本書は、科学技術の進歩によって生じた弊害に焦点を当て、原発やBSE問題、公害など様々な問題を見ながら、科学の在り方、政府や専門家任せにせず、自分たちが情報リテラシーを身につけ「科学技術と社会」のこれからを考えるべきだと論じている。
本の構成は、問題提起が明確で、段取りや例示を多用して分かりやすく書
...続きを読むかれていた。あるコンソーシアムで「研究目的が明確なものはその後の展開も良い」「目的を見れば内容の良し悪しが分かる」と聞いたことを思い出した。
各章末に参考文献が示されているので、次の学びにも役立つ「科学技術と社会」の入門書として読めた。
表題の答えとしては、科学は立場や経済的利潤を先行させがちな政府や専門家だけのものではなく、市民が自分たちの生活から社会的に見て考えるべきだということがメッセージではないかと思う。物事を鵜呑みにする前にまず考えることの重要さを実感できる良書