中川恵一のレビュー一覧
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ネタバレこれを読んで納得できなかったら、西日本でも国外でも逃げられた方がよいと思います。
基本的には中川教授が言い続けていることをまとめた本であり、これはというのはないのですが、ICRPの基準値の考え方だったり、どのようなことが問題なのかということであったり、実際どうすべきかということが丁寧に書いてあります。
放射線の被害については不明なところも多く、ICRPの基準があくまで「ほぼ大丈夫だろうという合意の基準」であるというのは留意すべき点だと思います。
また、放射線による発がんリスクの上昇が他の要因と比べてどうなのかという説明もあり、非常に丁寧です。
ICRPやロシアのチェルノブイリに関する報告 -
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ネタバレ日本人(40代以上)の死因第一位の「がん」や、がん治療について、新たな視点や考え方を得る事が出来た。がん治療の功罪についても考えさせられた。
宗教や死生観、哲学の分野にも踏み込んでいるが、宗教については恐らく著者が無宗教のためか解説がお粗末な感は否めない。がんという、緩やかな死・人生のタイムリミットが見える死に方を前に、一人ひとりが死や死後の世界などについて考えされられる事は不可避である。その答えは一人ひとりが出すしかないのであろうが、本書は死や死に方について、人生について考え始めるきっかけになる。日本人は死から目をそらし「ピンピンコロリ」の死に方を希望する人が多く、逆にアメリカ人は死の準備が -
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放射線についての基本的な知識と概念について中学生位でも判り易く説明した本。
あの事件から日本人はヤケに放射線について詳しくなった。
でも、その詳しくなった知識の中には嘘や勘違いも多分に含まれているハズです。
本書は、放射線治療の専門家である著者が「正しく基本的な」放射線の知識を纏めて大抵の人に理解できるようにマトめた内容です。
確かに嘘や勘違いの修正には役立ちましたが、本書の内容は「基本的」でもあるので、基本的にニュースやインターネットで大抵の人は知っているような内容が殆どです。
そう言った意味では、新しい知識を期待するのでは無くて「おさらい」程度のつもりで読むのが良いかもしれません。 -
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放射線の影響について、イメージ図や例え話をふんだんに使って説明されています。書かれたのが5月10日現在なので、かなり最近の事情まで触れられています。
この本がもっと多くの人に読まれれば、放射線を正しく怖がり、
将来に向けてじっくりと考える人が増えるのではないかと思いました。
叩くのも大事ですが、何も進まないし、なんだか満足した気になっちゃいますしね。
あとがきを読んでいて、
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日本人男性の6割近くが、生涯に一つ以上のがんになります。しかし、私はがんになった患者さんは「格上の人間」だと思っています。今や、がんの半分以上は完治しますから、「不治の病」ではありません。しかし、いまだに「 -
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人は必ず死ぬ。
それも多くの確率で「がん」で死ぬ。
そして図らずも原発事故、放射線によるがんの発症については科学的根拠の乏しさなどが指摘されているが、それでも今後一層、「がん」がナーバスな存在であることに変わりはない。
今でも十分にありふれた存在ではあるが、そんな世の中で「がん」を知らないのはあまりにも滑稽だ。
そこで本書を手にした。本書に求めたものは以下の2点だ。
・がんの苦痛について
・残りの人生の過ごし方について
幸いにも近親者ががんを患ったことがないため、本当にこの2点すらわからなかった。まさに練習帳を求める読者だったわけだ。
まず、1つ目の苦痛についてだが、かなり緩和されるとい -
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こちら、筆者がかかれてましたが、確かに学校教育(もちろん義務教育)で取り上げた方がいいかも、と思うような内容でした。
日本は長寿国だから、二人に一人はガンで死ぬ現実。なのに、日本人はガンについて知らなすぎるし、知ろうともしないと。
今の日本には、戦争もないし、飢餓もないし、「死」ということがあまりにも現実感がなくて、下手をしたら「死なないんじゃあないかな?」なんて本気で思えそうな世界ですが、事実、人間は死ぬ。それも、二人に一人はガンで、という現実。
ガンについての基礎知識が、この本には分かりやすく書かれていて、知人や親類や自分自身がガンと関係なくても、一度くらいは読んでおいて損はない -
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ワガママな患者だと言われる養老孟司。この位の年になると養老先生に限らず、ワガママにもなるだろう。ただ、娘に仕事を手伝って貰い、教え子に治療して貰えるという境遇は恵まれている。幸せな人生だなと思うが、今回は本人もその有り難みを強く感じたようで。
がんの発見、転移の有無に関しても、養老先生は運が良い。その運の良さが読者を落ち着かせ、そのワガママさに人間味を感じ、温かい気持ちにさせる。人は弱った時こそ、支え合う大切さ、支えて貰う有り難みが身に染みる。病気に対しては、素直に向き合わなければ治療は進まない。人に頼る。素直になる。それはとても穏やかな仕草だ。本書でそれを垣間見る。
ー 興味深いのは、今 -
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心筋梗塞から4年、養老先生87歳…。背中の痛みと娘の暁花さんのすすめもあって受診したところ、肺がんが見つかります。差し迫った虫供養法要に参加したい思いを伝えたうえで、抗がん剤治療を受けられます。
やっぱり、どこか達観してらっしゃる様子が印象的です。死ぬときは死ぬんだから…みたいな感じ、逆に養老先生の教え子で現在は主治医ともいうべき中川先生は、養老先生はいつも絶妙なタイミングで受診されとおっしゃってます。養老先生ももう、高齢ですしね…、でもまだまだやりたいことはあるんですよね!これからもお気をつけて、過ごしてほしいと思いました。
で、やっぱり「まる」のこと、ユニクロチャリティTシャツプ -
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あの養老先生が再び病院へ行きましたって…!まぁ、前作からも、医療システムに自らが取り込まれるのがイヤと、なるべく医療とは距離をおいていきたい、1週間様子をみて体調が変わらず悪いようなら受診するとおっしゃってましたからね!でも、今回の受診は、中川先生の顔を建てるために受診したような感じです。
ヘモグロビンA1c が、養老先生の年齢と同じ8.4って(゚д゚)!でも、16時間断食を実践することで数値に改善がみられたらしいです。16時間の断食って…私には無理だなぁ!!適度な運動と、過食を控える…といっても、普段から虫の採集で動いているし、過食なんか年取ってからできないし…といった理由かららしいで -
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養老先生のことを、もっと知ってみようと思った私が手にしたのがこの作品です。養老孟司先生は、1937年生まれ…お元気ですよね!東大医学部卒で医師免許を得るも臨床の経験はなく解剖学の分野で活躍されたらしいです。実は、生物学にも精通され、虫の分野ではスゴイ方だったんですね…。
という、養老先生ですが、医者嫌い…50代後半で受診して以降、検査も受診もされていなかったけど、なんだか調子が悪い、そういえば体重も昨年から比べて15㎏も減ったと、26年ぶりに病院に受診されます。そこで、かつての教え子だった中川先生から、心筋梗塞であるとの診断を受けて入院することになってしまいます。
最低限の治療をして