中川恵一のレビュー一覧
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がんとその治療法をわかりやすく解説した本。タイトルから伝わるイメージはこんなところだろうが、本書はそれだけにとどまらない。山積する医療問題から日本人の死生観まで言及している。
世界一のがん大国と言われるのに日本国民のがん治療のリテラシーは低い。著者はその原因を日本人の死生観の変化、すなわち、日本人は死ぬことなく永遠に生きる感覚に陥っているため、がんから目を逸らしているのではないかと指摘する。
「死=悪」、あってはいけないものと考え、医療に完全性を求める患者たちが医療訴訟を増加させ、過酷な勤務医、特に産科と小児科の減少に拍車をかける。昨今の健康食品、アンチエイジングブームも日本人の死生観の変化が影響しているという。
「がんもそんなに悪くない」「死ぬならがんがいい」と主張する著者は、がんの解説を通じ私たちに死について再考するきっかけを提供したかったのではないだろうか。 -
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■がん
1.がんに関する迷信:a.食べ物の焦げは、がんのモト。ドンブリいっぱいの焦げを毎日食べない限り問題ない。 b.日焼けは皮膚がんのモト。メラニン色素の少ない白人と違って、日焼けはあまり気にする必要はない。むしろ、活性型のビタミンDが作られて、がんを予防する効果がある。
2.日本人のおよそ2人に1人が、がんになり、3人に1人が、がんで亡くなっている。
3.がん細胞は健康な人の体でも1日に5000個も発生する事がわかっている。
4.肉食によって血液中のコレステロール値が高くなると、性ホルモンの分泌も盛んになる。その結果、性ホルモンの刺激により、前立腺がん、乳がんが増えていると言われている。 -
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これは素晴らしい本です。
受験、恋愛、就職にハウツー本があるように、本書はがんのハウツー本です。
2人に1人ががんになる時代なので、がんについて予習しておくことは役に立つことだと思います。
①働き盛りに肺がんと告知された男性
②切除か温存かに葛藤する乳がんの女性
③男性機能障害に直面する前立腺がんになった63歳の男性
といった事実をもとにした6つの物語から、患者の気持ち、家族の気持ち、医師との関係などなどがリアルに描かれています。
もし自分ががんと告知されたら、家族ががんと告知されたら、
どんな治療法を選ぶのだろう、どんな心境になるのだろうと考えておくまさに、練習ができます。
私自身、医療用麻薬、モルヒネって聞くと、副作用がきつくあまりよくないものだと思っていましたが、
本書を読み考え方が変わりました。
がん治療には激痛が当たり前だと思っていましたが、
痛みを我慢するのではなく、医療用麻薬を使って痛みを緩和する治療が当たり前の医療になって欲しいなと思いました。 -
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現場からは以上です、みたいな内容でした(^.^)
養老孟司さんは東大病院に30年間も勤めていたのに、当時の権威主義に嫌気がさしていて、行かなかったのだが、2020年に心筋梗塞を発症させて入院した。その時のことは『養老先生、病院へ行く』に、その後の様子を『養老先生、再び病院に行く』として著されている。そして、今回は娘さんのマッサージにより肺がんが見つかった。
この本はがんになった本人だけでなく娘さんや担当医の先生たちによるエッセイ?報告?も入っていて、あっさりと読めた。養老さんの老いやがんに対する考え方もさらりと織り込まれていて、死に直結する病ではあるが、淡々と過ごしているように見える。また、リモート流行りではあるが、死を悼む事は、リモートでやる事ではないと断言している。直接の対話や体験の大切さを問うていると思った。
また、現在の病院は昔とは様変わりしていて、東大病院も権威主義ではないと若い医師は主張する。共著の中川医師は、「東大病院も変わった」と養老先生に言われて素直に嬉しかったと語る。患者の幸せを願って診療することが医師のつとめだろうとも。
この本は現在の医療現場の報告でもあるし、どのような診療を受けたいのか患者が選ぶことの大切さを訴えているように思う。 -
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ネタバレ「宗教なき時代の死の需要」
がテーマでたくさんの方を看取った経験がある医師が書いておられる
本の中では、一神教と日本の宗教間の違いなどは書かれているけど、一神教(イスラム教やキリスト教)が何なのかいまいちわかっていないので、そんなに日本はダメなのかなぁよくわからないなぁと思ったキリスト教やイスラム教の人は死が怖くないのかな???そこはハテナマークのままでした
初めから
宇宙の成り立ち、生命の成り立ちを細かく書いてくれていて、人も宇宙の一部で死んでも元に戻っていくだけ、不死身とかはないと言う表現はすごく納得できた
人間の体も、常に細胞が死んでは生まれ変わっていて
何を持って死するのかも確かによくわからんなぁと思った
単細胞生物なら踏まれたり焼かれたりしたら死ぬけど、人間もそう言われたら単細胞生物のような細胞の集合体
死ぬことを恐れるのはで人間だけ
大脳が大きくなりすぎたせいだと
それはすごく、納得してしまって、次の世代に命を繋いだら、死んでもいいと思える生物としての本能が、大脳によっておかしくなってしまった?のが人間なんだなと
子育てが終わったら、害にならないように生きていきたいなー
欧米ではガンで死にたいという人が多く、著者もそうだと書いてあるけど、
文章の後の方では間で死にたい人はいないでしょう、と書かれていて???となった
どうせ死ぬならガンがいい を読んだ直後だったのでこの人もガンで死にたいのか!私も!と思ったけどどうやら違うらしい
そこらへんよくわからなくなったので⭐︎4にしました(それ以外はとてもいい本です!)
死の練習が昔はできたけど(いろんなところで死を経験した)今は病院等に隔離されてしまっているから、つらい、怖い、縁起でもないとなっている
死の予習は大切
死に方を選べなくなった国、日本
というテーマの部分はすごく共感するところがあって、医療との付き合い方を含めて今からでもどう死にたいかは考えていかないといけないテーマだなぁと思った
最後にダイジェスト版みたいなところがあるので、そこから読み始めてもいいかもしれません -
Posted by ブクログ
養老孟司氏を中心につながったがん患者と医師の3名が、それぞれの立場からがんについて各々論じ、彼らの鼎談も含めて編集された1冊。
患者である柏木博氏からは、がんに診断されたときのかかりつけ医とのコミュニケーション不全が自身の不安が助長された、という点を自らの闘病記の中で語っている。かかりつけ医とのコミュニケーション不全を経て不安に思った柏木氏が旧知の養老孟司に相談したことから、氏の教え子にあたる東大病院の中川恵一氏と出会い、治療がスタートしていくが、同氏も医師として、チーム医療のような体制を整備して患者とのコミュニケーションの総量を増やすことの利点を主張する。
そのほか、中川氏からは日本人のヘルスリテラシーのあまりの低さに対する警鐘や、がんをきっかけに生き急いでいるかのようだった自身の生き方をスローダウンさせたという柏木氏の体験談など、がん体験を巡る良質な一冊となっている。