中川恵一のレビュー一覧
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被ばくによる発ガンリスクに関して、臨床医としてわかりやすく教えてくれる。必要以上に怖がり過剰反応することの愚かさを詳らかにしてくれている。
驚きなのは、発ガンリスクを比べると運動不足は200〜500ミリシーベルトを浴びるのと同じ程度の発ガンリスクがあるということ!喫煙と毎日3合以上のお酒は2000ミリシーベルト以上と同じ!
また面白いのは原爆が投下された広島は女性では世界一長寿の都市であり、一方原発事故のチェルノブイリは平均準用が下がっていること。チェルノブイリは年間の被ばく線量が5ミリシーベルト以上となる地域の住民に強制移住がなされた。移住による精神的なストレスが大きく影響したものと考えられている。結局は伸び伸びとストレス無く普段の暮らしを送る事が一番良いということ。 -
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ネタバレチェック項目12箇所。放射性物質は水銀のような重金属とは異なり、体内に取り込んでも代謝や排泄によって体の外に排出されます、これは重金属との決定的な違いです。カリウム40によって、年間0.2ミリシーベルト程度の内部被ばくが起こります、100年生きると、20ミリシーベルトにも達します、野菜を食べるほど、内部被ばくが増えるわけですが、野菜はがんのリスクを大きく減らすことが知られています。チェルノブイリでは、食品の摂取制限が行われていませんでしたから、セシウムによる内部被ばくも起きてしかりです、しかし、何らかの病変があったかというと、セシウムが原因と考えられる発がんは確認されていません、ヨウ素による小児甲状腺がんがわかったのみで、セシウムによる影響は認められていないのです。そもそも、がんの原因はなんでしょうか、おおざっぱにいいますと、3分の1がタバコ、3分の1がお酒や食事といった「タバコ以外の生活習慣」です、残りの3分の1は「運」といってもいいでしょう、どんなに理想的な生活を送っても、がんを完全に防ぐことはできません、いまの福島での放射線量は、健康に影響のない低いレベルに落ち着いています、今の放射線量のもとで暮らしても、がんは増えないと申しあげます。アルコールそのものに発がん性はありません、しかし、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドに発がん性があります。原爆で100ミリ~200ミリシーベルトの放射線を浴びた集団は、浴びていない集団に比べてがんになるリスクが1.08倍でした、生活習慣によるリスクと比較すると、1日1箱タバコを吸うご主人を持つ奥さんの受動喫煙による発がんリスクや野菜嫌いな人の発がんリスク(野菜を食べる人と比較して1.06倍)より、わずかに高いレベルです(喫煙は1.6倍、毎日3合以上の飲酒も1.6倍)。科学的には100ミリシーベルトより低い被ばくで発がんの増加は確認されていません、たとえリスクがあったとしても、検出できないくらいわずかなものだということです。広島の女性の平均寿命はなぜ日本一か(平成17年)……無料で医療を受けられる効果は絶大です、特に、被ばく量の少ない”入市被爆者”(原爆投下の後に市内に入った被爆者)の場合、充実した医療が効果を生んだ結果、円国平均より長生きになりました。当時、放射線に関する知識は一部の専門家以外は持っていませんでしたから、原爆投下後も、広島・長崎の人たちは放射線が「危ない」「怖い」ものとは考えていませんでした、放射線に怯えながら、不自由な避難先で暮らす、ということがなかったのです。細胞分裂の盛んな子どもでは、遺伝子が放射線の影響を受けやすく、がんができやすいこともあり、小児の甲状腺がんがふえてしまったわけです。セシウムは、カリウムに近い「アルカリ金属」で、体内に取り込まれると、カリウムと同様、全身の細胞にほぼ均等に分布します、外部被ばくとほぼ同様の「全身均等被ばく」になります、1ミリシーベルトの被ばくといったら、人体への影響は一緒です。
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Posted by ブクログ
地震による原発事故以来、生活にいろいろな影響を及ぼしている放射能。いくぶん落ち着いてきたかにもみえるが、いまだ故郷に帰れない人もたくさんいるし、ものすごく敏感な反応を示す人とそうでもない人がいて、本当のところはどうなのか?と思っていたが、書店でこの本をみつけ読んでみた。放射能に関したくさんの本が出ていたが初めて手に取る気になった本だ。それは題名から、事故での放射能の身体的影響はどれくらいあるのか?という疑問に答えてくれそうな気がしたからだ。言いかえればさほど気にすることではない、というのを言ってほしい、それを活字で確認できるのでは?という期待からだ。
放射能を気にして故郷を離れ西に移住したとか、そういう行動をとるのは「正確な情報の欠如」からだという著者。身体的影響はむしろ、環境の変化などのストレスなどの方が大きいとも言う。ヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどの特性、半減期などをわかりやすく解説し、広島・長崎・チェルノブイリの例も交え、身体的への影響はどうなのか?を解説している。放射能問題とは「がんになるかどうか」だと言う。身体に影響のある基準値に対して、いろいろな考えがあるようだが、そして残土処理の問題は解決していないが、基準値に対して著者は現在の状況は安全だと言っている、と受け止めた。
もちろんリスクがゼロではなく、除染は必要だし含有率の高くなりがちな山菜やきのこは避けるなどの方策は必要だが、リスクと折り合いをつけつつ生活を平常に戻す必要性がある、と言っている。放射能の流れの図上でまさに風にながれた辺縁に住んでいるのだが、ほとんど無頓着に生活していて、まあいいではないの、というのを確認した状態。しかし同じこの本を読んでも、安全を確認したいと思って読む人と、いや危険だろうと思って読む人とでは読後感はちがうだろう -
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ネタバレこれを読んで納得できなかったら、西日本でも国外でも逃げられた方がよいと思います。
基本的には中川教授が言い続けていることをまとめた本であり、これはというのはないのですが、ICRPの基準値の考え方だったり、どのようなことが問題なのかということであったり、実際どうすべきかということが丁寧に書いてあります。
放射線の被害については不明なところも多く、ICRPの基準があくまで「ほぼ大丈夫だろうという合意の基準」であるというのは留意すべき点だと思います。
また、放射線による発がんリスクの上昇が他の要因と比べてどうなのかという説明もあり、非常に丁寧です。
ICRPやロシアのチェルノブイリに関する報告をうのみにし過ぎという話もありますが、ICRPに関しては前述の通りですし、チェルノブイリに関しては、信じられないなら反論を出してほしいという感じです(本や映画の題名しか引っかからないチェルノブイリハートは信用できません)。
こういう本はきちんと放射線の恐怖を煽る本と並べて置いてほしいです。
3つの書店に行ってようやく見つけたぐらいですから。