経済学的思考の技術
「知る経済学から、使える経済学へ」の導きへを唱える意欲的な経済書籍である。
経済的な取引・契約が行われる状況を纏めて「市場」という。
取引の「買い手」「売り手」が特に情報の格差がない、といった状況を「完全競争市場」という。
モラルハザードはあくまで「契約後の行動監視等が出来な
...続きを読むいことの問題」と定義されており、倫理・道徳とび直接的関係は無い。
複数の均衡が存在する場合、「期待」の働きが経済状態の決定に主要なキーとなる。
フローは、一定期間での状態の変化量
ストックは、一時点での存在量
財政赤字 政府資産には、有価証券などの処分可能性の高いものが含まれている。
国の重要資産である「税金を徴収する権利」が、存在する。
今現在からさらに新たな借り入れをしない場合、政府債務は利子率分毎年増加していく。それに対して税率を一定に保った場合の税収は、経済の成長率から決まってくる。すると、利子率が成長率を上回る限り、増税や歳出削減などの措置なくしては、政府債務/GDP比率は拡大し、財政は維持できなくなる。
「名目成長率が名目利子率より低い」状態では、いつか財政政策を引き締めざるを得なくなる。
実質○○率=名目○○率―価格指数の変化率(インフレ率)
経常収支の黒字=資本収支の赤字
経常収支は財・ザービスが、資本収支は債権が出て行ったほうが多いと黒字、入ってきた方が多いと赤字。
生産=消費+投資+政府支出。
生産+輸入=消費+投資+政府支出+輸出。
生産=消費+投資+政府支出+輸出−輸入。
生産=支出=分配の三面等価。
経常収支=生産-(消費+投資+政府支出)。
経常収支=(貯蓄−投資)+(税金−政府支出)=(貯蓄−投資)+(財政収支)=生産-(消費+投資+政府支出)=(貯蓄−投資)+(財政収支)。よって、財政収支が赤字ならば経常収支も赤字傾向になる。80年代米国、21世紀現在の米国経済の状態、しかし日本は、貯蓄が非常に大きく、投資をしのいでいるので、財政収支が、赤字でも、経常収支は黒字となる。
構造改革の景気回復路線の勘違い、もしくは、誤謬
最終章に為替円安リフレ策、国債引受リフレ策。通貨発行益を使ったりリフレ策の各々の検討がなされる。