」によるインフレの終焉の論証は、格別なものがあった。マクロ経済「素人」には活目してみる
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経済学的思考の技術
「知る経済学から、使える経済学へ」の導きへを唱える意欲的な経済書籍である。
経済的な取引・契約が行われる状況を纏めて「市場」という。
取引の「買い手」「売り手」が特に情報の格差がない、といった状況を「完全競争市場」という。
モラルハザードはあくまで「契約後の行動監視等が出来ないことの問題」と定義されており、倫理・道徳とび直接的関係は無い。
複数の均衡が存在する場合、「期待」の働きが経済状態の決定に主要なキーとなる。
フローは、一定期間での状態の変化量
ストックは、一時点での存在量
財政赤字 政府資産には、有価証券などの処分可能性の高いものが含まれている。
国の重要資産で -
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経済学を浅く広く解説する本
まあこんなものかなあという感じ。単語の説明が多く見えるのは広い文しょうがないか。
これを読んでわからない単語について調べると詳しくなれる。
ミクロ経済学:競争市場、均衡価格、限界効用、比較優位説、市場の失敗、独占、外部不経済、公共財、ゲーム理論、情報の非対称性、行動経済学、割引率
マクロ経済学:GDP、産業関連表、経済効果、ケインズ型消費関数、ISーLMモデル、金融政策、財政政策、買いオペ、インフレターゲット、フィリップス曲線、スタグフレーション、自発的失業、
量的経済学、統計、代表値、回帰、RCT、検定、パネルデータ、 -
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新書形式の経済学の入門書です。
著者はすでに『飯田のミクロ 新しい経済学の教科書1』(2012年、光文社新書)および『マクロ経済学の核心』(2017年、光文社新書)を刊行していますが、本書はミクロ経済学、マクロ経済学に計量経済学を加えた三部構成になっているところに特色があるように思います。
本書では、説明することがらを絞り込んで、具体的に経済学的な考え方がどのように活かされるのかという点に読者の興味を向けようとしています。たんに経済学がどのような学問なのかということを簡潔に示すだけにとどまらず、経済学を学んでみたいという意欲を喚起することにも成功しており、入門書としての役割は十分に果たして -
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著者は「この本の最終目標」として、「「経済学思考」を身につけそれに基づく経済原則を知り自分の手で現実の経済・ビジネスを考える実践力を身につける」と述べています。
第一章では、ロジカル・シンキングについての解説がなされています。つづく諸章では、問題解決のための方法として経済学的な考え方をどのように使いこなせばよいのかということに焦点をあてつつ、経済学の基礎的な考え方が解説されます。とくに第四章では、平成の大不況の原因を突き止め、その処方箋について著者自身の考えが示されています。
2003年に刊行された本で、デフレからの脱却という読者に身近なテーマに対して、基本的な経済学の考え方がどのように有 -
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地方再生に関しての本。クマモンやB級グルメの意味のなさを語ってる点は面白かった。
クマモンについては、わざわざ東京からくまもんに会いにいく人は少ないわけで、基本は県内の人たちの盛り上がりとなる。同じ区域内で消費が行われる事は悪い事ではないが、大事なのは区域外からのお金を入れる事。
商売でも何でもそうだけど、人のポケットから自分のポケットにお金を入れる事が構造で、それを自分のポケット内でやっても意味がない。
つまり、全て国内消費だとすれば、日本国内でのお金をどれだけ自分のところに集められるか?というのが、地方再生には大事という事だ。
B級グルメについては、県外からの人を集めて開催しても、 -
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占い師のような感覚で話すのではない、正しい議論に必要なものを解説する本
個人的にはこの本にあるような感じで話したいと思いつつも
コールドリーディング的な説得術が現実問題うまくいく例も多いので難しいところ。
でもまあ自分だけでもチェックポイントを意識して議論に望むようにはしよう
裕福・高い地位にいる人ほど「成功するかどうかは才能・努力によって決まる」と信じやすい。
占い師のコールドリーディング
ラポールを築く、ストックスピールで信頼を深める。悩みのカテゴリを探る、悩みの核心に迫る、未来の出来事を予測する。
議論のチェックポイント
単純なデータ観察で否定されないか:イメージとデータが違う時が