中川恵一のレビュー一覧
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健康診断はとりあえず受けておくと長生きできる。現代医療は数値化された物しか見ていないから患者の個性や痛みに鈍感である。病院では不調があればどんどん医者に訴えるべし。ガンは抗がん剤治療や延命治療なとぜず緩和ケアだけならピンピンコロリとも言える。歯ブラシだけでなくフロスが大事。世界中で虫が9〜8割減った。大脳の発達により人間だけが死を怖がるようになった、などなど、養老先生と中川先生による病気と病院にまつわるお話。
いつも変わらぬ安定の養老節だった。自分の病気すらネタにして鬼のように本を出しまくる養老先生も面白いし、本を出されたらやっぱり読んでしまう読者も面白い。理屈じゃない引力でもって読んでしま -
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ネタバレ・読みたい『ライフスパン追いなき世界』
・一般に5年たって再発がなければ治癒したとみなされる
・死というのは、自分の問題ではありません。よく死を自分の問題と錯覚している人が多いのですが、自分は死んでしまうのだから、問題になりようがありません。
・市区町村のがん検診は低額で受けられます。自治体によって金額は異なりますが、500円~100円くらいの自己負担で済みます。
・(前立腺がんは)過剰な治療を避けるため、早期の前立腺がんに対しては「監視療法」が国際的な標準治療になっています。具体的には3~6か月ごとの直腸からの触診とPSA検査、および1~3年ごとの前立腺生検を行い、悪化していなければ経過観察 -
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これを読んだのは、だいぶ若いときだった。だから、がんについてあまり考えたことがなかったし、非常につらい病気だと思っていた。でも、本書を読んで、考え方が変わった。
まず、日本にはモルヒネに対する強い偏見がある。モルヒネは血液中に入ると危険だが、口から飲む分には安全である。これでがんの苦しみのほとんどは軽減されるという。
また、がんは死ぬまでに時間がかかる病気である。だから、人生の整理ができる。がんで亡くなった樹木希林さんもこう語っている。
「ガンになって死ぬのが一番幸せだと思います。畳の上で死ねるし、用意ができます。片付けしてその準備ができるのは最高だと思っています。」
つまり、これからの課題は -
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東京大学医学部の放射線医である中川恵一氏が、福島第一原発からの放射線被曝の影響についてまとめたもの。
放射線の話になるとエキセントリックな反応を示す人が増えるが、以下のいくつかの点を忘れてはいけないと思う。
1.原発からある程度(避難を考えなくていい程度)離れたところに住む人間にとっては、放射線はなければないほどいいものであること(したがって、判断も1次元的になりがちである)
2.原発の近くに住む人間にとっては、避難をすることによるリスクの増大や、経済的なことなどを含む生活すべてへの影響との勘案が必要であること
この前提に立った上で本書を読むと、筆者が医者としてガンになるリスク全体を考え -
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「チーム中川」の中川先生の本。これは読むべし。
長生きのおかげで,いまや日本人の2人に1人が癌になり,3人に1人が癌で死ぬ。しかるに核家族化と稀薄な信仰心のため,日本人は自分や家族の死について考えることを避ける傾向にある。そして日本は癌検診が普及していない。心の準備不足のところに突然癌の診断が下ったら…。それを避けるために,いくつかの想定事例をもとに,癌についてよく知っておきたい。そんな本。ちなみに昔と違って,今はしっかり告知がなされる。標準治療が確立して,癌が治る病気になったから。
癌についてはいろいろ俗説があるが,それをまずバッサリ。癌は家系よりも生活習慣の影響が大きい,焦げを食べても -
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がんについての必要なことをまとめた、小冊子的な本。
著者は東大病院放射線科准教授。
ガンがDNAのコピーとして発生する仕組みと自己からできたので、免疫機構がそれを発見できないこと、生活習慣などで改善できることを述べている。
治療には、全体に行う化学療法と、部分の手術や放射線治療があることを述べいている。
がんの検査も、「腫瘍マーカー」、「画像診断」(X線、CT,MRI)、PET(陽電子放射断層撮影)などもある)「病理検査」がある。
癌治療の「根治」(完治)、「延命」、「症状緩和」を目的として3種類を混ぜた「集学的治療」もある。
がん全体のことを知るには良書である。小さいが話は詰まって